贋金つくり 上 [文学 フランス]
今年は結構集中的にフランス文学を読んでおり、その流れで、品切れ重版未定になっているこの本を古本屋で見つけ思わず購入してしまった本。
ジイドの本は、『狭き門』『田園交響楽』がかなり面白く気に入っている。
今年に入って『法王庁の抜け穴』『背徳者』と読みかなりつまらなかった。
そこでこの『贋金つくり』を読み始めたのであまり期待していなかった。
しか~し、かなり面白い。
いきなり、私生児が自分の生まれを知ってしまい家出をしようと画策する話から始まり、その友人の兄の女性を妊娠させてしまう話になり・・・とどんどん話が広がっていく。
第三者の立場からの物語描写と、エドゥワールという作家の日記が入り混じってきて、途中からさらにいろいろな登場人物の日記も交じってくる。
ひとつの物語をいろんな角度から描写した重層的にひとつの出来事を描いていく試みらしく、ロックバンドExtremeの「Three sides to every story」に似たコンセプトの本なきがする。
若干男性同士の同性愛、フロイトの夢分析など、当時流行していたであろうテーマも入っており面白い。
とにかく久しぶりに面白い小説を読んでいる気がする。
2023-12-27 04:04
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