二重小協奏曲 ヘ長調

Strauss - Complete Orchestral Works

• アーティスト: Strauss, R.
• 出版社/メーカー: Warner Classics
• 発売日: 2019/03/22
• メディア: CD

クラリネットとファゴットをソロにした協奏曲。

第一楽章　アレグロ・モデラート
★★★★★★★☆☆☆
非常に高貴な美しいメロディで始まる。一通り主題の提示が終わると、ファゴットの上昇していく音が流れた後、突然雰囲気がガラッと変わり暗くなる。その後も雰囲気がコロコロと変わりメロディが次々と提示される。色々な音色、メロディが楽しめる。

第二楽章　アンダンテ
★★★★★★★☆☆☆
第一楽章に続けて演奏される。ファゴットの平和な音色と、弦のトレモロが非常に美しい。後半のクラリネットとファゴットの恋人通しの会話のような親しい雰囲気も美しい。短い楽章だが、楽しめる。

第三楽章　ロンド・アレグロ・マ・ノン・トロッポ
★★★★★☆☆☆☆☆
モーツァルト的な高貴さと優雅さを持った、まさに「ロンド」という感じの楽章。それだけに若干つまらない。

しりつぼみな印象もなくはないが、珍しい編成の協奏曲でメロディもR・シュトラウスにしては分かりやすく大衆受けしやすい曲なのではないだろうか。

ホルン協奏曲 第二番 変ホ長調

Strauss - Complete Orchestral Works

• アーティスト: Strauss, R.
• 出版社/メーカー: Warner Classics
• 発売日: 2019/03/22
• メディア: CD

第一楽章　アレグロ
★★★★★☆☆☆☆☆
第一番同様、ホルンがいきなり入ってくる。ホルンの音色からの印象なのか、とにかく平和的な印象。ホルンが一通り主題を吹いたあと、オーケストラだけの演奏になるのだが、その部分がとても綺麗。
とはいえ、主題があまり魅力的ではなく、あまり心惹かれる感じの楽章ではない。

第二楽章　アンダンテ・コン・モート
★★★★★☆☆☆☆☆
第一楽章に続けて演奏される緩徐楽章。これも穏やかで悪くないのだが、目立ったメロディではない。

第三楽章　アレグロ・モルト
★★★★★☆☆☆☆☆
第一番のような超絶技巧的な、フィナーレ的な感じが薄い。

かなり晩年に作られた作品らしいが、第一番にあった華やかさに欠け、聴いていて退屈。

ホルン協奏曲 第一番 変ホ長調

Strauss - Complete Orchestral Works

• アーティスト: Strauss, R.
• 出版社/メーカー: Warner Classics
• 発売日: 2019/03/22
• メディア: CD

第一楽章　アレグロ
★★★★★★★☆☆☆
「外から見える英雄」という感じの楽章
ホルンによるファンファーレで華やかに開始され、英雄的で非常に勇壮なメロディがホルンによって奏でられる。若干哀愁のある中間部も悪くない。

第二楽章　アンダンテ
★★★★★★☆☆☆☆
「英雄の内面」という感じの楽章
英雄的な振る舞いを周りから期待されるが、自分にはその力がないことに悩む英雄の内面を描いているかのような楽章。R・シュトラウスにしてはわかりやすいメロディで美しい。ベートーヴェンの緩徐楽章を若干彷彿とさせる。

第三楽章　ロンド・アレグロ
★★★★★★★☆☆☆
「吹っ切れた英雄」という感じの楽章
はじめはまだ悩みがあるが、段々と高揚していき、前向きな雰囲気になり曲は進む。所々英雄の不安な内面が顔を出すが、基本的に前向きに曲は進んでいき、華やかに曲が閉じられる。

ホルン協奏曲というかなり珍しい協奏曲だが、かなりメロディもわかりやすく楽章一つ一つも短くとても聴きやすい佳曲だ。

オーボエ協奏曲 ニ長調

Strauss - Complete Orchestral Works

• アーティスト: Strauss, R.
• 出版社/メーカー: Warner Classics
• 発売日: 2019/03/22
• メディア: CD

第一楽章　アレグロ・モデラート
★★★★★★☆☆☆☆
前奏なく、オーボエのソロから入る。はじめの短い動機をオーボエ・ソロと弦楽器がやり取りしながら積み上げていく部分は聴いていて高揚感がある。その短い動機の積み重ねが、最高潮に達するとその後、雄大なメロディになり、その後若干ユーモアのあるメロディが流れ出す。それなりに楽しめる楽章。結構ゆったりとした感じの楽章。

第二楽章　アンダンテ
★★★★★☆☆☆☆☆
第一楽章とそんなに雰囲気は変わらない柔らかい感じの楽章。そんなに美しいメロディが流れるという感じの緩徐楽章ではない。

第三楽章　ヴィヴァーチェ
★★★★★☆☆☆☆☆
最後はカプリッチョ的な楽しく妖精が遊んでいる感じの楽章。最後にカデンツァ的な部分も用意されているが、全体的にあまり魅力的ではない。

第一楽章は良いが、あとはイマイチ。

ヴァイオリン協奏曲 二短調

Strauss - Complete Orchestral Works

• アーティスト: Strauss, R.
• 出版社/メーカー: Warner Classics
• 発売日: 2019/03/22
• メディア: CD

第一楽章　アレグロ
★★★★★★☆☆☆☆
結構勇ましい、物語の始まりを告げるかのような悲劇的な雰囲気ではじまり、その雰囲気を助長するかのようなヴァイオリン・ソロが入ってきて、最高潮に高まった後、主題を奏でる。そこまでわかりやすいメロディではない。その後曲が穏やかになり滑らかなメロディを奏でる。展開部の牧歌的な広がりのある雰囲気は悪くはない。シュトラウスらしく管楽器なども結構活躍する派手でありながら古典的なたたずまいのある楽章。

第二楽章　レント　マ　ノン　トロッポ
★★★★★★☆☆☆☆
穏やかな緩徐楽章。メンデルスゾーン、シベリウス、チャイコフスキーなどのロマン派作曲家のヴァイオリン協奏曲の緩徐楽章と比べてしまうとやはりメロディに乏しさを感じなくはないが、悪くはない。

第三楽章　ロンド　プレスト
★★★★★★☆☆☆☆
無窮動的な楽し気な始まり。オケの派手さとの対比も面白い。とにかくヴァイオリンが切れ味の良いフレーズをひたすらならしまくる。フィナーレの直前穏やかで美しいメロディを置くあたりもR・シュトラウスらしい。最後はどんどん上り詰めていって盛り上がって終わる。

全体的に悪くはないが繰り返し聴きたくなるような類の曲ではない。

ブルレスケ

Strauss - Complete Orchestral Works

• アーティスト: Strauss, R.
• 出版社/メーカー: Warner Classics
• 発売日: 2019/03/22
• メディア: CD

★★★★★★★☆☆☆
短い序奏のあと、結構激しい劇的なメロディをピアノが奏でる。しばらく荒れ狂うような雰囲気が続いた後、おだやかで流れるような美しいメロディになる。ピアノとオケの対話的な部分も美しい。曲はこの後もこの激しい主題と穏やかな主題を中心に進んでいく。ピアノもかなり技巧的で聴いていて楽しい。
後半部、ピアノとティンパニーの対話的な部分の後、カデンツァ的な箇所も挿入される。この部分が非常にドラマティックで美しい。
一通りカデンツァ部分が終わると、曲は穏やかになり、最後はピアノがオクターブでひたすら音階的なメロディを激しい奏で最後はそっと終わる。

結構メロディも美しく楽しめる。是非完全なる三楽章構成で聞きたかった曲だ。