SSブログ

惑星 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



火星  戦争の神
★★★★★★☆☆☆☆
攻撃的な勇ましい曲。ひたすら同じリズムの上を、力強いメロディが次々と流れる。途中すこし穏やかになるが、不穏な空気は充満している。はじめのリズムと中間の穏やかなメロディが入り混じりクライマックスを迎える。

金星  平和の神
★★★★★★☆☆☆☆
一転して非常に穏やかで美しい旋律を持つ曲。途中から現れる、すすり泣くようなヴァイオリンの音がとても綺麗。後半の何かを達観したかのような雰囲気も美しい。最後はキラキラとした雰囲気となり終わる。

水星  翼のある使いの神
★★★★★★☆☆☆☆
スケルツォ楽章的なユーモラスな曲。

木星  快楽の神
★★★★★★★★☆☆
壮大で広がりのある雰囲気で始まる。その後伸びやかでいつまでも聴いていたくなるような、あの美しくも高貴なメロディが流れる。若干諧謔的に初めてのメロディが回帰され、中盤の美しいメロディで絡み合いながら華やかに終わる。

土星  老年の神
★★★★★★☆☆☆☆
ゆったりとした陰鬱な足取りで、同じリズムを刻みながら不穏なメロディが流れる。途中霧が晴れたような世界が広がるが、再び陰鬱になる。途中鐘が鳴り響き盛り上がる。最後は静かに終わる。

天王星 魔術の神
★★★★★☆☆☆☆☆
とても攻撃的な激しい管楽器の音で始まる。ティンパニーも鳴り響き戦闘態勢に入った感じとなった後、少しユーモラスな諧謔的な雰囲気となる。後半、打楽器系の音もなり盛り上がるが、最後は静かに鐘がなり鎮魂歌のように終わる。

海王星 神秘の神
★★★★★★☆☆☆☆
題名通り、神秘的に始まる。遠くから美しい天使の歌声のような合唱が聞こえてくる。最後は消え入るように終わる。
nice!(0)  コメント(0) 

どこまでも馬鹿な男 バレエ組曲 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



祈り (Andante)
★★★★★☆☆☆☆☆
結構威勢のいい管楽器の音で始まり、ティンパニーの音を合図に盛り上がっていく。題名からは程遠い曲。

地の精の踊り (Moderato - Andante)
★★★★★☆☆☆☆☆
そのまま大地のそこから出てきたような低い音がなり、リズミカルに曲は進む。若干ストラヴィンスキーの「春の祭典」をイメージさせる曲。段々と華やかに明るくなっていく。最後は静かになる。

水の精の踊り (Allegro)
★★★★★★☆☆☆☆
ハープの音と共に、幻想的で東洋的で美しい旋律が流れる。

火の精の踊り (Allegro moderato - Andante)
★★★★★☆☆☆☆☆
ティンパニーの音と共に激しく始まり、圧倒的な盛り上がりを見せて、最後は一瞬静かになり、突然激しい一撃がなり終わる。

結構楽しい曲。

nice!(0)  コメント(0) 

エグトン・ヒース [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



★★★★★☆☆☆☆☆
文豪トマス・ハーディのThe Return of the Nativeからの引用が楽譜の最初に記された曲らしい。

初めは、荒涼とした大地のそこから何かが湧き出てくるかのような雰囲気で始まる。段々と盛り上がり、その後静かな広大な雰囲気となる。少し不安げなメロディが現れた後、静かな荒涼とした雰囲気に戻る。

シベリウスの交響曲第四番に近い雰囲気の曲。
nice!(0)  コメント(0) 

あとは切手を、一枚貼るだけ [文学 日本 小川洋子]


あとは切手を、一枚貼るだけ (中公文庫 お 51-7)

あとは切手を、一枚貼るだけ (中公文庫 お 51-7)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2022/06/22
  • メディア: 文庫



本屋で、違う本を探していたら偶然目に入り、自分が小川洋子Yearであり、文庫本だったこともあり、思わず買ってしまった。

堀江敏幸という名前の作家は聞いたことがあり、なんとなく浮遊感のあるつかみどころのない作品を書く人だ、という印象があり、結構小川洋子さんとの相性は良いのではと思い読み始めた。

形としては、
奇数章:小川洋子
偶数賞:堀江敏幸
となっており、往復書簡のような形となっている。しょっぱなから衝撃的で、女性である「私」は「まぶたをずっと、閉じたままでいることに決めた」らしい。それに対して、男声側の「ぼく」も目が見えなくなってしまったらしく、現在物事を見ることのできない二人が、過去を回想しながら様々な事象を語り合う。

全14章なのだが、二人の関係を明確に定められるような描写はなく、かつて二人は恋人同士で、一緒に暮らしたこともあるっぽく、よく船に乗っていたということくらいしかわからない。様々な本が取り上げられ、そこからいろいろな話題が展開される。

最後に二人の対談も収録されており、この作品が綿密な計画を練って作られた作品でないことがわかる。まさにそんな感じで、終始「どこに連れて行かれるのだろう」というモヤモヤした感じでずっと読まされることになった。最後のほうで、若干物語は劇的になるのだが、基本はモノローグであり、結構読みづらい。特に堀江側の偶数章は、結構きつい。

もういっかい読むと様々なものが見えてくるのだろうが、もういっかいじっくり読みたい作品ではない。
nice!(0)  コメント(0) 

歌劇『放浪学者』 Op.50 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



★★★★★☆☆☆☆☆

一幕ものの室内オペラらしい。
農夫とその妻、神父、放浪学者のドタバタ劇っぽい。

はじめに、農夫と妻の楽しげな対話が続く。妻が農夫に買い物を頼んでいるところらしい。
その後、妻の少し憂鬱な感じの長いモノローグ場面となる。
そこに、いやらしい声の神父が入ってきて、少し諧謔的な対話となる。
そこへ、誰かがやってきて緊張感が走る。テノールの伸びやかな声の放浪学者が姿をあらわし、神父と妻と緊張感ある対話をする。結局追い出された放浪学者。
再び、妻と親父の対話となり、少し親しげな雰囲気となる。
夫が帰ってきた様子を感じ取り、焦る二人。かなり動揺している様子がうまく音楽で表されている。
舞台裏から、夫と放浪学者の楽しげな声が鳴り響く。笑い声も聞こえる。
舞台上に登場した二人と妻が会話をする。ゆったりとした夫に対し、緊張感のある妻。
何かを感じ取り懐疑的な夫。焦る妻。緊張感が高まる。
最後は夫が神父を数を数えながら懲らしめて終わる。

まあ、聴いてて楽しくはあるが、音楽的にはなんてことはない。
nice!(0)  コメント(0) 

合唱交響曲 Op.41 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD




第一楽章 Prelude Innovation to Pan
★★★★☆☆☆☆☆☆
暗く大地から何かが湧き出てくるかのような雰囲気で始まる。暗く囁くような合唱が遠くから響き渡ってくる。少し晴れやかな感じの女声合唱となるが、基本暗い。

第二楽章 Song and Bacchanal
★★★★☆☆☆☆☆☆
不気味で若干東洋的な弦楽器(ビオラ?)のソロで始まる。女性のソロと合唱が絡み合う。最後はかなり盛り上がる。10分近い大作。

第三楽章 Ode on a crecian Urn
★★★☆☆☆☆☆☆☆
静かに、モヤっと始まる。不安げな感の合唱が続く。後半ハープの音なども混じり、少し美しい感じにはなる。最後は悲しげな女声ソロで終わる。緩徐楽章的扱い? こちらも10分を超える大作。

第四楽章 Scherozo Fancy & Folly's Song
★★★★☆☆☆☆☆☆
スピード感のある曲。合唱も早口。確かに諧謔的な感じ。最後は派手に終わる。

第五楽章 Finale
★★★☆☆☆☆☆☆☆
女性の息の長い美しいアカペラで始まる。若干日本の民謡っぽいメロディ。その後壮大な合唱となる。静かになったり、恥ずかしいくらいに盛り上がったりしながら曲は進む。途中ハープの音と共に、静かに女性のソロが、息の長い旋律を歌う。再び盛り上がり、曲は進む。最後は民謡風のアカペラ女声ソロとなり静かに弦楽と打楽器、合唱が流れ終わる。

何度も聴きたい曲ではない。
nice!(0)  コメント(0) 

short Festival Te Deum [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD




評価
★★★★☆☆☆☆☆☆
勇ましく宇宙的な雰囲気で始まる。合唱もかなり勇ましい。段々穏やかになっていく。

もう一歩。
nice!(0)  コメント(0) 

イエス讃歌 Op.37 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD




1. Prelude
★★★★★★☆☆☆☆
もやっとした弦楽器の伴奏の中を、ホルンorトロンボーン(?)、オーボエ(?)の優しいメロディが流れる。段々と霧が晴れるように明るくなってきて、ハープの音(?)と共に、美しい少年合唱となる。再びもやっとして男声合唱となり、静かに終わる。

2-1 Glory to Thee, Father!
★★★☆☆☆☆☆☆☆
壮大な合唱で始まる。途中、静かな穏やかな曲調となり、最後は女声合唱のアーメンコーラスとなる。

2-2 Fain I would be Saved
★★★☆☆☆☆☆☆☆
不安げな女声合唱で始まる。男声合唱も加わり段々と華やかになっていく。

2-3 Divine Grace is Dancing.
★★★☆☆☆☆☆☆☆
明るく行進曲風になり、少年合唱が高らかに歌う。どんどん激しく華やかになっていく。

2-4. Give Ye Heed unto my dancing
★★★☆☆☆☆☆☆☆
少し不安げで暗い音楽となる。打楽器が歩くようになり始め、曲調が変わり、少し緊張感が出てくる。最後は壮大なグローリア合唱、静かなアーメン合唱が絡み合い終わる。10分近い大作。

全体的に暗く、わざわざ聞こうとは思わない。

nice!(0)  コメント(0) 

カノン [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



男性による合唱曲集。

第三 The Fields of Sorrow
★★★★★☆☆☆☆☆
悲しげな旋律のカノン。綺麗ではある。

第四 David's Lament for Jonathan 
★★★★☆☆☆☆☆☆
ダヴィデが親友ヨナタンの死を嘆く旧約聖書の話から取ったカノン?

第六 The Truth of All Truth
★★★★☆☆☆☆☆☆
結構暗いカノン。
nice!(0)  コメント(0) 

合唱曲 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



男性による合唱曲集。

第一 Intercession
★★★★★☆☆☆☆☆
チェロの優美な前奏の後、伸びやかな旋律が歌われる。途中から再び入ってくるチェロの静かな調べが良い。

第二 Good Friday 
★★★★☆☆☆☆☆☆
弦楽器の不安げな旋律で始まる。あまりGoodな感じのしない暗い曲。

第三 Drinking Song
★★★☆☆☆☆☆☆☆
元気で劇的な曲。

第四 A Love Song
★★★★★★☆☆☆☆
対位法を用いた幻想的で美しい曲。

第六 Before Sleep
★★★★★☆☆☆☆☆
こちらも対位法を活かした幻想的で暗い曲。

弦楽器との絡みが綺麗な曲集。
nice!(0)  コメント(0) 

コラール民謡曲 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



男性によるアカペラ合唱曲集。

第一 Sowed the seeds of love
★★★★★★☆☆☆☆
哀愁ただようゆったりとした曲。対位法が効果的に用いられた美しい曲。

第三 Matthew, Mark, Luke & John
★★★☆☆☆☆☆☆☆
福音書の作者たちが題名に並んでいる。陰鬱な曲。

第四 Ths Song of the Blacksmith
★★★★★☆☆☆☆☆
「ケン、ケン、ケン」とひたすら言っている遊び歌のような感じの曲。

第五 I love My Love
★★★★★★☆☆☆☆
しみじみとした美しいメロディの曲。後半のMy Love のコーラスに乗った美しい旋律も良い。

第六 Swansea Town
★★★★★☆☆☆☆☆
元気な曲。漁師たちの歌?最後は高らかに終わる。

様々な雰囲気の曲があり面白い曲集ではある。
nice!(0)  コメント(0) 

教育のリーダーシップとハンナ・アーレント [学術書]


教育のリーダーシップとハンナ・アーレント

教育のリーダーシップとハンナ・アーレント

  • 出版社/メーカー: 春風社
  • 発売日: 2021/01/08
  • メディア: 単行本




古本屋で見つけて、かなり悩んだ末購入した本。

ハンナ・アーレントには昔から興味があり、様々な本を読んできた。そして彼女の説を教育と絡めて考えられないか、ということは10年以上前から自分も思っていたことで、色々と考えるきっかけになればと思い購入。

「リーダーシップ」という言葉はプラスのイメージで語られることが多いが、ここではかなり否定的に捉えられている。ELMA(Educational Leadership, Management and administration)という、すごく簡単に言ってしまえば、教育行政において、指揮系統をピラミッド型にし、中間管理職のようなものを多くつくり、教育界に市場原理・資本主義原理を導入し、教師・子供たちを競争させ、目に見える教育の成果を上げていこうというものっぽい。

この言葉を私はこの本で初めて知った。この本はイギリスに関する本みたいだが、状況はもろに日本にも当てはまる。何故この本の日本語訳が出されたのかも理解できる。

p.47
「思うに、世紀の初めから私たちが生きてきた一連の危機が何かを教えてくれたとすれば、判断を間違いなく行う一般的基準などないという単純な事実である。何かしらの確からしさをもって特定の事例を包含していく一般的法則などないのである。」

これはベトナム戦争の真っ只中の1966年にアーレントが述べた言葉らしい。教育にまさに当てはまる言葉であり、恐らく半分以上の教員はこの非常に単純な事実が分かっておらず、これをやれば子どもは伸びるはずだし、結果を出すはずだと信じて疑わず行動している。

p.53
「テクストというのはそれ自体で価値はない。それを苦労して獲得し、読み、それを用いながら思考し、その結果として行動するという人間の政治的実践によって重要なものとなる。ある観念、ある本、ある講義というのは、それを重要と認識し、時間と注意を必要とみなす他者の賞賛によって、地位と特異性を得る。興味深いのは、アーレントがマルクス主義のような「主義」に至ることはなかったということである。」

イエス・キリスト、孔子、釈迦は皆、自分で書物を書き残さなかった。アーレントは書き残したとは言え、後にもあるが、自分の思考を文章化しただけであって、絶対的なものを示そうとはしなかった。まさにそこに、アーレントが教育の文脈で読まれる意味があるのだと思う。つまり、ゴールのない、思考し続けることの大切さ、行動し続けることの大切さをアーレントが教えてくれる。


p.84
「歴史的・政治的に思考する者は、証拠をただ集めるというよりも理解を追い求めようとする。
  理解とは、正しい情報や科学的知識を手に入れることとは異なり、はっきりとした結果を決して
  もたらさない複雑な過程である。それは終わりのない活動である。その活動によって、私たちは、
  絶えず続く変化と変動の中で、現実と自分自身との間の折り合いを付け、両者を和解させる。」
先に述べたことと同じだ。終わりのない活動を教育は行い続けているのだが、それが分からず教育に携わる人間がなんと多いことか。


p.89
「リーダーとしての研修と承認を受け、リードしたり、リーダーシップを発揮したりする人々や、「労働人員」一般から切り分けられたチームとして働く人たちを採用することが、教授と学習を改善するという嘘である。」
民間人校長というのがもてはやされて何年も経つが、やはり教育は教育のプロが行うべきであり、管理職であろうが、やはり教育的視点を持った人間が教員の中に入って行うべきなのだろうと思うのだ。


p.100
「思うに、問題解決の専門家は、ELMAが教授と学習を改善するもっとも重要な手段であるという考え方を追求しながら、子どもたちとその学習に対して貢献すると見せかけ、少数の選ばれた大人に目を向けて問題の対処にあたっていた。TLP(国境を超えたリーダーシップのパッケージ)を受け入れることによって確実となったのは、教授と学習が商品になったということである。」
最近の教育改革が全く子供の方をみず、産業界の意向ばかり気にしているのと全く同じ状況だ。教育も学習も子供もすべてが商品なのだ。


p.103
「市場の持つ魔力に学校を委ねるならば、アメリカの学校は改善することはないだろう。」
まったくその通りだ。教育とは市場原理に左右されないからこそ価値があるのだ。そのことをあまりにも現代社会は忘れてしまっているのではないか。


p.108
「私は、アーレントの歴史的・政治的な思考を「一つの原因にのみ基づく説明」を拒絶する手段として使用する。それによって「全体主義の支配とかつてないほどの罪へと向かう道筋についての理解を生み出す。」ことにもなるだろう。」
先にも書いたが、教育とは、「何かを行えば必ず予想した結果が出るものではない。」そんな単純なものであれば、人間の教師などいらない。


p.132
「私の課題は、全体主義がなぜある特定の時代にドイツやソビエト連邦で起こったのかを理解することだけではない。そうした状況がつねに存続しているということを認めることもまたー結晶化されていることが分かるときには、もう手遅れであるかもしれないがー私の課題なのである。」
それは私の課題でもある。そして自分の属する社会が全体主義的にならないよう、不断の努力を続けることも私のやるべきことである。


p.134
「教師と子どもたちは、みずからの言葉によって教育について語ることが許されていない。彼らは「改善」、「効果」、「付加価値データ」を前にして発言できないである。要するに、NPM(および新たに出現しつつあるニュー・パブリック・リーダーシップ)の再編と再培養によって、英国国家の中で潜在的な形で強行されている全体主義的な状況の結晶化が、イングランドの学校を方向づけ、全体主義の傾向を生み出しつつある。」
そして日本でも生み出しつつある。


p.141
「イングランドで公式に是認されているELMAへの取り組みは、諸々の人間関係を破壊するものである。その結果、職務や専門的経験に対して共有された道筋をたどることで人々を結びつけてきた非公式の紐帯が根絶やしにされている。ビジネスとしての学校では、あらゆる面で業績を配送し、それを身をもって示すということに全ての人が巻き込まれている。そのことが意味するのは、諸々の関係性が、信頼できる協力というよりもむしろ「協働」として知られるような取り引きや計算された交換関係に基づいているということである。」
私が教師を始めた20年ほど前は、教師たちが様々なつながりのもと、議論し協力して教育を作り上げていた。しかし今は決められたことをひたすらこなす機械のような存在になってしまっている気がする。


p.158
「だが実のところ、学校は学習者としての子どもたちよりも、市場化と利益追求型の発展の方を優先させる人々のなす決定に対して専門的な正統性を与えている。どちらの学校も学校改善に取り組んでいると思い込み、みずからの実行していることが子どもたちのためになると言い張るかもしれない。けれども実際は、教育の機会をテストと説明責任の体制に置き換えている。」
これもまさに日本の今の状況だ。東京都の高校入試に使用されるスピーキングテストなどもこれの代表だ。ベネッセにただ金を回すためだけに行っているに過ぎない。


p.161
「結局、ELMAが拠って立つのは、外的に是認された方法で物事を成し遂げているかどうかで賞賛のゆくえが決まってしまうということである。そこでは、外部から認知され是認されるということが、とめどなく続く決して満たされることのない生き残りの過程をつかさどっている。」
p.166
「子どもたちが世界を理解できるようになるための責任を大人たちは引き受けていない。それどころか、教育を経済上の生産性に関するものと捉えるような、狭く技術的な取り組みを大人たちは子どもたちに対して行っている。」
日本の数多ある私立の学校も同じ状況だ。


p.181
「英国の歴代政府は、イングランドのきわめて重要な政策戦略として、失敗に焦点を定めてきた。たとえば、学校の失敗、校長の失敗、教師の失敗、そして子どもの失敗である。様々な解決策が〈労働〉という形態をとり、そこでは教授と学習が、外部で設計された教室実践パッケージの配送や評価へと切り詰められている。そうした状況のなかで学校の労働人員を再構築することが意味しているのは、もはや正資格を有した教師たちがそうした配送を実行する必要はないということである。目標、テスト、情報入力、分析によってデータの豊富な学校を作り出すことは、成績不振を「あぶり出す」ような、業績管理体制を制作することによって、専門的実践が〈仕事〉となりうることを意味していうる。」

これも日本と全く同じ状況だ。次々と欠点を見つけ、その解決に乗り出し、さらに悪い状況を作り出す日本の教育政策。もはや「教育」と呼べるようなものではないのかもしれない。


p.198
「思考とは「まさに生きているという感覚である」がゆえに、人びとは引きこもることを必要とする。思考は〈活動〉との関係が中心となる。つまり、「思考とはつねに秩序から外れたものであり、あらゆる日常的活動を中断させもすれば、その日常的活動によって中断されもする。」
これは素晴らしい言葉だと思う。何でもかんでも実践的なものを求めるが、実践から離れた、秩序から離れた空間に、学校を置いておくことによって、生徒の思考は深まるのではないだろうか。


p.207
「リーダーシップは、公的データとしての全国基準を保護したり強化したりする手段となっており、それゆえに出世第一主義 とこれから排出されてくる次世代校長層の拡大が、明確な政策的戦略となっている。分散型リーダーシップが依拠しているのは、行為者がみずからの意見を述べることができるという印象操作である。しかし実際の権限は、専門的実践について意思決定する正統的な地位をその行為者に保証した者に追従することによって付与される。」
権力者におもねったものだけが出世していく日本のシステムと全く同じだ。これによって組織はどんどんと悪くなっていくのだ。

p.211
「NPM(ニュー・パブリック・マナイジメント)は、一般的には次のようなものによって特徴づけられる。すなわち、市場と競争へのはっきりとした選好があること、民間部門の経営様式を公共部門でもあからさまに推進すること、そして業績に関する明確な尺度と基準を利用することである。」
教育とは本来、ここに書かれているものと正反対のものであるはずだ。ここにかかれていることを推進してきたからこそ、現代の教育の問題が生まれてきてしまっているのではないだろうか。


p.289
「一九八八年教育改革法とは、サッチャー政権の教育改革の基本枠組みを示すために制定されたものである。一九七九年から一九九〇年まで続くサッチャー保守党政権時代には、経済停滞の原因の一つが学力低下による競争力の低下にあるとして、教育と社会、経済の関係が強く意識された。政府、地方教育当局、学校の非効率的な関係が学力低下を生んだとして、中央政府の権限が強化され、また、教育界への市場原理の導入により、学校感の競争を促進し、ここの学校の業績を高めることで教育水準向上を図り、それが英国経済の発展に寄与するという図式が鮮明に描かれる。」
日本はこの道を辿り、教育の混乱を招く。

かなり刺激的な本だった。
nice!(0)  コメント(0) 

ナショナリズムとジェンダー [学術書]


ナショナリズムとジェンダー 新版 (岩波現代文庫)

ナショナリズムとジェンダー 新版 (岩波現代文庫)

  • 作者: 上野 千鶴子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2012/10/17
  • メディア: 文庫



再読

偉そうだが、私が上野千鶴子という人を高く評価することになった作品。
慰安婦問題を中心に、女性の戦争責任など、様々な問題を扱った作品で、とても考えさせられ、自分の行動や言動を省みることを強いる作品。

p.84
「「女性」こそは近代=市民社会=国民国家がつくりだした当の「創作」である、と。「女性の国民化」ー国民国家に「女性」として「参加」することは、それが分離型であれ統合型であれ、「女性≠市民」という背理を背負ったまま、国民国家と命運をともにすることにほかならない。」

女性の軍隊参加を扱った部分だが、女性が、男性兵士と同じように兵士として働くのか(統合型)、後方支援のような形で働くのか(分離型)どちらにせよ、「二流市民」として働きながらも戦争に巻き込まれていることに変わりはないし、戦争に積極的に参加していることにほかならない。上野千鶴子氏も書いていたが、「戦争」というものすべてを否定することからしか、新しい社会は生まれえないのではないか。


p.140
「「慰安婦」との「交情」をなつかしげに語る元日本へにとっての「現実」と、「慰安婦」経験を恐怖と抑圧として語る被害者の女性にとっての「現実」とのあいだには、埋めがたい落差がある。関係の当事者の一方が、他方とこれほど落差のある「経験」を持っているとき、両者が「ひとつの経験」を共有していると言えるのだろうか。だが、そう考えれば、「真実」をめぐる闘いは、永遠に決着のつかない「神々の闘争」にしかならないのだろうか。」

これは現代のセクハラ・パワハラ問題と根は同じだ。結局裁かれるべき側が権力を持っており、判決をコントロールできる側にあるのだから、やられた方が不利なのは目に見えている。こうした構造を改善しようとしない日本社会の後進性は明らかだ。


p.161
「被害者が「わたしは性行為を強制された」「わたしは強姦を受けた」という被害の「現実」を証言する際に、物証をともなう立証責任が問われる。実証主義の考えかたでは、当事者の手記、日記、回想録、口述史等は、そのあいまいさや主観性、思い違いなどによって、文書資料を補完する二次的な資料価値しか認められていない。だがここで言う「文書資料」とは権威によって正当化された史料、支配権力の側の史料の別名である。支配権力の側が自己の犯罪を隠蔽したり正当化したりする動機付けを持っているところでは、この史料の「信憑性」もまた問われるべきであろう。」

上記にも書いたが全くその通りだ。私は何件かパワハラ事件に関わったが、結局権力者側の言い分だけを事情聴取し、「パワハラは認められない」ということになる。これは本当におかしいと思うのだ。


pp.199~200
「国民という集団的アイデンティティの排他性を超えるために呼び出されるのが、他方で「世界市民」や「個人」あるいは「人間」として、という抽象的・普遍的な原理である。あらゆる国籍を超えたコスモポリタン、普遍的な世界市民という概念もまた、危険な誘惑に満ちている。それはあらゆる帰属から自由な「個人」の幻想を抱かせ、あたかも歴史の負荷が存在しないかのように人をふるまわせる。「国民」でもなく、あるいは「個人」でもなく。「わたし」を作り上げているのは、ジェンダーや、国籍、職業、地位、人種、文化、エスニシティなど、さまざまな関係性の集合である。「わたし」はそのどれからも逃れられないが、そのどれかひとつに還元されることもない。「わたし」が拒絶するのは、単一のカテゴリーの特権化や本質化である。そうした「固有のわたし」ー決して普遍性の還元された「個人」ではないーにとって、どうしても受け入れることのできないのは「代表=代弁」の論理である。」

これを読んだときは感動的だった。わたしもぼんやり考えていたことが素晴らしいまでに言葉にされていると思った。


p.227
「クリスチャンは「神の国」の住人になることを約束されている。それが彼らの殉教を支える。どこの国でも、抑圧的な国家体制にもっともよく抵抗しえたのは「国家内国家」をつくりだしたキリスト教徒と教会であったことを、わたしは過去の歴史から知っていた。その点では、護国宗教と化した仏教は、あまり誇れる過去を持たない。」

p.244
「歴史のなかで、過去は選択的記憶になり、つごうの悪いことは忘却されがちだが、被害者はそれを忘れていない。和解は、被害者の嘆きと怒りを受け止め、それに向き合ったところからしか生まれない。」

本当にそう思う。

再読だったが、やはり素晴らしい本だった。是非多くの権力者に自分ごととして考えながら読んでもらいたい本だ。
nice!(0)  コメント(0) 

ムーアサイド組曲 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD




第一 スケルツォ
★★★★★★★☆☆☆
元気で明るい短い主題が、対位法的にひたすら繰り返される。なんということのないメロディなのだがとても心に残る。ラヴェルの「ボレロ」的な感じの曲。

第二 アダージョ
★★★★★★★☆☆☆
ゆったりとした、広大な草原がイメージされる美しい曲。弦楽器などで聴いても綺麗な曲なのだろうと思われる息の長い旋律を持つ美しい曲。

第三 行進曲
★★★★★★★☆☆☆
勇壮な感じで始まる。若干「comfort & joy」を彷彿とさせるメロディも交じる。中間部の伸びやかな感じも悪くない。最後は壮大なフィナーレとなる。

非常によくできた曲。
nice!(0)  コメント(0) 

吹奏楽のための組曲 第二組曲 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD




第一 マーチ
★★★★★★☆☆☆☆
少しおどけた感じで始まる。中間部は勇壮な感じ。盛り上がった後、少し短調気味な物悲しい旋律が入る。

第二 無言歌
★★★★★★★☆☆☆
民謡のような懐かしくも美しい旋律の曲。

第三 鍛冶屋の歌
★★★★★★☆☆☆☆
一転して元気で前向きな曲。だがどこかしら悲しげな雰囲気がある。

第四 ダーガソンによる幻想曲
★★★★★★★☆☆☆
民謡風の優しい主題がひたすら繰り返される。結構クセになる曲。

全体的に優しい雰囲気で良い。
nice!(0)  コメント(0) 

吹奏楽のための組曲 第一組曲 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD




第一 シャコンヌ
★★★★★★☆☆☆☆
ゆったりと始まる。段々と日が差し皆が目覚めるかのように、音かずも増えていき明るくなっていく。壮大な曲。

第二 インテルメッツォ
★★★★★★☆☆☆☆
軽快に始まる。スピード感と緊張感もあり楽しい。途中は少し勇壮な感じ。

第三 マーチ
★★★★★★☆☆☆☆
力強く始まる。途中雄大で勇壮な雰囲気となり、次に軽快な雰囲気となり、ドラムの音と共に盛り上がり、最後は力強く華やかに終わる。
nice!(0)  コメント(0) 

Hymns For the English Hymnal In the Bleak Mid-Winter [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



管弦楽と合唱曲

評価
★★★★★★★★☆☆
最高に美しく、清廉とした、高貴な曲。心が穏やかになり落ち着く。素晴らしい名曲。
nice!(0)  コメント(0) 

Carols Chrismas Song [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



管弦楽と男性合唱曲

評価
★★★★★☆☆☆☆☆
華やかで壮大な合唱曲。クリスマスっぽくはない。
nice!(0)  コメント(0) 

Lullay My Liking [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



女性合唱曲

評価
★★★★★★☆☆☆☆
優しく美しいメロディのアカペラ曲。
nice!(0)  コメント(0) 

Bring Us in good Ale [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



男性合唱曲

評価
★★★★☆☆☆☆☆☆
1分強の楽しそうな曲。
nice!(0)  コメント(0) 

二人の老兵への哀歌 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



男性合唱とマーチバンドのための曲?

評価
★★★★★☆☆☆☆☆
男声合唱のアカペラで入り、マーチバンドが曲を盛り上げる。ドラムも派手に鳴り響く。ホルンの少しユーモラスな揺れるようなベース音が常になっている。
nice!(0)  コメント(0) 

ホームカミング [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



男性合唱曲

評価
★★★★☆☆☆☆☆☆
前編アカペラ。ロシア民謡的であったり、クリスマスソングっぽかったりする。
nice!(0)  コメント(0) 

ハマースミス [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



BBCのマーチバンドから依頼された管楽器のための曲らしい。

第一 前奏曲
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ベースの歩くようなリズムの上を、少し不安げなメロディが乗って始まる。フルートの音が高く鳴り響き、少し自然をもしたような雰囲気になる。最後は不安げに終わる。

第二 スケルツォ
★★★☆☆☆☆☆☆☆
少し明るく、元気でざわざわした感じで始まる。途中混沌とした静かな雰囲気となる。最後は静かに終わる。

もう一歩か。


nice!(0)  コメント(0) 

コーラル・ファンタジア [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD




評価
★★★★☆☆☆☆☆☆
オルガンの悲劇的で派手な前奏で始まり、不安定で不安げな女声ソロが流れる。不協和音によるオルガンが入る。その後合唱、管弦楽が加わるが基本不協和音で不安げ。打楽器の音で少し盛り上がるが、再び不安げに。最後は美しい感じの合唱と弦楽器の絡みが始まるが、やはりもう一歩。

大規模な曲だがもう一歩。
nice!(0)  コメント(0) 

リグ・ヴェーダの合唱讃歌 第一群 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD




第二 ヴァルナへの讃歌Ⅰ
★★★★☆☆☆☆☆☆
男性とピアノの曲。第四群の第三「マナースへの讃歌」と似たメロディ。
nice!(0)  コメント(0) 

リグ・ヴェーダの合唱讃歌 第四群 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD




第三 マナスへの讃歌
★★★★☆☆☆☆☆☆
男性のアカペラソロで始まり、合唱が答える。そのまま力強くなったり、
nice!(0)  コメント(0) 

凛として弓を引く 青雲篇 [文学 日本 Modern]


凜として弓を引く 青雲篇 (講談社文庫)

凜として弓を引く 青雲篇 (講談社文庫)

  • 作者: 碧野圭
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2022/10/14
  • メディア: Kindle版



弓道を描いた小説の第二巻。
第一巻、第二巻のようなタイトル付をしていないのが面白い。

近くの神社で見た弓道に心を惹かれ始め、その神社で行われている弓道会で学び、精神と技術を向上させていく主人公の高校一年生の一年間を描いた前作。
今作は、同じ高校に通う弓道会のメンバーと、廃部になってしまっていた弓道部を復活させ、自分たちで運営していく過程を描いた作品。

「かつて何故弓道部は廃部になってしまったのか?」という謎を負いながら、自分たちの練習スタイルを決めていき、お互いの心のズレや葛藤を乗り越えていく様を描いており、主人公も普通の女の子で、こういった小説にありがちな、あまりにも良い子でみんな好きになっちゃうよね、という感じでもないところが良い。

前巻の最後で進みそうだった乙矢君との恋があまり進展しなかったのがちょっと残念な感じだった。
nice!(0)  コメント(0) 

2つの詩篇 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



86番
★★★★★★☆☆☆☆
暗く沈んだ雰囲気の前走で始まり、静かに祈るかのように男性が美しいメロディを歌う。その後男性のソロと女性のソロ&女性合唱が、アカペラで静かに対話をするかのように歌う。弦楽器が静かに音を鳴らすと、アルトが劇的にメロディを歌い、最後は全員合唱となり弦楽器とも重なって盛り上がり、最後は静かに長調で終わる。

同じメロディが結構繰り返されるのでクセになる曲。
nice!(0)  コメント(0) 

ファスト教養 [その他 本]


ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち (集英社新書)

ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち (集英社新書)

  • 作者: レジー
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2022/09/26
  • メディア: Kindle版



最近コンビニの雑誌コーナーで、よく「読むべき教養書」などのテーマを見かけていたのだが、中を見るとほとんどがビジネス書。かなり違和感があったのだが、この本を読んでかなり納得。

学び続けなくては、お金儲けに直結する安直で楽で時間のかからない方法はないか、などという人々の浅い考えが、本当は深いものであるはずの「教養」という言葉と結びつき現在の状況があることがこの本を読んでわかった。

p48
「小泉信三の話が序章で紹介されている。「すぐ役に立つ」ことへの警鐘を鳴らした上で、「だから本当の教養というのは、すぐには役に立たないかもしれないけれど、長い人生を生きていく上で、自分を支える基盤になるものです。その基盤がしっかりしていれば、世の中の動きが速くてもブレることなく、自分の頭で物事を深く考えることができるようになるわけです。」~中略~
 一方で、「教養はすぐに役に立つものではないが大事」と伝えたいはずなのに結果的には「教養は役に立つツール」というメッセージが伝わってしまう・・・。

これは池上彰のことを言っている部分だ。本来的に時間をかけてじっくり学ぶべき教養が、簡単な解説によって安易なものになってしまう。なんという皮肉だろうか。


p.94
「「拝金主義」の悪評の裏に「若い世代で新しい社会を作っていきたい」という自身のビジョンを持っていたのだが当時の堀江だった。こう言うと「堀江都ライブドアを美化しすぎている」と思われるかもしれないが、何か新しいことが始まりそうな予感は確実にあった。」

そう、私にもあった。しかし、この本にもあるように、ホリエモンも所詮、安直な方面に流れてしまった気がする。

最終的な結論は、もう一歩だったが、いろいろスッキリ落ちる本だった。

ファスト教養が描き出す「すべてはお金とコスパ」「失敗しても自己責任」という社会を認めるのではなく、社会全体としてお金だけが人生の価値観ではなく、全てはつながっているのだ、という考えを広め、仕事は仕事、プライベートはプライベートというライフワークバランスを皆が考えられる社会にしていく必要があるのではないだろうか。
nice!(0)  コメント(0) 

リグ・ヴェーダの合唱讃歌 第二群 [ホルスト]


The Collector's Edition: Gustav Holst

The Collector's Edition: Gustav Holst

  • アーティスト: Holst, G.
  • 出版社/メーカー: Warner Classics
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD



セント・ポール女学校に勤めていたホルストが、防音装置のある特別な部屋を与えられたことに感謝して作った、弦楽合奏のために作った曲らしい。

第一 ヴァルナへ
★★★★☆☆☆☆☆☆
静かに不気味な雰囲気で始まる。アカペラによる女声合唱が浮遊感のあるメロディを歌う。ずっともやっとしていてもう一歩。

第二 アグニへ
★★★★★☆☆☆☆☆
少し軽快なリズムで始まる。元気でガチャガチャした感じの曲。

第三 葬儀の歌
★★★★☆☆☆☆☆☆
陰鬱な感じで始まる。少し綺麗な雰囲気になり幻想的に終わる。

もう一歩な曲。
nice!(0)  コメント(0)