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オツベルと象 [文学 日本 宮沢賢治 あ行]


新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

  • 作者: 賢治, 宮沢
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1989/06/19
  • メディア: 文庫




銀河鉄道の夜-宮沢賢治童話集3-(新装版) (講談社青い鳥文庫)

銀河鉄道の夜-宮沢賢治童話集3-(新装版) (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/01/16
  • メディア: 新書



資本主義の、非人間的な側面を痛烈に批判した作品。
オツベル=強欲な資本主義者
象   =搾取される労働者

はじめは象に優しくしていたものの、甘い言葉で言い寄って段々と自分のやりやすい方向へ持っていき、さらに与えるご飯(給料)を徐々に減らしていく。オツベルはまさに、現代の億万長者たちの姿だし、醜い日本の政治家達そのものだ。いいことをいうが結局自分の私利私欲のことしか考えていない人々。こういう人たちが社会を作っているから、結局社会は良くならないし、環境問題も解決しない。世界の貧困問題を解決しない限り、環境問題は解決しない、というトマ・ピケティの言葉通りだ。

弱りきった象は仲間を呼び、仲間はオツベルの屋敷へ押し寄せる。オツベルは銃で対抗するが象たちにはきかない。結局仲間たちは象を助け出す。

労働者たちのストライキのようなものなのだろう。しかし現実はなかなかこうはいかない。

すっきりするエンディングなのだが、すっきりしない読後感だ。
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おきなぐさ [文学 日本 宮沢賢治 あ行]


注文の多い料理店 (新潮文庫)

注文の多い料理店 (新潮文庫)

  • 作者: 賢治, 宮沢
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1990/05/29
  • メディア: 文庫



注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版) (講談社青い鳥文庫)

注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版) (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/16
  • メディア: 新書



「うずのしゅげを知っていますか。
 うずのしゅげは、植物学ではおきなぐさとよばれますがおきなぐさという名はなんだかあのやさしいわかい花をあらわさないようにおもいます。」

二輪の黒い色をしたおきなぐさが、ひばりが心通わす話。
再びあった時は、まさにおきなぐさが風に飛ばされようとする直前。

結局強い風に吹かれておきなぐさは北の方へ飛ばされていく。しかしひばりはおきなぐさを追って北へは行かず空へと舞い上がる。これはおそらく天へとのぼるおきなぐさを追ったものだろうと述べられる。おきなぐさは変光星になったのだろうと語られる。

「いちょうの実」という話に似た、植物の死というものに意味を与える美しい作品。
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狼森と笊森、盗森 [文学 日本 宮沢賢治 あ行]


注文の多い料理店 (新潮文庫)

注文の多い料理店 (新潮文庫)

  • 作者: 賢治, 宮沢
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1990/05/29
  • メディア: 文庫



注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版) (講談社青い鳥文庫)

注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版) (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/16
  • メディア: 新書



小岩井農場の北方に実際にある森の名前らしい。
それぞれの森(山)が、いつごろ、どのように出来たか、そしてどうしてこんな奇体な名前がついたのかの話。

山が噴火し、その後草が生え、森ができ、人間が定住し、森にもともといた動物たちと交流していく過程を描いている。昔話によくある、同じパターンを3度繰り返す、というのもあり読んでいて楽しくはある。が、結局(いつごろ)(=ずっと昔)、何故このような名前がついたのかの答えは提示されていない。人間が森に呼びかけ中に入っていくときにはこの名前がもうついてしまっているのだ。

なんとなく未完成感がなくはない作品。
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いちょうの実 [文学 日本 宮沢賢治 あ行]



注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版) (講談社青い鳥文庫)

注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版) (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/16
  • メディア: 新書




風が冷たく、なってくる季節。いちょうの木の実たちが話をしている。あしたみんな一斉に母親のもとから落ちて旅立っていくと。その旅立ちの準備を、色々な話をしながら、皆で楽しく、どことなく悲しさを秘めながら進めていく。

ついに強い風が吹いて来て、みんな一斉に飛び立っていく。

いちょうの葉っぱの目線に立った、優しくもなんとなく悲しい物語。

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ありときのこ [文学 日本 宮沢賢治 あ行]


注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版) (講談社青い鳥文庫)

注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版) (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/16
  • メディア: 新書



一匹の歩哨のあり(蟻)が偉そうに立っている。しかし段々と眠くなってくる。

そんなところへ、二匹のありの子どもたちがやってくる。彼らは今までそこにはなかった真っ白な家のような山のようなものを見つける。早速偉そうに立っている歩哨のありに、あれは何か尋ねるが、歩哨は始め眠かったのもあり、怒って対応しない。しかし子どもたちがくり返し聞くと、歩哨のありもびっくりして、中佐の元に子どもたちに報告に行かせる。

子どもたちは戻ってくると、歩哨に次のように報告する。
「兵隊さん。かまわないそうだよ。あれはきのこというものだって。なんでもないって。」
歩哨は決まり悪そうに、任務を続ける。

という話。ちょっとほっこりする話。


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雨ニモマケズ [文学 日本 宮沢賢治 あ行]


銀河鉄道の夜-宮沢賢治童話集3-(新装版) (講談社青い鳥文庫)

銀河鉄道の夜-宮沢賢治童話集3-(新装版) (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/01/16
  • メディア: 新書



宮沢賢治のあまりにも有名な詩。
はじめの2~4行くらいが有名だが、それなりに長い詩。

自然の中で自然と共に生き、欲は少なく色々なことに感謝しながら生活し、人々の平和を願い、心の乱れている人、体の悪い人、争っている人がいれば積極的に介入していこうとする姿勢が描かれている。本当に素晴らしい願いを詠った素晴らしい詩だと思う。

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