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Celebration [文学 イギリス Harold Pinter]





遂に、Harold PinterのPlayを全作品読み終わった(多分)。

この最後のCelebrationはレストランでの二組の会話がメイン。
一組目は、兄弟姉妹がお互い夫婦になっている4人組。
二組目は、夫婦。

二組目の夫婦は、お互い過去に不倫をしていたようなことをお互いつつきあうような形で会話が進む。

最終的には、二組は合流し、二組目の妻と、一組目の弟が実は昔付き合ってたの?みたいな形で終わる。

これも難しい作品だが、話の内容等はある程度理解できた。

不条理作家と呼ばれるが、不条理とは思わないが、やはり難しい作家だった。
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Ashes to Ashes [文学 イギリス Harold Pinter]





Ashes to Ashesを読み終わった。
登場人物は二人
DevlinとRebecca

RebeccaはDevlinに次のような話をする。かつて男が自分の前に立ち、首の後ろに手を回し、手のひらにKissするように言い、その手を首に持って行って、軽く締め付けた時の話を淡々と語る。

その後も曖昧な記憶の中で、二人の噛み合っているようないないような会話が続く。そして最後に、Devlinも、Rebeccaが初めに語った男と同じ行為をして終わる。

はじめ、これはDVの話なのか?と思ったが、どうやら違うらしい。これも全体主義国家の拷問の話なのかと思いつつ、はっきりしないまま終わる。

やはり難しい。

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Moonlight [文学 イギリス Harold Pinter]





Moonlightを読み終わった。この全集に収録されている中ではかなり長い作品だったが、正直よくわからなかった。
人間関係もいまいち見えづらかった。

Andy: 50代の男
Bel:50歳の女
Maria:50歳の女
Ralgh:50代の男

AndyとBelは夫婦。おそらくAndyは死にそうな状態にある。が、何故か結構元気で饒舌。BelとMariaは友だちっぽいが、実はAndyとMariaは不倫関係にあった?しかもそれは妻Belも知っていた?
そこにRalghも絡んでくる。この人とBelも不倫関係?とにかく謎だらけ。そこにJake, Fred, Bridgetという若い3人も登場するのだが、JakeとBridgetは兄弟姉妹で、AndyとBelの子供??などなど人間関係も曖昧なまま読み終わってしまった。BetrayalとParty Timeを組み合わせたような作品なのか・・・。

正直ほとんど理解できず残念な作品だった。
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Party Time [文学 イギリス Harold Pinter]





こちらもいまいち掴み辛い作品。
おそらくこの作品も思想統制に関する作品で、様々な統制をかいくぐった結果生き残って上流階級になりあがった人々の開いているPartyなのだろうと思う。

成り上がるまでに、夫をなくした人もいるらしく、明るい雰囲気で進むのだが、なんとなく暗さが常につきまとっている作品である。
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The New World Order [文学 イギリス Harold Pinter]





こちらも短い作品で、おそらく思想統制の世の中を描いているのだろうが、正直よくわからなかった。これも10ページ足らずの作品。やはり短いと理解がしづらいきがする。
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Mountain Language [文学 イギリス Harold Pinter]





これも暗い時代の話。
Mountain Languageと呼ばれる方言を話すことを禁じられ、思想統制もされている社会の話なんだと思う。

統制にひっかかった息子(夫?)に会いにきた女性。会うまでに長い時間待たされたあげく、ドーベルマン(犬)に指をかじられる。

そしてようやく息子と接見できたところ、方言しか話せない彼女は男性と会話することを許されない。
しばらくたって、Mountain Languageを話してもよいということになるが、彼女は言葉を失ってしまっており、結局話せない。

日本の韓国併合から今に至る歴史と重なる部分が多々あって、とても考えさせられた。
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ONE FOR THE ROAD [文学 イギリス Harold Pinter]





この作品も非常に面白かった。

ナチス時代、オーウェルの『1984』のように、思想統制されている国の話なのだと思う。
拷問を受けたVictor。恐らく当局高官であるNicolasと様々な話をする。Victorの妻は非常に美しい女性らしく、彼女もつかまっている。結局妻Gilaは当局の連中に集団レイプされる。最終的にはVictorは思想転向をして拷問を免れ、出て行けることになりそうなのだが、妻とその子供はどうなるか、余韻を残して終わる。

非常に恐ろしいが、考えさせられる内容だった。
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Precisely [文学 イギリス Harold Pinter]





読んでいるときは何を話題にしているのか、全くわからなかった。
StephenとRogerがなにやら数字を持ち出し、色々と言っている。

最後には
"Twenty million dead, Precisely?" "Precisely"で終わるの。
が、次の作品One for the Roadを読み、これは民族大虐殺の話を実はしているんじゃないか、この二人は、その虐殺の実行を命じられている人間じゃないか、と思うようになった。

これ単独だと正直よく分からない(私の英語力の問題かもしれないが・・・)。
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Victoria Station [文学 イギリス Harold Pinter]





このVictoria Stationは最高だった。
タクシー会社の本部にいるControllerがVictoria Stationで待つお客を拾ってCuckfieldまで運んでいって欲しいと、外でタクシーを流している274に無線で話し続けるのだが、274はふざけた答えばかりで一向に話しがかみ合わない。諦めたControllerが、他の運転手を探し始めたため、あせった274は話をあわせ始め、自分の状況をちゃんと説明しだす。そして今乗っけている女性が可愛いので結婚したいと意味の分からないことを言い出すと、Controllerは何故かその話にのりだし、今から祝福のためにそちらに向かうから待っていろと指示を出す。あせった274はVictoria Stationで待つ客はいいのか、と問うがControllerはそんなのはほっとけ、と言い出す。

タクシー会社が客を放っておくのもすごいが、乗せた客が可愛いから結婚したいというのもすごい。そして最終的に不条理なほうへと話しが進んで結末を迎えるというのもすごい。

人間社会って、合理性・理性で何とか社会を回そうとしているが、結局は不条理・非合理なものが勝つことが多い気がする。それをこの短い劇で端的に見せているのではないだろうか。

すばらしい作品だった。
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A Kind of Alaska [文学 イギリス Harold Pinter]





A Kind of Alaskaを読み終わった。

この作品は、Harold Pinter作品としては珍しく、劇に入る前に、解説が付されている。
1973年に出されたOliver Sacks作Awakeningsという作品にインスパイアされて作ったものらしい。
1916年から1917年に、謎の病気がヨーロッパ中に蔓延したらしい。それがSleeping Sickness。眠り病?この作品を読むと、何故だか分からないが、さめることのない眠りに入ってしまう病気らしい。しかし死んでいるわけではないらしいので、『眠れる森の美女』状態ということか。
その後10年で500万人近くの人がこの病気にかかり、そのうちの3分の1がなくなったらしい。50年後、L-DOPAという薬が開発され直るようになったらしく、この作品は、このL-DOPAを撃たれて目を覚ました女性の物語だ。

Deborah:40代半ば 
Hornby :60代前半
Pauline :40代前半、もしくは30代後半(おそらく)

眠り病にかかっていたDeborahは医者Hornbyの治療によって、数十年ぶりに目を覚ます。病院で目を覚ましたその場面から物語りは始まる。

全く状況がつかめず、自分をまだ10代だと思っているDeborahにゆっくりとやさしく、状況を説明しようとするHornby。途中から妹のPaulineも病室に入ってきて、家族の現状をDeborahに説明する。様々な葛藤があった後、Deborahは自分の現在の状況を受け入れて終わる。

なんか、『レナードの朝』を思い出してしまった。
この作品もものすごい面白いわけではないのだが、何故だか先が気になってしまう。Henry Jamesの小説に近いものを感じる。
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Family Voices 再読 [文学 イギリス Harold Pinter]





この作品で、二つの全集でかぶっている作品は終わる。
前回書いた内容と、対して変わらない感想。

なんだかよくわからないが、最後までどうなるのかな???とページをめくってしまう。

色々な解釈が成り立つ作品であるように思われるので、是非、様々な劇団の舞台を観てみたい。

この作品を取り上げる劇団もあまりいないのかもしれないが・・・。

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Monologue 再読 [文学 イギリス Harold Pinter]





こちらも再読。
前回は全くわからなかったが、この一人語りをしている人物、実は、Betrayalに出てくるJerryなのではないかと思ってきた。多分、不倫をしている男性が、不倫を相手の夫(しかもおそらく二人は友人)に話しかけているのではないかと思われる。

かなり分からない部分は多かったが、前回よりは楽しめた気がする。
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Betrayal 再読 [文学 イギリス Harold Pinter]





以前購入していた 'Harold Pinter Complete Works'はCompleteではなく、後期の作品のいくつかが収録されていなかった。今から思えば、ちゃんと中身を調べ、多少高額でも、はじめからこちらのシリーズを揃えていればよかった・・・。

この本は、若干'Harold Pinter Complete Works'の第4巻と重複する作品があり、このBetrayalもその一つ。前回読んでからかなり経ち、ほとんど内容を覚えていなかったので、かなり新鮮な気持ちで読むことが出来た。

前回書いた内容と感想は同じ。現在から過去にさかのぼっていく構成が非常に凝っていてとても面白かった。登場人物がたった三人、しかもかなり少ない会話量でこれだけ読ませ、想像力を膨らませ、楽しませられる。Harold Pinterおそるべし。
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Family Voices [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works : Four : Old Times, No Man's Land, Betrayal, Monologue, Family Voices (Complete Works)

Complete Works : Four : Old Times, No Man's Land, Betrayal, Monologue, Family Voices (Complete Works)

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11/01
  • メディア: ペーパーバック



Harold Pinter Complete Worksの最後の作品Family Voicesをついに読み終わった。
これはBBCのラジオ放送が初演らしい。

Voice1:若い男(息子)
Voice2:女性(母)
Voice3:男性(父)

それぞれが手紙を声に出して読んでいる、といったような設定。基本的にVoice1は母に手紙を出しているような感じなのだが、Voice2の母は息子から手紙が全く来ない、どうしているのか連絡が欲しいという手紙をひたすら息子に出している感じなのだ。どこでどのようになぜ食い違っているのか結局わからないまま終わる。そしてVoice3の父はもう死んでいるらしいのだが、墓場から息子に対してコメントを発している模様。
Voice1の手紙の中で、彼が住んでいる下宿先の人々の模様がもう一方で描かれる。
Mrs. Withers:お婆さんで宿主
Jane:(Voice1)はMrs. Withersの娘だと思っている
Lady Withers:赤い(ピンクの)ドレスを着た女性
Mr. Withers:年老いた禿げたお爺さん
もうひとり大きな男がいるっぽい。
このメンバーそれぞれとVoice1は仲良くなり部屋に呼ばれ家族扱いされるのだが、結局この4人(5人?)の関係性は最後まで見えない。Mr.Whitherは親戚であることをほのめかすのだが、はっきりしたことはわからない。
Family Voicesという題名が二つの家族(?)を示唆しており、どちらも微妙な関係で最後まで読み手(観客)を引き付ける。
これも素晴らしい作品だと思う。

これでこのComplete Work集は全部読んだのだが、このあと、他にもHarold Pinterは作品をいくつか発表しているらしい。しかもその内容をみるとどれも居壬生かそうだ。ほかの全集の4がこの後期作品を色々と収録しているらしいので、それを買おうかどうか今迷っているところだ。

Monologue [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works : Four : Old Times, No Man's Land, Betrayal, Monologue, Family Voices (Complete Works)

Complete Works : Four : Old Times, No Man's Land, Betrayal, Monologue, Family Voices (Complete Works)

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11/01
  • メディア: ペーパーバック



BBCテレビで放映されたという、ある男がひたすらとなりの空席に向かって話しかけるモノローグ。まったく何を言っているのかわからなかった。

Betrayal [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works : Four : Old Times, No Man's Land, Betrayal, Monologue, Family Voices (Complete Works)

Complete Works : Four : Old Times, No Man's Land, Betrayal, Monologue, Family Voices (Complete Works)

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11/01
  • メディア: ペーパーバック



Pinterの最高傑作に挙げる人も多いというBetrayalを読み終わった。
確かにいままで読んだ作品の中では一番わかりやすく、The Basementのような計算された展開もあり、ページをめくる手が止まらなかった。

主な登場人物は3人。
Emma:Robertの妻、Jerryの不倫相手
Jerry:Robertの親友、Emmaの不倫相手
Robert:Emmaの夫、Jerryの親友。

この物語は結末を先に見せ、段々と時代を遡っていくことで結末に至った過程を見せていくというもの。
JerryとRobertはCambridgeとOxfordを出身の親友。しょっちゅう会い、本の話をしているらしい。二人共出版関係の仕事らしいこともなんとなくわかる。
EmmaとRobertには娘が一人、JerryのもJudithというちゃんとした妻がいて、子供も二人いることがわかる。
お互いちゃんとした家族があるにも関わらず、しかもJerryとRobertは親友にも関わらず二人が不倫していたことがわかる。しかし若干そのふたりの関係も破綻しつつある(破綻した?)のではと最初の場面で思わせる。
そしてちょっとずつ時間を遡り、Robertがふたりの関係に気づいた瞬間、Emmaに子供ができた瞬間、EmmaとJerryがふたりで会うための部屋を借りた瞬間などが描かれ、最後は二人がどのようにして不倫関係になったのかが描かれる。

観客の観るポイントとしては、Robertが本当はどの時点でどれくらいふたりの関係を知っていたか、ということなのだろう。演出によってかなり見方の違った面白い芝居になるのではないだろうか。
本当に面白い作品だった。

No Man's Land [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works : Four : Old Times, No Man's Land, Betrayal, Monologue, Family Voices (Complete Works)

Complete Works : Four : Old Times, No Man's Land, Betrayal, Monologue, Family Voices (Complete Works)

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11/01
  • メディア: ペーパーバック



No Man's Landを読み終わった。
登場人物は
Hirst:主人公?60代
Spooner:Hirstの友人?
Foster:Hirstの息子
Briggs:Fosterの友人
の4人。
一幕は夜の場面。初めにHirstとSpoonerが部屋に登場し、二人で酒を飲み始める。その飲み方が半端ない。ひたすら飲み続ける。そして二人で会話を交わすのだが、この会話が正直さっぱりわからない。そのうち何故かHirstが倒れ、部屋から出ていく。ひとり部屋に残されるSpooner。そこへ息子のFosterが入ってきて、Spoonerと会話をする。見知らぬ人であるにも関わらず、大した驚きもなく平然と言葉が交わされる。すぐに、Briggsが登場し、3人で話をすすめる。この3人の会話から、Spoonerは芸術家(詩人)であることがわかる。色々と話をしているとHirstがふたたび部屋に入ってきてまた酒を飲み始める。結局またもや倒れる。Fosterは「明日Financial adviserが来る」ことをHirstに伝え、Hirstが連れ出され幕となる。
二幕は次の日の朝。何故かSpoonerの部屋は外から鍵をかけられ中から開けられない。そこへBriggsが入ってくる。結局Financial Adviserは来なくなったらしい。そしてSpoonerは朝からシャンパンを飲み始める。FosterとHirstも起きてきて、HirstとBirggsも飲み始める。四人の会話から、Hirstも文筆業に従事しており、それなりの人物だったことが分かる。BriggsによるとFosterも詩人になりたい様子だ。そしてSpoonerとHirstはOxford大学出身なのかもしれない、と思わせる会話も出てくる。
Spoonerが最後の方でHirstに「詩人の会」(?)のようなものに参加するよう促す長い話をする。が、それを聞いたHirstは「話題を変えよう」と提案する。話題は「冬」にかわり、「今後一切この話題を変えてはならない」というわけのわからない結論で幕となる。

正直よくわからない。知的階級の、アルコール中毒、セックス中毒などを扱った話なのか。知的階級の実態を描いた作品なのか。やはりもう少し一つ一つの会話がわかれば理解度も変わってくるのだろうが、自分の英語力の低さでは、かなりわからない話だった。

Old Times [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works : Four : Old Times, No Man's Land, Betrayal, Monologue, Family Voices (Complete Works)

Complete Works : Four : Old Times, No Man's Land, Betrayal, Monologue, Family Voices (Complete Works)

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11/01
  • メディア: ペーパーバック



ついにHarold Pinter全集の最終巻、4巻に突入した。とはいえCompleteと銘打っているもののCompleteではないようだが・・・。
4巻の一番最初に収録されている作品Old Times
登場人物は
夫:Deeley
妻:Kate
妻の友人:Anna
の三人だけだ。
夫と妻の最初の会話で、妻はとてもシャイな性格で、友人があまりいないということがわかる。
そんな彼女の数少ない友人が家に来るという。その友人とは昔一緒に暮らしており、下着をよく盗まれたと言う。(物を盗むような人間と友達なのか?という疑問が湧いたがPinter作品ということでそのまま流す)
そしてAnnaが登場し、昔の事を色々と会話するのだが、KateとAnnaの会話よりも、DeeleyとAnnaの会話の方が多いのが面白い。
2幕に入り、DeeleyはかつてAnnaと会ったことがあると主張するのだが、Annaは受け入れない。その出会いの時にDeeleyはAnnaに惹かれていたらしい。彼女のスカートをずっと見ていたのだが、声をかけられずに終わったという。
その後、AnnaがKateの下着を一度借りたことがあるという話になる。それからKateはAnnaが自分の下着を盗むというようになったんだと愚痴をこぼす。そしてその下着を借りた日がおそらくDeeleyがAnnaに会った日であったことが会話から推測される。
そして3人が微妙な空間を保ったまま幕となる。

正直最後のほうがむずかしく、よくわからないまま読み終えた。3人それぞれの会話が微妙に食い違っているので、ぼんやりとした情景を描くことが出来るが、はっきりとしたものは見えてこない。かなりモヤモヤ感の残る作品だ。

Revue Sketches [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



Complete Works 3の最後に収録されている、Revue Sketches。下書き集のようなものだろうか。すべてが2~5ページくらいの短いもの。
Night: 40代の夫婦が初めての出会いについて話し合うもの。お互いの記憶が食い違っているのだが、いつのまにか記憶が交錯していたりする。しかし初めての出会いでここまで行くの?という描写もある。
That's your trouble: 看板を背中にぶら下げている男をみながら、ふたりの人物が会話をするというもの。背中に重い看板をぶら下げていると「痛みが上に上がっていきそのうち頭痛になる」という論と、「痛みは下に下がっていき腰痛になる」という論が熱く交わされる。結論は「自分の痛みは自分にしかわからない」ということか(?)。
That's all: 正直意味がわからない。
Applicant: 就職面接にやってきた男が電気のようなものを体に流され倒れるという話?The Hothouseを彷彿させる話。
Interview: 意味不明
Dialogue for three: 正直読む気にならず。ページをめくっただけ。

まあ、下書き集のようなものなのでこんなものかな、という感じ。

Silence [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



Silenceを読み終わった。登場人物は男2人と女1人の3人。
初めはそれぞれが別々に話をしているのだが、段々と会話のようにはなってくる。しかし3人の人間関係は明確ではないし(三角関係?)、何を話しているのかよくわからない。正直さっぱりわからなかった。

Landscape [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



Landscapeも読み終わった。登場人物はDuffとBethのたった二人。
しかも二人はまったく動くことなく、ひたすら話をしているだけ。この作品はBBCのラジオ放送が初演らしい。
ふたりの関係性はよくわからない。夫婦なのか?
キッチンのテーブルという場所は共有しているのだが、会話はまったく噛み合っていない。
Bethが語るビーチの様子などから、読んでいる途中、ヴァージニア・ウルフの『波』を読んでいるかのような錯覚にとらわれた。この『波』は一つ一つの文章が、登場人物たちの視点から語られているため、一見すると無関係に思われるような描写が延々と続くのだが、実は話が繋がっているというような作品なのだが、今回読んだLandscapeはおそらくまったく無関係にお互いが話をしているだけっぽい。
時間と場所を共有していても、心は共有していないということなのだろうか。やはり噛み合わない会話をひたすら読むのはきつかった。

The Basement [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



PinterのThe Basementという作品を読み終わった。この作品は始め、BBCのテレビで放映され、後に舞台で演じられたらしい。
登場人物Stott, Jane, Lawというたったの3名。
豪華なLawの部屋に雨に濡れた、StottがJaneという女性をつれて現れる。
LawとStottは友人らしいが、長いあいだ会っていなくて、連絡も取れなくなっていた様子が会話から伺える。
Stottは今、住む家がない、ということなので、このLawの家にJaneと一緒に住まわせてもらうことになる。
日が経つに連れ、LawとJaneの関係が怪しくなっていく。
そしてある日の海辺での会話で、JaneがLawに向かって次のように言う。
Why don't you tell him to go? We had such a lovely home. We had such a cosy home. It was so warm. Tell him to go. It's your place. Then we could be happy again. Like we used to. In our first blush of love. Then we could be happy again, like we used to.
「Stottに出て行くよう命じろ」と言っているのだが、最後に、「そうすれば、昔みたいに幸せになれるわ。」と言っているのだ。
ということは、かつてLawとJaneは恋人だったということ?
と色々考えながら読み進めるのだが、その後、このことには触れられずに話は進み、そして・・・。

最後に、今度はStottが部屋の中にいて、LawとJaneが部屋の外にいて、始まりの場面とまったく同じ会話をする。しかし今度はStottとLawの台詞が逆になっている。
いわゆるStottとLawの役割が行ったり来たりすれば、ひたすら続けることが出来る構成になっているのだ。
正直何が伝えたいのかすぐには分からないが、バッハの音楽のような計算された作品に出会ったような感じがする。

Tea Party [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



Tea Partyを読み終わった。今作も登場人物の人間関係は非常にわかりやすい。

Dission: 会社経営者?
Diana: Dissionの妻
Willy: Dianaの兄弟
Wendy: Dissionの秘書

他にも登場人物がいるのだが、主要なのはこの4人。はじめの場面で、WendyがDissionの秘書になりたいということで面接を受けている。Wendyは前の会社を辞めた理由として、セクハラに何度も会っていたことを伝える。結局WendyはDissionの秘書として雇われる。
その次の日、DissionとDianaの結婚式が行われるのだが、そこで行われたDianaの兄Willyのスピーチがあまりにも素晴らしかったので、DissionはWillyを自分の会社に来ないかと誘い、Willyもそれを受け入れる。
Willyは自分の秘書としてDianaを使いたいと申し出て、Dissionもそれを受け入れる。
場面は、家と仕事場を行ったり来たりするのだが、簡単な会話が交わされるだけで大きな盛り上がりはない。
そのうちに、突然Dissionの目が見えなくなるという事態が頻発するようになる。Dissionは友人で目医者のDisleyのところに行くが、目にはなんの異常もないといつも診断されてしまう。
そんな中Dissionを囲んだTea Patyが行われ、ここでも何気ない会話が交わされるのだが、最後にDissionが倒れてしまい、妻Dianaが心配そうにDissionに呼びかけるところで幕となる。

Wendyは前の会社でセクハラを受けていたようだが、DissionもWendyに対してセクハラまがいのことをしている描写が見える。さらに、兄弟姉妹であるWillyとDianaにも性的関係があるのでは、と思わせるような雰囲気が漂っている。
一度だけ、DianaとWendyがセクハラに関して言葉を交わす場面があるのだが、ここは非常に緊張感があって素晴らしい場面だ。

Diana: I understand your last employer touched your body... rather too much.
Wendy: It wasn't a question of too much, Mrs Dission. One touch was enough for me.
Diana: Oh, you left after the first touch?
Wendy: Well, not quite the first, no.
Pause
Diana: Have you ever asked yourself why men will persist in touching women?
Wendy: No, I've never asked myself that, Mrs Dission.
Diana: Few women do ask themselves that question.
Wendy: Don't they? I don't know. I've never spoken to any other women on the subject.
Diana: You're speaking to me.
Wendy: Yes. Well, have you ever asked yourself that question, Mrs. Dission?
Diana: Never. No.

セクハラは数の問題ではなく一回やればセクハラなんだとWendyは言っている。確かに。しかしだとしたらDissionがWendyにしているセクハラまがいの行為はセクハラではないということなのか?
それとも暗に妻であるDianaに「あなたの旦那も同罪ですよ」ということを言っているのか。答えは読者、観客に委ねられている。
そして、Dianaが「なんで男は女性の体に触ることに執着するのか考えたことある」と聞く。
男である私はたまにこのことを考えるが、やはり答えは出ない。このふたりの会話を聞くと女性はあまりこのことについて考えないようだが、どうなのだろうか。
「好きな人の体を触りたい」という感覚と「異性の体を触りたい」という感覚はおそらく違うものなのだろう。
おそらく多くの女性には後者の感覚はあまりなく、多くの男性にはあるのであろう。
そこが考えるか、考えないかの違いが生まれてくのであろう。

とにかく、この時期のPinterは、かなり、性的な問題を色々考えていたのではないだろうか。


The Homecoming [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



Harold Pinterの全集3巻を読み始めた。
最近、疲れがひどく、電車の行き帰り、3~4割くらい寝てしまうので、読書の進みが遅い。
complete3の一作目The HomecomingはPinter作品としては長めの100ページ近くある作品ではあるが、戯曲で間が多いので、なんとか3日くらいで読みきることができた。

Pinter作品としては珍しく登場人物の人間関係は初めから明確に提示されており非常にわかりやすい。
Max:父親
Sam:Maxの弟
Teddy:Maxの長男
Lenny:Maxの次男
Joey:Maxの三男
Ruth:長男Teddyの妻

Maxは精肉業者、SamはおそらくTaxiドライバー、Teddyは哲学の博士号を持っておりアメリカの大学で教えている。Lennyはよくわからないが危ない仕事をしていそう。Joeyはプロボクサーを目指している。

同じ家に住むMax, Lenny, Sam, Joeyが順番に登場し、何気ない会話を交わす。その中でMaxの妻Jessieはもう亡くなっていることがわかる。SamはJessieに恋をしていたと思わせるような描写もある。さらに物語の途中、後半で、このJessieは他の男とも恋愛関係にあったかのような描写もある。そして私の英語力不足でいまいちよくわからないのだが、LennyとJessieが一緒にいるところをMaxが見つけた、といったような描写があるのだが、これは近親相姦?と思ったのだが・・・、結局よくわからない。
そんな中、アメリカからTeddyとRuthがこの家にやってくる。Teddyは知的階級であり、その妻なのでRuthもかなりまともな人間なのかと思いきや、LennyとJoeyが現れると二人とかなり親密な状態になる。しかも夫Teddyがいるのにである。
そんなこんなで、TeddyはRuthをつれてアメリカへ帰ろうとするが、ほかの家族がRuthをこの家に引きとめようとする。しかも、売春(?)のようなことをさせ、お金を稼がせようとしているのだ。さらに男たちはRuthと性的関係を持とうとしていることが見え見えの会話をする。しかもしかも夫Teddyはそういった会話を全て聞いている(のだと思う)。それにもかかわらず、夫TeddyはRuthをこの家に残し、一人アメリカへ帰るのである。

正直、凄すぎてよくわからない。フランスの自然主義文学を読んでいた時もそうだったのだが、性に奔放な話を読むのがあまり得意ではない。

後半はひたすら「何故?」が頭の中にこだましていた。そして読後もひたすらこだましている。ひたすら思考を強要し続けることができるPinter劇。流石である。

Night School [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R    Evue Sketches

Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R Evue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



Complete2の最後の作品Night Schoolを読み終わった。

刑務所から出たWalterは、Annie, Millyという二人の叔母の元へ帰る。
家に着いたところ、自分が元々使っていた部屋がSallyという女性教師に貸されてしまっていることを知る。
この女性教師は昼は教員の仕事、夜は週3日語学学校(Night School)に通っているためほとんど家にはいない。彼女はとても女性らしい女性で、Walterの部屋をとてもFeminineな感じにしている。

自分の部屋が勝手に人に貸されてしまっていることに怒ったWalterはSallyがいる自分の部屋に向かう。
ここで緊張感のある対話が繰り広げられる。結局何も解決することなく終わる。
次の日、再びWalterはSallyのもとへ。今度は穏やかな感じで話が進み、WalterはSallyに気があるような素振りすら見せる。さらにSallyはWalterにこの部屋を共同で使おうという話を持ちかける。結局結論は出ないままおわる。
その後、色々なことがあるが、最後は、SallyがWalterに置き手紙をおいて出て行ったところで幕となる。
結局SallyとWalterの間に何があったのかよくわからないままだ。

犯罪者のWalterと清純そのもののようなSallyの間の微妙な関係性が面白い作品となっている。

The Lover [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R    Evue Sketches

Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R Evue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



The Loverを読み終わった。
本の初めに記されている登場人物は3人。Richard, Sarah, Johnだ。
相変わらずそれぞれの人物の関係性が見えづらい。
物語の最初、RichardがSarahに対して'(amiably). Is your lover coming today?'と聞くのだ。
この2人は父娘?もしくは兄妹?と思って読む進めると、どうやら夫婦らしいことがわかってくる。
Richardも外に売春婦の愛人らしき人物を持っているらしいことがわかる。
Sarahは家に自分の愛人を午後のTea Timeに連れ込んでいるらしい。
しかし、お互い不倫をしていてそれをお互い知っているとは言え、優しく(amiably)今日恋人は来るのか、と妻に聞けるのもすごいなあ、と思う。
牛乳屋のJohnが登場した直後に、Sarahの愛人Maxが登場する。Maxは登場人物の中にいないのだが・・・。
そしてこのMaxの登場シーンがよくわからない。
まあ、MaxとSarahが色々会話をした後、MaxはSarahに別れ話を切り出す。
「自分の本妻との子供がBoarding Schoolから帰ってくるし、あなたはBony(痩せすぎ?)だから」という理由だ。
Sarahは納得しないが、Maxは立ち去る。
直後、Richardが帰宅。RichardはSarahに愛人と別れるように要求する。SarahがRichardにあなただって愛人がいるじゃないというと、今日別れてきた。という。Sarahが理由を聞くと。
「彼女はBonyだから」と答えるのだ。
最終的にはRichardとSarahがラブラブな感じで終わるのだが、最後のRichardのSarahに対する一言が「You lively whore(売春婦)」なのだ。
結局、RichardとSarahの関係は曖昧なまま幕となる。

Drumが食器棚に入っており、このDrumも劇の中でしばしば登場するのだが、どういう位置づけのものなのだかよくわからない。

本当に謎の多い作品だが、舞台化されたらさぞ素晴らしいのだろうと思った。是非どこかの劇団にやってもらいたものだ。

The Collection [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R    Evue Sketches

Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R Evue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



The Collectionを読み終わった。
登場人物は相変わらず少なく4人。
JamesとStellaという夫婦と、HarryとBill。JamesとStellaはアパートのようなところに住んでおり、HarryとBillは家に住んでいる。初めはHarryとBillは親子なのかと思っていたが、実はHarryがBillをSlum街から拾ってきたらしいことが後でわかる。
相変わらず初めは何の会話をしているのかさっぱりわからないが、段々と、StellaとBillがあるホテルで一夜を過ごしたらしいということがわかってくる。
そのことを知ったJamesがBillに無名の電話を入れ、その後彼の家に乗り込む。普通であれば、Jamesはもっと感情的になっても良いはずなのに電話をかける時から、家に乗り込み、彼と話をしてする時まで終始冷静なままだ。これもある意味「異化効果」を狙っているのだろうと思われる。
そして色々突っ込まれるが、初めはまったく知らないふりをするBillの様子も面白い。この二人の初めての対話の場面は非常に緊張感がありかなり面白い。結局BillはStellaと会ったことは認めるが、キスだけであり、肉体関係があったことは認めない。
この後
JamesとStella
HarryとStella
JamesとBill
といった具合に、それぞれ別の人物とこの不倫騒動の真相について話し合うのだがそのすべてが食い違っており、結局真相はわからない。
最終的にJamesとBillとHarryの男3人が顔を合わせ、Stellaの作り話だった、ということで話は落ち着くのだが、JamesがそれをStellaに「That's the truth, isn't it?」と何度も確認するのだがStellaは無言のまま。結局真実は明らかにされずに幕となる。

前にも書いたかもしれないが、ピンター劇は登場人物が少ないにも関わらず、皆が顔を合わせることがない、というものが多い。これは皆が顔を合わせてしまうと、真実を追求せざるを得なくなってしまうからなのだと思う。

結局真実はわからない。これがピンター劇の面白さなのだ。

The Dwarf [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R    Evue Sketches

Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R Evue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



The Dwarfsを読み終わった。というよりページをめくり終わった。ほとんど内容が理解できなかった。C.S.Lewisのキリスト教論文よりも理解できなかったかもしれない。

Len, Pete, Markの三人が登場人物。Lenの家と、Markの家でだいたい2人ずつが対話をするのだが何を話しているのかさっぱりわからず、???のままひたすら読まされる。彼の作品はだいたい題名が意味するところがなんとなくわかるのだが、何故Dwarfsという題名なのかもわからなかった。

仕事が忙しく疲れているせいで、集中して読めていなかったのかもしれないが・・・。
とにかくまったくわからなかった。
機会があればもう一度読み直したいとは思うが・・・。

The Caretaker [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R    Evue Sketches

Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R Evue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



Harold Pinter Complete Worksの2巻を読み始めた。
最初の作品はThe Caretaker。100ページ弱と、彼にしては結構長めの作品となっている。
登場人部は相変わらず少なく3人。
MickとAstonという兄弟とDaviesという老人。
兄弟二人が住む家(部屋?)に、AstonがDaviesという得体の知れない老人を連れてきて、そのまま住まわせる話。これもいまいち状況が把握しづらい。
初めにMickが登場するのだが一言も発することなく外に出ていき、その後AstonとDaviesが家の中に入ってくる。Daviesはそのまま泊めてもらう。
次の朝AstonはDaviesを家に残し出て行ってしまう。そこにMickが帰ってきて、一悶着あるのだが、とりあえず収まる。この時点で登場人物がみな声を発することになり、それなりの人物像が観客にも分かるようになる。
私はこの時点で、MickはDaviesに同じことを何度も繰り返す聞くし、意味不明な言葉も発するし、暴力的だし、と少しおかしい人なのかと思っていた。一方、Astonは慈善的で、善人で騙されやすい人間なのかと思っていたが、読み進めるうちに、おかしいのはAstonの方なのではないかと思い始める。
そして、やはり彼は精神病院(?)に無理やり連れて行かれた経験があるらしいことが分かる。
Daviesが寝ている最中に、「大きな音を立ててうるさい!」と真夜中に叩きおこし説教する。Daviesはこれに耐え切れなくなってくる。
だんだんと、MickとDaviesが距離を縮め始める。MickはDaviesに「よく眠れるかい」と聞くのだが、Astonの仕打ちによりよく眠れないことを告白する。
昼夜が逆転してしまう人も多い、現代社会。こうした現代社会の状況に対する批判なのだろうか?
まあ、なんにせよMickはDaviesをこの家の管理人として雇うことをDaviesに約束する。
そしてAstonもDaviesを同じようにこの家の管理人として雇うことを彼に約束する。
しかし、3人が同時に顔を合わせることがなく、話がうまくまとまらない。そして最終的にはDaviesはおそらくこの家を追い出されることになる(のだろう)という感じで幕が降りる。
誰が最終的に責任を取るのか、直接的なコミュニケーションを取ることの大切さ、普通とは何か、など様々なことをおそらく読者(観客)に投げかけているのであろう。読みやすいが難解な作品だ。

A Night Out [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: One : The Birthday Party/the Room/the Dumb Waiter/a Slight Ache/a Night Out/the Black and White/the Examination

Complete Works: One : The Birthday Party/the Room/the Dumb Waiter/a Slight Ache/a Night Out/the Black and White/the Examination

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



ピンターのA Night Outを読み終わった。
これで、Complete Works 1に収録されている作品は全部読み終わった。
この作品集の中では最も読みやすく、登場人物も一番多かった。とはいえ、メインはAlbert StokesとMrs.Stokesの2名と言える。

始まりは、Stokes家の場面。パーティーに出かけようとしている28歳のAlbertを母親のMrs.Stokesがなんやかんやと理由を付け引きとめようとしている。父親は10年前になくなっているようだ。
ネクタイのアイロンがけから始まり、何から何までAlbertは母親に面倒を見てもらっているっぽい。そして母親はそれを楽しんでいる。さらに母親はAlbertが女の子に近づかせたくないようである。

その後Albertはパーティーに行き、そこでの参加者に、〈おそらくマザコンであることを)からかわれ喧嘩を始め、そのままパーティーをあとにする。

家に帰り、母親とも喧嘩をし、家を出て行く。街でひとりで佇んでいると、ある女性に声をかけられ彼女の家に入る。いろいろと話すうちに彼女の言葉にかっとなり、彼女にひどいことをし、彼女の家を出、家に帰り、母親に優しく迎え入れられる。

これは現代の日本の若者の姿をまさに表しているといえる。
小さい頃から母親のペットのように育てられ、女性に積極的に近づくことができず、何かあるとすぐにカッとし暴力的になる。

分かりやすいようで結構わかりづらい作品ではあるが、この劇が現代の日本で素晴らしい演出で上演されたらかなりの反響があるのではないだろうか。
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