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魔法使いハウルと火の悪魔 [文学 イギリス]


ハウルの動く城1 魔法使いハウルと火の悪魔 (ハウルの動く城 1)

ハウルの動く城1 魔法使いハウルと火の悪魔 (ハウルの動く城 1)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1997/05/01
  • メディア: 単行本



ジブリ映画「ハウルの動く城」をDVDで子ども達と久しぶりに観た。正直話が急速に展開していきイマイチよく分からず、原作を読むともう少しわかるかなと思い、図書館で借りて原作を読んでみた。

基本設定は、映画と同じだが、主人公ソフィーが、荒地の魔女によってお婆さんに変えられてしまうまでのソフィーの生い立ちや環境を丁寧に描いており、それによってソフィーの一つ一つの感情に寄り添いながら読むことが出来た。

長女であることの葛藤、美しい二人の妹に比べ、自分の容姿が今一歩であることの劣等感、様々なことに対する才能がなく平凡な日々を送ることに対する無意識の苛立ち、ハウルに出会ってからハウルに段々と心を寄せるようになるがそれに気がつかず、ハウルの行動に対して憤ってしまう自分に対する苛立ち、女の子に限らず、結構多くの子供が経験するであろう様々な心の葛藤が様々な登場人物とのかかわり合いの中で描かれており、すごく共感して読めた。

所々で出てくる様々なサブ・キャラも何故このキャラが登場する必要があるの?とはじめの登場では感じるが、後になってちゃんとそのへんの疑問が回収されており、ただ単に人をたくさん出して主人公にかかわらせて、その後はどうなったの???という疑問を回収せずに話を進める作家が多い中、すべての登場人物が最終的に回収されており、そのへんの適当な流行作家とは違うなと感心してしまった。

さらに、シェイクスピア作品や『オズの魔法使い』など過去の名作を下敷きにしたセリフや設定なども多々出てきて、さすがオクスフォード大学卒の才女の書いた本だなあと感心しながら読んでしまった。

とはいえ、やはりファンタジー作品はイマイチ苦手で、ジブリ映画で観ていなければ恐らく自分で映像化できず、結構読み進めるのが大変だったとは思う。

正直読みたい本が沢山有り、あまりじっくり読まなかったので、今度時間があればもう一度じっくり読んでみたい作品ではある。
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