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秘密の花園 [文学 イギリス]


秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)

秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/12/20
  • メディア: Kindle版



再読。数年前、この本のRewrite版というのか、簡略版というのか、そういった類の本を、中学三年生の英語講読の授業で一緒に読んだ。その時確か日本語版を買って読んだ気がする。

その時も感動的だったが、やはり今回も感動的だった。

インドで親に構われることなくわがままに育ち、突然両親を亡くし、英国ヨークシャーに連れてこられたやせ細ってブサイクなメアリ。
0歳の時に母親を亡くし、そのショックで生きる意欲をなくしてしまい、子供に対しても愛情を向けられなくなってしまい、ほって置かれわがままに育ち、常に死の恐怖に襲われ続けてきた少年コリン。

この二人が、動物と話し、植物をこの上なく慈しむディコンの助けを借り、閉じられ10年間出入りを禁じられていた「秘密の花園」を復活させ、その過程を通して心身ともに成長し、容姿も美しくなっていくというストーリー。

『ハイジ』にも通じる美しい物語。

p.378
「もちろん、この世界にはたくさんの魔法があるにちがいない」ある日、コリンは聡明な口ぶりで行った。「でも、みんな、魔法がどういうものなのか、どうやったら魔法を起こせるのか、わかっていないんだ。たぶん、魔法の第一歩は、『きっといいことが起こる』と口に出して言ってみることだと思うんだ。実際にそういうことが起こるまで。」
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小公子 [文学 イギリス]


小公子 (光文社古典新訳文庫 Aハ 2-2)

小公子 (光文社古典新訳文庫 Aハ 2-2)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2021/03/10
  • メディア: 文庫



バーネットの『小公子』を読み終わった。これもあらすじだけ読むと全く面白そうに感じないが、小川洋子さんが子供の頃愛読した本ということで読んでみた。

伯爵の三男がアメリカへ旅行した時に知り合ったアメリカ人女性と知り合い結婚し子どもをもうける。
わけのわからないアメリカ人女性と結婚した三男に激怒した伯爵は彼を勘当。三男も子どもが生まれた後、死んでしまう。

しかし、伯爵の長男・次男が死んでしまい、彼らには後継もいないので、セドリックという三男の息子に伯爵の相続権が回ってくる。

イギリスの伯爵領に連れてこられたセドリックは持ち前の純真さと優しさで、独善的で起こりっぽい伯爵の心を変えていく。

とにかく少年セドリックの心が美しすぎるのだが、イヤミっぽいところは全くない。様々な事件が起こるのだが、それもセドリックや彼の心の美しい母親、彼が助けたいろいろな人の助けによってどんどん解決していく。

『小公女』と共に確かに面白く名作と言える。

p.202
「おじいさまって、ぜったい、世界中じゅうでいちばんいい人だと思います。」中略「おじいさまは、いつもいいことをしてるもの。そうでしょ?いつも、ほかの人たちのことを考えてるもの。それはいいことの中でもいちばんいいことだ、って〈最愛のきみ〉が言うの。自分のことは考えずに、ほかの人のことを考える、ってこと。」

p.223
「いい子でいてね、セディ。そして、何よりも、勇敢であること。何よりも、優しくて、いつも誠実でいること。そうすれば、生きているかぎり誰かを傷つけることはないわ。そして、たくさんの人の力になることができて、あなたが生まれてきたおかげで、この大きな世界が前よりもっといいところになるかもしれないの。それこそが何よりすばらしいことなのよ、セディ。」

p.257
「すごくお金持ちなのは、たぶん、そんなに楽なことではないかもしれない、って。いつもたくさんのものに恵まれている人は、ほかの人たちがそれほど恵まれていないってことを忘れちゃうかもしれないからって。お金持ちの人はいつも気をつけて忘れないようにしなくちゃいけないって。」

p.389
「セドリックはいつも親切で優しい心づかいのもとで育てられ、いつも他人に親切であるように、他人を思いやるように、と教えられて育ったからなのだ。おそらく、それはほんの小さなことなのだろうが、何より大切なことだった。」

フランスの自然主義小説のような、読んでて辛くなるような描写もないし、下劣な性描写もないし、読んでいてとっても気持ちの良い小説だ。
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小公子 [文学 イギリス]


小公子 (光文社古典新訳文庫 Aハ 2-2)

小公子 (光文社古典新訳文庫 Aハ 2-2)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2021/03/10
  • メディア: 文庫



小川洋子さんはじめ、結構多くの私の好きな人々が勧める『小公子』。正直あらすじなどはほとんど興味を惹かないものなのだが、小川洋子さんも好きな作品ということもあり、光文社古典新訳でも新しい訳が出たということもあり購入してみた。

おもしろかった。

とにかく、主人公セーラが素晴らしすぎる。崇高で優しく、気高く、どんな困難にも前向きに取り組もうとする姿勢が美しすぎる。確かにこんな良い子はいないだろう、とか、こんなに都合よく事態は進まないだろう、などツッコミどころは満載なのかもしれないが、これはあくまで物語ですからあ!!!

ストーリーはとにかく面白く、さすがストーリー重視のイギリス文学の伝統を引き継ぐ作品だと言える。

p.65
「「人の身に起こることは、偶然だと思うの」セーラは、よくそう言った。「わたしの身には、すてきな偶然がたくさん起こったの。わたしは偶然にも昔から勉強や本が好きだったし、習ったことをおぼえておけたの。りっぱですてきで頭が良くてわたしにほしいものを何でも与えてくださるお父様をもったのも偶然だのおかげだと思うの。」」

p.98
「だって、わたしたち、同じようなものじゃないの。わたしもあなたも、ただのちいさな女の子だもの。わたしがあなたじゃなくて、あなたがわたしでないのは、単なる偶然に過ぎないのよ!」

p.191
「試練が降ってきたのは、、そのためだったんだと思うわ。」
~中略~
「物事には何かしら意味があるんじゃないかと思うの。わたしたちには見えなくても。」

p.323
「のみこみが遅い人は、そういうものなんだし、わたしみたいにのみこみが早い人もそういうものなの。それだけのことよ。」

自分の能力をひけらかすことなく、人のために惜しみなく使うセーラ。まさに、あとがきにもあるが「ノブレス・オブリージュ」高貴に生まれた人間の責任を考えて動く、素晴らしい人物だ。

確かに少年少女に読ませたい作品だった。

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ロボット イン・ザ・ガーデン [文学 イギリス]


ロボット・イン・ザ・ガーデン ロボット・イン・ザ・シリーズ (小学館文庫)

ロボット・イン・ザ・ガーデン ロボット・イン・ザ・シリーズ (小学館文庫)

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/06/24
  • メディア: Kindle版



数年前、この本が原作の演劇を紹介され、結局その作品は観には行かなかったのだが、その後、劇団四季がミュージカルで公演したり、映画化されたりと色々話題となり、ブックオフで100円で売っていたこともあり、買って読んでみた。

高校・大学生くらいの少年とロボットの触れ合いを描いた作品なのかと思っていたが、主人公は32歳の結婚している男性。獣医師を目指していたが、結局なれず、今は法廷弁護士の妻に養ってもらっている。養ってもらっているとは書いたが、両親がかなり金持ちだったらしく、その遺産で悠々自適に暮らしている感じだ。

だが、今まで挫折続きで何一つ成し遂げてこなかったという劣等感のようなものをかかえ、妻と喧嘩が絶えない。

そんなある日、庭にロボットが座っている。主人公ベンはこのロボットを気に入り、面倒を見ようとするが、妻のエイミーはそれを快く思わない。結局二人はこのロボットをきっかけに行き違い離婚することに。しかしあとでわかるのだが、これは二人の気持ちの行き違いだけではなく、妻エイミーには・・・。

このロボットは壊れかけており、この壊れかけのロボットを直してあげようと、製作者を探す旅に出るベン。その旅を通じて、精神的に大きく成長するベン。

ロボットのタングもベンも共に成長していく様子がとても心地よく読める。旅の途中で出会う、リジー・キャッツとベンのロマンスも良い。妻エミリーも帰ってきた二人の成長をみて変わっていくのが良いのだが、ベンとの離婚寸前の彼女の行動がやはり私は・・・。

女性作家だからこそいやらしくない感じでストーリーが進んでいくが、これを男性作家が書いたらもっといやらしい感じになり、読んでいて嫌な気分になるのだろうなあ、などと思いながら読んだ。

ロード・ムービー的な感じで、それなりに楽しめたし、舞台化映像化されるのもよくわかった。
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The Alexandria Quartet - Clea [文学 イギリス]


The Alexandria Quartet: Justine, Balthazar, Mountolive, Clea

The Alexandria Quartet: Justine, Balthazar, Mountolive, Clea

  • 作者: Durrell, Lawrence
  • 出版社/メーカー: Faber & Faber
  • 発売日: 2012/02/16
  • メディア: ペーパーバック



第四作目:Clea
遂に、900ページ近い『アレクサンドリア四重奏』を読み終わった。
非常に読みやすかった三人称小説第三巻から、再び語り手Darleyによる一人称小説に戻ってしまったこのClea、非常に読みづらかった。

DarleyがNessimとMelissaを連れてAlexandriaに戻る場面から始まり、すっかり落ちぶれてしまったJustineとNessimに会ったり、cleaと再会し恋人関係になっていったり、かつての友人と会って会話を交わし現況を知っていくあたりまでは、第三巻の名残があり非常に面白かったのだが、Darleyの内的な部分に入っていくと一気につまらなくなった。後半はかなり飛ばし読みになった。

とはいえ、第三巻で宙ぶらりんだった、病気で鼻を失ってしまったSemiraと医師Amarilの話も出てきて、無事鼻を手に入れ結婚し最後は子供も出来たようだし、NessimとJustineは明るさを取り戻し、スイスに生涯逃れて生活していくようだし、何とかなく明るい未来が見えてよかった。

Nessimの母親とMountoliveの関係が悲劇的に終わったまま、母親は死んでしまったり、Pursewardenとその妹が近親相関的関係で、結局それに悩んでPursewardenは自殺した?など、若干回収しきれなかった物語があるものの、全体としてはまあよかった。

かなりヴォリュームのある作品で、かなり読みづらい作品で、後半訳が分からない部分も多いが、結構充実した良い作品だった。

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The Alexandria Quartet - Mountolive [文学 イギリス]


The Alexandria Quartet: Justine, Balthazar, Mountolive, Clea

The Alexandria Quartet: Justine, Balthazar, Mountolive, Clea

  • 作者: Durrell, Lawrence
  • 出版社/メーカー: Faber & Faber
  • 発売日: 2012/02/16
  • メディア: ペーパーバック



第三作目:Mountolive
第一巻、第二巻は、基本一人称小説だが、この第三巻は完全に三人称小説。客観的視点で、しかもある程度時間通りに物語が語られていくので、非常に読みやすい。

前半は、Alexandriaにやってきたイギリスの外交官Mountoliveと、NessimとNarouzの母親Leilaの不倫の恋が丁寧に描かれていて非常に面白い。MountoliveがAlexandriaを離れた後、Leilaは病気にかかってしまい、顔が変形してしまいその後ベールをかぶり真っ黒な服を来て部屋に閉じこもるようになる。その後のMountoliveとLeilaの手紙によるプラトニックな関係も非常に読み応えがある。

このままこの二人の恋愛話でこの巻は終わるのかと思いきや、Nessimが中心人物となる政治結社の話に移行していき、その活動をうまくいかせるために、ユダヤ人であるJustineと結婚したことが語られ、Narouzも宗教的なカリスマへとなっていく様子が描かれる。

この巻で、第一巻、第二巻の、スマートで温厚なNessim, まさに女性性を前面に出した官能的なJustine, 顔や体に変形を持つ純真な青年Narouzのイメージがことごとく覆される。

ひとつよくわからないのは、ある医者が祭りで出会ったベールをかぶった美しい手をした女性に恋をしてその人を探す挿話。結局その女性は、顔に鼻がなく、その鼻を手術による治そうと懸命に努力する医者を描いたものなのだが、全体の話の中でどのように位置づけられのか、その後その女性は手術を受け綺麗な鼻を手に入れられたのか、などが全くその後の話で出てこない。もしかしたら最終巻Cleaで登場するのかもしれないが。

とにかく、物語はどんどんと広がり展開していく。とても面白い作品。最終巻も一気に読み切りたい。
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The Alexandria Quartet - Balthazar [文学 イギリス]


The Alexandria Quartet: Justine, Balthazar, Mountolive, Clea

The Alexandria Quartet: Justine, Balthazar, Mountolive, Clea

  • 作者: Durrell, Lawrence
  • 出版社/メーカー: Faber & Faber
  • 発売日: 2012/02/16
  • メディア: ペーパーバック



第二作目:Balthazar
第一巻を書いた男がこの作品の語り手なのだが、彼が書いたJustineを読んだBalthazarなる男が、「真実はそうではない」「Justineは君を本気で愛していたわけではない」とわざわざAlexandriaから離れたところに住むようになった男に言いに来るところから物語が始まる。この男が語っているのか、Balthazarが語っているのか、慎重に読まなければ分からなくなってしまうのだが、Justineの途切れ途切れの日記的な感じと違い、普通の小説っぽくなっているし、ある程度時間通りに物語が進んでいくのでそれなりに読みやすかった。

基本的なあらすじは第一巻と同じなのだが、NessimとJustineが結婚するようになった理由や、Nessimの弟Narouzが結構重要な役割を演じたりと、物語にふくらみが出てきてかなり楽しめた。最終巻の題名となっている芸術家のCleaも主要人物たちの真ん中に位置する重要な役割を演じておりかなり彼女も気になる存在。この巻まではかなり複雑な関係性を持ったそれぞれが心に傷を負った人々の恋愛関係の話なのかと思っていたのだが、次の巻でそれがひっくり返るらしい。

自殺、殺人、同性愛などなど様々な様子を含むこの作品。さらに政治的な側面も入ってくるらしい次の巻が楽しみだ。
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ベーオウルフ [文学 イギリス]


ベーオウルフ―中世イギリス英雄叙事詩 (岩波文庫)

ベーオウルフ―中世イギリス英雄叙事詩 (岩波文庫)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1990/08/16
  • メディア: 文庫



古書店を見ていると、ふとこの本が目に入り、これは買うしかないと購入。

全然テーマが違い、かなり改竄されているとはいえ、ストーリーを追っていた映画を前もって見ていたので、結構読みづらい文章であるにもかかわらず、文字が映像化出来結構スラスラ読めた。ホメロスの『イリアス』『オデュッセイア』同様、章の初めにその章のあらすじが書かれているのも読みやすかった。

映画の「ベーオウルフ」のテーマは、性と生という感じで、いかにもハリウッド的な感じだったが、やはり原作の日本語訳を読むと、そのテーマは、勇気、美徳、報恩といった道徳的な感じでとても読んでいて気持ちがよかった。龍が出てくるファンタジー系の小説が好きではないのでそこまで面白いものではなかったが、とりあえず、英文学の源流とも言えるこの作品を、一通り読めたのはよかった。
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The Alexandria Quartet - Justine [文学 イギリス]


The Alexandria Quartet: Justine, Balthazar, Mountolive, Clea

The Alexandria Quartet: Justine, Balthazar, Mountolive, Clea

  • 作者: Durrell, Lawrence
  • 出版社/メーカー: Faber & Faber
  • 発売日: 2012/02/16
  • メディア: ペーパーバック



昨年、William Folknerの有名作を一通り読み、その過程で色々と調べているうちに、この『アレクサンドリア四重奏』という本に興味を惹かれ購入してみた。かなり長い作品なので、題名通り全部で四部作となっており、ひとつの事柄を4つの角度から語る作品ということだ。芥川龍之介『藪の中』、ロックバンド、Extremeの3枚目のアルバム「Ⅲ sides to every story」に通じるテーマを持った作品集と言える。

第一作目:Justine
物語は、ある男性の語りで始まる。この男性はある街に、赤ん坊と来ており、昔のことを回顧している。自分はどういう人物なのかということはあまり語られず、結局最後まで語り手の名前すら明かされない。一つ一つの語りが、過去の断片となっており、登場人物も登場の初めに一から語られるわけではないので、この人誰だったっけ?と前のページをめくってみても説明がなかったりする。

大雑把なあらすじとしては、
あまり売れない作家   :語り手
アレクサンドリアの金持ち:Nessim
Nessimの妻でユダヤ人  :Justine
キャバレーの踊り子   :Melissa
この4人の不倫物語だ。NessimとJustineは金持ち夫婦だが、妻のJustineは男からも女からも愛されその恋愛遍歴は凄まじい。語り手とも不倫関係で、その様々な恋愛関係を夫のNessimは知っていながらも何もしない。Melissaと語り手は恋愛関係にあり、恐らく同棲もしている。Melissaは語り手を深く愛しており、語り手がJustineのことを愛していると知りながらも、語り手にひたすら尽くす。

Justineは若い頃、親戚の男にレイプされそれ以来精神を病み、まともな恋愛ができなくなる。そのJustineと一時期恋愛関係にあった、女性Cleaや、同性愛者者の男声Balthazarなども絡んでくる。昔Melissaのパトロンのような存在であったCohenという人物が登場して死にそうになっていたり、様々な人物が断片的に登場する。最後の方で、戦争が始まりそうなことも示唆され、語り手は、作家業とともに行っている教師の仕事を辞め、スパイのようなことをしないかと誘われたりする。

上記の4人はお互いがお互いの不倫を知りながら、その状態を許し、受け入れ普通に関係を築いて行けていることが驚き(最終的にはそれが理由で全てが崩壊するのだが・・・)で、フランスの自然主義小説を読んでいるかのようだった。Melissaの語り手への一途な愛が痛ましかった。

とにかく全てが断片的でなかなか物語が見えず、所々フランス語やラテン語がありその訳も出てこないので、理解が不十分な部分も多いのだが、一つ一つのエピソードがそれなりに興味深く結構楽しんで読みきることが出来た。

同性愛、強姦、戦争、不倫、人種、宗教など様々なものがテーマとして語られている気がする。今後の3つの作品でいろいろなことが明らかになることを期待している。
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魔法使いハウルと火の悪魔 [文学 イギリス]


ハウルの動く城1 魔法使いハウルと火の悪魔 (ハウルの動く城 1)

ハウルの動く城1 魔法使いハウルと火の悪魔 (ハウルの動く城 1)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1997/05/01
  • メディア: 単行本



ジブリ映画「ハウルの動く城」をDVDで子ども達と久しぶりに観た。正直話が急速に展開していきイマイチよく分からず、原作を読むともう少しわかるかなと思い、図書館で借りて原作を読んでみた。

基本設定は、映画と同じだが、主人公ソフィーが、荒地の魔女によってお婆さんに変えられてしまうまでのソフィーの生い立ちや環境を丁寧に描いており、それによってソフィーの一つ一つの感情に寄り添いながら読むことが出来た。

長女であることの葛藤、美しい二人の妹に比べ、自分の容姿が今一歩であることの劣等感、様々なことに対する才能がなく平凡な日々を送ることに対する無意識の苛立ち、ハウルに出会ってからハウルに段々と心を寄せるようになるがそれに気がつかず、ハウルの行動に対して憤ってしまう自分に対する苛立ち、女の子に限らず、結構多くの子供が経験するであろう様々な心の葛藤が様々な登場人物とのかかわり合いの中で描かれており、すごく共感して読めた。

所々で出てくる様々なサブ・キャラも何故このキャラが登場する必要があるの?とはじめの登場では感じるが、後になってちゃんとそのへんの疑問が回収されており、ただ単に人をたくさん出して主人公にかかわらせて、その後はどうなったの???という疑問を回収せずに話を進める作家が多い中、すべての登場人物が最終的に回収されており、そのへんの適当な流行作家とは違うなと感心してしまった。

さらに、シェイクスピア作品や『オズの魔法使い』など過去の名作を下敷きにしたセリフや設定なども多々出てきて、さすがオクスフォード大学卒の才女の書いた本だなあと感心しながら読んでしまった。

とはいえ、やはりファンタジー作品はイマイチ苦手で、ジブリ映画で観ていなければ恐らく自分で映像化できず、結構読み進めるのが大変だったとは思う。

正直読みたい本が沢山有り、あまりじっくり読まなかったので、今度時間があればもう一度じっくり読んでみたい作品ではある。
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Tom Jones Chapter13~18 [文学 イギリス]


Tom Jones (Wordsworth Classics)

Tom Jones (Wordsworth Classics)

  • 作者: Fielding, Henry
  • 出版社/メーカー: Wordsworth Editions Ltd
  • 発売日: 1999/12/01
  • メディア: ペーパーバック



ようやくTom Jonesを読み終わった。2ヶ月近くかかってしまったが予想よりは速く読み終えられた、

いよいよLondonでのTomの生活が始まる。Sophiaの居場所は早々にわかるが、色々な障壁がありなかなか会えない。偶然会えても、打ち解けられないままSophiaの心はどんどんTomから離れていく。その間もTomは同じアパートに泊まっていたMr. Nightingaleの恋愛を助けたり、色々な善行を積む。そんな中Sophiaの父親や、Tomの育ての親Mr. Allworthyなども続々とLondonへ集まり出す。

そんな中、不意なことからTomは人を刺して瀕死の重体状態にさせてしまう。そんな中、かつて旅の宿でベッドを共にした女性が実は自分の母親かもしれないとわかり、獄中でいろいろなことで内的に苦しむ。

しかし最後はTomに関わった色々な人の力により獄中からも出られ、肉体関係を持った相手も実の母親ではないことが分かり、彼を陥れたMr.Blifillの悪行も表に出て、最後は大団円で終わる。

しかし何故他の女性と肉体関係を持ったTomを、純粋なSophiaが許せたのかがよくわからない。そして次から次へとむちゃくちゃなことが起こり正直あまり楽しめなかった。

が、少し冷静に分析してみると、この小説知的で自立心のある女性たちを描きたかったのではないかと思う。基本的にTomを取り巻く女性たちは教養があり、自分の力で生活し、社会が女性に押し付けてくる道徳観から自由になろうとしている感じがする。そもそもがTomは私生児だし、はじめにTomの母親と名乗り出た女性は、なんとラテン語も習得できるような知的な女性だし、Sophiaは父親から押し付けられた結婚に納得できず家出までしてしまうし。それに対して完全に主人公Tomは感情の人間で、自分の心のおもむくままに全く知性のない行動をとり続ける。

そういった意味で、Jane Austenが描こうとした「知性と感性」というものを違った形で描いたという意味では面白い作品だと言えるのではないだろうか。
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Tom Jones Chapter07~12 [文学 イギリス]


Tom Jones (Wordsworth Classics)

Tom Jones (Wordsworth Classics)

  • 作者: Fielding, Henry
  • 出版社/メーカー: Wordsworth Editions Ltd
  • 発売日: 1999/12/01
  • メディア: ペーパーバック



Mr. Blifilの計略によって家を追い出された後のTom Jonesを追った章。
お金がないまま追い出されたTom Jonesは軍隊に入るしかなく、軍隊にはいる。飲み屋で軍隊の連中と飲んでいたところ、恋人のSophiaを上官にバカにされ大喧嘩となる。そこで頭を割られ死にそうになるが何とか助かる。命を取り留め元気になったTomは旅に出る。そこで偶然出会った、昔、自分の屋敷で働いていたラテン語教師Patridgeと出会い二人で旅をする。

そこから裸同然で男に襲われそうになっていた女性を助け宿に運んで開放していたところ、ちょうどそこへ、Mr Blifilと結婚させられそうになり、そんな状態が嫌で父親から逃げてきたSophiaがやってきてしまい、恋人の不実を見せられたと思ったSophiaはTomに会わずにLondonへ向かう。Sophiaが自分のいる宿に来ていたことをしりひたすらSophiaを追いかける旅がここから始まる。

とにかく、Allworthyの家を出てからは旅の連続で、次から次へと事件が起き、その事件についての説明があり、いろんな人の人物ドラマがありと、セルバンテスの『ドン・キホーテ』をイメージされる展開となっている。ところどころ挟まれる作者Fieldingの蘊蓄が結局よくわからずやはり邪魔だ。これがなければかなり短くスムーズに読めるのにと思ってしまう。

LondonについたTom。いよいよSophiaに会えるのか、というところで次の章になっていく。

段々と飽きてきたがせっかくここまで読んだので何とか読み切りたい。
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Tom Jones Chapter01~06 [文学 イギリス]


Tom Jones (Wordsworth Classics)

Tom Jones (Wordsworth Classics)

  • 作者: Fielding, Henry
  • 出版社/メーカー: Wordsworth Editions Ltd
  • 発売日: 1999/12/01
  • メディア: ペーパーバック



サムセット・モームの『世界の十大小説』のなかの一冊。正直あらすじ等を読んでもあまり面白くなさそうなので今までずっと読まずに来たが、同僚の先生が「とても面白い!」と言っていたので読んでみようと思って購入し読んでみた。洋書で全部で720ページもあり、あのUlyssesに匹敵する長さ。Gone With the Windは1000ページを超える大作であったが、文体も平易で読みやすかったが、こちらは18世紀の小説でありそれなりに、単語なども難しく読みづらい。

初めは、妻に先立たれた金持ちMr. Allworthyの話から始まる。彼には子どもがいなかったのだが、ある日仕事から帰ってくると何故か彼のベッドの枕に赤ん坊が寝ている。その子の母親は誰なのか、と町中大騒ぎになるのだが、恐らく小さな町なのだろうし、子どもが生まれるためには女性はその前段階として妊娠していなければならず、産まれる直前にはお腹がかなり大きいはずだし、子どもが生まれたらそれなりに話題になるだろうし、しばらく育てていたら泣き声などでわかるであろうし、いきなりその子供がいたらすぐにバレるであろうに、その町の中からその子どもの母親を探そうとするのがよくわからない。

まあそれはそれとして、お金がなく苦境に陥っている森番を助けたり、その娘と恋仲になったり、家庭教師やいとこのMr. Blifilに嫌われて嫌がらせにあったりと色々な出来事が次々と起こる。そのうちに隣の家の娘Sophiaと恋仲になるが、いとこのBlifilの策略にはまり、家を追い出されるところで06章は終わる。

正直細かい出来事が次々と起こりそれをおっているだけのような感じなのでそこまで面白くない。そして多くの読者が面白いといい、この小説の特徴でもある、作者Fieldingによる第三者的語りの部分が正直鬱陶しい。これからまだ3分の2以上残っているので、これから楽しくなっているのであろう。もう少し我慢して読みすすめたい。
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Beowulf [文学 イギリス]


Beowulf, Dragonslayer (A Puffin Book)

Beowulf, Dragonslayer (A Puffin Book)

  • 作者: Sutcliff, Rosemary
  • 出版社/メーカー: Puffin
  • メディア: ペーパーバック



来年度、英語劇でBeowulfを可能性があるので、とりあえず全体像をざっと把握しようと子供向けのRewrite版と言える、Rosemary Sutcliffのこの本を読んでみた。

以前映画で観た大まかなストーリーは一緒だが、やはり英雄度というか人間性が遥かに文学作品の方が素晴らしかった。映画では「性」をテーマにあまりにも誘惑に弱い人間性がテーマとして描かれており、ヒーローであるはずのBeowulfに対して全く共感できなかったのだが、この作品を読むと、家族が受けた恩をいつまでも忘れず生命を懸けてその恩に報いようとする姿や、王の地位が転がり込んで来そうな時もあくまでもそれを受け入れようとしない(最終的には受け入れざるを得なくなるが)姿がとても騎士道的で共感できた。

アメリカで映画化された文学作品は基本的に「性」を前面に押し出したものが多く、結局アメリカって「性」と「金」で生きているのか、と思わされてしまう。昨日まで読んでいた『東京プリズン』の影響も多少あるのかもしれないが・・・。

入門書としては面白いのではないだろうか。
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Black Ships Before Troy [文学 イギリス]


Black Ships Before Troy: The Story of The Iliad

Black Ships Before Troy: The Story of The Iliad

  • 作者: Sutcliff, Rosemary
  • 出版社/メーカー: Laurel Leaf
  • 発売日: 2005/12/13
  • メディア: マスマーケット



西洋の古典を読んでいると、『イリアス』『オデュッセイア』に言及されているものが多く、昔岩波文庫で読んだこの2作もイマイチ分かりづらかったので、英語の勉強にもなると思い、このRosemary Sutcliff作の、『イリアス』のRetold版を購入し読んでみた。

かつて『イリアス』を読んだとき、戦争がせっかく終わりそうなところで、神様が煙を出して戦争が終わらないようにしてしまったり、神様の力で死にそうな人が助けられてしまったりという箇所があまりにも多く、辟易してしまった覚えがあるが、この作品は極力そういった描写が抑えられており、ある程度純粋にギリシャvsトロイを楽しめた。

昔からそうなのだが、やはり戦闘シーンを読むのは得意ではない。映像がイメージしづらいし、あまりイメージしたいものでもない。これは日本語で読もうが英語で読もうが同じであった。

そして今回、かなりコンパクトにまとめられたこのトロイア戦争を読むと、ギリシア側はかなり汚いやり方をしていたんだなと思った。特にトロイの木馬は卑怯以外の何物でもないと思った。

さらに、私の中でかなり評価の高かったトロイア側のヘクターは、アキレスとの最後の戦いで逃げまどっていたということを読み、かなり残念な気持ちになった。

『イリアス』の内容をざっと知りたい人にはお勧めの作品だ。
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The Jungle Book [文学 イギリス]


The Jungle Book (Macmillan Children's Classics 4) (English Edition)

The Jungle Book (Macmillan Children's Classics 4) (English Edition)

  • 作者: Kipling, Rudyard
  • 出版社/メーカー: Macmillan Children's Books
  • 発売日: 2015/01/01
  • メディア: Kindle版



ディズニー映画「ジャングルブック」を子供と観て、けっこうおもしろく、私の尊敬するJane Goodallを題材にしてPatrick Mcdonnelが書いたMe...Janeの中で、Janeの愛読書がThe Jungle Bookであったと知り、購入し読んでみた。
映画「ジャングルブック」のような、狼に育てられたMowgliの成長物語なのかと思っていたが、読み進めると、話が章ごとに途切れ途切れでいきなり飛んだりしていておかしいなあ、と思っていたら、実は短編を集めたものに過ぎず、全7作ある中で、Mowgli関連の話は最初の3つのみ。残りは関係ない話で、4つ目の話はジャングルが舞台でもない。

あのJane Goodall愛読書ということもありかなり期待していただけに、あまり面白くなく、残念だった。後半の2作は読み飛ばしてしまった。名作と言われているが、わざわざ時間をかけて読む話でもない気がする。
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Matilda [文学 イギリス]


Matilda

Matilda

  • 作者: Roald Dahl
  • 出版社/メーカー: Puffin Books
  • 発売日: 2007/08/16
  • メディア: ペーパーバック



もう10年くらい前になるだろうか。妻が洋書展でRoald Dahl Boxというダール作品が15冊入った本を購入した。しかしよくあるようにほぼ読まれることなく放っておかれていた。そしていつものようにもったいないので、7年位前に集中してこのBoxの本を読み始めた。それなりに読みやすく、そこまで長くないということもあり、結構ガンガン読み進められたのだが、やはり途中少し飽きてきて、残り5冊くらいを残し、読まなくなっていた。

そして数か月前、新聞の記事だか、ネットのページだか、雑誌の中だかわからないが、このMatildaが非常に面白いという内容のものを読み、興味をもって読み始めた。

初めからかなり魅了された。
なんといっても、4歳数か月の子が、自分一人で図書館まで行き、児童書の本を読んでしまい、司書のMrs. Phelpsの助けを借りて大人の本を熱中して一日中読んでしまうのだ。この図書館や家の中で一日中本を読みふけっているという描写だけでも、読書愛好家は惹かれてしまうのだが、Quentin Blakeのイラストもとても愛らしく、11ページのソファで本を読むMatilda、13ページの家のベッドの横の椅子で本を読みふける彼女のイラストがとても良い。12ページには彼女が読破して作品が並ぶのだが、これが古典大好きな私としては何とも言えないリストとなっている。
ディケンズ、シャルロット・ブロンテ、オースティン、ハーディー、などなど、英米の有名作家の作品が14冊並べて書かれている。そしてこの文字が読み書きできる、ということが、後々の流れにも大きな影響を与える。
さらに言えば、Matildaの才能を見抜き、その才能を伸ばすことに力を入れる担任のMiss Honeyの住む家が、とても質素でこれもまた読書愛好家にはたまらない魅力を放っている。

一点だけ物足りなかったのは、もう少しMatildaと司書のMrs. Phelpsの交流を描いて欲しかった。

とにかく、いろいろとはまるポイントがありすぎのこの本。久しぶりに心の底から楽しめて読めた。読書好き、自然愛好家、教育大好き、正義大好き、という人にはうってつけの一冊といえる。ぜひ、試してみては。
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湖の麗人 [文学 イギリス]


湖の麗人 (岩波文庫)

湖の麗人 (岩波文庫)

  • 作者: スコット
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1988/09/01
  • メディア: 文庫



スコットの『湖の麗人』を読み終わった。
そんなに気になっていた作品でもないし、ずっと読みたかった作品でもないのだが、2月に岩波文庫から復刊され、『マンフレッド』など、よくクラシック音楽で使われる文学題材の一つでもあったので、せっかくだからと思い購入しておいて、連休中からぼつぼつ読み始めた。

この作品自体が古い作品であり、元が韻文であり、訳も旧字体ということで非常に読みづらく、最初は読み進めるのにかなりの時間を要したのだが、物語が進むに連れて大分読めるようになっていった。

王様が、田舎娘に恋をし、(王という身分を隠して)求婚するものの、振られる。娘の父親はかつてその王に追放された存在。娘に求婚する、王への反乱軍の若い頭領もこの娘に恋をしている。しかしこの頭領も振られる。結局最後はこの娘が恋をしているもう一人の若い男性と結ばれる。

こう書いているだけでよく分からないのだが結局は四角関係。娘は、権力者におもねることなく、自分の愛を貫き通し、結局王によりそれが認められめでたしめでたしとなる、というお話し。昔の騎士道精神にのっとった話の展開がなされており、一人一人の登場人物がとても気持ちの良い性格。

絶賛するほどの作品ではないが、それなりに面白かった。

ちなみに、シューベルトの有名な「アヴェ・マリア」はこの作品の一場面を描いたものだ。
あの曲調に非常に合っていて、あらためてシューベルトの非凡さを感じさせる。

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マンフレッド [文学 イギリス]


マンフレッド (岩波文庫)

マンフレッド (岩波文庫)

  • 作者: バイロン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1960/03/05
  • メディア: 文庫



今年の2月、岩波書店から『マンフレッド』が復刊された。
チャイコフスキーの交響曲、シューマンの劇音楽がある、ということ以外、内容は全く知らなかったのだが、とにかく原作を読んでみたい欲望が強い私は、買わずにいられず買ってしまった。

100ページ強ということもあり、空いた時間でさっと読んでしまった。

内容は・・・。はじめは、ゲーテの『ファウスト』などと同じような感じで言葉が連ねられているだけで、正直なにを言っているのかわかりづらかった。が、読み進めるうちに段々と意味がわかってきて面白くなってきた。マンフレッドは、とにかく学問に邁進し、俗世の事柄に心煩わされることなく生きてきた。しかし、道ならぬ恋により、その恋人を失ってしまったことで、自分の内面に疑問を持つようになり、忘却・死を求めるようになり、最後は自分の思い通りの死を全うして終わる、という内容だと思う。

彼の行き方、自分の内面に関する葛藤、忘却を求める志向など、かなり共感できるところがあり、非常に面白かった。

最後に印象的なマンフレッドの台詞を紹介して終わりたい。

p.80
「およそ人を支配せんと欲するものは人に仕えねばなりませぬ。卑しい奴輩のあいだにあって力あるもんもたらんと欲すれば、おもねり、哀願し、二六時ちゅう眼をくばり、あらゆる場所に探りを入れ、虚偽の権化とならねばなりませぬ。大衆とはそういうものなのです。わたしは群れに交わることをさげすみました、たとえ首領になるにしてもー狼の群れのであろうと。獅子はひとりぼっちです。わたしもそうなのです」

この世で権力を得ようとすると、どうしても人におもねらなければならない。自分の意志を曲げねばならない。時の権力者に、大衆に媚びなければならない。それであれば一人であることを望む。ということであろう。非常に含蓄ある言葉である。

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Harry Potter & the Deathly Hallows [文学 イギリス]


Harry Potter and the Deathly Hallows

Harry Potter and the Deathly Hallows

  • 作者: J.K. Rowling
  • 出版社/メーカー: Listening Library (Audio)
  • 発売日: 2007/07/31
  • メディア: CD



遂に、Harry Potter シリーズを全巻聴き終わった。
最終巻では、ボルデモート率いる、Death Eaterたちによって魔法省が乗っ取られ、ホグワーツもその影響下に入る。まさに国全体が悪一色に染まる中、パルチザン的抵抗運動を子供たちが行う、という感じの設定になっている。

Mad Blood(魔法使いではない親から生まれた魔法使い)狩りのようなことも行われ、聴いていてナチス・ドイツ、優生学を思い出してしまった。
この作品、前にも書いたが、弱者に対する目が非常に温かく、優しい。常に虐げられてきた妖精たち。巨人族、Mad Bloodその他、魔法界の主流に属さない、差別を受けている人が救われていく物語でもある。

ハーマイオニーという心優しい、頭のいい、女性が核となりコミュニティは変わっていく。確かにHarry Potterが主役の物語なのであろうが、この物語を通して伝えたかったことは、おそらくハーマイオニーに行動を通して伝えられているのであろうと思う。

この最終巻は戦いの場面が多く、イマイチ聴いているだけではよくわからない部分も多かったが、作者の伝えたいことはとてもよく分かり、すごく感動的だった。

機会があれば、実際にテキストに目を通し、読みたい。
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Harry Potter & the Half-Blood Prince [文学 イギリス]


Harry Potter and the Half-Blood Prince (Harry Potter 6): Chilren's audio CD edition [AUDIOBOOK]

Harry Potter and the Half-Blood Prince (Harry Potter 6): Chilren's audio CD edition [AUDIOBOOK]

  • 作者: J K Rowling
  • 出版社/メーカー: Bloomsbury Publishing PLC
  • 発売日: 2005/08/01
  • メディア: ペーパーバック



Harry Potterの第6巻を聴き終わった。
前作では、官僚の事なかれ主義を徹底的に描いていたが、この巻は、人間の内面をかなり細かく描いている。
登場人物たちも思春期となり、皆積極的に恋をするようになり、様々な恋愛模様が描かれている。この年代で感じる恋愛感情をとても上手く言葉にしていて、とても素晴らしい。
はじめのうちは、友人としてあまりにも近くにいすぎて、その恋愛感情に気がつかないが、だんだんとその気持ちに気づき始める時の、心の動き、その心の動きの行動への現れ、がとても上手に描かれている。

一方で、「善」と「悪」の対決も血なまぐさいものへとなっていって、こちらもかなり激しさを増している。作者はこの作品の最後、つまり自作を初めに書き上げたということだが、逆算して子供の成長段階に即した物語を描けるということ自体が本当にすごいことだと思う。

前にも書いたが、児童文学の傑作と言われるが、児童文学という枠内に収まらない、文学上の傑作だと思う。

最後どうなっていくのか、非常に楽しみだ。
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Harry Potter & the Order of the Phoenix [文学 イギリス]


Harry Potter and the Order of the Phoenix (Book 5, Audio CD)

Harry Potter and the Order of the Phoenix (Book 5, Audio CD)

  • 作者: J.K. Rowling
  • 出版社/メーカー: Listening Library (Audio)
  • 発売日: 2003/06/21
  • メディア: CD



Harry Potterの第5巻を聴き終わった。

非常に素晴らしい作品だった。これは児童文学なのだろうか、と疑問が湧いた。
ストーリーを聴いていてもかなり、難易度の高い単語が出てくるし、登場人物たちの心理描写、恋愛模様なども非常に細やかで真に迫っている。死の問題にも真正面から取り組んでいる。

扱っている題材も非常に社会的で、様々な差別の問題・権力者に媚びる人間の醜さ、都合の悪い真実から目を背けようとする人間たちの様子、など大人の社会の醜さを感じてからこの本を読む(聴く)ともっとこの本の素晴らしさがわかるのではないだろうか。

作者はこの本が売れる前非常に貧しい生活をしていた、と読んだことがある。
非常に苦労をし、色々なことに敏感な人間だからこそ描くことが出来る世界観ではないのかと思う。

本当にこの巻は素晴らしかった。
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Harry Potter & the Goblet of Fire [文学 イギリス]


Harry Potter and the Goblet of Fire (Cover to Cover): Part 2 (9 CD Set)

Harry Potter and the Goblet of Fire (Cover to Cover): Part 2 (9 CD Set)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: BBC Audio
  • 発売日: 2001/04/01
  • メディア: CD



Harry Potterの第4巻を聴き終わった。
朗読者のStephen Fryの声が聞きやすいからなのか、話が分かりやすいからなのか、理由はよくわからないが、Harry Potterシリーズは、とても聴きやすく集中しやすい。

この巻から一気に大人度が増し、それぞれの登場人物の恋模様なども描かれるようになり、とても面白い。最後の場面ではあのヴォルディモートが復活して自分の体を取り戻す。

このHarry Potterシリーズ。弱者に向ける視点が非常に優しくてよい。奴隷扱いされている妖精、差別的扱いをされている巨人たち、こういった状況にただ見てみぬふりをしたり、ただ憤慨して何もやらないのではなく、色々と調べ行動に移すハーマイオニーの扱いがとても素晴らしい。彼女も生粋の魔女ではない、Half Bloodとして差別されているというのもあるかもしれないが、彼女の一つ一つの行動・言葉が心に響く。

Harry Potterシリーズを、ハーマイオニーの視点から描くとまた違った世界が広がる気がする。単なる子供向けの安っぽいファンタジーではなく、様々な要素がつまった素晴らしいシリーズだと思う。来年5巻を聞き始めようと思う。

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Doctor Dolittle Stories [文学 イギリス]


The Story Of Doctor Dolittle (Red Fox Classics)

The Story Of Doctor Dolittle (Red Fox Classics)

  • 作者: Hugh Lofting
  • 出版社/メーカー: Red Fox
  • 発売日: 2001/11/01
  • メディア: ペーパーバック



数年前、家においてあった岩波少年文庫版『ドクトル先生アフリカゆき』を読み、それなりに面白かったので英語の勉強にもなると思い、Doctor Dollitleの全集本のようなものが洋書でないか探していたが、なかなかみつからない。そもそも、Dollitleのペーパーバック自体があまり日本で出回っていない。
そこでBook Depositoryで探したところ、Doctor Dolittle Storiesという本を見つけた。

目次を見ると
The Story of Doctor Dolittle
Doctor Dolittle's Circus
The Voyages of Doctor Dolittle
Doctor Dolittle's Post Office
Doctor Dolittle's Caravan
・・・
と全部で8作品が収録されている。
始めの数ページを読むと、省略されている感じもない。
これは買うしかないと買って読んでみたところ・・・。
かなり省略されていた。大事な冒険のところがまるまるなかったりするのだ。
ちゃんとそれぞれの作品のページ数を確認すべきだった・・・。

とはいえ、Doctor Dolitteの大まかな像が見えたし、主要な人物・動物の関係性もある程度分かったのでそれなりによかった。しかも印刷されているページは、Rewriteされているものではなく、筆者が書いた英文をそのまま使っているっぽいのでそれはそれで良かった。

前書きの最後に
「この本が、Doctor DolittleシリーズのOriginal Volumesへの導入としての役割を果たしてくれるであろう」とあったが、本当にそんな感じの本だった。

まあ、しばらくこのシリーズを読むことはないだろうが、いつか全文を読んでみたいと思う。

動物好きの少年少女には確かにオススメの本といえるだろう。

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Complete Tales of Peter Rabbit and Friends [文学 イギリス]


The Complete Tales of Peter Rabbit and Friends: Includes Ebook (Tantor Unabridged Classics)

The Complete Tales of Peter Rabbit and Friends: Includes Ebook (Tantor Unabridged Classics)

  • 作者: Beatrix Potter
  • 出版社/メーカー: Tantor Media Inc
  • 発売日: 2008/07/14
  • メディア: CD



Complete Tales of Peter Rabbit and FriendsのCDを聴き終わった。
10年程前に本でこの全集は買っていて、一冊一冊はとても短いので、空いた時間で読もうといつも思いながらも、何故だか分からないが、いつも3冊目くらいで止まってしまっていた。CDも5年くらい前に買っていたのだが、こちらも一冊目のPeter Rabbitの話を聞き終わらないうちに止めてしまっていた。

今回全CDをi-podに移し、通勤途中に聞くようにした。プーさんシリーズと同じく、内容は半分くらいしか理解できなかったが、とにかくどんどん進んでくれるので、何とか最後まで聞き終わることが出来た。
この作品集、ある巻で出てきた登場人物が、他の巻で登場したりと結構1冊1冊が独立した話である一方相互に関連しており、結構楽しむことが出来た。Nursery RhymeなどはMother Gooseのもじりなどもあり、Mother Gooseに慣れ親しんだイギリスの子供たちなどはさぞかし楽しいのだろうなあと想像しながら聞いてしまった。

本当に愛らしい話しが多かった。プーさん同様、今度はじっくり本で読みたいと思う。
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The house at Pooh Corner [文学 イギリス]


A.A. Milne's Pooh Classics: Winnie-the-pooh/ the House at Pooh Corner/ When We Were Very Young/ Now We Are Six

A.A. Milne's Pooh Classics: Winnie-the-pooh/ the House at Pooh Corner/ When We Were Very Young/ Now We Are Six

  • 作者: A. A. Milne
  • 出版社/メーカー: Blackstone Pub
  • 発売日: 2007/11/01
  • メディア: CD



プーさんシリーズの最後The house at Pooh Cornerを読み終わった。
ディズニーではメジャーなティガーTiggerはこの作品から登場する。bounce(跳ね回る)しすぎで、常に周りに迷惑をかけるTiggerだが、カンガルーの子供カンガとは非常に仲が良い。無茶苦茶だが何となく憎めないキャラだ。
この作品の題名どおり、結構「家」をテーマにしたものが多い。Winnie-the-Poohよりも、キャラクター達が思い悩んで深く考える場面が多い気がする。これも息子クリストファー・ロビンの成長に合わせて、作者ミルンが、思考する場面を多く取り入れたということなのだろうか。

本当にこんな空想の世界で遊んだ経験を持つ子どもは幸せだろうなあと思う。来年、長男と一緒にこの2作品を読み返してみようかと思う。(飽きられないといいのだが・・・)

最後に私の大好きな一節を書いておきたい。

What I like doing best is Nothing.

「私の一番好きなことは、何にもしないを、することだ。」

謎かけのような言葉だが、とにかく色々と考えずに何にもせずありのままの世界を受け入れて行動するということなのだろう。成長するということは世界について考えることであり、考えたことを元に行動していくことである。そうして成長するにつれ、仲がよく常に話しかけてくれていたはずのぬいぐるみたちがいつの間にか話しかけてくれないようになる。これは宮崎駿の『となりのトトロ』にも通じる考え方だと思う。

理性的に物事を考えられるようになることはとても大事なことであり、喜ばしいことなのだが、その裏で失われていくものもある。

人生は難しくもあり面白くもある。
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Winnie-the-Pooh [文学 イギリス]


A.A. Milne's Pooh Classics: Winnie-the-pooh/ the House at Pooh Corner/ When We Were Very Young/ Now We Are Six

A.A. Milne's Pooh Classics: Winnie-the-pooh/ the House at Pooh Corner/ When We Were Very Young/ Now We Are Six

  • 作者: A. A. Milne
  • 出版社/メーカー: Blackstone Pub
  • 発売日: 2007/11/01
  • メディア: CD



Winnie-the-poohを聴き終わった。
この作品は日本語訳では一度も読んだことがなく、原書で10年以上前に読んだっきりで、再読したいと思っていた作品だ。子どものための作品だからと思い、当時軽い気持ちで読み始めたのだが、とにかく難しかった。

難しさの理由
1.詩が多く出てくる
2.子どもの使う言葉を前提にしているので、単語がわざと間違えられていたり、実際にはない単語が使われていたりする
3.普段自分が使用しないような名詞が多く出てくる
4.子どもの遊びの世界の話なので、場面を想定しづらい部分がある

など、とにかく読みづらい。
が、10年経って自分の英語力も少しは上がったであろうし、Harry Potterなどを聴いて物語を「聴く」ということにも慣れてきたので、と思い聴いてみたが・・・。

やはり理解しきれない部分が多々あった。Harry Potterなどとは違い、ストーリーとテンポも遅いので、聴いているうちに違うことを考え始めてしまっている自分もいたりする。

ということで、4割~6割くらいしか結局は理解できなかったがとにかく聴き終えた。

有名な、クリストファー・ロビンがプーさんを引きずりながら階段を下りるシーンから始まり、プーさんが風船に乗って蜂蜜を取りに行く話、イーヨーのシッポが取れてしまう話、怖い怪物の足跡があり、その怪物を捜し歩くうちにどんどん足跡が増えていく話、大雨でピグレットが家に取り残されてしまう話、プーさんが蜂蜜を食べ過ぎてラビットの家のドアに挟まってしまう話、最後の森のみんなを集めてのパーティー、などとにかく平和で、心和んでしまう話ばかりが並んでいる。Frog & Toadと同じく、冒険に導き最後は平和裏に終わるところが読んでいてとても安心できる。

もう一度、活字で読み直したいと思う。
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Silas Marner [文学 イギリス]


Silas Marner (Penguin Classics)

Silas Marner (Penguin Classics)

  • 作者: George Eliot
  • 出版社/メーカー: Penguin Classics
  • 発売日: 2003/04/29
  • メディア: ペーパーバック



George Eliot作Silas Marnerを読み終わった。
Eliot作はMiddle Marchに続いて2作目。とはいえおそらくこれで彼女の作品を読むのは最後であろう。

Silas Marnerは岩波文庫でも出ていて(現在:品切れ重版未定状態)日本人にもそれなりに知られている作品らしい。Middle Marchは洋書で700ページを超える大作だが、Silas Marnerは150ページ強の短編(中篇?)。そうした気軽さもあるのかもしれないが、やはり内容が圧倒的に日本人好みといえる。

まあ、簡単に言ってしまえば、人生に絶望した社会から弧絶した中年男の前に、突然孤児の女の子が現れ、その女の子を育てることで、中年の男が社会に入って行き、人間性を取り戻すという日本人が大好きなお涙頂戴系の作品。

とここまで書くと、この作品をバカにしているように思われるかもしれないが、とても良い作品。全体の2/3ほどが、主人公Marnerの苦難の人生を描いており、後半1/3ほどで、孤児Eppieが登場する。ここに、Cass家とWinthrop家という二つの家族が絶妙に絡んでいく。ストーリーはMiddle March同様抜群に面白く、どんどん読み進められるが、やはり単語レベルは相当高い。

Middle Marchは大作であることももちろん関係していると思うが、非常に印象に残る言葉が多く、考えさせられることが多かったが、Silas Marnerは印象に残る言葉は少なくて、基本的にはストーリーを楽しむという感じが強い。まあその辺も日本で受ける理由なのであろう。

が、この作品には2点解せないところがある。
1点目:Eppieの母親はCass家の長男と結婚していたのだが、どのように結婚していたのか、そしてその結婚状態をどうやって周りの人間に隠していたのかが、詳しく論じられていない。
2点目:MarnerとEppieがどのように愛情をお互い育んでいったのか、もう少し様々なエピソードを交えながら描いて欲しかった。幼児期のお世話が大変な時期が少し描かれた後、章が変わり、Eppieは一気に結婚適齢期となってしまっている・・・。

恋愛と親子愛で違うのかもしれないが、話の感じとしては、同じイギリスの女流作家シャーロット・ブロンテが書いた『ジェイン・エア』に似ている。上記2点を小説の中でしっかりと描いていたら、『ジェイン・エア』並みの長さになったのかもしれない。とても面白く、良いお話なので少し残念に思った。

とはいえ、素晴らしい作品ではあるので、是非岩波には復刻してもらい、いつでも手にとれる状態にしてもらいたい。

最後に一つだけ、印象に残った一節を。
Silasが成長したEppieを連れて行かれそうになったときに発した言葉。

It's me she's been calling her father ever since she could say the word.

生みの親より育ての親。この一節を読んだ時、若干涙がこぼれそうになってしまった。
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Now We Are Six [文学 イギリス]


Now We Are Six (Winnie-the-Pooh)

Now We Are Six (Winnie-the-Pooh)

  • 作者: A. A. Milne
  • 出版社/メーカー: Puffin Books
  • 発売日: 1992/08/01
  • メディア: ペーパーバック



Now We Are Sixを聴き終わった。
When We were very youngよりもリズミカルな詩が多く、Winnie the Pooh出版後の作品とあって、詩の中にプーさんや、ウサギなども出てきて面白かった。

特に最後のThe Endという詩がとっても素敵だった。
“When I was One,
I had just begun.
When I was Two,
I was nearly new.
When I was Three
I was hardly me.
When I was Four,
I was not much more.
When I was Five, I was just alive.
But now I am Six, I'm as clever as clever,
So I think I'll be six now for ever and ever.”

「私が三歳の頃、私はほとんど私でなかった」というのがとても良い表現だと思う。
他にもそれぞれの歳をとてもうまく言い当てていると思う。

子どもに英語のまま聴かせてあげたいが、英語のままでは理解できない。
やはり言語の壁というのは大きいなあ、と感じる。
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When We Were Very Young [文学 イギリス]


A.A. Milne's Pooh Classics: Winnie-the-pooh/ the House at Pooh Corner/ When We Were Very Young/ Now We Are Six

A.A. Milne's Pooh Classics: Winnie-the-pooh/ the House at Pooh Corner/ When We Were Very Young/ Now We Are Six

  • 作者: A. A. Milne
  • 出版社/メーカー: Blackstone Pub
  • 発売日: 2007/11/01
  • メディア: CD



プーさんシリーズのWhen We Were Very Youngを聴き終わった。
普通の小説と違い、詩なので、聴いても意味があまりわからないかな、と思って聞いたが、一応前に読んだことがあったというのもあり、それなりに聞き取れた。
韻を踏んでいるところなども意識をして聴くと結構分かった。
読むときよりもリズム感があり、カラダに英語が入っていく感じがした。
が、やはり詩をただ聞いているだけだと、内容を味わうというところまではいかない。

一編一編まずは耳で聴き、そのリズム感を感じ取り、そのあとゆっくり目で追いながら読んで味わうととても良いのだろうが、正直そこまで詩に割く時間はない。

昔(小学校の時)は結構詩が好きで、よく読み、自分で書いたりもしていたが、大人になり、長編小説ばかりを読むようになり、詩をゆっくり味わうことはほとんどなくなった。子供がもう少し成長し、時間ができたら、プーさんシリーズだけでなく、様々な英詩や日本語の詩も色々と読んでみたいとは思っている。が、そんな時がくるのだろうか・・・。結構読みたい小説がありすぎて、そんな時間はとらないきがする・・・。
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