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ヴァイオリン・ソナタまとめ [ベートーヴェン 室内楽曲 ヴァイオリン・ソナタ]


ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ全集(全10曲)

ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ全集(全10曲)

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2002/10/23
  • メディア: CD



ヴァイオリン・ソナタの評価をまとめてみたい。

★★★★★★★★
9番

★★★★★★★
5番、6番、7番、8番、10番

★★★★★★
4番

★★★★★
1番、3番

★★★★
2番

今までは、「スプリング」の方が「クロイツェル」よりはるかに良いと思っていたが、今回じっくり聴いてみて「クロイツェル」の方がはるかに名曲だった。

こう見ると、「スプリング」以降のヴァイオリン・ソナタは名曲ばかりであることがわかる。
それぞれに名前がつくともっと人口に膾炙していくのかもしれない。
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ヴァイオリン・ソナタ第十番 ト長調 [ベートーヴェン 室内楽曲 ヴァイオリン・ソナタ]

評価
★★★★★★★☆☆☆

まるで天上のような終始安らかな雰囲気で曲は進む。

第一楽章 とても穏やかなゆったりとした曲調ではじまる。序奏なのかと思いきやこの雰囲気のまま第一楽章が進んでいく。
第二楽章 すごく温かい雰囲気を持ったアダージョ。
第三楽章 スケルツォ楽章ということで、この楽章から若干スピードが上がってくるが、曲想が穏やかであることは変わらない。
第四楽章 変奏曲となっており、若干盛り上がる部分はあるが、こちらも基本優しい雰囲気。

初めにも書いたが、とにかくこの世とは違う世界を描いているとしか思えない美しい静かな音楽。
心落ち着かせたいときにはぴったりの音楽だ。
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ヴァイオリン・ソナタ第九番 イ長調 クロイツェル [ベートーヴェン 室内楽曲 ヴァイオリン・ソナタ]

評価
★★★★★★★★☆☆

クロイツェルという人に献呈されたため俗に「クロイツェル・ソナタ」と呼ばれている。

第一楽章 バッハの無伴奏ソナタのような、非常に厳しい感じのヴァイオリンのソロの序奏ではじまる。その劇的な感じをピアノが受ける。この序奏だけでも聴く価値がある。この序奏が終わると、かの有名な主題が奏される。この主題が心に入って離れない。そしてこの主題が形を変え、ひたすらヴァイオリンとピアノによって奏でられるのだが、まるでヴァイオリンとピアノが一対一で決闘しているかのようである。この曲に刺激されてトルストイが「クロイツェル・ソナタ」という短編を書いたのもわかる。非常に劇的な楽章。ヴァイオリンがピッチカートを用いるあたりも劇的さを助長している。

第二楽章 変奏曲になっている。わかりやすそうなメロディで始まるのだが、どこで拍をとっていいのか、どこが切れ目なのかわからない、ひたすら緊張感を強いられる主題となっている。

第三楽章 非常に耳に残るメロディがひたすら繰り返される。このヴァイオリンとピアノがお互いの踊りをバトル的に披露しあうような感じがとても印象的な曲。

どちらかというと「スプリング」の方がベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタとしては有名だが、こちらの「クロイツェル」の方がはるかに音楽的には面白い気がする。大傑作だ。
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ヴァイオリン・ソナタ第八番 ト長調 [ベートーヴェン 室内楽曲 ヴァイオリン・ソナタ]

評価
★★★★★★★☆☆☆

第一楽章 明るい長調の主題と、それを受ける短調の主題が繰り返される。とても主題のメロディが聴きやすく、ピアノもヴァイオリンも終始疾走感を持って演奏しており、聴いていてとても心地よい。
第二楽章 穏やかな楽章ながら、第一楽章同様、ピアノの演奏がどことなく前へ前へ進む感じがあり躍動感を感じる緩徐楽章となっている。
第三楽章 フィナーレ楽章にしては3分程度と短く、こちらも疾走感あふれる曲となっている。

終始、走り続けている印象の曲だ。爽快感を得られる佳曲だ。
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ヴァイオリン・ソナタ第七番 ハ短調 [ベートーヴェン 室内楽曲 ヴァイオリン・ソナタ]

評価
★★★★★★★☆☆☆

第一楽章 非常に劇的な始まり方をする。悲劇的な主題をヴァイオリンが奏で、それをピアノがかなり低音で支える。これが作曲される頃、かなりピアノの開発も進んで現在に近い音数のピアノが出来ていたことがこの曲を聴くとわかる。この楽章では終始ピアノがかなりの低音を速いスピードで弾いているのが耳に残る。一人の人間が夜の間ひらすら思い悩んでいる姿が映像として表れそうなほど非常にドラマティックで真に迫っている。
第二楽章 悩みぬいて疲れ切った男が静かに休んでいる情景が目に浮かぶ。天使たちが静かに男の周りを飛んでいる、そんな感じの安らかな音楽となっている。
第三楽章 かなりスケルツォ。悩みぬいて、穏やかな眠りを得た結果、晴れやかに起きた朝をイメージさせる。とはいえ、とちゅう若干昨日の悩みが心に入り込んでくる様子もなくはないところがベートーヴェンのうまさか。
第四楽章 荒波に立ち向かっていこうという、決意に満ちた楽章。ピアノが低音でこれからの大変な状況を暗示するが、そこになんとか立ち向かおうとする意志がヴァイオリンによって示される。短調と長調がひたすら微妙に交差するあたりが、心の揺れを表しているようで面白い。最後も劇的に終わる。

非常に物語的で映像的な音楽となっておりとても聴いていて面白い。
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ヴァイオリン・ソナタ第六番 イ長調 [ベートーヴェン 室内楽曲 ヴァイオリン・ソナタ]

評価
★★★★★★★☆☆☆

これもスプリングに並ぶ傑作。

第一楽章 スプリングのような印象的な始まりではなく、そっと何事もなかったように空気に溶け込むかのように始まる。途中、派手ではないが、耳に残る音階のような面白いメロディをピアノとヴァイオリンが奏でる。後半、ひたすらこのメロディが繰り返される。かなりあとからじわじわ来るスルメ楽章だ。

第二楽章 とても美しいアダージョ楽章。祈りのようなメロディがピアノ伴奏に乗ってヴァイオリンによって奏でられる。ピアノが高音を出しながらヴァイオリンとデュエットするあたり非常に美しい。

第三楽章 こちらも第一楽章同様、派手ではなく、そっと入ってくる。いろいろな表情メロディが入ってくる。途中バッハのようであったり、シューマンの幻想曲であったりする。

全体として派手さはないが、聴いていていろいろな要素があり飽きずに聴ける。
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ヴァイオリン・ソナタ第五番 ヘ長調 スプリング [ベートーヴェン 室内楽曲 ヴァイオリン・ソナタ]

評価
★★★★★★★☆☆☆

さすがに、副題がついており、一般に膾炙しているだけあり、かなりの名曲。出だしのメロディは多くの人が聞いたことがあるのではないだろうか。

第一楽章 春のさわやかさを感じさせる流麗なメロディをヴァイオリンが奏でる第一主題。若干暗さを伴った重々しい第二主題の対比がとても素晴らしい。展開部のピアノとヴァイオリンのやり取りも面白い。最後に主題が戻ってくるのだが、そこで一ひねりしているのもアクセントになっており聴いていて飽きない。

第二楽章 ピアノのアルペジオの伴奏から入り、ピアノがそのまま夢見るようなメロディを奏でる。それをそっとヴァイオリンがサポートするのがとてもきれい。そのメロディをヴァイオリンが引き継ぐのだがこの抑えた感じも素晴らしい。憂いを感じさせながら段々熱を帯びてくるあたりも聴いていて引き込まれる。

第三楽章 1分強の短い楽章。第四楽章のイントロと考えても良いような楽章。スケルツォらしく楽しい。ピアノとヴァイオリンが若干ずれるのが聴いていて面白い。

第四楽章 第三楽章とは一転して、流麗なメロディがピアノによって導入され、それをヴァイオリンが引き継ぐ。段々と華やかさを増していき、途中ピアノとヴァイオリンのバトルのようになる箇所が聴きごたえがある。

全体を通してとても聴きやすく、玄人好みもするよくできた作品だ。
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ヴァイオリン・ソナタ第四番 イ短調 [ベートーヴェン 室内楽曲 ヴァイオリン・ソナタ]

評価
★★★★★★☆☆☆☆

ヴァイオリン付きピアノ・ソナタという感じで、完全にピアノ主導の曲。とはいえ、構成・メロディいろいろな意味で面白くこれは素晴らしい曲だ。

第一楽章 緊張感に富んだ短調の主題で入る。ひたすらピアノがメロディを奏でる。途中第二主題(?)に入るところで伸びやかなメロディをヴァイオリンが奏でる場面があるが、すぐにピアノにとって代わられる。とにかくずっと短調の緊迫感がある。
第二楽章 これも面白い楽章。おもしろいリズムで、鳥がささやきあっているような不思議な雰囲気で曲は進んでいく。とりたてて美しいメロディであったり、哀愁漂う感じがあったりするわけではなく、曲の変化の妙を楽しむ楽章と言える。
第三楽章 ピアノ・ソナタの「テンペスト」三楽章に若干似ている緊迫感のある楽章。最終楽章っぽくないが、とても面白い。

本当にピアノ・ソナタのような曲だ。もう少しヴァイオリンが活躍する場面を作ってあげてもよかったが気がするのだが・・・。
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ヴァイオリン・ソナタ第三番 変ホ長調 [ベートーヴェン 室内楽曲 ヴァイオリン・ソナタ]

評価
★★★★★☆☆☆☆☆

第一楽章 器楽ソナタに特徴的な、ピアノとヴァイオリンの対話が楽しめる楽章。そこまで深刻で深い主題ではないのだが、若干憂いを含んだメロディが聴いていて楽しい。展開部のヴァイオリンの弾く優雅なメロディがとても綺麗だ。
第二楽章 ピアノが途切れとぎれのメロディを奏で、それをヴァイオリンが受ける。ヴァイオリンのメロディの裏でピアノが面白い伴奏を付ける。
第三楽章 最終楽章にふさわしい活気に満ちた素晴らしい楽章。跳ねるようなリズムでメロディが奏でられ、ピアノもヴァイオリンも楽しげに進んでいく。本当に聴いていて楽しい楽章だ。

だが、全体としてみるとやはりもう一歩か。
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ヴァイオリン・ソナタ第二番 イ長調 [ベートーヴェン 室内楽曲 ヴァイオリン・ソナタ]

評価
★★★★☆☆☆☆☆☆

ヴァイオリン・ソナタは、一番から三番までが、作品番号12ということで、一緒に出版されたものらしい。サリエリに献呈されたらしい。その三曲の中で一番初めに作られた曲だと言われている。

第一楽章 交響曲やソナタのアダージョ楽章に置かれたスケルツォやメヌエット楽章のような軽い感じの楽章。あまり第一楽章っぽくない。若干退屈である。
第二楽章 少し悲しみを含んだメロディ。仕事で失敗してしまい、夜一人で少し今日のことを反省して酒を飲んでいるような感じの楽章。悪くはない。
第三楽章 こちらもあまり最終楽章っぽくない。軽い感じ。若干退屈。

全体としてまとまってはいるが、もう一歩の感は否めない。
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ヴァイオリン・ソナタ第一番 ニ長調 [ベートーヴェン 室内楽曲 ヴァイオリン・ソナタ]

評価
★★★★★☆☆☆☆☆

ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタといえば、5番の「スプリング」と9番の「クロイツェル」があまりにも有名で、他の作品があまり取り上げられないが、他の曲も実は結構しっかり作られており一度聞いてみても良い曲がそれなりにある。

こちらは記念すべきヴァイオリン・ソナタ第一番
第一楽章 雄大で、堂々とした主題かヴァイオリンとピアノで奏でられる。ヴァイオリンのメロディをピアノが綺麗な伴奏で支える。他の器楽ソナタと違い、あまりピアノとヴァイオリンが対話している感じがない。
第二楽章 ピアノで主題が簡素に提示され、それをヴァイオリンが受け、どんどんと変奏されていく。
そこまで魅力的な主題ではないので、そこまで楽しめない。
第三楽章 ロンド。これは非常に魅力的なロンドになっている。思わず踊りだしたくなるようなとても楽しげでスピード感のある楽章だ。途中短調になって激しくなる部分もアクセントになっておりとても良い。

第二楽章がもう少し良ければ、、、と若干残念ではあるが、良い曲だ。

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