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大地の歌 [マーラー 交響曲]


マーラー:大地の歌(クラシック・マスターズ)

マーラー:大地の歌(クラシック・マスターズ)

  • アーティスト: オットー・クレンペラー
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2014/06/18
  • メディア: CD



第一楽章:大地の哀愁に寄せる酒の歌
★★★★★★★☆☆☆
激しく劇的にオーケストラが音楽を奏で、すぐにテノールが主題を歌う。声楽曲ではあるのだが、確かに交響曲的で、第一主題の激しい雰囲気、第二主題の若干優しい雰囲気、展開部の広がりのある雰囲気と違いも明確でわかりやすくとても聴きやすい。テノールがひたすら歌い続けるのも素晴らしい。

第二楽章:秋に寂しき者
★★★★★★☆☆☆☆
アルトによる緩徐楽章。それなりに美しいメロディでうたわれるのだが、心に残るメロディではない。

第三楽章:青春について
★★★★★★☆☆☆☆
とても牧歌的な間奏曲的な雰囲気。時間も3分程度と短く聴きやすい。テノールが伸びやかに歌う。

第四楽章:美について
★★★★★★☆☆☆☆
第三楽章の牧歌的な雰囲気を引きずってアルトが優しく花を摘む乙女を歌う。段々と音楽は熱を帯び、馬を駆ける青年を歌う英雄的な音楽になる。最後は再び優しい雰囲気になり終わる。

第五楽章:春に酔える者
★★★★★☆☆☆☆☆
おもちゃ箱をひっくり返したような、陽気で若干おどけた雰囲気で始まる。段々と力強くなっていくが、スケルツォ的な諧謔的な雰囲気は一貫してある。途中のヴァイオリン・ソロとテノールとの掛け合いが面白い。

第六楽章:告別
★★★★★★☆☆☆☆
30分近くある大作。東洋的な雰囲気を持ったメロディで始まる。若干半音階的な不安定なメロディをアルトが歌い曲は展開していく。様々なメロディが現れ、美しいメロディを持った部分や、葬送行進曲的な部分もあったりお腹いっぱいな感じなのだが、目立った心に残るメロディがない。最後は静かに曲が閉じられる。冗長な感じは否めないか。

全体的に悪くはない。第六楽章がもう少し短ければ、締まった感じでもう少し良くなったのではないかと思ってしまう。
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交響曲第十番 嬰ヘ長調 クック補筆版 [マーラー 交響曲]


マーラー:交響曲第10番

マーラー:交響曲第10番

  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/10/25
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
弦だけによる静かで穏やかな主題で始まる。そのあと管楽器が加わるが基本的に柔らかい。
第二主題はスケルツォ的な若干おどけた感じ。
展開部で広い草原に出たかのような広がりのある音楽となる。
ラスト近くで、突然劇的に盛り上がりこのままクライマックスを迎えるのか???と思いきや結構あっさり静かな曲調に戻り最後は穏やかにそっと終わる。
悪くはないが若干長い。この楽章だけはマーラーが完成させている。

第二楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
スケルツォ楽章。まさに諧謔的な感じだが、もう一歩。

第三楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
4分弱の短い楽章。少し緊張感のある感じ。もう一歩。

第四楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
こちらもスケルツォ楽章。若干悲劇的でメロディアスな感じがなくはないが、もう一歩。

第五楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
アダージョ楽章。弦の低い音で入る。ドラムの音が何度かなり、それなりに美しいメロディが流れる。

正直、2楽章以降、マーラーが完成させたわけではないと知っているとあまり真剣に聴く気がしない。心に残るメロディもほぼない。あまり聞かなくてよい曲だと思う。
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交響曲第九番 二長調 [マーラー 交響曲]


マーラー: 交響曲第9番(クラシック・マスターズ)

マーラー: 交響曲第9番(クラシック・マスターズ)

  • アーティスト: ジョン・バルビローリ
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2014/06/18
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★★★★★☆
チェロとハープとホルン(?)が少しずつ音を出し、夜明け前の森の中のような雰囲気を作り出す。段々と音が連なりだし森も目覚め始める。少し不穏な感じが漂い始めるが、段々と音は厚みを増していき、夜明けと共に目の前が開けたように、壮大で美しく解放感に満ちた音楽になる。最高に美しい音楽である。音楽が盛り上がり最高潮を迎えた後、ティンパニーの音と管楽器の不穏な音楽に導かれ暗い雰囲気なり、森の奥での魔女たちの会議のような雰囲気となる。これが盛り上がって一息ついた後、ハープとチェロ(コントラバス?)の音に導かれ美しい音楽が流れだす。これも盛り上がりを見せた後、再びティンパニーの音に導かれ不穏な空気が流れる。
とにかく静と動の対比が素晴らしく、メロディもきれいで25分前後の長い楽章なのだが飽きずに聴ける。ティンパニーが各々の主題を提示する際に効果的に用いられているのもマーラーらしい。

第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
「ドレミファソ、ソ」というシンプルながらも力強い雰囲気が面白い第一主題。
第二主題の若干性急な感じながらも優雅な雰囲気も悪くない。段々と混沌とした雰囲気になる。
優美ながらも不気味な感じで、亡霊たちのダンスパーティーのような雰囲気も結構楽しく聴ける。
この後も上記3つの主題が様々に変形されながら奏されていく。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
マーラーらしい悲劇的な攻撃的な雰囲気で始まる。かなり管楽器が活躍する楽章。
半音階を駆使した不気味ながらもメロディアスな第二主題は若干優雅な感じ。
この2つの主題が順々に流れる。中間部非常に優美で天国的な雰囲気を持った美しいメロディが流れ心を和ませてくれる。

第四楽章
★★★★★★★★☆☆
弦の分厚い若干悲哀を感じさせるメロディで始まるが、すぐに安らぎに満ちた優しいメロディに変わりこの息の長い旋律が続く。途中第一楽章の主題が回帰されたり、若干の盛り上がりを見せたりするところがアクセントになっており、基本的に終始穏やかなこの楽章もあまり飽きずに聴ける。

最初と最後のアダージョ楽章が本当に素晴らしい名曲。
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交響曲第八番 変ホ長調 [マーラー 交響曲]


マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」

マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」

  • アーティスト: クラウス・テンシュテット
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2018/05/09
  • メディア: CD



第一部 来たれ、創造主なる精霊よ
1.
★★★★★★★☆☆☆
オルガンの音に導かれ感動的な短い合唱となる。この主題は第一部を貫く主題となる。
2.
★★★★★★★☆☆☆
ソプラノ・ソロが美しいメロディを歌い、それを他のソロ歌手、合唱が対位法的に追いかける。とても宗教的で美しい。
3.
★★★★★★☆☆☆☆
器楽が活躍する場面。少し暗い合唱で始まる。その雰囲気をソロ・ヴァイオリンの若干不気味な音が煽る。静かな合唱のあとだんだん盛り上がり突然音楽が止まる。そのあと鐘の音が鳴り響き、弦のピッチカートの音など混沌とした雰囲気となり、ソロ歌手たちが対位法的に語るような音楽となり、ヴァイオリンが美しいメロディを奏でる。
4.
★★★★★★★☆☆☆
はじめの主題に似た感動的で、前向きな音楽となる。
5.
★★★★★★★☆☆☆
打楽器の音をきっかけに、はじめの主題に戻り壮大な音楽となる。
6.
★★★★★★☆☆☆☆
器楽のみで前奏を奏でた後、児童合唱が少し歌ったあと、ソプラノが非常にドラマティックに歌いだし、最後は全員でグローリア合唱となり、ティンパニーも活躍し、最初のメロディが回帰され圧倒的な雰囲気で終わる。

第二部 ゲーテの『ファウスト』より
1.
★★★★★★★☆☆☆
非常に穏やかな夜の森をイメージさせる美しい曲。途中少し盛り上がるが基本的には静かに曲は進む。
2.
★★★★★☆☆☆☆☆
一分強のバリトン独唱。メロディも悪くはない。
3.
★★★★★☆☆☆☆☆
バリトンがそのまま若干不気味なメロディを歌うも段々と美しい雰囲気になる。
4.
★★★★★★☆☆☆☆
子供たちによる可愛らしい合唱。クリスマス・キャロルのような愛らしい曲。
5.
★★★★★★☆☆☆☆
不気味な感じの、合唱とヴァイオリン・ソロの後、段々と光が差したような感じの明るい感じにあっていく。ソプラノ・ソロの息の長い美しい歌となる。
6.
★★★★★★☆☆☆☆
バリトンと合唱が高らかに神を讃えるかのような歌を歌う。
7.
★★★★★★☆☆☆☆
そのままバリトンが力強く感動的な旋律を歌う。器楽だけの中間部を経て、再びバリトンがソロで静かにメロディを歌う。
8.
★★★★★★★☆☆☆
子守歌のような穏やかな雰囲気で始まる。ハープが良い味を出している。穏やかな雰囲気を壊さないよう途中から入ってくる合唱も静かに歌う。
9.
★★★★★★★☆☆☆
前曲の雰囲気そのままにソプラノがささやきかけるように優しいメロディを歌う。ヴァイオリンのオブリガートもとても美しい。「ディン・ドン」のメロディを境に、若干不穏な空気が漂う。ソプラノとアルトの対位法的な二重唱が続き終わる。
10.
★★★★★★☆☆☆☆
少し牧歌的な雰囲気になり、ソプラノが伸びやかに歌う。児童合唱も入ってくるなど優しい雰囲気の曲。
11.
★★★★★★★☆☆☆
非常に宗教的な祈りに満ちた旋律をテノールと合唱が歌う。ハープも途中から入ってくるとても美しい曲。
12.
★★★★★★★☆☆☆
天国から天使たちが静かに舞い降りてきたかのようなとても静かな厳かな雰囲気で始まり、段々盛り上がっていき、まさにフィナーレと言う感じの人を圧倒する雰囲気になり、大団円を迎えて終わる。

全体的に一曲一曲が短く、声楽も多くドラマ性に満ちているので、交響曲と言う感じはしないが悪くはない。じっくり聴くまで、あまり良さを感じなかったが、バッハ⇒メンデルスゾーンと宗教曲を多く聴いてから聴くと結構良さが分かってきた気がする。

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交響曲第七番 ホ短調 [マーラー 交響曲]


マーラー:交響曲第7番「夜の歌」

マーラー:交響曲第7番「夜の歌」

  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2016/06/22
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
少し悲劇的な力強い主題で始まる。その後少し叙情的な第二主題が奏でられるがどちらも魅力的なものではない。途中静かな若干美しいメロディが流れるがこれもあまり魅力的ではない。20分超えと長い楽章であるが、全ての要素が今一歩なので全体的にただ音が流れているだけの感じ。最後は長調でそれなりに明るく終わる。

第二楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
樵の、心の苦しむを歌ったようなホルンの哀愁漂うソロの後、木々たちがそれに応えるように囁きあうかのような雰囲気になる。ティンパニーの力強い音の後行進曲風になり不気味な雰囲気が流れる。暗い中にもどこかしらユーモアーがありそれなりに面白い楽章。

第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
魔物たちのダンスパーティーといった趣の不気味な雰囲気の漂うワルツ。この曲の中ではそれなりに面白い。

第四楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
ヴァイオリンのソロで美しく始まる。ハープとホルンの絡みでメロディが引き継がれる。マーラーの他の緩徐楽章に比べ諧謔感が強く、その美しい音色にどっぷり浸れる感じではない。どこか冷めた視点が見られる。

第五楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
ロンド形式らしくはじめのメロディが何度も繰り返されるのだが、やはり初めのメロディが魅力的ではないのでもう一歩。最後はマーラーお得意の打楽器連打で盛り上がって終わるのだが、この部分も感動がまるでない。

私が一番初めに聴いたマーラーの曲。実家に何故かクルト・マズア指揮の交響曲第7番があり、マーラーに興味を持ち始めた時期なので聴いてみたのだが正直全く理解できず、しばらくマーラーを聞かなくさせた曲。その後何度も聴いたが良さがわからず。今回聴いてもやはりイマイチだった。
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交響曲第六番 イ短調 [マーラー 交響曲]


マーラー:交響曲第6番

マーラー:交響曲第6番

  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1997/07/24
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
まるでショスタコーヴィチの交響曲のような、軍隊の行進をイメージさせる厳しくキビキビした音楽で始まる。その後若干の憂いを残しながらもゆったりとした穏やかな第二主題が現れる。この二つの主題を中心として音楽は進むが、途中メルヘンの世界に迷い込んだような少し愛らしくパートが現れる。最後はティンパニーの連打に導かれ勝利感に満ちた雄大な音楽となって終わる。

第二楽章
★★★★★★★★★☆
出だしからため息が出そうなほど美しいメロディで一気に異世界へと誘われる。本当に天国へと誘われるかのような素晴らしく優しい雰囲気に満ちている。途中天国への扉を開き中に入る様子が描かれているかのようなガチャガチャした雰囲気の部分があるが、基本美しいメロディと哀愁漂うメロディで構成されている。最後のたたみかけるような美メロを音を少しずつ上げながら重ねてくるあたりも大変美しい。

私はバルビローリが指揮したバージョンを聴いているのだが、恐らくバルビローリはこうしたじっくり聴かせる音楽を作るのがとても上手い指揮者だったんだろうなあと思う。ブルックナーの八番やシベリウスの二番など、とにかくバルビローリの指揮する壮大さと優しさを感じさせる曲は素晴らしい。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
第一楽章のような、軍隊の行進を思わせる力強い主題で天国へ行っていた気持ちが一気に現実に戻される。キレのあるリズムに乗って、厳しいメロディが展開される。その後ガチャガチャした感じになり木琴など様々な面白い楽器が登場する。おもちゃ箱のなかの様子を描いたような愛らしくもユーモラスな中間部から後半部も面白い。

第四楽章
★★★★★★☆☆☆☆
始め壮大な美しいメロディで始まると思ったら、すぐに不協和音になりカタルシスが得られない。この少しスカす感じがプロコフィエフを彷彿とさせる。この楽章は終始このスカす感じがある。この楽章にも様々な楽器が使用されており、和楽器(???)的な音も聞こえる。途中3分の2を過ぎたあたりでメロディがゆったりとなり宇宙的な雰囲気となる。後半第一楽章・第三楽章の軍隊的な雰囲気が回帰される。最後は壮大に美しいメロディがやってきて凄まじいシンバルの音とハープ(???)の走り回るような演奏に導かれクライマックスを迎え、管楽器が静かにメロディを奏で静かに終わるのかと、思いきや最後ティンパニーが大音量で数発音を鳴らし劇的に終わる。

「悲劇的」という表題がついてはいるが、個人的には「攻撃的」という方が合ってる気がする。ロシア色の強い作品な気がする。全体的に悪くはないのだが、第4楽章が長く若干冗長な気がする。とはいえ美しいメロディに彩られた美しい作品ではある。
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交響曲第5番 嬰ハ短調 [マーラー 交響曲]


マーラー:交響曲第5番(クラシック・マスターズ)

マーラー:交響曲第5番(クラシック・マスターズ)

  • アーティスト: クラウス・テンシュテット
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2014/06/18
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
悲劇的な派手なファンファーレの後、悲しみに満ちた息の長い美しいテーマが奏される。このファンファーレと美しい主題が形を様々に変え時に交じり合いながら第一楽章を形成していく。ドラマティックさと美しさに満ちた楽章。

第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
やはりドラマティックさに満ちた嵐を感じさせる雰囲気で始まる。管楽器の短い間奏部に続いて、「ンタタタタ~」という独特のリズムの悲劇的な伴奏の上を、哀愁漂うメロディをチェロとクラリネットが奏でる。その後悠々としたどこか暗さを帯びた展開部となる。後半に向かって盛り上がって行き、勝利感に満ちた堂々たる音楽となるが、最後は再び悲劇性を帯び、ひっそりと終わる。

第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
ホルンの勇壮な感じながらどこか鄙びたファンファーレで音楽は幕を開ける。少し混沌とした感じの第一主題が奏でられた後、再び管楽器によるファンファーレがなり、若干優美な第二主題となる。その後再びファンファーに導かれ穏やかな楽想となる。その後若干不気味なムチの音を模したような音もなる悪魔たちのお祭りのような雰囲気となり、最後は華やかに終わる。

第四楽章
★★★★★★★★★☆
映画『ヴェニスに死す』で使用され有名になったらしい。とにかくゆったりとしたメロディで天国へ誘われるかのような非常に美しい音楽。

第五楽章
★★★★★★★☆☆☆
再びのどかな感じのファンファーレが結構長い時間奏された後、伸びやかな美しく楽しい第一主題が流れる。その後スピード感のある第二主題が弦により奏される。この後、対位法を用いた重層的な音楽が展開されていく。緊張感がありながらもどこかゆったりとした面白い雰囲気が続く。「ディン・ドン」という鐘を模したような音型が所々登場しながら、最後は勇壮な雰囲気になり、壮大で華やかなフィナーレとなる。

とても充実した聴いたあと満足感に浸れる曲である。
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交響曲第四番 ト長調 [マーラー 交響曲]


Symphony No. 4 In G Major - Mahler* / London Philharmonic Orchestra* Conducted By Jascha Horenstein LP

Symphony No. 4 In G Major - Mahler* / London Philharmonic Orchestra* Conducted By Jascha Horenstein LP

  • アーティスト: Mahler* / London Philharmonic Orchestra* Conducted By Jascha Horenstein
  • 出版社/メーカー: Classics For Pleasure
  • 発売日: 2021/11/23
  • メディア: LP Record



第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
第一楽章とは思えない、朴訥な感じの始まり。鈴の音ともに行進曲のような「タッタッタッタッ」というリズムで、おもちゃ箱からおもちゃたちが徐々に出てくる様子を描いているかのような第一主題が流れる。その後おもちゃの王子様とお姫様のダンスのような非常に優雅で美しい第二主題が奏でられる。この夢見るような旋律は美しすぎる。これが二度繰り返された後、おもちゃたちの喧嘩を描いているかのような混沌とした雰囲気になる。途中王様の登場など堂々とした安定した雰囲気にもなるが再び混沌となり、第一主題第二主題が回帰され、最後一瞬静かになったあと、堂々とした音楽となり終わる。

第二楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
まさにスケルツォといった諧謔的な印象の楽章。ごちゃごちゃっとした雰囲気で、たまに「はっ」と域を飲むような美しい旋律が登場するがすぐに消えてしまう、プロコフィエフの音楽を彷彿とさせる。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
長大な美しい緩徐楽章。変奏曲形式らしい。とにかくメロディが美しく、マーラー特有の天国を感じさせる楽章となっている。途中ピッチカートを使用した部分も多用されており、弦楽器の特性を最大限に活かしたアレンジも素晴らしい。

第四楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
のどかな管楽器の音や鐘の音で始まり、ソプラノが天国のすばらしさを歌う。交響曲の最終楽章らしくない穏やかな雰囲気に満ちた楽章。途中第一楽章のテーマが流れる。最後はこれ以上ない程あっさりとそっと終わる。

全体的に普通の交響曲の概念からは外れたような、交響詩を集めたような感じの雑多な交響曲となっている。
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交響曲第三番 ニ短調 [マーラー 交響曲]


マーラー:交響曲第3番「夏の交響曲」

マーラー:交響曲第3番「夏の交響曲」

  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2016/06/22
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
非常に劇的な始まり。結構大音量で主題が奏でられた後、静かな雰囲気になり優美なメロディが奏でられる。中間部、行進曲風でありながら、民謡風の優しいメロディが流れるのが楽しい。中間部の途中でヴァイオリンが優美な美しいメロディを奏でるのも印象的。後半になると鳥の音が聞こえたり、楽しげなメロディが流れたり、打楽器が活躍したりと、森の中でいろんな動物たちが楽しく遊んでいる様子を描き出しているような雰囲気になる。
この中間部が終わると、初めの劇的な主題が帰ってくる。その後静かになり夜になって生き物が眠りにつくかのような雰囲気になる。その後若干不穏な空気が流れ出し、夢の中で動物たちが動き出す。再び夢の中でのパーティーを始め、最後は盛り上がって終わる。
30分近い長編だが、音を映像化して楽しむと結構飽きずに聴ける。

第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
非常に穏やかに若干物悲しい感じで始まる。その後動物たちが起き出しパーティーの準備を始める。そして妖精たちの登場がとても美しいメロディで奏でられ、ダンスパーティーが始まる。いろんな音が入り混じり楽しげな雰囲気。いろんな楽器が美しいメロディを次から次へと繰り出す。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
少し物悲しい静かなメロディで始まり、その後少し動きのある若干諧謔的な面白いメロディのダンスミュージックが流れる。元の物悲しいメロディが回帰されて第一部は終了する。中間部、だだっ広い草原をイメージさせる息の長い壮大な音楽が奏でられ、最初の部分が回帰され終わる。

第四楽章
★★★★★★☆☆☆☆
ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』から歌詞は取られているらしい。結構暗い感じの曲。それなりに美しく聴けなくはない。

第五楽章
★★★★★★☆☆☆☆
クリスマスの朝の子供たちを描いているような楽しくて幸福感に満ちた曲。少年合唱も愛らしい。途中若干暗い雰囲気になるが基本は明るい曲。

第六楽章
★★★★★★☆☆☆☆
長大な緩徐楽章。美しいのだが、メロディがあまりにも長く一つ一つの切れ目があまり分からない。最後は盛り上がりマーラーお得意のティンパニーの連打の後終わる。

個々の楽章を見るとそれなりに悪くはないのだが、若干散漫な印象のある曲。
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交響曲第二番 ハ短調 [マーラー 交響曲]


マーラー 交響曲第2番 復活 他 ワーグナー 【HQCD】

マーラー 交響曲第2番 復活 他 ワーグナー 【HQCD】

  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2010/01/20
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
悲劇的な弦の鋭い演奏で始まる。この印象的な劇的なテーマは第一楽章を通して繰り返される。優美な第二主題が美しい。広い草原を描いたような伸びやかな展開部も聴いていて心落ち着く。

第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
アンダンテ楽章。穏やかな美しいメロディが奏でられて始まる。その後少し不穏な空気が流れ始めるが、再び元の美しいメロディに戻る。突然嵐がやってきたかのような激しい音楽になる。最後の弦のピッチカートによる演奏などもアクセントになっており面白い。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
ティンパニーの激しい音で開始される魔女たちのパーティーのような音楽。ムチで何かを叩いているかのような音も印象的だし、弦のピッチカートの伴奏も独特の高揚感を醸成している。魔女の親分が来たかのような中間部の盛り上がりも面白い。その後にやってくる穏やかな魔女たちが眠りにつくかのような音楽もきれい。

第四楽章
★★★★★★★☆☆☆
アルトによる独唱。非常に美しく感動的なメロディで始まるが、途中から哀愁を帯びた悲し気なメロディになる。最後は初めの美しいメロディに戻りしっとりと終る。

第五楽章
★★★★★★☆☆☆☆
a
非常にドラマティックな雰囲気を管楽器が演出して始まる。その後、弦楽器が静かに天国へ誘うようなメロディを奏でる。途中行進曲のような悠然とした雰囲気になる。(弦楽器のピッチカートが伴奏に用いられている?)その後広がりのある美しいメロディが流れ、最後再び初めのドラマティックな雰囲気が回帰され終わる。
b
少し暗い陰鬱とした感じで曲が始まり、途中若干男声合唱の声も聞こえ、弦のピッチカートにより天への道に導かれていき曲はドラマティックにクライマックスへ進んでいく。
c
太鼓の連打の後、悲劇的なメロディを管並びに弦が奏でる。地獄が口を開いて人々を吸い込もうとしているかのような感じ。悠然とした行進曲のようなaの中間部の雰囲気になる。段々と怪しげな雰囲気なりその後、フィナーレへと向かって曲は整った雰囲気になっていく。
d
ホルン(?)の平和な音に導かれあたりに垂れこめていた不穏な雰囲気が晴れていく。音が力を増して行き再びドラマティックになり、中間部で天国的な音楽に変化する。曲がある程度進むと再び不穏な雰囲気が戻ってくる。美しい鳥の鳴き声がここかしこで聞こえてくる。
e
伴奏のない天使たちが天から歌っているような合唱となる。その後管楽器が勝利感に満ちたメロディを奏で、天国の音楽となる。再び天使たちの合唱となり、美しいソプラノ・ソロ、弦楽器の美しいメロディと次々に素晴らしいメロディが流れる。
f
アルト(?)が力強く「復活」を歌う。合唱も加わり感動的な場面となる。

g
ソプラノ・アルトの重唱となり、オーケストラも感動的に歌を支え、合唱も加わりクライマックスを築き上げる。最後は鐘も鳴り響き、感動的に曲を締めくくる。


第五楽章は悪くはないのだが、とにかく長く、若干散漫な印象がある。感動的な曲ではあるのだが、やはり一番の締まった感じには及ばない。


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交響曲第一番 ニ長調 [マーラー 交響曲]


Symphony 1

Symphony 1

  • 出版社/メーカー: EMI Classics France
  • 発売日: 2004/08/24
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★★★★☆☆
もやっとした日の出前の森の雰囲気で始まる。若干不穏な空気も流れているが、ホルンの柔らかい音で太陽が姿を現し、カッコウが鳴くことで森が目覚め始める。伸びやかな平和で牧歌的なメロディが全体を満たす。幸福感に満ちたとても美しい部分。段々力強さを増して活動的になっていく。15分を超える長い楽章だが、カッコウのテーマが終始鳴り続け、飽きることなく聴ける。最後は第四楽章の英雄的なテーマも若干顔をだすなど楽しい楽章だ。

第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
力強い三拍子の曲。メロディも悪くなく楽しんで聴ける。途中ファンファーレが鳴った後、優雅な宮廷の舞踏音楽のような夢見るような雰囲気になる。最後は元のメロディが回帰され終わる。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
ティンパニーの重い音が鳴り、葬送行進曲のようなメロディを弦がゆったりと奏でる。途中ハープの美しい音が鳴り始め、美しい天国の音楽のようなメロディが奏でられる。

第四楽章
★★★★★★★★☆☆
シンバルの音で楽章は幕を開け、劇的な嵐のような音楽が始まる。その後しばらく争いを描いているかのような激しい音楽が続くが、その後穏やかになり、ゆったりとした伸びやかな美しいメロディが流れる。その後第一楽章のテーマなども顔をだし、最後は勝利感たっぷりの英雄的な雰囲気になり圧倒的なパワーで終わる。20分近い楽章だが、全く飽きることなく聴ける。

かなり長い交響曲ではあるが、マーラーの中では短くかなりコンパクトにまとまっているので、聴きやすい。自分はマーラー作品のなかで一番聴いており気に入っている作品かもしれない。
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