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県庁おもてなし課 [文学 日本 有川浩]


県庁おもてなし課 (角川文庫)

県庁おもてなし課 (角川文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2013/04/05
  • メディア: 文庫



有川浩作品の映画予告編等をyou tubeで見ていたら、この映画の予告編も出てきてそれなりに面白そうだったので、読んでみた。

高知県の県庁に出来た「おもてなし課」の新人が、公務員という特殊な柔軟性のない体質に、アルバイトの女性職員と共に試行錯誤しながら挑んで行き、成長していく物語。有川作品特有の、前向きで真摯で真っ直ぐな性格の人間ばかりで、読んでいて安心する。この作品のヒロイン明神多紀も真っ直ぐで努力家で優しく、本当に愛らしい。

お互いが刺激し合いながらお互い成長していくこの関係は、かなり読んでいて心地よかった。

とはいえ、この夏かなり有川浩作品を集中して読み若干、このパターンに食傷気味になってきたのでしばらくは良いかな、という感じ。

何にしろ楽しかった。
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旅猫リポート [文学 日本 有川浩]


旅猫リポート (講談社文庫)

旅猫リポート (講談社文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/02/15
  • メディア: 文庫



普段ご飯をあげていた野良猫が、車に轢かれてしまったことをきっかけに、その猫を飼うことになった悟。5年間一緒に暮らしたがあることをきっかけに一緒に住めなくなる。その愛猫を引き取ってくれる人を探す旅を、猫の視点と引き取る予定の人たちの視点で順々に描いた作品。

悟の小学校、中学校、高校、大学と彼の生い立ちを追いながら旅を続けるあたりがとても構成としてうまくできているなあと思う。かなり長い旅路でしかも車で旅をするので、お金と時間がかなりかかるであろうに、30前後の若い独身男性が大丈夫なのか?と思いながら読み進めるのだが、そういった読者の疑問も最後に回収するあたり、素晴らしい作品だ。

レビューなどを見ると「最後は涙が止まらなかった」「最後は涙が流れっぱなしだった」などとあるが、本当にその通りの作品だ。猫好きであれば一つひとつの描写も「あるある」と思って読めるし、最後は本当に感動的だ。

題名からは想像できないくらい美しく素晴らしい作品だ。逆境にありながら素直に心優しく成長する人間を描かせたらこの人に右に出る人はいないのではと思ってしまう。本当に素晴らしい作品だった。
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キャロリング [文学 日本 有川浩]


キャロリング (幻冬舎文庫)

キャロリング (幻冬舎文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/12/06
  • メディア: 文庫



通勤の帰りに読む本がなくなってしまい、図書館で見て若干気になっていたがそこまで面白そうではなく読まずにいた本だったが、あらためて図書館に行って借りて読んでみた。

様々な不幸な子供時代、人生を歩んできた・いる人々に焦点を当てた作品。過酷な人生を歩みながら真っ直ぐ生きようとする人々を描いている。結構激しい暴力場面なども出てくるが、心根が優しい人ばかりが登場するので読んでいてそこまでつらい感じはしない。

クリスマスシーズンをテーマにはしているが、あまりクリスマスとは関係のない感じで物語は進む。

有川浩作品は、根本的に根が優しく正義感にあふれた登場人物が描かれるので、読んでいてとても気持ちが良い。この作品のヒロインといえる柊子は育ちも良く情にも篤く本当にこんな女性がいるのかと思うほど素晴らしい女性だ。

結構設定の無茶苦茶さを批判するレビューを見るが、「小説ですから~~~~」。
ということで結構感動的で面白い作品だった。

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レインツリーの国 [文学 日本 有川浩]


レインツリーの国 (角川文庫)

レインツリーの国 (角川文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/09/24
  • メディア: 文庫



難聴者の女性と、健聴者の男性の、ネットを通してリアルにつながっていくお互いの心理を、e-mailのやり取りなどを通じて詳細にに描いた素晴らしい恋愛小説。

「図書館戦争」シリーズのスピンオフ的な作品で、私はそういう作品があまり好きではないので、そんなに期待せずに読んだが素晴らしかった。昔読んだ作品の結末に納得のいかない男女が、その納得のいかなさを通して知り合い、語り合い、その作品の結末と自分たちの未来を重ね合わせながら物語が終わるのも美しかった。

難聴の人の苦悩、健聴者側の無知と無知であることに後で気づいたことによる苦悩、そして誰もが持つであろう苦悩、そしてどんなに親しくなろうが、決してわかりえない個々人の苦悩、そういったものをごちゃまぜにして、乗り越えていこうとする、二人の誠実で真摯な人柄が全編にわたって描かれており、最初から最後まで嫌な思いを感じることなく読めた。本を通して二人が仲を深めていくというのも私好みだった。私が好きではない性描写もなく本当に美しい作品だった。



ただこの本を読んで思ったのだが、テレビドラマや映画、文学作品などでは、不幸を担うのは基本的に女性が多い気がする。「不幸を背負った、障害を持ったか弱い女性を、男性が守る」みたいな図式の方が確かに人々の共感を得やすいのであろう。そして自分もそうした関係性の方が読んでみたいと思う確率は高いであろう。ただこれを何となく考えた時、何とも言えないモヤモヤ感が残った。

何にしろ素晴らしい作品だった。
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別冊 図書館戦争Ⅱ [文学 日本 有川浩]


別冊図書館戦争II (図書館戦争シリーズ 6) (角川文庫)

別冊図書館戦争II (図書館戦争シリーズ 6) (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2011/08/25
  • メディア: 文庫



図書館戦争最終巻を読み終わった。
メインは柴崎麻子。彼女が自分の気持ちに気がついて、手塚光と結ばれるまでを、丁寧かつ若干ひどい事件も織り交ぜながら描写している。

柴崎麻子を守ろうとする図書特殊部隊のメンバーの行動や言葉に何度も涙が出そうになってしまった。

一番初めの副隊長、緒形の大学時代の恋愛話もあまりに切なく、そして素晴らしいストーリーだった。そして最後の最後でこの恋愛にも上手く決着がついており、すべてが収まるべきところに収まったかなり読後感の良いシリーズだった。
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植物図鑑 [文学 日本 有川浩]


植物図鑑 (幻冬舎文庫)

植物図鑑 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2013/01/11
  • メディア: 文庫



図書館で、『図書館戦争』の隣に並んでいたが、題名があまりにもつまらなそうだったので手に取らなかった。しかし、有川浩の本をネットで色々と見ていてあらすじを読むとそれなりに面白そうだったので借りて読んでみた。

普通のOLさやかと、あまりにお腹が好きすぎて彼女のアパートの前で倒れていて一晩の宿と食事を乞いたいつきの素敵な恋愛話。

平日は仕事、休日はふたりで野草を探し採集した草花で食事を作る生活。ありふれた日常をすごく素敵な描いた優しい話。お互いの気持ちが段々と近づき、ただの同居人から恋人関係になり、いつきが自分んの過去を精算するために突然姿を消えてしまい、それによるさやかが思い悩む、それぞれの様子を丁寧に描いている。

何となく色々な伏線が「こうなるんだろうなあ」と若干読めてしまうことがあるが、私はこういう草食系ほのぼの恋愛話は好きだ。

『阪急電車』『植物図鑑』などの、優しい世界観のほのぼのとした有川作品のほうが私は好きだ。
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別冊 図書館戦争Ⅰ [文学 日本 有川浩]


別冊図書館戦争 1―図書館戦争シリーズ(5) (角川文庫 あ)

別冊図書館戦争 1―図書館戦争シリーズ(5) (角川文庫 あ)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2011/07/23
  • メディア: 文庫



本編を読み終わり、かなり面白く登場人物たちのその後も少し知りたくあったので、別冊も読んでみた。
それぞれの登場人物たちの恋模様をちょっとした事件と絡めながら物語にしたもの。

ちょっとした事件とは言え、さすが『図書館戦争』シリーズで、DVあり、差別語ありとそれなりに楽しめた。純愛ものが好きな私はかなり楽しく読める本だった。
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図書館革命 図書館戦争シリーズ4 [文学 日本 有川浩]


図書館革命 図書館戦争シリーズ (4) (角川文庫)

図書館革命 図書館戦争シリーズ (4) (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2011/06/23
  • メディア: 文庫



図書館戦争シリーズ本編の最終巻を読み終わった。
主人公郁と堂上教官の距離もどんどん近づき、最大の事件で大接近。そして最後は・・・。
結構事件の経過説明が多く、感動的な場面が少なかったのが残念だっが、色々なものが落ち着くところに落ち着いた感じで、最後は社会全体としても希望の見える形になっていたとても良かった。

特に主人公笠原郁の成長がめざましく、彼女の成長物語としてもよくできている作品だと思う。

結構な長編だったがあっという間に読めた。番外編もぜひ読んでみたい。
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図書館危機 図書館戦争シリーズ3 [文学 日本 有川浩]


図書館危機 図書館戦争シリーズ (3) (角川文庫)

図書館危機 図書館戦争シリーズ (3) (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2011/05/25
  • メディア: 文庫



図書館戦争シリーズ第3巻、『図書館危機』を読み終わった。
自分の憧れの王子様が、実は現在の教官だったと知ってしまった主人公の笠原郁が自分の感情と戦いながら成長を遂げる物語。痴漢、昇進試験、差別用語、そして権力に屈する上官など、様々な社会的な問題を扱いながら、様々な人の細かい心模様を描きながら恋愛も織り交ぜて作られる本当に面白いエンターテインメント作品。

痴漢の章では、女性作家でしか書けないであろうような女性の心理を細かく描写しているし、差別用語の巻では、弱いものを守っているフリをして権力を振りかざす人間たちへの「自分たちこそそういった人を差別している」という告発がとても良い。

いろいろなことを考えさせられる非常に面白い作品だ。
いよいよ次は最終巻。どのような結末になるのか楽しみだ。
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図書館内乱 図書館戦争シリーズ2 [文学 日本 有川浩]


図書館内乱 図書館戦争シリーズ (2) (角川文庫)

図書館内乱 図書館戦争シリーズ (2) (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2011/04/23
  • メディア: 文庫



図書館戦争シリーズの二巻を読み終わった。
今回は泣きそうになってしまいそうな場面が多々あった。

p.386
「大切な誰かに恥じない自分でいるために人は歯を食い縛れるのだ」

これは名言だと思う。
人はよく言う。
「自分の思想・信条のために、仕事や命を犠牲にしたら、残された人はどうなるの?」
自分が正しいと思うことのために意地を張って仕事を辞めさせられたり死んでしまったりしてしまったら、残された人は生活に困るということだろう。

多くの人はこの原理原則で生きている。というより、この原理原則で生きている人には、そもそも守るべき思想・信条など初めから持っていないのだと思う。

私は自分の思想・信条のために拷問のようなことにあったことはない。そして自分の思想・信条をまとめに問われるような状況に陥ったこともない。だからこそ偉そうなことが言えるのかもしれない。しかし、人が生きるというのは、ただ単に肉体的に生きることとは違う。そこに精神が宿っているからこそ生きていると言える。そういった意味で、本当に信じることを捨ててしまったあとの肉体的生というものがどんなものになるのか、とても想像できない。


今回は登場人物たちが自分の、信念を問われる場面が多く出てくる。そしてこちらが望むような行動をし、その行動の裏付けとなるような言葉を発する。そしてその周りの人間たちがまた泣かせるような行動を取る。

純粋な思いとそれを許さない社会。純粋な恋心と素直になれない自分。本当に面白い作品だ。
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図書館戦争 図書館戦争シリーズ1 [文学 日本 有川浩]


図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2011/04/23
  • メディア: 文庫



有川浩の『阪急電車』を読んで、あまりにも素晴らしく、ほかの本も読んでみようと図書館でいろいろ探しているところこの本に出会った。

正直題名も微妙だし、先頭ものSFものは私はあまりに好きではないし、あらすじよんでもつまらなそうだし、とそのまま借りずにいたのだが、よく調べるとかなり面白そうなので借りて読み始めた。

昨日ひたすら読み進め、ほぼ一日この本を読んでいた。

この本には様々なテーマが描かれている。
◎まさにここに書かれている、「本の検閲」ということは今後も起こりうる可能性のある事態であるし、日本においてはまさに起こりうるし、さらに言えば現実に今も起きているといっても過言ではない。
◎正義のための暴力は許されるか、というのも思いテーマだ。専守防衛であれば暴力を行使することも許されるのか、これは日本が自衛隊という軍隊を持った時点からずっと考えられてきたテーマでもある。
◎人を守るために、法律に違反する行為はどこまで許されるのか、というのも重いテーマだ。

とにかく重く難しいテーマを織り込みながらも、純粋で不器用な人間たちの恋愛模様も描かれており、とにかく登場人物一人ひとりが魅力的すぎる。主人公、真っ直ぐで純粋でおバカな郁、情報収集能力に優れ八方美人で本当に美人でモテモテの柴崎。この対照的な二人がとにかくそれぞれに魅力的なのがまた良い。

とにかく色々な側面で楽しめる本だ。
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阪急電車 [文学 日本 有川浩]

数年前、修学旅行でカナダに行く行きだか帰りだかの飛行機で「阪急電車」という映画を観た。私はめったに日本映画を見ない。というかあまり映画を見ない。しかし、飛行機の中は本を読むのも結構疲れるし、だからといって何もやらないのも退屈だし、ということで、結構映画を観る。くだらないハリウッド映画は見たくないし、となると日本の映画を観ることが多くなる。飛行機で観る映画というのがまた何となくいい感じのものが多く、結構心に残っている作品がある。この「阪急電車」もそうだし、一青窈の曲を元に作られた「ハナミズキ」もそうだし、深津絵里が出ていた「阿修羅のごとく」もそうだ。

そして、うちにある読まずに積まれていた文庫本がだいだい読み終わり、あと読んでいない本はおも~い本と、洋書ばかりになったので、図書館でずっと読みたかった現代日本文学を今年の夏は読んでみようと思った。その第一弾がこの阪急電車。ちなみに本当につい最近まで、作者の有川浩さんのことを、「ひろし」と読んでおり、男性だと思っていた。国語科の先生との会話の中で、女性だということを初めて知った。電車の中で読みたかったので、文庫本を借りた。


阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2010/08/05
  • メディア: 文庫



やはり、面白かった。今津線という片道15分の電車のなかで起こる、人間ドラマをひと駅ごとに描いており、話が重層的に重なっている、というのも素晴らしいと思った。そしてそこで描いたことを描きっぱなしで終わるのではなく、半年後ということで、復路15分が後半についているのもとても良い。ちなみに往路は連載、復路は書き下ろしらしい。

一人ひとりの中にあるドラマをとても繊細に優しく描いており、電車の中での男女の出会いから恋愛に発展する部分も細やかに描かれていて、しかも女性が肉体関係を望む心情もいやらしくなく書かれていてとても良かった。

ちなみに、「あとがき」に、編集者の大島加奈子さんのことが言及されており、元ネタは単行本の方にあるということを知り、その「あとがき」読みたさに、単行本も借りてしまった。

映画で内容を知っていたとは言え、やはりとても面白く、また映画が見たくなった。
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