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The Collection [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R    Evue Sketches

Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R Evue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



The Collectionを読み終わった。
登場人物は相変わらず少なく4人。
JamesとStellaという夫婦と、HarryとBill。JamesとStellaはアパートのようなところに住んでおり、HarryとBillは家に住んでいる。初めはHarryとBillは親子なのかと思っていたが、実はHarryがBillをSlum街から拾ってきたらしいことが後でわかる。
相変わらず初めは何の会話をしているのかさっぱりわからないが、段々と、StellaとBillがあるホテルで一夜を過ごしたらしいということがわかってくる。
そのことを知ったJamesがBillに無名の電話を入れ、その後彼の家に乗り込む。普通であれば、Jamesはもっと感情的になっても良いはずなのに電話をかける時から、家に乗り込み、彼と話をしてする時まで終始冷静なままだ。これもある意味「異化効果」を狙っているのだろうと思われる。
そして色々突っ込まれるが、初めはまったく知らないふりをするBillの様子も面白い。この二人の初めての対話の場面は非常に緊張感がありかなり面白い。結局BillはStellaと会ったことは認めるが、キスだけであり、肉体関係があったことは認めない。
この後
JamesとStella
HarryとStella
JamesとBill
といった具合に、それぞれ別の人物とこの不倫騒動の真相について話し合うのだがそのすべてが食い違っており、結局真相はわからない。
最終的にJamesとBillとHarryの男3人が顔を合わせ、Stellaの作り話だった、ということで話は落ち着くのだが、JamesがそれをStellaに「That's the truth, isn't it?」と何度も確認するのだがStellaは無言のまま。結局真実は明らかにされずに幕となる。

前にも書いたかもしれないが、ピンター劇は登場人物が少ないにも関わらず、皆が顔を合わせることがない、というものが多い。これは皆が顔を合わせてしまうと、真実を追求せざるを得なくなってしまうからなのだと思う。

結局真実はわからない。これがピンター劇の面白さなのだ。
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