花の章 ハ長調

評価
★★★★★★★★☆☆

牧歌的で、非常に穏やかな旋律を管弦が共に奏でる。とても美しく確かに野原に咲く美しい花をイメージさせる。弦のピッチカートに導かれイ短調の物悲しい中間部がやってくる。ここもシベリウスをイメージさせるひんやりとした美しさがある。途中若干の盛り上がりを見せ、最後は天国にいざなわれるように、最初の美しいメロディが回帰されしっとりと終る。

かなりの隠れた名曲と言える。

ピアノ四重奏 イ短調

評価
★★★★★★★★☆☆

ピアノ・ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロという珍しい編成での４重奏曲。しっかりとしたソナタ形式で作られているらしい。

重厚感のある、ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番やブラームスの曲を彷彿とさせるメロディアスで濃厚な音楽が初めから展開される。「ラ～ファミ～」という単純なテーマをもとに音を重ね音楽を作り上げていく才能は素晴らしい。第二主題は悲劇的で動きがかなりある。展開部も広がりのある美しい旋律。第一主題に戻り、ヴァイオリンのカデンツァも用意されていて、かなり聴き応えがある。

本当に素晴らしい作品で是非全楽章を完成させてもらいたかった。