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交響曲第六番 イ短調 [マーラー 交響曲]


マーラー:交響曲第6番

マーラー:交響曲第6番

  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1997/07/24
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
まるでショスタコーヴィチの交響曲のような、軍隊の行進をイメージさせる厳しくキビキビした音楽で始まる。その後若干の憂いを残しながらもゆったりとした穏やかな第二主題が現れる。この二つの主題を中心として音楽は進むが、途中メルヘンの世界に迷い込んだような少し愛らしくパートが現れる。最後はティンパニーの連打に導かれ勝利感に満ちた雄大な音楽となって終わる。

第二楽章
★★★★★★★★★☆
出だしからため息が出そうなほど美しいメロディで一気に異世界へと誘われる。本当に天国へと誘われるかのような素晴らしく優しい雰囲気に満ちている。途中天国への扉を開き中に入る様子が描かれているかのようなガチャガチャした雰囲気の部分があるが、基本美しいメロディと哀愁漂うメロディで構成されている。最後のたたみかけるような美メロを音を少しずつ上げながら重ねてくるあたりも大変美しい。

私はバルビローリが指揮したバージョンを聴いているのだが、恐らくバルビローリはこうしたじっくり聴かせる音楽を作るのがとても上手い指揮者だったんだろうなあと思う。ブルックナーの八番やシベリウスの二番など、とにかくバルビローリの指揮する壮大さと優しさを感じさせる曲は素晴らしい。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
第一楽章のような、軍隊の行進を思わせる力強い主題で天国へ行っていた気持ちが一気に現実に戻される。キレのあるリズムに乗って、厳しいメロディが展開される。その後ガチャガチャした感じになり木琴など様々な面白い楽器が登場する。おもちゃ箱のなかの様子を描いたような愛らしくもユーモラスな中間部から後半部も面白い。

第四楽章
★★★★★★☆☆☆☆
始め壮大な美しいメロディで始まると思ったら、すぐに不協和音になりカタルシスが得られない。この少しスカす感じがプロコフィエフを彷彿とさせる。この楽章は終始このスカす感じがある。この楽章にも様々な楽器が使用されており、和楽器(???)的な音も聞こえる。途中3分の2を過ぎたあたりでメロディがゆったりとなり宇宙的な雰囲気となる。後半第一楽章・第三楽章の軍隊的な雰囲気が回帰される。最後は壮大に美しいメロディがやってきて凄まじいシンバルの音とハープ(???)の走り回るような演奏に導かれクライマックスを迎え、管楽器が静かにメロディを奏で静かに終わるのかと、思いきや最後ティンパニーが大音量で数発音を鳴らし劇的に終わる。

「悲劇的」という表題がついてはいるが、個人的には「攻撃的」という方が合ってる気がする。ロシア色の強い作品な気がする。全体的に悪くはないのだが、第4楽章が長く若干冗長な気がする。とはいえ美しいメロディに彩られた美しい作品ではある。
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