ピアノ・ソナタ 第一番 ヘ短調 Op.6 [スクリャービン ピアノ曲]
第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
重く暗い左手の伴奏の上を、苦しみに満ちた旋律が流れる。右手と左手がおいかっけこのような速いパセージを奏でた後、少し静かな落ち着いたメロディが登場する。
ドラマティックな展開部の後主題が回帰され、最後は静かに消え入るように終わる。
激しいが若干散漫な印象。
第二楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
暗く重い緩徐楽章。葬送行進曲風でもある。
第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
跳躍の多い躍動的な主題のロンド楽章。少し穏やかな部分もあるが、基本的に激しい楽章。
第四楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
葬送行進曲で始まる。中間部は天へ召されていくかのような静かでおごそかな雰囲気。最後は葬送行進曲で静かに終わる。
若干散漫な印象だが、随所に綺麗なメロディが散りばめられている聴きやすい特徴的なソナタではある。
ピアノ小品 作品番号なし [スクリャービン ピアノ曲]
01. カノン 二短調WoO.1
★★★★★☆☆☆☆☆
静かな美しいメロディのカノン。夜想曲風。
02. ロマンス 「美しい人を見たかった」 WoO.2
★★★★★☆☆☆☆☆
悲しげなメロディを持った美しいピアノ伴奏の歌曲。
03. 夜想曲 変イ長調 WoO.3
★★★★★★☆☆☆☆
夢見るような美しいメロディが、静かなアルペジオによって奏でられる。中間部は若干鄙びた感じの明るい雰囲気。最後は夢見るような雰囲気に戻り終わる。
04. スケルツオ 変ホ長調 WoO.4
★★★★★☆☆☆☆☆
快活で明るい曲。中間部は少し暗く情念的。
05. スケルツオ イ短調 WoO.5
★★★★★☆☆☆☆☆
古典派の佇まいを持った穏やかな曲。
06. 幻想ソナタ WoO.6
★★★★★★☆☆☆☆
悲しげで悲痛な第一主題で始まる。第二主題はさらに悲痛さが増す。変奏曲風の長い展開部の後、第一主題が軽く回帰され終わる。
07. ワルツ 嬰ト短調 WoO.7
★★★★★☆☆☆☆☆
情熱的な前奏の後、哀愁漂う美しいメロディがワルツのリズムに乗って流れる。中間部は暗く激しい。再び哀愁漂うメロディに戻り静かに終わる。
08. ワルツ 変二長調 WoO.8
★★★★★☆☆☆☆☆
明るく軽やかな曲。
09. Mille Egoroffの主題による変奏曲 ヘ短調 WoO.9
★★★★★★☆☆☆☆
静かでおごそかな主題。
第一変奏:流れるような美しい変奏
第二変奏:少しロマンティックな変奏
第三変奏:少し跳ねた感じの諧謔的な変奏
第四変奏:少し速い流れるようなメロディの変奏
第五変奏:フィナーレに向かって激しく華麗な変奏
最後は劇的に終わる。
10. デュエット WoO.10
★★★★★★☆☆☆☆
少しさみしげな前奏の後、デュエットで悲しげな歌がうたわれる。とても美しいメロディ。
11. フーガ ヘ短調 WoO.12
★★★★★☆☆☆☆☆
止まりそうな静かでゆったりとした主題で始まる。厳格な感じのフーガが静かに展開されていく。なんてことのない曲だが美しい曲。
12. フーガ ヘ短調 WoO.13
★★★★★☆☆☆☆☆
しみじみとした美しいフーガ。
13. マズルカ ロ短調 WoO.14
★★★★★☆☆☆☆☆
悲しげな美しい30秒程度のマズルカ。
14. マズルカ ロ短調 WoO.15
★★★★★☆☆☆☆☆
少し軽やかで哀愁漂うメロディで始まる。中間部は田舎風で段々と力強くなる。
15. マズルカ ヘ長調 WoO.16
★★★★★☆☆☆☆☆
軽やかで楽しげに始まる。中間部は若干影が差す。最後は悲しげに終わる。
16. アルバムの1ページ 変イ長調 WoO.17
★★★★★☆☆☆☆☆
静かで優しいメロディの1分程度の曲。
17. 幻想曲 WoO.18
★★★★★★★☆☆☆
力強くやや下降気味の前奏で入る。
すこしおどろおどろしいが哀愁漂うメロディが静かに奏でられる。
優美で流れるようなメロディが高音でオクターブで奏でられる。
力強くやや下降気味の前奏が再び現れる。
今度は力強い雰囲気のまま曲は進む。
左手がメロディを奏で、右手は鐘の音を模したような伴奏をつける。
最後はスピードが増し盛り上がって終わる。
結構良い曲。
18. ピアノ・ソナタ 変ホ短調 第一楽章 WoO.19
★★★★★★★☆☆☆
左手が低音で重いメロディを奏でる。右手はひたすら和音で伴奏をつける。段々とメロディが右手に移っていき優美で夢見るような第二主題が奏でられる。二つの主題が繰り返された後、第一主題を優しい雰囲気にしたようなゆったりとした展開部となる。展開部の最後は不協和音を混ぜながら劇的な盛り上がりを見せる。二つの主題が回帰され終わる。
19. ピアノ・ソナタ 変ホ短調 第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
若干アタッカ気味に入り、静かで夜想曲風のメロディが低音で奏でられる。
中間部は穏やかなロマンティックなメロディが流れる。
20. ピアノ・ソナタ 変ホ短調 第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
跳躍の激しい和音を左手も右手もひたすら奏で続ける。
中間部は少しメランコリックで静かになる。激しくはじめの跳躍の激しい部分が回帰され盛り上がる。
再びメランコリックに静かになった後、静かに感情の高まりを見せ、最後は祈るように終わる。
21. フーガ ホ短調 WoO.20
★★★★★☆☆☆☆☆
フーガらしい静かなおごそかな主題の後、フーガとなる。
22. ロマンス イ短調 WoO.21
★★★★★★☆☆☆☆
ホルン?とピアノの静かな綺麗な曲。
23. アルバムの1頁 WoO.22
★★★★★☆☆☆☆☆
夢見るようなメロディの静かな1分程度の曲。
24. 小品 WoO.23
★★★★★★☆☆☆☆
やさしい民謡風のメロディを持った曲。
おそらく初期の作品ばかりなのだろう。ショパンの影響を受けていたらしい美しいメロディが並び、後期の作品群よりはるかに充実していて聴いていて楽しい曲が並ぶ。
5つの前奏曲 Op.74 [スクリャービン ピアノ曲]
最後の作品番号を持った曲。
01. 苦しみ、悲痛な
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
確かに「悲痛な」響きを持った現代的な曲。
02. 十分に遅く、瞑想的に
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
重いWalking Bassの曲。あまり瞑想的ではない。
03. 劇的アレグロ
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
確かに、少し劇的な速い曲。
04. ゆっくりとした、漠然と、曖昧な
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
キンキンとした始まり。だんだん静かになっていく。
05. 高慢な、好戦的な
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
激しく「好戦的な」曲。
どれも題名をある程度表している。1分程度の小品ばかりであまり面白くはない。
2つの舞曲 Op.73 [スクリャービン ピアノ曲]
詩曲「焔に向かって」 Op.72 [スクリャービン ピアノ曲]
2つの詩曲 Op.71 [スクリャービン ピアノ曲]
2つの詩曲 Op.69 [スクリャービン ピアノ曲]
2つの前奏曲 Op.67 [スクリャービン ピアノ曲]
贋金つくり 上 [文学 フランス]
今年は結構集中的にフランス文学を読んでおり、その流れで、品切れ重版未定になっているこの本を古本屋で見つけ思わず購入してしまった本。
ジイドの本は、『狭き門』『田園交響楽』がかなり面白く気に入っている。
今年に入って『法王庁の抜け穴』『背徳者』と読みかなりつまらなかった。
そこでこの『贋金つくり』を読み始めたのであまり期待していなかった。
しか~し、かなり面白い。
いきなり、私生児が自分の生まれを知ってしまい家出をしようと画策する話から始まり、その友人の兄の女性を妊娠させてしまう話になり・・・とどんどん話が広がっていく。
第三者の立場からの物語描写と、エドゥワールという作家の日記が入り混じってきて、途中からさらにいろいろな登場人物の日記も交じってくる。
ひとつの物語をいろんな角度から描写した重層的にひとつの出来事を描いていく試みらしく、ロックバンドExtremeの「Three sides to every story」に似たコンセプトの本なきがする。
若干男性同士の同性愛、フロイトの夢分析など、当時流行していたであろうテーマも入っており面白い。
とにかく久しぶりに面白い小説を読んでいる気がする。
3つの練習曲 Op.65 [スクリャービン ピアノ曲]
2つの詩曲 Op.63 [スクリャービン ピアノ曲]
詩的夜想曲 Op.61 [スクリャービン ピアノ曲]
2つの小品 Op.59 [スクリャービン ピアノ曲]
アルバムの1頁 Op.58 [スクリャービン ピアノ曲]
2つの小品 Op.57 [スクリャービン ピアノ曲]
4つの小品 Op.56 [スクリャービン ピアノ曲]
3つの小品 Op.52 [スクリャービン ピアノ曲]
4つの小品 Op.51 [スクリャービン ピアノ曲]
3つの小品 Op.49 [スクリャービン ピアノ曲]
アドヴェント・カレンダー [文学 その他]
ヨアキムという少年が本屋で古いアドヴェント・カレンダーを見つける。日にちのところを開けると物語が入っていて、エリザベートという少女が羊に導かれ森の中へ入っていき、そのまま時間を戻り、イエス・キリストが生まれる場面へと旅していく。
『ソフィーの世界』と同じような現実の世界、手紙の世界という二つを行ったり来たりして、時間と空間を旅する物語。
十数年前に読んだときは非常に面白く素晴らしい作りだと思ったのだが、今回次男に読み聞かせながら改めて読んでみたが、手紙部分の時間と空間を旅する場面が大した話になっておらず、実はそんなに面白くないんじゃないかと感じてしまった。
4つの前奏曲 Op.48 [スクリャービン ピアノ曲]
ワルツ風に Op.47 [スクリャービン ピアノ曲]
スケルツォ Op.46 [スクリャービン ピアノ曲]
3つの小品 Op.45 [スクリャービン ピアノ曲]
2つの詩曲 Op.44 [スクリャービン ピアノ曲]
8つの練習曲 Op.42 [スクリャービン ピアノ曲]
01. 変ニ長調
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
左手と右手でリズムが違うポリ・リズムの曲。だんだん高まっていくが良くわからないメロディ。正直つまらない。
02. 嬰ヘ短調
★★★☆☆☆☆☆☆☆
こちらもポリ・リズムの曲で、五連音符の練習曲。
03. 嬰ヘ長調
★★★☆☆☆☆☆☆☆
コロコロと回る無窮動的作品。
04. 嬰ヘ長調
★★★★★☆☆☆☆☆
ゆったりとした静かなメロディの曲。途中若干ロマンティックになる。
05. 嬰ハ短調
★★★★★☆☆☆☆☆
左手の情熱的な伴奏の上で、右手が力強い旋律を奏でる。段々とロマンティックなメロディとなっていく。演奏される機会も多い作品らしい。確かに他の曲よりはわかりやすいがそこまで面白い作品でもない。
06. 変ニ長調
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
3連音符と5連音符のポリ・リズムの曲。正直つまらない。
07. ヘ短調
★★★★☆☆☆☆☆☆
こちらもポリ・リズムの曲。少し情熱的なロマンの漂うメロディではある。
08. 変ホ長調
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ポリ・リズムではじまる。少しキラキラしている。中間部は重く暗い。最後はキラキラと終わる。
ポリ・リズム練習曲と名づけても良いような曲集。あまり面白くない。