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Tess of the d'Urbervilles [文学 イギリス Thomas Hardy]


Tess of the D'Urbervilles (Wordsworth Classics)

Tess of the D'Urbervilles (Wordsworth Classics)

  • 作者: Thomas Hardy
  • 出版社/メーカー: Wordsworth Editions Ltd
  • 発売日: 1997/08
  • メディア: ペーパーバック



Thomas Hardy作Tess of the d'Urbervillesを読み終わった。3週間弱で読み終えられた。DickensやAustenよりはるかに読みやすい英語であったとは言え、貧しい階級を描いた作品なので、会話表現などでわかりづらい部分もあり、初めのうちは若干読み進めるのに苦労したが、段々とスピード感をもって読めるようになった。

Tessという農家の貧しい美しい娘の悲惨な生涯を描いた作品。
彼女は親戚関係にあると言われるd'Urberville家に奉公に出され、そこの息子のAlecに言い寄られる。Alecは執拗にTessに性的なアプローチをしてくるが、彼女は相手にしない。しかし宴会があった夜、家に帰る途中の森で、Alecに犯される。
その後、ずるずると関係を続けるが、そんな関係が嫌になり、Tessは実家に帰る。
しかし実はTessは身篭っており、ひとりで子供を産む。が、その子も産まれてすぐに死んでしまう。正式な結婚で生まれた子ではないので教会ではお葬式もあげてもらえない。
その後、牧場で働き出したTessは金持ちの息子Angelと知り合いになる。彼はAlecと違い、誠実な若者でTessに交際・結婚を申し込み続ける。しかしTessはAlecとの忌まわしい過去があるのでどうしても受け入れられない。さらに何度もその過去をAngelに打ち上げようとするがなかなか最終的には言い出せない。
そんなTessもAngelの熱意に負け結婚することになる。
が、結婚前に過去を伝えておきたい彼女は手紙の形でAngelに伝えようとする。夜中、手紙を彼の部屋にそっと入れ朝を待つ。次の日の朝、態度の変わらぬAngel。自分の過去は受け入れられたのだと思い、気持ちが晴れやかになる。しかし、実はAngelは手紙を読んでいなかった。
結局打ち明けられないまま結婚してしまう。その日の夜、お互いの過去を告白し合う。
まずはAngelが若い頃、ある行きずりの女性と2日間愛し合うがすぐに嫌気がさし別れたことを告白する。
その行為をあっさりゆるしたTessは当然自分の罪も許されるものと思い告白するが、Angelは受け入れられずBrazilに去っていってしまう。
一人になったTessは父親の死などもあり、貧乏のどん底へ。そこに再びAlecが現れ、Tessが貧乏なのを良いことに再び言い寄り、一緒に暮らすようになる。
そこへ帰ってきたAngel。Angelと対面した後、TessはAlecを殺しAngelと逃亡。
最終的には捕まってしまう。

かなり簡単に書いたつもりが、長くなってしまった。
TessはAlecを殺したことで捕まってしまうが、個人的には女性を強姦した男性は皆死刑にしても良いのではないかと思う。とはいえ、性行為というものはどこまでが合意の上なのかなどというところの線引きが難しかったりするのだろうとは思うので、なかなか簡単にはいかないのはわかる。
しかし、このTessのように一度犯されたことにより、表面的にはなんにも変わらなく見えても、その女性の人生そのものは大きく変わっててしまっている。しかもその男性に生涯怯えてくらさなくてはならない。それなのに犯罪を犯したものはたとえ捕まったとしても数年間で出てきてしまう。
そんなことが許されて良いのだろうか。
しかし、これは強姦に限らず、殺人事件などあらゆる事件に関しても言えることなのかもしれないが・・・。
この物語の3分の1位は、Angelに自分の忌まわしい過去を打ち明けられないTessの内面の葛藤、日々の生活に当てられているのではないだろうか。読んでて若干「長いよ、つぎに話を進めようよ」と思う面はあったが、HardyはこのTessの心の葛藤を綿密に描きたかったのだろうと思う。

古い作品とは言え、現代にも通じる要素を多く含んでいる。是非多くの人に読んでもらいたい作品だ。

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