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シルエット [文学 日本 島本理生]


シルエット (角川文庫)

シルエット (角川文庫)

  • 作者: 島本 理生
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/04/25
  • メディア: 文庫



1. シルエット
2. 植物たちの呼吸
3. ヨル
の初期作品三作が収録されている。1は群像新人文学賞最優秀賞受賞作品らしい。

3を15歳、2を16歳、1を17歳で書いているらしい。性的な描写もあり、実際体験しないと書けないのでは?と思わせる感じなので、どんな高校生だったんだろうと想像してしまう。略歴を見ると、彼女の幼少期に父と母が離婚しているらしく、まだそんなには彼女の作陽を読んでわけではないが、父がいない設定の登場人物が多い気がする。

1は、男にだらしなかったせいで父親に刺された母の看病をする冠(かん)という元彼と、せっちゃんという大学生の不思議な雰囲気の今の彼を持つ、高校2年生の女の子が主人公。母親のせいで女の子と肉体的な接触をできなかった冠とうまくいかなくなり、2週間家出をし金持ちの医学部の男とひたすらセックスをし、現彼に出会った主人公。その今の彼との生活と冠との思い出を行ったり来たりしながら、雪や雨、夢などを挟みながら重層的に主人公の内面とその成長を描いていく。

この作者、「愛」というものにおいて、肉体と精神が非常に密接に絡み合っていて、どちらが先とかではなくどちらもあってはじめて「愛」というものが成り立つのだ、ということを各作品で訴えている気がする。とても繊細な文章で、ヒリヒリする感じ。好きな人はとても好きなのだろうとは思うのだが、私はやっぱり読むのに結構パワーがいる類の小説だ。
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幸田延 [作曲家 伝記]


音楽家の伝記 はじめに読む1冊 幸田延 (音楽家の伝記はじめに読む1冊)

音楽家の伝記 はじめに読む1冊 幸田延 (音楽家の伝記はじめに読む1冊)

  • 作者: 萩谷 由喜子
  • 出版社/メーカー: ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
  • 発売日: 2023/07/28
  • メディア: 単行本



『音楽家の伝記 はじめに読む1冊』シリーズの中の本。『小泉文夫』とともにあまり興味がなかったのだが、ホームページで内容紹介をちょこっと見たところ、女性の演奏家だったとしり少し興味を持って図書館で借りてみた。

幕末に生まれた人らしく、明治維新によって職を奪われてしまった両親は、何とか子供たちには良い教育を、ということで安く受けられる官の教育を息子娘達に受けさせ皆がそれぞれの分野で大成する。

幸田延のお兄さんは何とあの幸田露伴、二人はとても仲の良い兄妹で、当然娘の文とも親しかったらしい。

彼女はアメリカやヨーロッパにも留学し、なんとあのブラームスとも面識があったらしい。さらに森有礼とも面識があったらしい。

初めは今の東京藝術大学の教授をしていたようだが、その職を追われ、一般の人々に音楽を教えるために、あの紀尾井ホールの前進を作ったらしい。

クララ・シューマンと並ぶ素晴らしい演奏家であり作曲家であり教育者であったようだ。

とても良い本だった。
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Op.50a 「マキシム三部作」組曲 [ショスタコーヴィチ 交響詩]

01 Prologue
★★★★★★☆☆☆☆
運動会のようなバカ明るい雰囲気で始まる。後半は同じメロディをピアノ伴奏で女性が歌う。

02 Prelude
★★★★★★☆☆☆☆
堂々とした男声合唱。若干「ラ・マルセイエーズ」っぽいメロディ。最後は最高級に盛り上がる。

03 Attack
★★★★★☆☆☆☆☆
まさに題名通り戦闘の開始を告げるかのような激しい音楽で始まる。途中静かになり緊張感が出る。

04 Death of the old worker
★★★★★★★☆☆☆
悲劇的な前奏の後、物悲しいメロディをヴァイオリンが奏でる。同じメロディをオケが力強く奏でる。
少し穏やかになり管楽器がメロディを奏でハープも伴奏に入ってくる。死者の思い出回想シーン?
その後ヴァイオリンとオケの悲劇的なやりとりが続く。

05 Waltz
★★★★★★☆☆☆☆
明るく愛らしいワルツ。

06 Demo
★★★★★★☆☆☆☆
悲壮感漂う決然としたな行進曲。

07 Struggle at the Bariccade
★★★★★★☆☆☆☆
前曲に似た悠然とした曲。どこか諧謔的な感じもある。

08 Funeral March
★★★★★★☆☆☆☆
静かで瞑想的な葬送行進曲。メロディは綺麗。

09 Finale
★★★★★★☆☆☆☆
激しいファンファーレがなった後、勇ましい行進曲となる。最後は勝利感に満ちた壮大なフィナーレとなる。

聴きやすい。
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Op.30a 「黄金の丘」組曲 [ショスタコーヴィチ 交響詩]

01 Introduction 
★★★★★☆☆☆☆☆
堂々としたファンファーレが鳴り響いた後、少し雄大な音楽となる。

02 Waltz
★★★★★★★☆☆☆
物悲しい美しいメロディがギター(?)のような音色で奏でられ、段々とほかの楽器も入ってくる。途中ハープも入り幻想的になった後、力強く盛り上がる。その後様々なメロディを奏でる優雅なワルツとなる。

03 Fugue
★★★★★★☆☆☆☆
オルガンが壮麗な主題を奏でて始まる。途中オーケストラが入ってくる。ティンパニーの音が鳴り響き盛り上がった後再び静まりオルガンの穏やかな演奏となる。最後はオーケストラが盛り上げ終わる。

04 Intermezzo
★★★★★★☆☆☆☆
静かで穏やかな音楽。最後突然悲劇的に盛り上がる。

05 Funeral March
★★★★★☆☆☆☆☆
あんまり「葬送行進曲」っぽくない荒涼とした曲。後半少し悲劇的になる。

06 Finale
★★★★★☆☆☆☆☆
全曲からアタッカでなだれ込み悲劇的な力強いメロディを奏でる。

悪くはない。
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Red [文学 日本 島本理生]


Red (中公文庫)

Red (中公文庫)

  • 作者: 島本理生
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2017/10/27
  • メディア: Kindle版



正直あまり興味のある作家ではなかったのだが、最近読んだ辻村深月の本の解説で言及されていたので、とりあえず読んでみた。

色々な紹介文などで、「著者初の官能小説」などとよく書かれている。小川洋子の『ホテル・アイリス』などもそうした紹介がされるのだが、ただ単に性交の描写が若干生々しいというだけで、それはものがたりの一部に過ぎない。これらが官能小説なら、村上春樹の小説はほぼ全て官能小説だろう。こうした性的描写も、女性作家が書いていることが自分のあたまにあるからなのか、女性作家が書いているからなのかわからないが、村上春樹などにありがちな、嫌な感じのいやらしさは全くない。

ストーリーは、傍目から見ると幸せで安定した生活をしている子持ちで主婦の女性が、過去の様々なトラウマ(?)、自分では気がつかなかった小さい頃から我慢してきたものが、日々のちょっとした不満と過去の男性との偶然の出会い、不倫などをきっかけに、徐々に自覚されるようになっていき、自分の人生を省みながら未来の自分を考えていく、というもの。

正直純粋で純真そうな女性が、男達に惹かれ不倫していく様が、読んでいてかなりきつく、フランスの自然主義文学を読んでいるようだった。

読んでいる途中はかなり苦しく嫌な感じだったが、エピローグが少し平和な感じでよかった。

あまり人にオススメしたい作品ではないが、映画にもなっているようだし、興味のある人は読んで損はない作品だと思う。

ちなみに本筋とは全く関係ないが心に残った一節。

p.231
「そもそも企業利益の差を生むのは、発想力とは無関係の、地味でつまらない仕事まで丁寧にやるかどうかだから。前の会社のときは近所のゴミ拾いからトイレ掃除まで俺が率先してやってたし」

本当にそうだと思う。これは教育にも言える。なんか新しくて楽しそうでクリエイティブっぽく見えることは長期的に見れば対して身にならない。むかしから行われている一見地味でつまらないものがのちのち大きな花を咲かせるのだ。
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Op.なし バレエ組曲「お嬢さんとならず者」 [ショスタコーヴィチ 交響詩]

01 Introduction
★★★★★★★☆☆☆
非常に悲しげで悲劇的な始まり。
いったん静かになりチェロが悲しみに満ちた旋律を静かにソロで奏でる。ハープの伴奏に乗って美しい旋律が奏でられる。段々と重く悲劇的な雰囲気へと流れていく。後半は静かで穏やかな雰囲気へと変わっていき平和な感じになる。最後は悲劇的に終わる。

02 Street
★★★★★★☆☆☆☆
ごちゃごちゃとしたまさにそのへんの道で人々が行き交う様子を表したかの様な音楽。

03 The Hooligan
★★★★★★☆☆☆☆
生意気そうな人間をトランペット(?)の音がねちっこく表現しており、伴奏も激しい。後半のドラマティックな感じも良い。

04 The Lady
★★★★★★★☆☆☆
美しい女性が優雅に歩く様子が目に浮かぶ静かで綺麗なメロディの曲。最後に不穏な空気が流れる。

05 School
★★★★★★☆☆☆☆
楽しげで快活な曲。最後は相変わらず不穏な空気が流れる。

06 Prayer
★★★★★★☆☆☆☆
静かで少し不穏な感じの始まり。最後は霧の晴れていくような広がりのある音楽となる。

07 Tavern
★★★★★☆☆☆☆☆
ファンキーな感じで始まる。段々と静かになっていく。最後は淡々とした感じになりスピードが上がって行き盛り上がって終わる。

08 Visions
★★★★★★★☆☆☆
クラリネットの甘く息の長い穏やかな旋律で始まる。弦がメロディを引き取って優美な雰囲気となる。最後はホルンの音で終わる。うっとりするような美しい曲。

09 Scene
★★★★★☆☆☆☆☆
激しい戦いの場面のような始まり。後半は穏やかに静かになる。

10 Promenade in Park
★★★★★★★☆☆☆
二拍子のゆったりとした遊園地的な曲。音もメロディも愛らしい。後半は喧嘩のような場面になる。

11 Adagio
★★★★★★★★☆☆
ヴァイオリンのソロが優美極まる美しいメロディを奏でる。途中仄暗い雰囲気が混じり、盛り上がっていく。後半再びヴァイオリン・ソロになり美しいメロディが静かに奏でられる。

12 Fight
★★★★★☆☆☆☆☆
題名通りの激しい始まりの後、結構穏やかな小競り合いのような音楽となる。

13 Finale
★★★★★★☆☆☆☆
激しく始まり、叙情的な美しいメロディが続く。段々と盛り上がり悲劇的な雰囲気となっていく。後半仄暗い静かなメロディがヴァイオリンによって奏でられる。最後は悲劇的に終わる。

美しいメロディと楽しさの詰まった、まさに「お嬢さんとならず者」「美女と野獣」的なものが楽しめる名曲となっている。
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Op.091 7つの人形の踊り [ショスタコーヴィチ ピアノ曲]

第1番 叙情的ワルツ
★★★★★★☆☆☆☆
愛らしいゆったりとしたワルツ

第2番 ガヴォット
★★★★★★☆☆☆☆
軽やかで愛らしい三拍子の曲。中間部の少し暗くなるところも綺麗。

第3番 ロマンス
★★★★★★☆☆☆☆
ターンターンタというゆったりとしたリズムに乗せて、少しアンニュイな静かで美しいメロディが流れる。

第4番 ポルカ
★★★★★★☆☆☆☆
シリアスさと滑稽さが同居する面白い曲。段々とスピードが上がっていく。最後は静かに終わる。

第5番 おどけたワルツ
★★★★★★☆☆☆☆
単音の前奏で始まり、そのままの伴奏で単音による静かなメロディが奏でられる。中盤少し和音による伴奏が混じる。後半は和音による伴奏。

第6番 手回しオルガン
★★★★★☆☆☆☆☆
ズッチャズッチャというリズムに乗ってスピード感のあるメロディが奏でられる。結構単調。

第7番 踊り
★★★★★☆☆☆☆☆
愛らしいスピード感のある曲だが、最終曲にしてはもう一歩。

全体的に悪くない。
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Un ballo in maschera (仮面舞踏会) [オペラ イタリア ヴェルディ]


Un Ballo in Maschera [Blu-ray]

Un Ballo in Maschera [Blu-ray]

  • アーティスト: Francesco Meli
  • 出版社/メーカー: C Major
  • 発売日: 2013/05/28
  • メディア: Blu-ray




ストーリー:★★★★★★★☆☆☆
アリア  :★★★★★★★☆☆☆
音楽全体 :★★★★★★★★☆☆

ヴェルディの21作目。「運命の力」「ドン・カルロ」と並んで中期三大傑作と呼ばれているらしい。10数年前にDVDで観たが、その時も素晴らしいと思い、もう一度観たいと思っていたがやはり素晴らしい。

ヴェルディ:歌劇《仮面舞踏会》 (初回限定盤) [DVD]

ヴェルディ:歌劇《仮面舞踏会》 (初回限定盤) [DVD]

  • 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
  • 発売日: 2023/08/09
  • メディア: DVD





前奏曲は静かに始まるが、段々と不穏な空気を持ち始め悲劇的になっていく。

第一幕
第一場
ボストン総督リッカルドを賞賛する人々とそれにまぎれた反逆者たちの陰謀の合唱で幕が上がる。明るく美しいメロディと暗いが綺麗なメロディの絡み合いがとても美しい。
その後、リッカルドが現われ、密かに思いを寄せるアメリアに称える歌を歌うのだがこれが甘く叙情的でとても美しい。その後アメリアの夫で忠臣のレナートが入ってきてリッカルドに反乱のおそれがあることを示唆するがリッカルドは聞き入れない。この暗い場面でもメロディはとても綺麗。
そこへ判事がやってきて、人心を惑わせる占い師ウルリカの追放を求めるが、リッカルドとその忠臣オスカルは聞き入れず、その占い師のところへ行くことに。最後の合唱がとても格好よい。
叙情的かつ、美しいメロディ満載でとても素晴らしい始まり。

第二場
怪しげな女性の占い師の場面。忠実な兵士がまずは占ってもらい、次にヒロインアメリアが占ってもらう。彼女は精神を純化させるためには、遠く危険な場所にある薬草を手に入れなければならないと言われる。リッカルドも占ってもらい、友人によって殺されるであろうと言われる。
ヴェルディのこういう場面にしては、エキゾチック感がなく、「イル・トロヴァトーレ」のような激しく心沸き立たせるようなメロディではないが、伸びやかな美しい旋律が揃っている。


第二幕
アメーリアが薬草を探しに人気のないところへやってきて懺悔の歌を歌う。そこへリッカルド登場。二人で叶わぬ愛の歌を歌う。そこへリッカルド殺害計画があることを知らせに、アメーリアの夫でありリッカルドの忠臣である、レナートがやってくる。レナートはリッカルドを逃がしたところで、殺害者たちがやってくる。ここでリッカルドが逢引していたのは自分の妻アメーリアだったと知り茫然自失となるレナート。
非常に叙情的な歌が多く、緊張感がある場面でも息の長いなめらかな旋律が目立つ。最後の「悲劇が喜劇に変わった」と皆で歌う合唱部分もとても綺麗なメロディ。

第三幕
レナートの家での、レナートとアメーリアの対話から始まる。レナートのかなり激しい音楽は今までの幕とは違って迫力がある。そのあとのアメーリアのアリア、レナートのアリアはこのオペラの白眉。このあと暗殺者たちがやってきてレナートと暗殺計画を立てる。その後リッカルドの遣いで仮面舞踏会の招待状を持ってきたものと、レナート、アメーリアの三重唱になるのだが、明るいメロディ、不安げなメロディ、怒りのメロディが組み合わさって非常に緊迫感のある場面となっている。
いよいよ舞踏会の場面。リッカルドの元に見知らぬ女性からの、暗殺計画があるから逃げてください、という手紙が届く。しかしリッカルドはそのまま仮面舞踏会へ。アメーリアを見つけ愛の二重唱。そこへレナートが登場し殺害。リッカルドはレナートを許すことを告げ、二人のあいだには肉体関係はなかったことを告げ息絶える。皆はリッカルドを称える。緊迫した場面なのだが、音楽は非常に叙情的で美しい。

モーツァルトの『皇帝ティートの慈悲』に物語的にも音楽的にも似ており、緊迫した物語なのに音楽は叙情的で全体を通して美しい。

しかしリッカルドを皆はたたえるが、彼の行為は誤解を招いても当然だしやっぱり最低の行為だと思う。
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リュシス [哲学 プラトン]


プラトン全集〈7〉 テアゲス カルミデス ラケス リュシス

プラトン全集〈7〉 テアゲス カルミデス ラケス リュシス

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/07/27
  • メディア: 単行本



ソクラテスの一人称語りの物語。

相変わらず老人が、若くて見た目の美しい若者リュシスに恋しており、このリュシスの友人メネクセノスといるところにソクラテスが行き、この二人と「友愛」について対話をするが結局結論に達しないというストーリー。こちらも50ページぐらいの短編。

①似ているものが似ている者に対して、似ているというそのことによって友となる
②反対の者同士が友となる
③無知という悪を持ってはいるが、しかしまだそれによって無知なわからずやになってはいず、自分の知らないことを知らないとまだ考えている人たち、こうした良くも悪くもない人たちが知(友)を愛するものになる。
そしてここから、「~のために友となる」みたいな話になるが、結局はここの「~」はあるが、結局その個々の「~」に通底する根本的な何かを求めるのが人間であり、そうすると
④欲望が愛の原因である
となる。

正直よくわからない。

まあまあではあるが、やはりもう一歩。
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ラケス [哲学 プラトン]


プラトン全集〈7〉 テアゲス カルミデス ラケス リュシス

プラトン全集〈7〉 テアゲス カルミデス ラケス リュシス

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/07/27
  • メディア: 単行本



戦争から帰ってきた人々が、「重武装」で戦うこと「勇気」とは何か、という事柄について話しており、その会話に呼ばれた若いソクラテスが対話に参加し、それぞれの人の意見をアポリアに陥らせる話。

この話も短く、しかもソクラテスの対話場面になるまでにかなりのページを要するので、対話場面はかなり薄い印象。

「勇気とは何か」
①戦列にとどまって敵を防ぎ逃げようとしない人
②忍耐力
③恐ろしいものと恐ろしくないものとについての知

プラトン作品のよくあるパターン、「Aとは何か」という問いに対して、「~という性質を持った人」というAの性質・特徴を持った具体的な人の例が挙げられ、そうではなくて全てに当てはまるような定義を求めるが、結局定義づけることができず終わる。

これもあまり面白い作品とは言えない。
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凍りのくじら [文学 日本 辻村深月]


凍りのくじら (講談社文庫)

凍りのくじら (講談社文庫)

  • 作者: 辻村深月
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/12/03
  • メディア: Kindle版



『ドラえもん』が登場する道具が結構出てくる作品ということで、『ドラえもん』にあまり興味がない私はあまり読む気がなかったのだが、それなりに評判の良い作品なので読んでみた。

頭が良く他人の観察眼にするどい主人公理帆子の視点で書かれた物語で、父親を早くに亡くし母親もガンで死にそうというのも影響しているのだろうが、結構覚めた視点で周りを観ており、解説にはあまり共感を得るタイプではない主人公とあったが、私はかなり共感できた。

p.30
「私の考える頭の良さというものは、多分その人の今までの読書量と比例する。 ~中略~ 私が普段遊んでいるこの子たちはほとんど本を読まないし、そのせいか、全ての場面で言葉が足りない。考え続けることに対する耐性がないのだ。ぱっと湧いた感情に飛びついて、それに正直に生きるだけ。」

p.252
「アイツ、何考えてるの。理帆子ちゃんほっとくなんて。だって、クリスマスも初詣も会わないってそういうことなんでしょう?
 ~中略~ 仕事が忙しくて会えないことを嘆いて罵る女がいるとよく聞くが、それってああ、そういうことかと気付いた。みんななんて頭が悪いんだろう。世の中で一番偉いのは、何も恋愛や彼氏彼女じゃないのだ。」

p.294
「頭がいい人間ってのは孤独だね。」
~中略~
「~人間っていうのは、頭の良さに伴って思考する能力を持てば持つ程、必然的に孤独にならざるを得ない。」

p.301
「精一杯、本当にギリギリのところまでやった人にしか、諦めることなんてできない。」


最終的にはこういった高慢な考え方は何となく否定され、周りを愛し同調していく方向へと行くのだが、私はこれらの言葉にかなり共感するし、中・高時代少なからずこうした考えを持っていた。そしてこれが言葉にできるということは恐らく辻村深月自身もこうした感情を心の中に抱き、生きづらさを感じていたのではないだろうか。

と、ここまで書いてなんだが、ストーリーは何となくグズグズと進み、かなりの終盤まであまり入り込めない。しかし最後の最後で一気に物語が動く。この場面はかなり衝撃的で惹き込まれはするのだが、やはりもう一歩。

面白くなくはないが、正直長さに見合っただけの圧倒的な感動みたいなものは得られない。
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カルミデス [哲学 プラトン]


プラトン全集〈7〉 テアゲス カルミデス ラケス リュシス

プラトン全集〈7〉 テアゲス カルミデス ラケス リュシス

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/07/27
  • メディア: 単行本



ソクラテスが戦争から帰ってきて、そのことについて人々に話しているところから始まる。しかもソクラテスの一人称がたりで結構珍しい形態。そこへ美少年のカルミデスが現れ、彼と「克己節制」とは何かという議論をする。

そして
p.76
「それなら、克己節制(健全な思慮)の人だけが自己自身を知っていることになり、自分はまさしく何を知り何を知らないかをしらべあげることができることにもなる。さらに、かれだけが、ほかの人々についても同じようにして考察できることになる~」
という一定の結論に達する。

これは一見すると良いように思えるが、克己節制の人は様々なことが「良いのか悪いのを見極める知」しかないので、それぞれの知識を持った人にはかなわないので、結局は必要とされないのではないのか、という『テアゲス』でもなされた議論と同じような議論になる。

そのままあまり明確な結論もないまま終わる。

初めのうちはそれなりに楽しめたが、後半だれてきた。この作品も70ページ程度の小品で議論の展開も何となくいい加減な感じ。偽作か?
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Op.137 映画音楽「リア王」 [ショスタコーヴィチ 交響詩]

シェイクスピアの『リア王』の映画音楽。

01 Fanfare 1
★★★★★☆☆☆☆☆
30秒足らずのファンファーレ。

02 Prelude and Cordelia's Ballad
★★★★★★☆☆☆☆
悲劇的な音楽がオケによって奏でられた後、ピアノ伴奏でコーディリアが悲しげな旋律を歌う。

03 Fanfare 2
★★★★★☆☆☆☆☆
短いファンファーレ。

04 Returning from the Hunt
★★★★★☆☆☆☆☆
明るく楽しげな曲。

05 Fanfare 3
★★★★★★☆☆☆☆
短いファンファーレ。

06 Ten Songs of the Fool
★★★★★☆☆☆☆☆
テーマ曲のようなものを挟みながら、軽妙で軽快な曲が並ぶ。中盤シリアスで激しい音楽になっていく。最後は静かに終わる。

07 Fanfare 4
★★★★★☆☆☆☆☆
短いファンファーレ。

08 Act 1 Finale
★★★★★☆☆☆☆☆
シリアスな始まり。太鼓の音が響き渡り悲劇性を強める。

09 The Approach of the Storm
★★★★★☆☆☆☆☆
太鼓の激しい音で始まる。悲劇的な音楽。

10 Scene on the Steppe
★★★★★☆☆☆☆☆
ゆったりとした歩くようなベースが印象的な曲。

11 Gloster's Blinding
★★★★★☆☆☆☆☆
太鼓の音が鳴りびびく激しく悲劇的な曲。

12 Military Camp
★★★★★☆☆☆☆☆
牧歌的なファンファーレが鳴り響き、ゆったりとした音楽となる。

13 Fanfare 5
★★★★★☆☆☆☆☆
短いファンファーレ。

14 March
★★★★★☆☆☆☆☆
少し諧謔的なマーチ。

15 Signal No.1 ~ No.5
★★★★★☆☆☆☆☆
滑稽な感じの曲。

16 Prelude The March of Time
★★★★★☆☆☆☆☆
シリアスな悲劇的な結末を暗示させるような曲。

17 Lear's Castle
★★★★★☆☆☆☆☆
暗く重い曲。

18 No.52 Moderato
★★★★★☆☆☆☆☆
堂々とした30秒程度の曲。

19 The Catastrophe begins
★★★★★☆☆☆☆☆
低い弦の音で始まる。題名通り「大惨事」を予想させる暗く重い始まり。段々と悲劇的に盛り上がっていく。

20 Signal No.6 ~ No.9
★★★★★☆☆☆☆☆
乾いた感じのファンファーレがなった後、おもちゃの楽器のような軽い音が鳴り響く。最後は乾いたファンファーレで終わる。

21 The Voice of Truth
★★★★★☆☆☆☆☆
再び悲劇的な雰囲気になる。もやっとした霧の中に迷い込んだような雰囲気。

22 Storm
★★★★★☆☆☆☆☆
悲劇がひたひたと迫ってくるような感じ。

23 After the Storm
★★★★★★☆☆☆☆
ヴォカリーズによる、天使たちの合唱のような混声合唱。最後は静かに終わる。

24 The Storm
★★★★★☆☆☆☆☆
静かに迫ってくるように始まる。段々と音が大きくなっていく。基本不穏。

25 Meal with Gonerill
★★★★★☆☆☆☆☆
フルートの静かな不穏な音で始まる。その後軽やかな音楽となるがどこか不穏。ハープの音も聞こえる。

26 Ending of the Tableau King Lear
★★★★★☆☆☆☆☆
再びフルートの静かな音楽。

27 Finale The Fool
★★★★★☆☆☆☆☆
最後は30秒程度の激しい音楽。

サウンドトラックとしては悪くない。
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第20回子どもたちと芸術家の出会う街 [舞台]

新日本フィルのコンサートに芸術劇場まで行ってきた。

次男も芸劇には行ったことがあるはずだが、やはりあの長いエスカレータに驚いていた。

プログラムは動物に関する音楽。

ハイドンの「熊」交響曲 第四楽章
サンサーンスの「動物の謝肉祭」抜粋
ストラヴィンスキーの「火の鳥」抜粋
プロコフィエフの「ピーターと狼」

ストラヴィンスキーの「火の鳥」ははじめて生で聞いたので結構よかった。

次男はやはり音楽(朗読・解説はあったが)だけは厳しかったようで、もう一歩と言っていた。
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Op.116a 組曲「ハムレット」 [ショスタコーヴィチ 交響詩]

シェイクスピアの有名な『ハムレット』の改作版。元は映画音楽だったものを組曲に改変。
01 Prelude
★★★★★★☆☆☆☆
悲劇的な始まり。様々なパーカッションの音が鳴り響いた後、弦の低音がハムレットの憂鬱を表しているかのような暗い音楽を奏でる。最後は安らぎのある和音で終わる。

02 The Ball At The Palace
★★★★★★☆☆☆☆
諧謔的な楽しい曲。プロコフィエフのバレエ曲っぽい。中盤はかなり盛り上がる。最後ははじめのテーマに戻って終わる。

03 The Ghost
★★★★★★☆☆☆☆
父親登場場面?おどろおどろしい短い曲。

04 In the Garden
★★★★★★☆☆☆☆
フルートの牧歌的な音で始まる。明るい中に不安感がある。
途中からヴァイオリンの哀愁漂う美しいメロディが入ってくる。
後半はあかるくのどかな音楽となる。
前半がハムレットで中盤がオフィーリア登場場面?後半がふたりの会話?

05 Hamlet & Ophelia
★★★★★★☆☆☆☆
悲しげで美しいメロディをヴァイオリンが奏でて始まる。
メロトロン?の音が幻想的に鳴り響く。
段々と不穏な空気が流れ出す。

06 Arrival Of the Actors
★★★★★☆☆☆☆☆
乾いた感じのファンファーレが鳴り響き、滑稽な感じの音楽となる。ハムレットの父を殺した「叔父と母」を演じる場面か?

07 Poisoning Scene
★★★★★☆☆☆☆☆
ハムレットがレイアティーズと決闘する前に、現王が毒を盛る場面?
力強い音楽の後、静かになり不穏な空気が流れる。
その後力強い音楽となる。決闘の場面?
7分近い長大な曲。

08 Duel & Death of Hamlet
★★★★★★☆☆☆☆
勇ましい音楽で始まり、最後は静かに沈痛に終わる。

ハムレットの内容に合った聴きやすい音楽。
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鍵のない夢を見る [文学 日本 辻村深月]


鍵のない夢を見る (文春文庫)

鍵のない夢を見る (文春文庫)

  • 作者: 辻村深月
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/07/10
  • メディア: Kindle版



辻村深月の直木賞受賞短編集。
全部で5作品からなる。

1. 仁志野町の泥棒
2. 石蕗南地区の放火
3. 美弥谷団地の逃亡者
4. 芹葉大学の夢と殺人
5. 君本家の誘拐

1は主婦の窃盗グセの話。2はストーカーの話と思いきや、自意識過剰な女の勘違いの話? 3はどうしようもない男に惹かれてしまった女と殺人事件。 4も3とテーマは似ている。 5は妊娠・出産・子育てに悩む女性の話。

どれもこれも女性視点で書かれており、最近読んだ『傲慢と善良』に近い、善良なんだけど結婚できない地方の女性たちが多く取り上げられている。

正直、自分の求める辻村深月らしさはあまりなく、ちょっとずれた主人公を描く、今村夏子作品に近いものを感じた。短編も得意ではない自分にとっては結構もう一歩な作品だった。
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テアゲス [哲学 プラトン]


プラトン全集〈7〉 テアゲス カルミデス ラケス リュシス

プラトン全集〈7〉 テアゲス カルミデス ラケス リュシス

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/07/27
  • メディア: 単行本



デモドコスという人が、自分の息子テアゲスが「知恵ある者」になるために誰かに金を払って教えてもらいたいと訴えている、という相談をソクラテスにもちかける。ソクラテスは早速テアゲスと問答をはじまる。「知者」とは何かやダイモーンの合図の話などが出て、結局はソクラテスに教えてもらうのが一番だ、的な結論になる?

20ページ程度の短い作品で、正直内容も薄い。これも偽作か?
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恋がたき [哲学 プラトン]


プラトン全集〈6〉 アルキビアデスI アルキビアデスII ヒッパルコス 恋がたき

プラトン全集〈6〉 アルキビアデスI アルキビアデスII ヒッパルコス 恋がたき

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/06/24
  • メディア: 大型本



この作品も、20ページ程度の偽作の疑いがある作品。
しかし、『ヒッパルコス』よりはましか。

ある高尚なことを話している二人の美男子がいる。そのうちの一人に恋する二人が近くにいる。
一人は、体育を得意とするもの
一人は、学問を得意とするもの

この二人にソクラテスが、
「知を愛し求めること」はみっともないことか否か、
「愛知の場合、学び知る度合いを多くすることが、知を愛することがどうか」などを聴く。
色々と話す間、なんでも度をすぎることは良くなく、適度が良いという結論に達する。
さらに愛知者はいろんなことに適度に通じているものというわけではなく、「自己自身を識る」人だという結論に達する。

イマイチ議論が乱暴でわかりづらい。この作品もイマイチだった。
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ヒッパルコス [哲学 プラトン]


プラトン全集〈6〉 アルキビアデスI アルキビアデスII ヒッパルコス 恋がたき

プラトン全集〈6〉 アルキビアデスI アルキビアデスII ヒッパルコス 恋がたき

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/06/24
  • メディア: 大型本



この作品も、偽作の疑いがある作品らしい。
しかし、これも20ページ程度という短い作品でもあり、プラトンぽさのない内容で確かに偽作っぽいと思ってしまう。

登場人物はソクラテスと友人だけ。しかもその友人も名前がつけられていない。
でだしも唐突な感じ。話題は、「利得の愛求」「利得愛求者」について。
友人は、「利得愛求者」を「無価値なものごとから利得を得ることを期待する人々」「よこしまな、利得に目がくらみやすい人々」と定義し、マイナスの評価をする。しかしソクラテスは、「利得」とは「損失」の反対であり、「損失」は「悪」であり、「利得」は「善」であり、善なるものを求める人は良い人のはずだ、と主張する。

この議論の間に、友人がソクラテスの議論によってなんだかだまされているかのような気分になり次のように言う。

p.162
「反対にあなたがわたしをあざむいて、わたしにはどちらともわからぬままに、議論の中で上を下へとひっくり返しているのです。」
ここからソクラテスが、題名になっている「ヒッパルコス」という僭主ペイシストラトスの話を突然持ち出す。

ソクラテスの言葉遣いや議論の進め方も乱暴な感じで、あまりプラトンの作品っぽくない。読まなくても良い作品。
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Op.087 24の前奏曲とフーガ [ショスタコーヴィチ ピアノ曲]

第1番 ハ長調
前奏曲
★★★★★★☆☆☆☆
和音を中心とした囁きかけるようなやさしい旋律ではじまる。途中若干Jazzっぽい和音も聞こえる。
フーガ
★★★★★★☆☆☆☆
やさしい旋律でフーガなのだが和声的に聞こえる。

第2番 イ短調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
凄まじいスピードの1分程度の曲。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
短調らしい物悲しい主題。リズム的には結構はねた感じで段々と混沌としてくる。

第3番 ト長調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
重く堂々とした始まり。何かを告げるかのような単音のメロディが流れるが、それに低音が呼応するかのように反応する。重いやりとりが続く。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
明るく軽やかなフーガ。蝶が舞っているイメージがある。後半結構音が重なり盛り上がる。

第4番 ホ短調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
静かで物悲しい旋律。右手と左手がそれぞれ自分のメロディを奏でている感じ。
フーガ
★★★★★★☆☆☆☆
瞑想的で息の長い美しい主題で始まる。後半スピードが若干上がり、ドラマティックに盛り上がる。
前半と後半の対比が面白い曲。

第5番 ニ長調
前奏曲
★★★★★★☆☆☆☆
クリスマス・ソングのような、鐘の音をイメージさせる優しく愛らしい始まり。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
すこし元気ではねた感じの主題。こちらも少しクリスマスの楽しい雰囲気がある。

第6番 ロ短調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
重く暗く物悲しい主題。フーガっぽい。
フーガ
★★★★★★☆☆☆☆
前奏曲に続き深く重い主題。同じ音型がひたすら繰り返される結構クセになる曲。

第7番 イ長調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
優しく愛らしいメロディの曲。
フーガ
★★★★★★☆☆☆☆
フーガも優しく愛らしい主題。迷宮的な感じになっていく。

第8番 嬰ヘ短調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
勇ましい戦闘的な主題。段々と諧謔的になっていく。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
物悲しい民謡風の主題で始まる。暗く重い雰囲気で曲が続く。

第9番 ホ長調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
暗く重い左手と、鐘の音を模したかのような木琴的な音の高音の右手の対話的な曲。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
まさにフーガという感じの厳しく速い曲。

第10番 嬰ハ短調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
追いかけっこのような流れるような旋律が右手と左手で奏でられる。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
まさにフーガといった感じの厳しい主題をもったゆったりとした長い曲。

第11番 ロ長調
前奏曲
★★★★★★☆☆☆☆
明るく軽やか。フーガっぽい。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
前奏曲よりさらに明るく重層的。

第12番 嬰ト短調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
変奏曲形式らしい。暗く重い主題。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
厳しい主題。後半かなり盛り上がる。

第13番 嬰ヘ長調
前奏曲
★★★★★★★☆☆☆
ゆったりとした牧歌的な美しいメロディの曲。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
前奏曲の優しい雰囲気を残した落ち着いた内省的な曲。

第14番 変ホ短調
前奏曲
★★★★★★☆☆☆☆
右手がシ(?)の音を連続で鐘のようにならし、左手がトレモロで不気味な伴奏をつける。後半かなり盛り上がる。
フーガ
★★★★★★☆☆☆☆
緊張感と悲しみに満ちた主題。美しいメロディ。

第15番 変ニ長調
前奏曲
★★★★★★☆☆☆☆
軽い感じの明るい若干行進曲風の始まり。段々とシリアスさを増していく。後半静かになり、内省的になる。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
前奏曲の雰囲気を残した無窮動的なフーガ。

第16番 変ロ短調
前奏曲
★★★★★★★☆☆☆
パッサカリア(主題と変奏)形式。悲しみに満ちた重く美しい主題。
アルペジオが美しい第一変奏。
少し激しい感情が揺れる第二変奏。
天に登っていくかのような高音の細かい第三変奏。
最後は静かに重く終わる。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
哀愁漂うゆったりとした静かな主題。副主題が主題と静かな対話をしているかのようになる。
7分を超える長大なフーガ。

第17番 変イ長調
前奏曲
★★★★★★☆☆☆☆
さわやかな春を感じさせる明るく開放的な始まり。ずっとタラララというリズムを奏でる左手が印象的。中盤若干不安げな感じになる。その感じを少し含んで明るい主題が帰ってくる。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
あまりフーガっぽくない前奏曲の雰囲気を残したリズミカルな曲。

第18番 ヘ短調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
静かで瞑想的な曲。結構静謐で美しい。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
こちらも静謐な美しいフーガ。

第19番 変ホ長調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
力強く大地の広がりを感じさせる主題と軽妙な主題が交互に奏される。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
迷宮に迷い込んだかのようなフーガ。

第20番 ハ短調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
重く悲しみに満ちた主題と悩み苦しむかのような単音の主題が交互に奏される。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
瞑想的で緩やかなフーガ。

第21番 変ロ長調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
明るく軽やかで無窮動的な作品。最後は高音で終わる。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
はねた感じの明るい主題。

第22番 ト短調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
迷宮的で思索的な前奏曲。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
少し厳しい主題でゆったりとしたフーガ。
第23番 ヘ長調
前奏曲
★★★★★★☆☆☆☆
安らぎに満ちた叙情的なメロディで始まる。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
穏やかに始まり段々と盛り上がる。結構叙情的な曲。

第24番 ニ短調
前奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
重く荘厳に始まる。後半は静かでメランコリック。
フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
穏やかで優しい始まり。後半段々とスピードが上がり盛り上がっていく。

全体的に目立った曲はないが確かに良い曲集。

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皇帝ティートの慈悲 [オペラ ドイツ モーツァルト]


ストーリー:★★★★★★★☆☆☆
アリア  :★★★★★★☆☆☆☆
音楽全体 :★★★★★★★★★☆

慈悲深い皇帝ティート、皇帝の信任厚い部下であり友人であるセスト、基本的にこの二人の主人公を中心に物語は進む。ティートのかつての恋人であり、セストが想いを寄せるヴィッテリアが、皇帝に恨みを抱き、彼を殺すことをセストに頼んだことによって物語は複雑なものになる。

セスト⇒ヴィッテリア⇒ティートという関係に、セストの妹セルヴィリア、その恋人アンニオとティートという関係も混じり合い、複雑な三角関係が展開される。

10数年前に観たときも思ったのだが、そこまで心に残るアリアはないのだが、とにかく音楽全体が澄んでいて清廉で、結構血なまぐさい内容なのにとても綺麗なのが印象的なオペラ。レチタティーヴォもかなり多いが、チェンバロの伴奏に乗って結構綺麗な感じ。前奏曲もそれなりに格好良い。ズボン役含め4人の女性がメインとなって話をすすめるオペラも珍しい。特に第一幕が綺麗。

このDVDでは、メゾ・ソプラノのズボン役でガランチャ、その恋人役でバーバラ・ボニーという二人の美女が出演しており、とてもよかった。
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傲慢と善良 [文学 日本 辻村深月]


傲慢と善良 (朝日文庫)

傲慢と善良 (朝日文庫)

  • 作者: 辻村 深月
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2022/09/07
  • メディア: Kindle版



ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』から題名をとっているのだろうなあというのがすぐわかる題名で、実際物語の中にこの作品が登場する。

婚活小説で、婚活アプリで知り合ったふたりが結婚することになるのだが、突然女性が姿を消してしまい、男性がそれを探すことによって、彼女の過去がわかってくるというもの。

前半は男性視点、後半は女性視点、と視点を変えるのは、『朝が来る』などでもおなじみに手法であるし、焦点を合わせる人物を変えることで、同じ物語でも違った視点で語ることで出来事が重層的に見えてくるというのも『スロウハイツの神様』などでもお馴染み。『島はぼくらと』『青空と逃げる』にも登場した人物たちが出てきたり、地方の活性化なども結構テーマとしてあり、かなり今までの辻村作品の集大成的な感じ。

主人公真美はとっても私は共感できた。彼女ははじめは善良そうに見えるが、段々と傲慢さが見えてくるという書評もあったりするのだが、私はそうは思わず、基本善良なのだろうと思った。

そしてキラキラして、平気で嘘をつく人たちに対する苦手意識などもとても共感できた。

確かに面白い作品であった。

ちなみに、本編とは全く関係がないのだが、文庫版は朝井リョウが解説を書いている。この朝井リョウという作家はかなり人気が高いらしく、あまり批判めいたものを目にしないのだが、私は大嫌いな作家だ。明らかに自分が勝ち組でありそれを誇らしく思っているのだが、そのことをなるべく見せないようにしているのだが、文章の端々からそれがにじみ出ている。弱者に対して寄り添うという感じがこの人には全くなく、まさに「傲慢」そのものというのが彼の書く文章からにじみ出ている。これは村上春樹にも言える。このふたりが人気作家であることがわたしにはよくわからない。
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Op.115 ロシアとキルギスの民謡による序曲 [ショスタコーヴィチ 交響詩]

★★★★★★☆☆☆☆
雄大なロシアの大地を感じさせる序奏で始まる。
少し元気な第一主題。悪魔のダンスをイメージさせる野性的な第二主題。
牧歌的な部分を経て最後はきらびやかに終わる。

悪くはない。
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Op.061 ピアノ・ソナタ第二番 [ショスタコーヴィチ ピアノ曲]

第一楽章
★★★★★★☆☆☆☆
非常にスピード感のある激しい第一主題。和音が連続して鳴り響く上を乾いた旋律が流れる第二主題。若干穏やかな展開部。あまりメロディアスではないが、激しい感じで何となくクセになる楽章。

第二楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
夜、さみしくつぶやきながら物思いにふける人を想像される間の多い静かな緩徐楽章。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
変奏曲
単旋律の緊張感のある主題。
フーガ風の第一変奏
三連の第二変奏
スピード感のある第三変奏
和音が中心の第四変奏
ポツポツとした第五変奏
高音と低音のカノンによる第六変奏
かなり激しい第七変奏
静かで瞑想的な第八変奏
最後は主題に戻って終わる。
あまり魅力的な主題ではないがずっと聞いているとクセになる。

なんとも不思議な魅力を持ったソナタ。悪くない。
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アルキビアデスⅡ [哲学 プラトン]


プラトン全集〈6〉 アルキビアデスI アルキビアデスII ヒッパルコス 恋がたき

プラトン全集〈6〉 アルキビアデスI アルキビアデスII ヒッパルコス 恋がたき

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/06/24
  • メディア: 大型本



この作品も、偽作の疑いがある作品らしい。
しかし、これも50ページ程度という短い作品であるが、プラトンらしい内容となっている。

『アルキビアデスⅠ』同様、ソクラテスちアルキビアデス二人の対話で、これから神に願い事をしに行こうとするアルキビアデスをソクラテスが止めて議論する。

神に祈ってその願いが叶えられる人と叶えられない人の違いはなんなのか、という話。
思慮ある願い事をする人は叶えられるが、思慮のない願い事をする人は叶えられない、という話になる。そこから思慮ある人とはどのような人か、という話になり、結論的には「最善についての知」を持っている人が思慮ある人と考えられる。

こうして外見ばかりを気にしていたアルキビアデスは内面に心を配ろうとし始める。
短いが結構興味深い内容となっている。

p.125
「われわれ自身が、無知のせいで、知らずに最悪のことをなしたり、あげくのはてには、それがわれわれに与えられるようにと祈願したりしているところを見れば、無知というものが人間にとってどんなに多くの悪しきことの原因になっていることか、ということです。」

p.145
「もし神々がわれわれのささげる贈り物や、犠牲には目をとめるが、ひとがまさに敬虔であるか、正しくあるかといった、魂のほうには目もくれないというのであれば、それはなんともたいへんなことになるかも知れないからねえ。」

この「神々」を「上司」や「権力者」に帰れば、何故日本の組織がこんなにひどい状態になっているかがわかるだろう。
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Op.111a 組曲「五日五夜」 [ショスタコーヴィチ 交響詩]

英米軍の空爆を避けてナチス・ドイツが隠したドレスデン美術館の絵画を、戦後ソ連軍が救出したというエピソードに基づいた映画らしい

01 Introduction
★★★★★★☆☆☆☆
暗く重く、不吉な雰囲気で始まる。段々と伸びやかに壮大になっていく。途中から不穏な空気が再び流れ出し、力強くなっていく。ピアノの音も聞こえる?ドラマティックで結構格好良い曲。

02 Dresden In Ruins
★★★★★★☆☆☆☆
華やかな、パーティーが始まるかのような雰囲気で始まる。段々と不穏な空気が流れ出し荒涼としてくる。軍隊が入ってきたかの様なファンファーレがところどころに聞こえる。最後は綺麗に終わる。

03 Liberated Dresden
★★★★★★☆☆☆☆
ゆったりとした壮大な雰囲気。太鼓が鳴り響き戦いの場面となり、勝利感に満ちた感動的な雰囲気となる。勝利を祝うパーティーが始まったかのような壮麗な音楽となり、最後はベートーヴェンの第9のメロディまで流れて終わる。

04 Interlude
★★★★★★☆☆☆☆
暗く始まるが、だんだん霧が晴れていくかのように明るくなっていく。行進曲風になった後、眠りにつくかのように静かに穏やかになっていく。

05 Finale
★★★★★★☆☆☆☆
穏やかな管楽器の音で始まる。段々と暗くなるが、徐々に明るく祝典的な雰囲気となる。後半悲劇的になり、死刑執行のような場面も出てくる。静かになった後、牧歌的な音楽が流れ、平和に終わる。

悪くない組曲。
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Op.034 24の前奏曲 [ショスタコーヴィチ ピアノ曲]

第1番 ハ長調
★★★★☆☆☆☆☆☆
清麗とした前奏で始まるが、メロディは非常に不安げ。ハ長調とは思えない曲。

第2番 イ短調
★★★★★☆☆☆☆☆
哀愁漂うメロディが少しはねた感じの伴奏の上を奏でられる。

第3番 ト長調
★★★★★☆☆☆☆☆
流れるような美しいメロディのしっとりとした曲。若干不安げな様子も混じる。段々と右手と左手が噛み合わなくなり混沌としてくる。最後は暗く重く終わる。

第4番 ホ短調
★★★★☆☆☆☆☆☆
左手の単音で始まる。そのまま右手が単音で入ってくるが、左手と右手は噛み合わない。勝手に自分の言いたいことを言い合っている感じ。フーガになってる?

第5番 ニ長調
★★★★★☆☆☆☆☆
「熊ん蜂の飛行」を彷彿とさせる30秒程度の凄まじいスピードの曲。

第6番 ロ短調
★★★★☆☆☆☆☆☆
諧謔的な跳ねた感じの曲。

第7番 イ長調
★★★★☆☆☆☆☆☆
叙情的ながら諧謔的な曲。

第8番 嬰ヘ短調
★★★★☆☆☆☆☆☆
跳ねた感じの6番に近い曲。

第9番 ホ長調
★★★★☆☆☆☆☆☆
激しく荒れ狂う曲。

第10番 嬰ハ短調
★★★★★☆☆☆☆☆
叙情的なやさしいメロディの曲。

第11番 ロ長調
★★★☆☆☆☆☆☆☆
激しい曲。

第12番 嬰ト短調
★★★★☆☆☆☆☆☆
漣が押し寄せてくるような伴奏の上を哀愁漂うメロディが奏でられる。

第13番 嬰ヘ長調
★★★★☆☆☆☆☆☆
元気で明るい曲。

第14番 変ホ短調
★★★☆☆☆☆☆☆☆
重く暗く遅く長い曲。途中から少し盛り上がりドラマティックにはなるが、メロディはよくわからない。不協和音の連続。3分くらいではあるが他の曲が1分程度の曲が多いのでとにかく退屈。

第15番 変ニ長調
★★★★☆☆☆☆☆☆
明るく楽しげな曲。子供の曲集に出てきても良いような感じの曲。

第16番 変ロ短調
★★★☆☆☆☆☆☆☆
行進曲風に格好良く始まるが、だんだん滑稽な感じに変化していく。

第17番 変イ長調
★★★★★☆☆☆☆☆
静かで穏やかな前奏の後、アンニュイなメロディが静かに奏でられる。

第18番 ヘ短調
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
諧謔的な短い曲。結構テンポは速い。

第19番 変ホ長調
★★★★☆☆☆☆☆☆
叙情的でどこか懐かしい感じのする曲。

第20番 ハ短調
★★★☆☆☆☆☆☆☆
激しい曲。

第21番 変ロ長調
★★★☆☆☆☆☆☆☆
軽やかで楽しげな曲。

第22番 ト短調
★★★☆☆☆☆☆☆☆
静かでゆったりとした曲。どこかしら緊張感がある。

第23番 ヘ長調
★★★★☆☆☆☆☆☆
高音の美しい旋律で始まる。段々と暗さを帯びてくる。

第24番 ニ短調
★★★☆☆☆☆☆☆☆
この曲集にふさわしい諧謔的な曲。

ちょっと残念な曲集。

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Op.022b 『黄金時代』より、ポルカ [ショスタコーヴィチ ピアノ曲]

評価
★★★★★☆☆☆☆☆
アメリカっぽい曲。エンターテイナーっぽいラグタイム的な曲。
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Op.013 ピアノのための10の格言集 [ショスタコーヴィチ ピアノ曲]

1.レチタティーヴォ
★★★☆☆☆☆☆☆☆
右手と左手が勝手に単旋律でメロディを弾いている感じ。正直ゆっくりでつまらない。

2.セレナード
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
まったくセレナード感のない、モノローグ的な曲。

3.夜想曲
★★★☆☆☆☆☆☆☆
こちらも全く夜想曲感のない、単旋律の激しい感じで始まる。

4.エレジー
★★★☆☆☆☆☆☆☆
メロディは穏やかで綺麗っぽいが、左手の伴奏が全く右手とあっていない。

5.葬送行進曲
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
静かにファンファーレが奏され、不気味で諧謔的なメロディが流れる。暗く重い曲。

6.エチュード
★★★☆☆☆☆☆☆☆
軽やかで明るい感じだが、つまらない。

7.死の舞踏
★★★☆☆☆☆☆☆☆
力強い単旋律で前奏が奏でられ、わけのわからない主題となる。

8.カノン
★★★☆☆☆☆☆☆☆
カノン感の全くない、ただ音が出ているだけの曲。

9.伝説
★★★☆☆☆☆☆☆☆
不気味な単旋律が左手?によってひたすら奏でられ、右手はそれに寄り添う感じだがまったく美しいハーモニーを形成しない。

10.子守歌
★★★☆☆☆☆☆☆☆
暗く重く長い。

全体的に単旋律が多く、右手と左手が勝手に自分の主張をしているだけのような曲が多い。
正直つまらない。

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Op.012 ピアノ・ソナタ第一番 [ショスタコーヴィチ ピアノ曲]

評価
★★★★☆☆☆☆☆☆
非常に先鋭的なプロコフィエフ的な激しい第一主題。正直メロディが全く見えない。
メカニックで冷静な第二主題。こちらもプロコフィエフのバレエ音楽を彷彿とさせる。
悪魔の行進のような、低音によるウォーキングベースの上を、暗いメロディが流れる。
悪魔が暴れだしたかのような不協和音の連続によるスケルツオ楽章的な部分が現れる。
鐘が鳴り響き悪魔たちがいなくなると、静かな幻想的な雰囲気となる。
最後は主題が力強く回帰され、激しく終わる。

面白くはあるが、正直理解できない。
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