預言者エレミアの哀歌(トレニ) [ストラヴィンスキー オペラ]
序
★★★☆☆☆☆☆☆☆
暗く不吉に始まり、ソプラノとアルトがフーガ的に歌う。
1.De Elegia Prima
★★★☆☆☆☆☆☆☆
合唱で始まる。不吉な短い動機が重なる伴奏。その中をテノールが苦しげに歌う。途中ソロ歌手だけのアカペラのやりとり部分が入る。合唱、テノール・ソロなど次々と登場。8分近い大作。
2.De Elegia Tertia
★★★☆☆☆☆☆☆☆
短い合唱の後、バスの深いソロとなる。バスと合唱のやりとりが流れる。二人のテノールも入ってきて重唱と合唱のやりとりとなる。
突然女声合唱が元気に歌い、バスが低い声でリズミカルに歌う。アカペラのソロと合唱のやりとりがしばらく続く。後半ソプラノとアルト、テノールとバスの苦しげな重唱が続き、最後は皆が歌う。
3.De Elegia Quinta
★★★☆☆☆☆☆☆☆
テノールとバスのアカペラ重唱で始まり、暗く悲しげな合唱が続き、再びアカペラのソロの重唱となる。最後は暗く重い合唱で終わる。
カンティクム・サクルム [ストラヴィンスキー オペラ]
捧辞
★★★☆☆☆☆☆☆☆
激しい合唱
1.全世界に行って
★★★☆☆☆☆☆☆☆
前曲と似た感じ。
2.北風よ目覚めよ
★★★☆☆☆☆☆☆☆
テノールの平坦なソロで始まる。フルート?だけの伴奏が面白い。
3.あなたは心を尽くし
★★★★☆☆☆☆☆☆
フーガ的な合唱。結構敬虔な感じで少し綺麗。途中オルガンの荘厳な間奏が入る。再び合唱が入った後、暗めの間奏が再び入る。そのまま暗めの葬送歌的な合唱となる。調子っぱずれのファンファーレがなった後暗く終わる。10分近い大曲。
4.イエスは言われた
★★★☆☆☆☆☆☆☆
バリトンソロで始まり、合唱がそれに答える。対話的な曲。
5.弟子たちは出かけて行って
★★★☆☆☆☆☆☆☆
今度は合唱とオケの対話。最後は静かに唐突に終わる。
オーケストラのためのダンス・コンチェルタンテ [ストラヴィンスキー オペラ]
★★★★★☆☆☆☆☆
絵本の始まりのような平和な感じで始まる。
森に入っていき少し不穏な感じになる。
結局森に迷い込んでしまいそのまま眠り込み夜の音楽になる。
朝おきて元気を取り戻し再び陽気に歩き出す。
再び不穏な空気になるが、吹っ切れたかのように歩き出す。
森の魔王が出てきたかのような力強い音楽となり、陽気な音楽と対決する。
最終的には陽気な音楽が勝利をおさめ、牧歌的になる。
家に帰る途中で再びちょっとした事件に出会うが、無事解決し平和に家路へ。
最後は元気に快活に終わる。
非常に描写的で面白い。生で映像なんかと一緒に聴くと面白いかもしれない。
古いイギリスのテキストによるカンタータ [ストラヴィンスキー オペラ]
1.通夜の葬送歌1
★★★★★☆☆☆☆☆
悲しげな旋律で始まり、女性の静かな祈りのような合唱となる。
2.リチェルカーレ
★★★★★☆☆☆☆☆
優しい旋律のソプラノソロ。バロック的。最後はアーメンで静かに終わる。
3.通夜の葬送歌2
★★★★★☆☆☆☆☆
優しい静かな女声合唱。
4.リチェルカーレ
★★★☆☆☆☆☆☆☆
テノールによるソロ。10分を超える大作。高音で、結構不安げな平坦なメロディが歌われる。途中からチェロも入ってきて混沌としてくる。
5.通夜の葬送歌3
★★★★★☆☆☆☆☆
結構平坦な感じの女声合唱。
6.西風
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ソプラノとテノールの激しいやりとり。フルートが風の音を表しているのか?チェロも激しく入ってくる。
7.通夜の葬送歌4
★★★★★☆☆☆☆☆
チェロが印象的な伴奏をする女声合唱。
面白い曲ではある。
頌歌:クーセヴィツキーの思い出に [ストラヴィンスキー 管弦楽曲]
エディプス王 [ストラヴィンスキー オペラ]
プロローグ
第一幕
★★★★★☆☆☆☆☆
ラテン語で書かれた古典である『エディプス王』という語りによる紹介の後、荘厳な合唱により物語が語られる。ラテン語で歌われており重厚なフーガ風の合唱となっている。苦しげなバリトン?のソロが流れる。ピアノも入ってきて苦しげな合唱となる。
王が殺されたことが語りにより告げられた後、少し諧謔的なテノール?のレチタティーヴォ風ソロとなる。これが自分が父を殺してしまったことを知らないエディプス王か?少しずつ不穏な空気が流れ始める。
合唱になった後ティンパニーが鳴り響きふたたび語りとなり、お告げがどうのこうのという話になる。激しい合唱の後、バリトンのソロとなる。長い一人語りの後、壮大な合唱となり何かを讃えるかのような感じになり華やかに終わる。
第二幕
★★★★★☆☆☆☆☆
エディプス王の母の話が語られる?ディプス王が二つの罪(父殺し、母との結婚)を犯したことを告げると壮大な合唱となる。
フルートとハープの伴奏に乗ってソプラノが美しいソロを歌う。母の歌?かなり長大なソロ。激しい合唱の後、テノールとソプラノの激しい応酬となる。エディプスと母?
語りが、真実がエディプスを襲う、と語った後悲劇的な合唱となり、テノールの苦しげなソロとなる。
語りが、女王が首をくくって死んだことを告げる。そして人々がエディプス王を追い出したことも告げる。その後テノールの苦悩に満ちた歌となる。後半は壮大なフーガ風合唱となり、悲劇的に終わる。
多分生で観たらかなり迫力があって良いオペラなんだとは思う。
ジェズアルド・ディ・ヴェノーサ400年祭のための記念碑 [ストラヴィンスキー 管弦楽曲]
宗教曲小品 [ストラヴィンスキー オペラ]
高き天よりわれは来たれり [ストラヴィンスキー オペラ]
イ長のセレナーデ [ストラヴィンスキー 室内楽曲]
デュオ・コンチェルト [ストラヴィンスキー 室内楽曲]
いわゆるヴァイオリン・ソナタ?
第一楽章 カンティレーナ
★★★☆☆☆☆☆☆☆
結構激しい感じの楽章。ヴァイオリンは情熱的にメロディを奏でるが、ピアノは無感情な感じ。
第二楽章 エクローグ1
★★★★☆☆☆☆☆☆
ヴァイオリンの高音で始まり、ピアノも高音の伴奏をつける。ヴァイオリンは同じ音を息長く奏でる。段々ヴァイオリンがキレのある旋律を奏でる。ピアノは無感情な感じ&幻想的。
第三楽章 エクローグ2
★★★★★☆☆☆☆☆
若干甘美なヴァイオリンの旋律と憂いのあるピアノ伴奏。
第四楽章 ジグ
★★★★★☆☆☆☆☆
短い前奏の後、ピッチカートで主題が提示される。結構開放感に満ちた感じで心地よい。結構くせになる。
第五楽章 ディテュランボス
★★★★★☆☆☆☆☆
甘美な旋律。若干「タイスの瞑想曲」をおもわせる。
後半に従って良くなっていく。
ピアノ・ソナタ [ストラヴィンスキー 室内楽曲]
ナイチンゲールの歌 [ストラヴィンスキー 管弦楽曲]
オペラのバレエのための編曲版
★★★★★☆☆☆☆☆
結構元気な感じで始まる。少し中国宮廷風になる。へんてこりんな音が鳴り響く(中国の行進?)。
フルートがソロで美しい旋律を奏でる(ナイチンゲールの歌?)。中国風のメロディがハープなどのよって奏でられる。再び明るく元気にコロコロした感じになる。幻想的になった後、激しい音楽となる(機械仕掛けのナイチンゲール登場?)。中国風のガチャガチャした音楽の後、暗く悲しげな旋律が流れる(王様の病気?)。暗く重い雰囲気が続く。諧謔的な行進曲になっと後、静かに終わる。
普通。オペラの方が良い。
2台のピアノのためのソナタ [ストラヴィンスキー 室内楽曲]
実存主義者のカフェにて [哲学書]
実存主義者のカフェにて――自由と存在とアプリコットカクテルを
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2024/03/29
- メディア: Kindle版
紀伊國屋書店に並んでいるのを偶然見つけ、中身をパラパラっと見て興味を持ち図書館で借りて読んでみた。
サルトル、ボーヴォワール、カミュ、メルロ・ポンティを中心とした、実存主義者たちの人生を追いながら実存主義とは何ぞや、ということを分かりやすく解説した本。
今まで、現代思想・実存主義の本は何冊か読んだし、ハイデッガーやフッサールの本も読んでみたりはしたのだが、正直よくわからなかったが、この本はかなり分かりやすくしかも思想が本人たちの人生と重なる形で説明してあるのでとても体に入ってきやすかった。大学教授などの専門家が書いた本ではないが、だからこそかえって読みやすくわかりやすいのではないだろうか。実存主義とは何かを知りたい人、サルトル、ボーヴォワールの人生に興味がある人に、オススメしたい本である。
p.14
「行為によってたえず自分を作り出すこと・それがわたしという人間の根本的な状況であり、サルトルにとってはそれこそが、意識の目覚めた瞬間から死が意識を拭い去る瞬間までの、人間の状況なのだ。わたしは自分自身の自由の源であり、それ以上でも以下でもない。
実存主義を説明した次の文はとてもわかりやすい。
p.46
「人々が彼らの哲学に対する興味を失わないのは、その哲学が正しいからでも正しくないからでもなく、人生に関心を向け、人間の二大問題である「われわれは何者なのか」と「われわれはなにをすべきなのか」を扱うものだったからだ。」
次の実存主義者の定義もわかりやすい。
p.52
・実存主義者は、“個人”つまり具体的な「ひとりひとりの人間存在」に関心を持つ。
・わたしはみずからの行為に“責任”があり、それはめまいがするようなことだ。
・“不安”は人間存在そのものと切り離すことができない。
p.60
「みずからの課題に何度も立ち返り、「目の前にあるものを見て識別し、記述する」やりかただ。これはフッサールの仕事のスタイルであると同時に、現象学のわかりやすい定義にもなっている。」
ヤスパースの以下の言葉は素晴らしい。
p.122
「彼は「真の哲学があらわれ出るためには、対話が必要である」と印、こう付け加えている。「対話をしない哲学者は、思考がほんものでないことをしょうめいしているようなものだ。」」
p.229
「背景、意味、事実性、状況、人生におけるおおよその方向性などは本来、自由を得るために必要なものなのに、わたしたちは往々にして、それが自由を奪う規制であるかのように勘違いしてしまう。しかしそれらがあるからこそ、人は本当の意味で自由でいられるのだ。」
これは「自由と規律」などにもつながる考え方だと思う。
p.233
「恋人同士でさえ、ふたりきりの愛の巣にあまり長く閉じこもっていると、互いに関心を失う。人は豊満と安穏に浸ると、成長できない存在なのだ。人間の実存とは、“超越(超えていくこと”であり、“内在(みずからの内側でおとなしくしていること)”ではない。言い換えれば、なすべきことがなくなる日まではつねに行動する、ということだが、息をしているかぎり、そんな日が来ることはないだろう。」
p.312
「『第二の性』は、近代の文化を評価し直した点で、もしかしたら聖典としての地位を確立していたかもしれない。たとえば
チャールズ・ダーウィン(人間をほかの動物との関係で捉え直した)
や
カール・マルクス(高度な文化を経済との関係で捉え直した)
や
ジークムント・フロイト(意識を無意識との関係で捉え直した)
の作品にも匹敵するものとして・
ボーヴォワールは、わたしたちが基本的に性差に深く規定された存在だと知らしめることで、人の行き方を新たな視点で評価しなおした。すなわち、男性を女性との関係で捉え直したのだ。」
作家カミュの考え方も素晴らしい。
p.353
「「アルジェの路面電車には爆弾が仕掛けられている。もしかしたらわたしの母がその路面電車に乗るかもしれない。爆弾を仕掛けるのが正義だというなら、わたしは正義より自分の母を守る」。カミュにとっては、どちらの側にも客観的な正義などありえず、指針となるのは自分自身の誠実さだけだった。」
以下もカミュを説明した文章だ。
p.367
「歴史がただひとつの目的へわれわれを導いているとは思わないし、完璧などというものが存在するとも思わない。人間社会があるかぎり、私たちは反抗する。革命が社会の害悪を打ち倒すとそこに新たな体制が生まれ、やがて横暴や不正がはびこってくる。すると新しい世代が正義感に駆られて蜂起し、それが永遠に繰り返されるのだ。」
これは名言だと思う。『反抗的人間』からの抜粋らしい。
p.387
「意見を異にする人たちが、それぞれ自分こそ正しいと主張する場合、そのあいだに立つ人間はどうすればいいのだろう。~サルトルはその解決法として思い切った答えを挙げている。どんな状況であれ、それが「もっとも恵まれない者の目」に。あるいは「もっとも不幸へに扱われている者の目」にどう映っているかを問えば良い、というのだ。」
p.424
「先生的な国に暮らす人々は、知らず知らずのうちに体制に協力してしまう~中略~たとえば、青果商は卸売組合から「万国の労働者よ、団結せよ!」と書かれたポスターを受け取る。練習はそれを窓に貼れということだと思い、メッセージにはなんの関心もないものの、貼っておく。~中略~このポスターにはなんの意味も悪影響もないのだろうか。いや、そうではないとハヴェルは言う。ポスターの一枚一枚が、思想の自主性や個人の責任を静かに奪っていく。」
これは学校の教室に貼られているモットーや標語にも言えることなのではないだろうか。
今回読んで実存主義とは自分の考えにかなり近いものだなあ、と感じた。改めてボーヴォワールの『第二の性』を読んでみたいとは思ったが、やはりサルトル作品を読みたいとは思わない・・・。
なんにしろ読みやすくオススメ。
2台のピアノのための協奏曲 [ストラヴィンスキー 室内楽曲]
題名は協奏曲だが、実際は2台のピアノのための曲。
第一楽章 コン・モト
★★★★★☆☆☆☆☆
重い始まりだが、何かを期待させるような雰囲気が漂っている。低音のピアノは不気味だが、高音はどこか希望がある。第二主題は諧謔的。展開部は宇宙的な広がりを見せる。最後ははじめの主題に戻りゴツゴツと終わる。
第二楽章 ノットゥルノ
★★★★★☆☆☆☆☆
和音の連続による淡々とした伴奏の上を、若干哀愁漂うメロディが流れる。
第三楽章 4つの変奏曲
★★★★☆☆☆☆☆
ガチャガチャした主題。途中スピード感が出る。基本ガチャガチャしている。
第四楽章 前奏曲とフーガ
★★★★☆☆☆☆☆
厳かな前奏曲の後、スピード感のある凄まじいフーガとなる。
試みとしては面白い曲。
第五楽章 ♪=104
★★★☆☆☆☆☆☆
パラパラした第一楽章に似た感じ。
つまらん。
ピアノと管楽器のためのカプリッチョ [ストラヴィンスキー 協奏曲]
第一楽章
★★★★★★☆☆☆☆
悲劇的な前奏で始まる。何かが襲ってくるかのようなテーマが流れピアノと弦楽器が低い音で激しいやりとりを始める。段々と明るくなっていく。最後ははじめの何かが襲ってくるテーマに戻り終わる。
第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
重く苦しげな始まり。どことなく哀愁漂うメロディ。明るくなったり悲しげになったりを繰り返す。
第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
明るくちょっとJazzyな感じで軽やかに進む。最後は楽しそうに終わる。
とても映画的な映像と一緒に聴いたら楽しめそうな音楽。
アブラハムとイサク [ストラヴィンスキー 管弦楽曲]
ピアノと管楽器のための協奏曲 [ストラヴィンスキー 協奏曲]
第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
少し悲しげな堂々とした前奏で始まる。
ピアノが入って突然諧謔的になる。
ちょっとJazzっぽい展開部。
最後はリズムも少し変わった後、堂々と悲劇的に終わる。
第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
ピアノの静かなソロで始まる。和音による伴奏の上をしっとりとしたメロディが流れる。オケがオブリガートで入ってくる。じわっと盛り上がっていく。
中間部はカデンツァ的な技巧的パッセージが入った後、悲しげなメロディが流れる。
第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
堂々とした始まり。ピアノも細かいパッセージをひたすら引き続ける。行進曲風になっていく。少しゆったりとした後、最後は堂々と終わる。
色々と楽しい要素はある。
ピアノと管弦楽のための楽章 [ストラヴィンスキー 協奏曲]
変奏曲―オルダス・ハクスリー追悼 [ストラヴィンスキー 管弦楽曲]
妖精の口づけ [ストラヴィンスキー バレエ]
チャイコフスキーの作品にインスピレーションを得た作品らしい。
物語
スイスの山奥。
吹雪の山道を赤ん坊を抱いた母親が歩いていると、妖精の部下である氷の精があらわれて母親につきまとう。
さらに妖精の女王があらわれ赤ん坊を奪い去り接吻をし、その後また山道に置き去りにして去っていった。
18年後、村祭りの日。立派な若者に成長したかつての赤ん坊は結婚を約束した恋人と楽しそうに踊っていた。
その若者に妖精の女王が近づいてくる。若者は最初は戸惑ったがあまりにも美しい妖精の女王に魅了されてしまう。
そして結婚式の日、若者はついに妖精の女王の二度目の接吻を受けてしまい、永遠の国へ旅立っていった。
1. プロローグ
★★★★★★★☆☆☆
もやっとした少し暗い雰囲気で始まる。少し不安げな旋律が静かに流れる。
多分「氷の精」が登場する場面。少し力強い不吉な感じになる。
少し牧歌的なゆったりと歩いているような音楽となる。
段々としっとりと悲しげになっていく。
穏やかに眠るような音楽が挟まれた後、元気な不穏な空気となり終わる。
2. 村への祝宴
★★★★★★☆☆☆☆
高貴な舞踏会的な雰囲気で始まる。明るい中にヴァイオリンの悲しげな旋律が交じってくる。
少し乾いたガチャガチャしたストラヴィンスキーらしい音楽になっていく。
諧謔的な淡々とした音楽が続く。
中間部で優雅なワルツとなる。
段々と不吉な雰囲気となっていきゆったりとしてくる。
最後は荒涼とした雰囲気となり暗く静かに終わる。
3. ミルで
★★★★★★☆☆☆☆
弦のトレモロではじまる。
すごく穏やかなのに何故か不安げな旋律が混じっている。段々と幻想的な雰囲気へと変化していく。
妖精が登場し軽やかな音楽となる。
4. パ・ド・ドゥ
★★★★★★★☆☆☆
非常に優雅で美しい舞踏音楽。
5. アダージョ
★★★★★★★☆☆☆
ハープ?の音に導かれとても美しい旋律が流れる。しっとりとした優美な音楽。
6. ヴァリエーション
★★★★★★☆☆☆☆
跳ねた感じの楽しい雰囲気の曲。
7. コーダ
★★★★★★☆☆☆☆
ティンパニーの激しい音で始まるスピード感のある力強い音楽。
8. 情景
★★★★★★★☆☆☆
チェロの重い響きで始まる。不穏な空気が静かに流れる。段々と優美に壮大な感じになっていく。
最後は不穏な空気が流れ終わる。
9. エピローグ(時と場所を超える土地の子守歌)
★★★★★★★☆☆☆
暗く重い感じで始まる。段々と幻想的になり郷愁を誘うメロディが流れる。
後半かなりゆったりとしてきて、天国に導かれるように終わる。
生で観たらとても綺麗なんだろうなあと思う幻想的な美しい曲。さすがチャイコフスキーを下地にしているだけある・
ヴァイオリン協奏曲 [ストラヴィンスキー 協奏曲]
第一楽章 トッカータ
★★★★★★☆☆☆☆
乾いた前奏の後、行進曲風の第一主題となる。乾いているのにどこかお祭り的な楽しさがあるのが面白い。展開部は少しシリアス。
第二楽章 アリア1
★★★★★★☆☆☆☆
すこしシリアスな若干息の長い旋律の楽章。
第三楽章 アリア2
★★★★★★★☆☆☆
劇的な始まり。チャイコフスキーの弦楽セレナーデをイメージさせるメロディ。悲しげな旋律が美しい。後半段々とスピードが上がり、緊張感が高まる。最後ははじめの主題が戻りしっとり終わる。
第四楽章
★★★★★★★☆☆☆
晴れやかな祝祭的気分で始まり、キレの良いリズミカルなヴァイオリンソロとなる。中盤少しシリアスになる。オケとピッチカートで対話した後、穏やかなお祭り気分となり、最後は堂々と終わる。
現代的な協奏曲の中ではかなり名曲の部類だと思う。
エボニー協奏曲 [ストラヴィンスキー 協奏曲]
ダンバートン・オークス協奏曲 [ストラヴィンスキー 協奏曲]
弦楽のための協奏曲(バーゼル協奏曲) [ストラヴィンスキー 協奏曲]
バーゼル室内管弦楽団のために作曲されたからこういう題名らしい。
ヴィヴァーチェ
★★★★★☆☆☆☆☆
ジャンジャンジャ~ンという悲劇的な前奏で始まり、そのまま主題へなだれ込んでいく。
第二主題は少しゆったりとした明るい感じ。
荒涼とした展開部を経て悲劇的な主題が回帰され終わる。
アンダンティーノ
★★★★★★☆☆☆☆
優美な雰囲気で始まる。段々と幻想的なワルツへと変わっていく。
ロンド
★★★★★☆☆☆☆☆
第一楽章に似たスピード感のある厳しい主題。たまにゆったりとした雰囲気となる。
普通。
七重奏曲 [ストラヴィンスキー 室内楽曲]
野菊の墓 [文学 日本 Classic]
昔純愛小説を欲している時があり、ネットで調べたらこの作品が出てきて購入したきがする。
15歳の政夫こと主人公の僕と、従姉で政夫の母の体調が悪いので手伝いに来てくれていた17歳の民子の純愛物語。恋愛感情をあまり意識することなく小さい頃から仲良くしてきた二人が周りの人間が二人の中を危ぶみ引き離そうとしたことによって却って恋愛感情を芽生えさせてしまい、無理やり離されたことによって起こってしまった悲劇を描いた作品。
自然の描写、僕の感情描写、民子の人物のつくり方など、全てが素晴らしい。70ページに満たない作品であるが、内容はギュッと詰まっておりかなりお腹いっぱいの作品。
ほかに3篇掌編が収録されているが、どれももう一歩。
管楽のための八重奏曲 [ストラヴィンスキー 室内楽曲]
Sinfonia
★★★★★☆☆☆☆☆
穏やかな感じで始まり、段々と迷宮で迷っている感じになる。
途中から諧謔的になり、最後はフーガ風に終わる。
面白い楽章ではある。
主題と変奏
★★★★★☆☆☆☆☆
若干調子っぱずれの不穏な感じの主題。
第一変奏:力強くスピード感がある。
第二変奏:ゆったりとした感じで始まり、行進曲風になる。
第三変奏:運動会のような、トムとジェリーの追いかけっこのような曲。
第四変奏:諧謔的なミドルテンポの曲。
第五変奏:力強い感じ。
第六変奏:ゆったりとした幽玄な感じ。かなり長い。
第七変奏:最後はかなりスローテンポで静かに終わる。
全然変奏されている気がしない。
フィナーレ
★★★★★☆☆☆☆☆
アタッカでそのまま入る。諧謔的なスピード感のある曲。段々と堂々としてくる。
最後は穏やかに平和理に終わる。
まあ、色々な音色を楽しめなくはないが、いたって普通。
現代日本文学館 森鴎外 [文学 日本 Classic]
舞姫 雁 阿部一族 山椒大夫―外八篇 文春文庫 (文春文庫 も 11-1 現代日本文学館)
- 作者: 森 鴎外
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/05/01
- メディア: 文庫
高校・浪人時代世界史を勉強し、様々な文化史を学び、そこで出てきた文学作品に興味を持ち、大学時代は岩波文庫・新潮文庫を中心とした、世界の古典文学や哲学作品を読みあさった。何かのきっかけでそろそろ日本の近代文学も読んでみなくては、と思っていたところにこの文春文庫の「現代日本文学館」シリーズに出会った。有名な文豪の名作が結構な量でコンパクトに収録されているのに惹かれて購入した。
十数年ぶりに再読してみた。
1.舞姫
言わずと知れた名作と呼ばれているもの。公費でドイツに留学した主人公が、そこで知り合った女優と恋に落ち子供まで作るが、それが政府高官に知られるところとなり、帰国を余儀なくされる。その近代的自我と近代的国家観の狭間で揺れ動く主人公の心を丹念に描いた作品ということで教科書に取り上げられているっぽいが、とにかく主人公が最低人間にしか思えない。最後エリスと別れたことも人のせいにするし・・・。
2.妄想
西洋と東洋を比較したり、当時の思想状況などを語った日記的作品。『三太郎の日記』を彷彿とさせる。
p.52
「食物改良の議論もあった。コメを食うことを廃めて、たくさん牛肉を食わせたいと云うのであった。その時自分は「米も魚もひどく消化のいいものだから、日本人の食物は昔のままがよかろう、もっとも牧畜を盛んにして、牛肉も食べるようにするのは勝手だ」と云った。
この辺を読んでも、鴎外は進んでいる人の中でもさらに進んでいる、周りに流されないしっかりとした考えを持っている人だったのだなあ、と思う。圧倒的な読書量がそうさせたのだろう。
3.雁
これは傑作。金貸し業を営む男性のところに、妾としてとついだ美しく純真な心を持った女性と、前途有望な純真な心を持った学生の、交わりそうで交わらない物語。かなり長く初めは結構読み進めるのが大変だが後半は一気に読める。最後の二人が交わらずに別れとなってしまう場面が悲しい。
4.かのように
キリスト教というのか宗教と科学の対比を描いた作品。結局「かのように」がどういった事象を指すのか私にはわからないままだった。
5.阿部一族
当主を殺された阿部一族の仇討ち物語。昔読んだ時はかなり面白かった印象だが、今回はイマイチ。武士道のなんたるかのようなものは教えてくれる。
6.護持院原の仇討ち
これも仇討ち物語。父親を殺された一家が仇討ちをするために日本全国を探しまわる物語。
7.山椒大夫
もっと牧歌的な感じをイメージしていたが、人が売られかなり苦労して逃げた結果・・・、という話し。最後は「え、そんな結論!」という感じ。昔読んだ印象と全く違った。
8.魚玄機
中国の美しい女性の嫉妬の物語。
9.じいさんばあさん
これは非常に美しい。武士道を貫いた男とその人に最後まで真心を捧げた女性の物語。
10.高瀬舟
短いが非常に心に残る、安楽死をテーマにした時代をかなり先取りした作品。
11.寒山拾得
なんだかよくわからない坊さんたちの話し。
12.都甲太兵衛
この話もよくわからない。
ものすごい面白いという類の作品は少ない気がするが、当時はかなり先を行っていた作品群なのだろう。現在あまり読まれない、ファンがすくないのもわかる。