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YA! ジェンダーフリーアンソロジー [文学 日本 児童書]


YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors (YA! ENTERTAINMENT)

YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors (YA! ENTERTAINMENT)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2023/05/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



わたしの好きな、にかいどう青さんの作品を検索していたらヒットした本。
早速図書館で借りて読んでみた。全部で6人の作家さんが物語を提供している。

以下若干ネタバレにもなるかも・・・。

1. 小林深雪   女の子視点から見たBL
2. にかいどう青 肉体=男 精神=女 好きな相手は女性 
3. 長谷川まりる 父親による家庭内セクハラ&家庭内暴力 
4. 如月 かずさ レズビアン
5. 水野 瑠見  性的に成熟していない男の子
6. 菅野 雪虫  様々な内的な悩み、家庭の悩みを抱いた4人の女の子達

とにかくそれぞれがよく練られた設定で物語としても面白く、子供向け小説にありがちなわざとらしさもあまりないのでとても面白く読めるとともに色々と考えさせられる好著となっている。学校で取り扱う素材としてもとても優れている気がする。

それにしてもやはり、にかいどう青さんは期待を裏切らない素晴らしい出来だった。

子供にも大人にも教育関係者にもオススメ作品[ハート]
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歴史ゴーストバスターズ⑥ [文学 日本 児童書]





今回は、ナナシというお化けのようなものに狙われている主人公和子をかくまっている狐屋と、そのライバル家の狸原家の対決の話。お家騒動と共に最後は感動的な和解があり、とても面白かった。
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ようこそ!たんぽぽ書店へ④ [文学 日本 児童書]


ようこそ!たんぽぽ書店へ(4): 三人の新しいページ (ポプラキミノベル い 02-04)

ようこそ!たんぽぽ書店へ(4): 三人の新しいページ (ポプラキミノベル い 02-04)

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2023/04/05
  • メディア: 新書



最終巻。今回は、泊まり行事あり、文化祭ありと、恋が発展していくしかけがたくさんあった。由樹君と梨久の間に入ってくる、恋のライバル的な女の子も登場するが、そんな女の子ですら、梨久は普通に受け入れてしまう。まだ「恋」とは何か、を自分の中で気付けていない若い子のモヤモヤっとした気持ちがよく描けていると思う。

三角関係を決着をつけることなく、しかし明るい希望をもって終わらせているのもとてもうまいな、と思った。皆が相手の気持ちを考えて行動しており、読んでいてとても清々しい気持ちになれた。
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ひげよ、さらば 下 [文学 日本 児童書]


ひげよ、さらば―猫たちのバラード〈下〉 (新潮文庫)

ひげよ、さらば―猫たちのバラード〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: 上野 瞭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2023/02/07
  • メディア: 文庫



犬たちとの戦いを終え、猫たちのもとへ帰る主人公ヨゴロウザ。しかしそこでヨゴロウザに何故か憎しみを抱く名無し猫に出会う。死闘の末、ヨゴロウザは右目を失う。さらにボロボロのヨゴロウザをノラ猫さがし猫が助け、彼を「兄貴」と慕う。

その後は、猫たちのもとへ帰り、リーダーとなってみんなを独裁的にまとめようとするが、失敗。マタタビ(麻薬?)に溺れる。が、片目に救われる。その後犬たちとの死闘。仲間の死。仲間の死を目の前にした友の発狂。別れ。などなど次々と事件が起こっていく。

独裁者の苦悩、争いに巻き込まれ血を見た時の普段とは違う心の高ぶり、野生の血、戦地で仲間の死を見た人たちのトラウマによる心の病、麻薬による心の崩壊、など様々なテーマを扱っているのはわかる。

だが、やはり動物が主人公ということもあるのかもしれないが、どうしてもその世界に入り込みきれなかった。自分を客観視する視点、穏やかだが冷酷なリーダーなど、上野瞭らしい世界観はあるのだが、かれの「ちょんまげもの」シリーズに比べると一段落ちる気がする。名作とかなり名高い作品だっただけに、さらにかなりの長編だっただけに、少し残念な感じだった。

ちなみに、『ルドルフとイッパイアッテナ』は若干、この『ひげよ、さらば』にインスパイアされている気がする。

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ひげよ、さらば 上 [文学 日本 児童書]


ひげよ、さらば―猫たちのバラード〈上〉 (新潮文庫)

ひげよ、さらば―猫たちのバラード〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 上野 瞭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2023/02/03
  • メディア: 文庫



上野瞭の代表作と言われる作品。NHKが人形劇化した作品でもあり、結構よく見られたらしい。

上野瞭の作品は、昨年から結構読んできており、この『ひげよ、さらば』は有名なので最後にとっておいた。彼の江戸時代に舞台を移した「ちょんまげもの」シリーズは、時代設定が変わっていても、描かれている人間の本質的な部分は変わっておらず、結構すぐにその世界に入って行けてハラハラしながらどんどん読めていたのだが、この作品は結構辛かった。

登場するのがぜんぶ猫を中心とした動物で、出てくる動物たちの紹介が結構多くを占めており、はじめは読み進めるのがかなり辛かった。

しかし途中、主人公のヨゴロウザと片目が、バラバラの猫たちを一つの場所に集め、犬に対抗するためにはどうしたらよいかということを話し合い、最終的にヨゴロウザと片目で犬たちの縄張りに偵察に行こうと決まったあたりから、物語が動き出し、ヨゴロウザと犬たちとの争いの場面はかなり手に汗握る感じで面白かった。後半、猫や犬たちの心理描写もかなり面白くなってきており、物語が内面的にも外面的にも充実してきた感じだ。

この作者、「自分を客観的に見る」ということをテーマにしているのか、迷う自分と、それにアドヴァイスをするために語りかける「メタな自分」を多くの作品で登場させており、この作品でもヨゴロウザがその「メタな自分」と自己内対話をするあたりが面白い。

下巻がかなり楽しみな作品である。
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さらば、おやじどの 上・下 [文学 日本 児童書]


さらば、おやじどの〈上〉 (新潮文庫)

さらば、おやじどの〈上〉 (新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2023/01/26
  • メディア: 文庫



さらば、おやじどの〈下〉 (新潮文庫)

さらば、おやじどの〈下〉 (新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2023/01/26
  • メディア: 文庫



上野瞭の長編小説、『さらば、おやじどの』を読み終わった。
最初の場面が、いきなり集団いびり、いじめ、のような描写に始まり、素っ裸で町中を走り回ったことで、お牢に入れられ、そこで出会った人々に影響され、牢を出た後、無実の罪で投獄された人の脱獄を友人たちと成功させる。

これは、若者の成長物語であり、思春期で出会うもうひとりの自分との出会いの物語であり、親と子の葛藤の物語であり、権力者による平民に対するひどい扱いの物語であり、とにかく様々な要素の混じりあった物語となっている。さむらいである主人公と町娘の恋模様も少し混じっている。ドキドキする要素と読み進めるのも苦しくなるような社会や人間の暗部も描かれている要素もあり、とにかく楽しめる。

法を守ることだけが正しいのか、国家のために国家の道具となって人々に厳しくすることだけが正しいのか、本当の正しさとは何なのか、そして罪など犯さないと思っているが、誰でも罪を犯す可能性があるのではないか、等いろいろなことを読者につきつけてくる物語だ。

上巻
p.53
「刀や槍をふりまわすのは、わしらだけでいい。親のやったことを子どもがくりかえすことはない。佐平次。刀は人をあやめるが、学問はいくらやっても人の血を流すことはない。」

p.244
「おまえだけが違うなんて思うんじゃないよ。だれだってみんなと違っているんだ。」


下巻
p.111
「常日頃、くすんでいる男でも、会議となると生き生きしてくることがある。~中略~大勢のものが集まって、それぞれにもっともらしいことをいう。その一つ一つは、確かに正しくて、反対をする理由はなにもないのだけれど、それが、おれにはいやなのだなあ。ひょっとしてそれは、みんながみんな、正しいことをいいすぎるために、うんざりするのかもしれないな。」

pp. 163~164
「それより新吾。おまえはじぶんのやっていることを、いつも正しいと思っているか」
~中略~
「御法を守っているかどうかということですか」
「いや、それも確かに一つの正しさだが、わしのいっていることはもうすこし違う」
~中略~
「~中略~しかし、御法に関わりのない正義というものはないのかな。いや、正義という言葉がよくないな。こういう言葉は、人を狭い考えのなかに閉じ込める気がする。正義ではなくて、じぶんが納得することとといいかえてみたらどうだろう。」

pp.252~253
「考えられないことといいましたが、それは嘘でした。考えられないことではなくて、そうしたことは、ほんとうは、考えられることでした。そうです。考えれば考えられることなのに、わたしは、考えようとしなかったのです。考えたくなかったのです。人を、善と悪の二つにわけることほど、気の休まるものはありません。そう思い込んでおけば、何事を割り切れます。この世のなかは、割り切って生きる方が、ずっと過ごしやすい。また、うまく暮らしていけるのです。」

p.295
「わたしは直接、刀をふるわなかったが、仲間の隊士たちの殺戮をただ眺めていたことによって、(いや、それにただ目をそむけていたことによって)わたしもまた、殺戮に手をかしたのとおなじだったのだ。
 何でもない、ごくふつうの人間が、時と場合によっては、想像もつかないような残虐な行動にでることを、わたしは、おそれとおののにのうちに知ったのである。」

p.353
「あなたも、大きくなったなら、じぶんの志とやらいうもののために、肩ひじを張るようになるのじゃないでしょうか。~中略~野心のあるおさむらい衆は、みんなそうですね。あたくしは、はっきり申して、そういう生き方がきらいなのです。」

上野瞭の社会の暗部に目を向け、弱者に優しい目を向ける物語が大好きだ。
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歴史ゴーストバスターズ④ [文学 日本 児童書]





今回は、「自分とは何か」ということをテーマにした作品。
名前を変えられてしまうこと、自分の所属する団体によって、自分のキャラクターを変えなければならないこと、そんな中にあって、変わらない自分の芯とはなにか、正義・誠義を貫くとは何か、ということを、歴史上の人物・主人公和子やコオリ、その他の人々の恋愛模様などを織り交ぜながら考えさせられる作品。

若干色々と盛り込みすぎて、まとまりがない感じもするが、それなりに楽しめた。長男はイマイチだったっぽい。
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星になった子ねずみ [文学 日本 児童書]


星になった子ねずみ

星になった子ねずみ

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/08/05
  • メディア: 単行本



手島悠介という「かぎばあさん」シリーズを書いた児童文学作家の作品。図書館でふと目にし借りてみた。


ふしぎなかぎばあさん (あたらしい創作童話 6)

ふしぎなかぎばあさん (あたらしい創作童話 6)

  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 1976/12/20
  • メディア: 単行本



物語は、九州・鹿児島県の大日本帝国海軍「鹿屋海軍航空隊」の一室で始まる。この兵舎に住む神風特攻隊のパイロット千倉慎一少尉のもとに、ねずみのチッくんは毎日食べ物をもらいに来ている。この千倉慎一少尉には好きな人がいるが、自分が特攻隊でこれから死ぬ運命にあることを知っていたのでその思いを打ち明けないままこの兵舎に来ていた。しかし最後にその思いを伝えようと、宮沢賢治の『よだかの星』の文章を使って、「愛している」ということを伝える文章を作るが、結局送ることなく飛び立ってしまう。

そのメッセージの入った『よだかの星』を送られる予定だった青木夏津子さんに届けようと、ねずみのチッくんは、その本を背負い鹿児島から東京へと向かう。

大変な思いをして着いた日は、1945年3月9日。何とか青木夏津子さんを見つけ『よだかの星』を渡すことができたが、やってきたのは東京大空襲。

結構悲惨の物語だが、明るいチッくんに何となく救われる物語。最後の坊さんネズミの人間に向けたメッセージも素晴らしい。
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もりのともだち、ひみつのともだち [文学 日本 児童書]


もりのともだち、ひみつのともだち (本はともだち♪)

もりのともだち、ひみつのともだち (本はともだち♪)

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2019/05/16
  • メディア: 単行本



図書館で長男が偶然見つけ、面白そうだからと借り、実際読んだら面白くて、「とと(私のこと)も絶対気にいると思うから読んでみて」と言われ読んだ。

小学校2年生のまゆちゃんが、田舎のおじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに行き、近くの森に住むきつねのコンタと仲良くなり、とりに郵便屋さんをしてもらい手紙の文通をするはなし。ちょっとした事件が起きたり、おじいちゃんの過去がわかったり、と心があったかくなる話。

確かに良かった。
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目こぼし歌こぼし [文学 日本 児童書]


目こぼし歌こぼし (子どもの文学―青い海シリーズ)

目こぼし歌こぼし (子どもの文学―青い海シリーズ)

  • 出版社/メーカー: 童話館出版
  • 発売日: 2015/01/01
  • メディア: 単行本



凄まじい傑作である。
平和で皆が楽しく幸せに生きていると思っているこの日本社会の暗部を「これでもか」とばかりにえぐり出した作品だ。

天皇を頂点とする、差別構造。部落差別、見て見ぬふりをする一般の人々、二枚舌を使って社会を成り立たせる政治家、とにかく日本社会をダメな社会にしているのだが、誰もメスを入れようとしない、メスを入れようとするとそれを残忍な形で潰してきた日本社会を見事にすばらしく描いている。

一応児童書ということなのかもしれないが、これは誰もが読むべき作品であり、この作品を読み、日本社会の暗部にしっかりと目を向け、是非多くの人がこの国を変える努力をして欲しいと思う。

p.46
「おまえの目と、善助の目と、どちらが確かだろう。おまえの目は、足柄七十郎というただのさむらいの目じゃ。しかしな、善助の目は、ただの下まわり、お使い番の目ではない。善助の目は、この御番所の目であり、わしの目でもあるのじゃ。ということはな、ひいては、殿さまの目でもあり、殿さまにかわって政治(まつりごと)をなさるびっきさまの目でもあるということになる。つまり、善助の目は、公の目じゃ。公の目の代表じゃ。その公の目が、何も見なかったといえば、これは、個人がいくら見たといっても、何も見なかったことになるのだぞ。」

どこかの国の、モリカケ事件のようだ。


p.118
「御番所頭というそのりっぱな肩書きを信じるだろう。世の中には、ほんとうのことよりも、見かけや肩書きを信用する人間の方が多いのだ。」

これもどこかの国の多くの人々のようだ。


p.267
「人をおさめる場合、一つの顔だけでは、なかなかうまくいきません。いかないものなんですよ。たとえば、わたしの場合ですが、わたしは代官だ。代官といえば、上手のものも、下手のものも、同じようにおそれます。どれほどおたがいに憎みあっていても、代官に対しては共通のおそれを持つものなのです。おそれを抱いているうちはいい。しかし、いつかは上手も下手も、一つになって、わたしを憎むようになりましょう。これは、政治をやるものにとっては、まずいことなのです。領内の人間を、一つにしてはなりません。一つにまとまらないようにすること。これが、政治をやるものの第一の心得です。」

グローバル化したこの世界。世界にいるたくさんの人々を支配するために考え出したのが、人を物理的に引き離す現在の・・・。


p.276
「国を守るのは、さむらいです。その国を守るということを忘れて、村人を守ろうとしたわけですな。ばかな男です。村人は国のためにあるのであって、村人自身のためにあるのではない。」

民主主義と言われる日本社会。しかし与党の中には上記のように考えている人も多いのではないだろうか。


p.290
「世の中にはね、悪人や善人しかいないと考える人もありますがね、そうじゃないんだなあ。~(中略)~ この世の中で一番多い人間は、どっちつかずの人間なのです。小人というのかな。いつも、いらいらしているか、くよくよしている人間ですよ。気が小さいといってもよい。自分一人じゃ何もできないくせに、いつも他人のやることにけちをつけている人間です。」


p.315
「国のために他人の命を犠牲にすることを七十郎は批難した。それでは、七十郎よ。おまえは、自分のために他人を絶対犠牲にしないのだろうな。それとも、国によって人間が犠牲にされることは許されないが、個人のためなら犠牲は許されるというのか。」

これはけっこう重い問いである。難しく、いろいろな状況を考えないとなかなか答えの出ない問いである。


p.328
「おれは化け物じゃないんだ。あんたと同じ人間さ。もちろん今は神さまだ。神さまだからなんでも許されるよ。そんな神さまにも、たった一つ許されないことがあるんだ。それは、ふつうの人間になることよ。それを考えると、神さまなんてつまらないものよ。」

これは明らかにある国のある制度を批判したものなのだと思う。


p.334
「世の中には、さむらいはえらくって、乞食は最低だなんて思っている人もいますが、それは大きなまちがいですな。さむらいと乞食は、まったく同じです。どちらも、自分で食いものをつくらないんですからな。つまり、他人さまのつくったものを食ってるわけでしょ。ずいぶんあつかましい商売ですよ。」

これは資本家批判なのだろう。


p.380
「それらはすべて一本の糸につながっている。そう思った。一本の糸とは、国のため、国の利益と平和のため・・・・・・という考え方である。いったい、そこまでしても守らなければならない国の利益とはなんだろうか。本当に国の値打ちというものは、一人の人間の命よりも大切なものなのだろうか。」


p.381
「わしは年とった気ちがい。それはよおわかっております。自分で、自分の狂うておることも気がつかず、自分に反対するものを気ちがい呼ばわりする人間は、どうすればいいのでございましょうな。近頃は、そう言う人がふえよりましたわい。」

この本を読み、民主制の大切さを考え、少しでも多くの人が人間的な生活ができる世の中になるよう行動できる人が増えると良いと思う。

本当に名作だと思う。
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ちょんまげ手まり歌 [文学 日本 児童書]


ちょんまげ手まり歌 (1981年) (フォア文庫)

ちょんまげ手まり歌 (1981年) (フォア文庫)

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: 文庫



上野瞭という作家を、偕成社から出ている『ものがたり12ヶ月 冬ものがたり』という本の中で知った。そこには「ぼくらのラブコール」という短編が載っていた。「愛している」という言葉をお互い掛け合わないと警察に捕まってしまうという不条理劇のような作品だが、強烈な印象を渡しに残した。

この作品があまりにも素晴らしかったので、上野瞭という人に興味を持ち調べてみた。それなりに作品は書いているらしいがそのほとんどが現在市場に出回っていない。この『ちょんまげ手まり歌』も絶版で、中古市場にもほぼ出ていない。

そこで図書館で借りて読んだ。

物語は「やさしい藩」という4方を山に囲まれた小さな村。ここでは、6歳になると、「やさしいむすめ」「やさしいむすこ」と認定されたものは生きられるが、それ以外のものは殺されてお花畑に埋められる。そのお花畑で出来る「ユメミの実」を飲むと、勇ましく人を殺す夢を見ることができる。この村はこの「ユメミの実」を他国に売って、その利益で生活している。ほかに何も無い村なので、その利益で賄えるだけの人間しか生かしておけない。ということで6歳で選別されて殺される。

「やさしいむすめ」「やさしいむすこ」に認定されても、足の健を女性は両足、男性は片足切られてしまい、自由に歩けない。これは人々がやまんばのいる山に入れないようにするためだ。

しかし、この異常な状況に気づいた人は、おへその上あたりがキリキリ痛むようになる。こうした人も、ヘソクイ虫にやられてヘソクイヤマイにかかってしまったと言われ、殺される。

全体主義国家を風刺したこの作品。非常に読みやすくしかも考えさせられる名著だ。

安房直子、松谷みよ子の作品はじめ、非常に優れた文学作品なのに、絶版になってしまった作品が多い。確かにこういった作品は、刺激に満ちたfunnyな楽しい作品に慣れた現代の子供たちには入っていきづらいのかもしれない。しかし、こうした優れた文学作品を読むことによって、優れた「批判的」考えを身に付け、素晴らしい「判断力」を手に入れ、素晴らしい「表現力」が持てるようになるのではないだろうか。

スマホなどの普及、デジタル化の進行によって、ますます深く考えることがなくなっていくこの世の中。本当に大丈夫なのだろうか。こうした本を読んで、どういった世界に自分たちは住みたいのか、今一度考えるべきなのではないだろうか。

p.127
「お殿さまは、かしこいおかたじゃ。わしには、ようわかる。おさむらいさまがた。しかし、かしこいおかたは、いつでも、正しいおかたかどうか、それは、わからんもんでのう。わしはかしこくはないが、わかるのじゃ。」

賢い人たちが作った政策が必ずしも正しいものとは限らない。素直な美しい目で様々な事象を多くの人が見て欲しい。


p.158
「どうして、弥平は、考えようとするのか。どうして、じぶんの頭で考えようとするのか。考えることは、まようことである。考えようとすることは、わしの言うことを、うたがおうとすることである。わしは。みなのため、やさしい藩一国のため、どんなことでも、きめておるのだ。」

まさしく今の日本だ。子どもたちが深く考えず、ただただ速く情報処理ができるよう仕向ける、「大学入学共通テスト」を作成し、くだらない会話ばかりさせる語学教育を推進し、愚民を作ろうとしている現在の日本。非常に危ない状況だ。


p.241
「食わせられんとなれば、いくさにおくりだして、いちどに、うんと、ころしたりする。おみよ。お前の国じゃ、あれこれ、考えたり、もんくを言うもんを、ヘソクイヤマイじゃと言うて、うめてしまうだけのことじゃ」

まさに戦前から連綿と続く日本だ。


p.245
「お殿さまはのう、人の血をすすって、ほたほた、ほたほた、笑うてござるものなのじゃ。」

これもどこかの国の権力者だ。


p.251
「みんな、なにも知らんからこそ、それでしあわせじゃったーとも言えるんじゃぞ。おまえは、もう、べつの国を見てしもうた。じぶんの国のおそろしさを、知ってしもうた。知ってしまうことは、おみよ、人間を大きくそだてるが、それだけ、くるしみがふえることじゃぞ。」

現在の日本の教育は、くるしむを若者から減らそうとしてくれているのかもしれない。


p.263
「ええか、みなの衆。池之助とゆりのむすめ、おみよは、いま死んだ。しかしのう、おみよの見たものは、おみよが死んでも、死なんのじゃ」

真実は、正しいことは、善のイデアは永遠だ。


素晴らしい本だった。何故こういった本が絶版なのだろうか・・・・・・。
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ようこそ!たんぽぽ書店へ③ [文学 日本 児童書]


ようこそ!たんぽぽ書店へ(3): なくなった日記 (ポプラキミノベル い 02-03)

ようこそ!たんぽぽ書店へ(3): なくなった日記 (ポプラキミノベル い 02-03)

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2022/06/15
  • メディア: 新書



第三巻で、いよいよ双子の亜樹くんが、死んでしまった母親に対して厳しくあたって理由がわかり、さらに亜樹くんの心の中に溜まっていた感情も吐き出され、いろいろなことが解決していく。

亜樹くん、由樹くん、梨久の関係も、恋愛感情が混じっていきどんどん微妙になっていくのも、読んでいて結構ドキドキしてしまった。

とはいえ、電車で2時間かかるようなところを、一週間毎日のように、中学一年生が行くのは無理がある。電車で2時間ということは最低往復1000円はかかるであろうし、そうすると電車代だけで10000円。時間的にも往復だけで4時間。いろいろな面で無理がありすぎる。『噂のあいつは家庭科部!』の姉妹の誕生日の設定もそうなのだが、若干設定が甘いところがある気はするが、ストーリーは面白い。

息子も大好きなシリーズで、4巻も楽しみだ。
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天井うらのふしぎな友だち [文学 日本 児童書]


新装版 天井うらのふしぎな友だち (講談社青い鳥文庫)

新装版 天井うらのふしぎな友だち (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/05/16
  • メディア: 新書



三部作の最終作『天井うらのふしぎな友だち』を読み終わった。

「小さい頃は見えていたものが、大人になると見えなくなる」というのをテーマにした作品。ジブリの「となりのトトロ」は恐らくこの作品をベースに作られたのだろう。はじめの引越しの場面なども恐らくかなり影響を受けていると思う。

小さい頃には色々な乗り物に乗って夢の中で遊ぶ。しかし大人になるにつれてそういった類の夢を見なくなる。人間が想像力で作り上げた夢の中のそういった乗り物や様々な生き物たちが主人公の話。

最後は結構ハラハラドキドキ、若干感動的なシーンもある作品。

p.199
「人間はなにかをわすれないと、大人になれないようにできているんだから。」

自分はなるべく純真なこころでこうしたものをいつまでも見える自分でいたいなあ、と思った。

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地下室からのふしぎな旅 [文学 日本 児童書]


新装版 地下室からのふしぎな旅 (講談社青い鳥文庫)

新装版 地下室からのふしぎな旅 (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/04/15
  • メディア: 新書



ぼんやりしていてつかみどころがないところから、「カスミ」と呼ばれるアカネという女の子が、夜曲の叔母さんチィおばさんと、一緒に異界を旅する話。

結構ハチャメチャな設定で、『バムとケロ』シリーズに影響を与えたのではないかと思われる場面も出てくるし、「千と千尋の神隠し」のインスピレーションとなったのではと思われるような描写がこの本にも登場する。

正直『霧のむこうのふしぎな町』ほどのワクワク感や面白さはなく、第一作にあったような傑作感は全くない。もう一歩感は否めないが、とりあえず読んでみても時間の無駄という感じではないのではないだろうか。
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霧のむこうのふしぎな町 [文学 日本 児童書]


霧のむこうのふしぎな町 (講談社青い鳥文庫)

霧のむこうのふしぎな町 (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/02/21
  • メディア: Kindle版



ジブリ映画『千と千尋の神隠し』に大きな影響を与えたらしい作品。ついに読んだ。
本当に普通の小学校6年生の女の子リナが、お父さんに勧められ一人で旅してやってきた霧の谷。
そこは魔法使いたちの町。そこで仕事をし、色々な人と出会い成長していく。自分を飾ったり偽ったりすることなく、ありのままの自分で相手と真剣に向き合うことで、他人との関係を築いていけることを教えてくれる素晴らしい作品。

確かに面白く、ドキドキする物語だった。

講談社 文学の扉Version
p.62
「欠点のない人間ほどつまらねえものもねえんでさ。」

p.93
「わたしたちは、おたがいをよく知らないから、こわいのかもしれない。正面からぶつからないで、遠くから見ているだけだから。リナのように、とびこんでいったほうがいいんでしょう。リナがやったように、トーマス流にどなりちらしてね。」

ヘイト・スピーチや民族差別など、すべてそうなのだが、直接関わりあうことで受け入れられるものがある。結局今は適度な距離で適度な深さで、人や様々なものと関わることで、逆に感情を爆発させ、相手を傷つけるようなことになってしまっている気がするのだ。

p.134
「だってリナさん。男の子にこんなことをうまくやれっていっても無理ですよ。男の子には、もっとちがった仕事があるんじゃないかな。」

このセリフを読んで、若干時代を感じてしまった。恐らく今だったら受け入れられないセリフであろうとは思う。

何にしろ面白い作品だった。長男もかなり気に入ったらしい。
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大おばさんの不思議なレシピ [文学 日本 児童書]


大おばさんの不思議なレシピ (偕成社文庫)

大おばさんの不思議なレシピ (偕成社文庫)

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2014/07/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



先週の木曜日の、読売こども新聞の本紹介欄で紹介されていた本。柏葉幸子さんの本は、ジブリ作品『千と千尋の神隠し』の原作にもなったらしい『霧のむこうのふしぎな町』含め、結構気になっていたのだが、そこまで「読みたい!」という感じではなかったので今までスルーしてきたが、こども新聞をきっかけに、図書館で借りて読んでみた。

主人公は、両親共働きで何をやらせても不器用だが負けず嫌いな美奈。彼女の親友アキちゃんの家でアキちゃん本人が作ったケーキをご馳走になり、さらに友達の誕生日に手作りのクッキーをプレゼントする、と聞き負けてはいられないと自分も何か作ろうとする。母親に参考になる本がないか聞くが、ないと言われる。しかししばらくしつこく頼んでいるうちに、関おばさんというおばさんが、結婚祝いに母親にプレゼントしたという、レシピがあると知り早速手に取る。

そのノートには料理だけでなく、縫い物、編み物、風邪薬などのレシピもある。

そしてそのレシピで実際刺繍カバンを作ってみたところ、美奈はドグマムという人の事務所のところへそのカバンに連れて行かれてしまう。地球とは違う星に連れて行かれ、そこで起こっている出来事を彼女が作ったカバンによって解決する。

全4話からなるが、基本的に構成は一緒。彼女が手作りした不出来なモノたちと彼女の持ち前の負けん気とおせっかいによってほかの星の出来事を解決していくという物語。

少しずつ美奈も精神的に成長していき、不器用な自分でも良いんだという、ありのままの自分も受け入れるようになっていくという少女の成長物語。

確かにとても良い話だった。
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歴史ゴーストバスターズ③ [文学 日本 児童書]





大変な事件が次々と起こる中で、段々と登場人物たちの過去も明らかになってきて、ひとりひとりの性格も厚みを帯びてきた。それに伴って恋愛模様も複雑になってきた。

そもそも人間関係の構築というもの、恋愛感情の高まりはこういうものなのではないだろうか。初めはお互い全く知らないものどうし、見た目の印象や周りの噂などで若干ビクビクしながら近づいていき、少しずつ相手のことが分かっていき、行動を共にしたり会話をしたり、相手を知る周りの人達とも付き合いを重ねていく中でさらにその人を知っていく。誤解をしたり、喧嘩をしたりしながらさらに人間関係や恋愛関係を深めていく。

今回は古代日本がテーマだったが、卑弥呼を登場させることで、孤独であり孤高の存在でいることを周りからも認められ自分もそれでよし、と思いながらもやっぱり周りの人間たちと関わっていきたいという人々の心をうまく描写したストーリーになっている。

色々なことを考えさせられる良い巻だった。
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ものがたり12ヶ月 冬ものがたり [文学 日本 児童書]


冬ものがたり―ものがたり12か月

冬ものがたり―ものがたり12か月

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2008/11/01
  • メディア: 単行本



安房直子の単行本、文庫本等に入っていない「雪の中の青い炎」という作品が入っているのでこの本を購入した。せっかくなのでほかの収録作品も読んでみた。そんなに面白くない作品が多かったが、少し興味深い作品が入っていた。

「十二月ドミドミソドドド」 干刈あがた
これは『野菊とバイエル』という小説の最後の一章らしい。農村の女の子の内面が丁寧に描かれており全作品を読みたくなってしまった。これはずるいと思う。

「ぼくらのラブ・コール」 上野瞭
携帯が手放せなせなくなってしまった現代人を風刺した面白い先品。短編集『グフグフグフ』に収録されている作品らしい。彼の書いた長編小説『ひげよ、さらば』も読みたくなってしまった。
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歴史ゴーストバスターズ② [文学 日本 児童書]


歴史ゴーストバスターズ(2): ライバル登場!? ドキドキ合宿! (ポプラキミノベル あ 3-2)

歴史ゴーストバスターズ(2): ライバル登場!? ドキドキ合宿! (ポプラキミノベル あ 3-2)

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2021/12/08
  • メディア: 単行本



『歴史ゴーストバスターズ』二巻を読み終わった。今回は戦国時代の上杉謙信&武田信玄、平安時代の紫式部&清少納言がテーマ。しかし最後はアッと驚く展開。

歴史の人物がゴーストとなって現代の人を乗っ取って最終的には殺そうとするのを何とか防ごうとする狐屋コオリ、それを助ける主人公天照和子。恋愛要素も結構出てきて面白くなってきた。
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歴史ゴーストバスターズ① [文学 日本 児童書]


歴史ゴーストバスターズ(1): 最強×最凶コンビ結成!? (ポプラキミノベル あ 3-1)

歴史ゴーストバスターズ(1): 最強×最凶コンビ結成!? (ポプラキミノベル あ 3-1)

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2021/06/16
  • メディア: 単行本



最近子どもが若干歴史に興味を持ち出した。「講談社青い鳥文庫」そしてこの「ポプラキミノベル」のシリーズは結構好んで読んでいるので、歴史の興味が少しでも広がればと思い、『歴史ゴーストバスターズ③』が発売されたのを機に、一気に三巻購入。

その第一巻。小学校二年生の時小さいことがきっかけで親友のグループからはぶられることになってしまった歴史好き女子(歴女)天照和子。隣の席は学校一の不良と呼ばれるいつも傷だらけの狐屋コオリ。この二人が悪霊、幽霊退治をきっかけにだんだん仲良くなっていく話。確かに歴史のこぼれ話とかがあり面白くはあるのだが、あくまでもこぼれ話なので、歴史の大きな流れを知っておかないと、歴史の知識という点では、厳しい部分もある。

自分はこういう類のストーリーはもう一歩だったのだが、息子はかなり気に入ったらしく、①~③巻を何度も読み返している。
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ようこそ!たんぽぽ書店へ② [文学 日本 児童書]


ようこそ!たんぽぽ書店へ(2): 届いた手紙 (ポプラキミノベル い 2-2)

ようこそ!たんぽぽ書店へ(2): 届いた手紙 (ポプラキミノベル い 2-2)

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2021/11/17
  • メディア: 単行本



待ちに待った『ようこそ!たんぽぽ書店へ』の第二巻を読み終わった。
『噂のあいつは家庭科部』の主人公姉妹の年齢設定がおかしかったり、この巻でも運動会の途中でお昼ご飯を外に普通に買いに行っても良い感じであったり、設定がおかしいところがなくはないが、この作者の本はとにかく暖かく何度も読み返したくなる。実際第一巻は3回以上読み返している。この第二巻を読んではまってしまった長男は何十回と読み返している。

小学校時代のいじめがトラウマとなりなかなか上手な人間関係が作れない、町の小さな本屋さんの娘梨久。その隣に引っ越してきた性格反対の双子の男の子。この三者が織り成す暖かい物語。前回結構大活躍だった本屋の飼い猫ハチは今回、あまり活躍しない。

前巻では、となりの双子と仲良くなった主人公梨久が、色々なことをきっかけに人間関係を広げていくストーリー。恋の感情に鈍感な主人公がまた良い。

とても面白かった。是非3巻も読んでみたい。
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ねこの商売 [文学 日本 児童書]


ねこの商売 (福音館創作童話シリーズ)

ねこの商売 (福音館創作童話シリーズ)

  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2018/09/05
  • メディア: 単行本



今年の夏は、どこにも行けないので、クラシック・コンサートと図書館に子ども達と結構行った。
長男が色々借りて読んでいる中で「この本面白いよ」と勧めて来たので読んでみた。

確かにこころがあったかく良い話であった。
過疎地化によって、客があまり来なくてなってしまった和菓子屋「幸福堂」を猫が救う話。

全く大げさなところがなく、不自然さもなく、すっと物語に入り込め最後は心がほっこり。

猫が自ら努力しているのも素晴らしい。

子どもが選んだ本で結構感動させられるものがあり、子どもの選書能力って素晴らしいなと思う。
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放課後、きみがピアノをひいていかたら ~運命~ 第五巻 [文学 日本 児童書]


放課後、きみがピアノをひいていたから ~運命~ (集英社みらい文庫)

放課後、きみがピアノをひいていたから ~運命~ (集英社みらい文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/06/26
  • メディア: 新書



今回は、風音と律が、学校の運動会で応援団をやる話。風音が律のことを好きだということが周りの女友だちの知るところとなり、周りの協力などもあり風音と律は急接近。

運動会の活動を通して、ピアノの表現力も増す、というのはとっても良いテーマだと思う。
しかし、また疑問なのが、コンクールの課題曲が、ショパンの「スイスの少年」による変奏曲って・・・。もう少し、ソナタ、ソナチネ、練習曲系の曲じゃないの???と思ってしまった。

風音と律の距離が急接近。かなりこの二人の恋の結末が期待大。
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放課後、きみがピアノをひいていたから ~いのり~ 第四巻 [文学 日本 児童書]


放課後、きみがピアノをひいていたから ~ いのり ~ (集英社みらい文庫)

放課後、きみがピアノをひいていたから ~ いのり ~ (集英社みらい文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/02/28
  • メディア: 新書



『放課後、きみがピアノをひいていたから」シリーズの第四巻を読み終わった。
今回は、風音、律、柊哉、レナの四人で夏休み中に、近くの幼稚園にボランティアでお手伝いに行く話。そこで、児童と交流しながら風音が成長していく話となっている。恋愛関係も結構、込み入った感じになってきて面白い。

心に傷のある児童とのやり取りの中で、誰かのためにピアノを弾く、という感情を知り、それによって演奏する音が変化し、その演奏がきっかけでピアニストを目指すようになるというのはまあまあ面白いかなとは思った。そして、律という名前が、バッハの「平均律」から取られていたということが面白かった。そういう名前のつけ方もあるのね、と思った。

一つ気になったのが、最終的に風音は、ひとりの児童のためにバッハの平均律クラヴィーア第一集第一曲をもとにしてグノーが編曲した「アヴェ・マリア」を弾くのだが、この曲は、一人で演奏するのは結構難しいように思う。

今までもそうなのだが、『四月は君の嘘』『エトワール!』などと比べて、音楽に関する取材がイマイチな気がする。

とはいえ、それなりに楽しめてはいる。細かいことを気にしなければ結構良い作品だと思う。
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放課後、きみがピアノをひいていたから ~とどけ~ 第三巻 [文学 日本 児童書]


放課後、きみがピアノをひいていたから ~とどけ~ (集英社みらい文庫)

放課後、きみがピアノをひいていたから ~とどけ~ (集英社みらい文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/10/24
  • メディア: 新書



ピアノも再び弾けるようになり、コンクールにも出場し無事演奏をし終えた風音。次は、クラスのために、合唱コンクールのピアノ伴奏に立候補する。

いままで、ピアノが友だち的なところがあり、あまりクラスに積極的に関わってこなかった風音がクラスの溶け込もうとしていく中で経験する様々な心の葛藤がとても繊細に描かれている。他校の友人たちとの関係も入ってきて、話が結構膨らんできてとても面白い。

自分の気持ちをはっきりと言葉にすることの大切さを訴えているこの本。とても良かった。
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放課後、きみがピアノをひいていたから ~好き~ 第二巻 [文学 日本 児童書]


放課後、きみがピアノをひいていたから ~ 好き ~ (集英社みらい文庫)

放課後、きみがピアノをひいていたから ~ 好き ~ (集英社みらい文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/06/28
  • メディア: 新書



律のおかげでピアノが再び弾けるようになった風音。律の大好きなピアニストのチケットをもらうために、ピアノ・コンクールに出場することに決める。再びピアノのレッスンを始めた風音がお教室で出会った、柊哉。三人が奏でる微妙な関係がもどかしい。

とにかく風音が真っ直ぐで、色々なことを考え悩んでいる姿が愛おしい。

最後も、完全なハッピーエンドじゃないところがまた良い。

やはりこういった類の本は読後感がとても爽やかで素晴らしい。

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放課後、きみがピアノをひいていたから ~出会い~ 第一巻 [文学 日本 児童書]


放課後、きみがピアノをひいていたから ~出会い~ (集英社みらい文庫)

放課後、きみがピアノをひいていたから ~出会い~ (集英社みらい文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/02/22
  • メディア: 新書



子供と本屋にいて発見した本。
題名に惹かれ少し読み始めたらはまってしまった。

数々のコンクールで優勝しながら、ひとつのコンクールで入賞もできなかったことでピアノが弾けなくなってしまった主人公の女の子風音。そんな風音の学校に転校してきたスポーツ万能、イケメンの律。放課後、律が音楽室でピアノを弾いていたのを耳にした風音はその音に引かれ音楽室への誘われる。

風音も律もとても良い子で、風音は色々なことに悩み、傷つき、時に間違いを犯しながらも、前へ進み、自分を成長させていく。読んでいてとっても心地よく、読んでいる自分も頑張ろうと思いたくなる話。

若干、男女を入れ替えた『四月は君の嘘』的なところがなくはないが、読んでいるとどんどん引き込まれる。

今後の二人の関係が楽しみだ。
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十年屋 2 あなたに時をあげましょう [文学 日本 児童書]


十年屋 2 あなたに時をあげましょう

十年屋 2 あなたに時をあげましょう

  • 出版社/メーカー: 静山社
  • 発売日: 2019/02/13
  • メディア: 単行本



とりあえず十年屋シリーズを4巻まで借りているので『十年屋 2 あなたに時をあげましょう』を読んだ。この巻も心温まる話から、自分のわがままで大変になってしまう人の話まであった。セブン・イレブンが出しているフリー・ペーパー『ボノロン』のシリーズに世界観は似ている気がした。
そして最後のエピソードはいつも、十年屋とは違う魔法使いが出てくるんだなあ、と思った。
一話一話を絵本のようにすればもう少し読みやすいのでは、という感じがした。

森の戦士ボノロン 涙のきせきの巻 (ポラメルブックス)

森の戦士ボノロン 涙のきせきの巻 (ポラメルブックス)

  • 出版社/メーカー: コアミックス
  • 発売日: 2008/02/20
  • メディア: 大型本



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十年屋 [文学 日本 児童書]


十年屋 時の魔法はいかがでしょう?

十年屋 時の魔法はいかがでしょう?

  • 出版社/メーカー: 静山社
  • 発売日: 2018/07/11
  • メディア: 単行本



『十年屋』第一巻を読み終わった。
『作り直し屋』同様、短編集となっており、心暖まる話もあれば、教訓譚のような残酷な終わり方をするものもあった。基本構成は同じなので、もういいかな、という感じ。
小学生の朝読書とかには、分量的にちょうどいいのかもしれないが・・・。
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作り直し屋 [文学 日本 児童書]


作り直し屋 十年屋と魔法街の住人たち

作り直し屋 十年屋と魔法街の住人たち

  • 出版社/メーカー: 静山社
  • 発売日: 2019/04/17
  • メディア: 単行本



廣島玲子という人の作品が小学生のあいだで流行っているらしい。『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』というシリーズと『十年屋』というシリーズだ。どちらも図書館では予約がいっぱいでなかなか回ってきそうもないので、『十年屋』のスピンオフの本、この『作り直し屋』をまず読んだ。

人びとのいらなくなったものを魔法で使えるものにするという魔女の話。一つ一つが短いエピソードとなっており、確かに子供には読みやすそうだ。パターンも基本的には一緒。強い思いを込めてそのものを大事にしていたが使えなくなってしまったものを持ってきた人、自分の欲望の強さからそのものを持ってきたもの、の二者に分かれる。前者の場合は、基本的に良いものに変わり、ほっこり暖かい感じで終わるが、後者の場合は、結構ひどい感じで終わる。善悪がはっきりしており、道徳的にも良く出来た本であるとは思う。

最後の方で、主人公の魔女が、なぜこのような商売を始めたのかが明かされる章は結構読んでいて面白くはあった。

しかし、わたしにはもう一歩何かが足りない気がした。緊張感というか、ヒリヒリした感じがないのが残念だった。とりあえず、『十年屋』も図書館から届いたら読んでみようとは思うが、恐らく一巻を読めば良いだろうと思う。
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