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ポリティコス [哲学 プラトン]


プラトン全集〈3〉ソピステス・ポリティコス(政治家)

プラトン全集〈3〉ソピステス・ポリティコス(政治家)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/03/25
  • メディア: 単行本



ようやく『ポリティコス』を読み終わった。
ソフィストを定義付けようとした『ソピステス』に引き続き、エレアからの客人が対話を主導する。今回の対話相手は若いソクラテス。あのソクラテスとは基本的に関係ないらしい。あのソクラテスも初めに登場する。

『ソピステス』同様、初めに「政治家」とは何か、を対話を通して細かく定義付けようとする。この前半部は詳細な分類をするのが面白くはあるが、ストーリーとしてはつまらない。

後半、いよいよ話は盛り上がって行き、政治上の支配形態の話になっていく。
1.単独 支配政体
2.少数者支配形態
3.多数者支配形態
の3つに分類され、これがさらに二つに分けられていく。

1-1 君主支配政体
1-2 僭主独裁政体
2-1 上流者支配政体
2-2 少数者専制政体
3-1 民主政体
3-2 民主政体(ポピュリズムみたいな?)

ある程度法に従い、人民に対して善政を敷く場合と、自分勝手に悪政を行う場合だ。
普通であれば、多数支配形態の善政を敷く「民主制」が一番素晴らしいという結論になるのであろうが、『国歌』同様、プラトンは、頭の良い真に物事を見分けることができる人が支配する、単独支配政体が一番素晴らしいという結論に達する。

さらに言えば、本当の政治家とは、法をある程度は守るが、法にかたくなにこだわるのではなく、時と場合に応じて、最善の選択をし、決断が出来る人だと言う。このへんはかなり賛同してしまう。多くのトップに立つ人間はこれができない。結局法律やルールにこだわり、冒険しようとしない。失敗を恐るからであろう。そう思うと、ディズニーランドを運営するオリエンタルランドは、現場の人々の場合に応じた臨機応変の対応を認めて尊重しているという点で素晴らしい組織なのだろう。

p.314
「種々の政体についても、それらのうちでかくべつに正当であるとともにその名に値すべき唯一の政体とは、その政体のもとにある国家に支配者たちがたんに評判のうえにおいてではなくて真実の意味で知識をそなえている者であること、このことがしかるべき人の眼前に明示されるにいたりうるような政体のことだ。」

p.316
「法律の能力には、限界があるからだ。つまり、すべての人間にとって最善の理想になるとともにもっとも適切でもあるようなこと、これを厳密に網羅したうえで、最善の方策をひとときに全員に命令として与えるということ、このようなことは法律がぜったいに実行しえないところなのだ。
~中略~
 いかなる問題にのぞんでも、単純不変の公式のたぐいをありとあらゆる時においてあらゆる事例に適用されうるものとして確定的に示すことは、総じていかなる技術にも許されていないのだ。

p.317
「だから考えてみれば、法律はどこかの強情で愚鈍な人間にそっくりなのだ。つまり、自分が布告した命令に反することは、なにひとつだれにもおこなうことを許そうとしない人間にそっくりなのだ。」

pp.325~326
「ほんとうはむしろ、統治者が、国民を説得しても説得しなくても、富裕であっても貧乏であっても、成文法に従っていても成文法を無視していても、ともかく有益なことをなしとげさえすれば、まさにこのことがあるいはこの種のことに近いことが、国家の正当な管理というもののなによりも真正な標準をなすべきなのでって、知恵を持った有能な人物がその配下の被支配者にかかわる諸問題を処理するにあたって準拠とされるものは、ひとえにこの標準にほかならないのだ。」

これは「哲人政治」を言っているのであろう。さらに対話を重視したソクラテスープラトンならではの、主張だと思う。

p.339
「およそ多数者というものはけっして技術というものを、その種のいかんにかかわらず、習得することができないのだ。」
これも人間を金銀銅に分けたプラトンらしい主張だ。

p.348
「この民主政体というものは、いまここで問題にされているすべての政体が法律遵法的であるばあいには、それら全部のうちでもっとも劣悪な政体なのだ。ところが、これら全部の政体が法律軽視的であるばあいには、そのうちでは民主政体がもっとも優秀であるのだ。」

つまり、多数者は真なる知恵を獲得できない。だから、法律が守られている場合は、多数者が支配する民主政体が最悪となる。だが、法律が守られていない、つまり道徳的に見てひどい支配者が統治する場合は、なるべく多くの人が支配者になる民主政体が一番良くなる。つまり現在の世の中は、人々が法律をあまり守らないことを前提に最善の政体を選んでいるということになる。

後半、『国歌』を彷彿とさせる議論が展開されかなり面白くなるが、全体的にはやや冗長な印象。
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Winter Words Op.52 [ブリテン 声楽曲]

1. At Day-Close in November
★★★☆☆☆☆☆☆☆
暗い前奏で始まる。激しいテノールの歌が始まる。

2. Midnight on the Great Western
★★★☆☆☆☆☆☆☆
幻想的で魔術的な雰囲気。ピアノが跳ねた感じで魔女的な雰囲気を作り出している。

3. Wagtail and Baby
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ピアノの速いパッセージと、語りのような歌が順々に現れる。不思議な雰囲気の曲。

4. The little old table
★★★☆☆☆☆☆☆☆
静かな水の流れを表したかのようなピアノ伴奏に乗って、平坦な語りのような歌が流れる。

5. The choirmaster's burial
★★★☆☆☆☆☆☆☆
アカペラで始まる。どこか懐かしいメロディで、ピアノが控えめに伴奏に入ってくる。基本穏やかな曲。

6. Proud songsters
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
激しい曲。

7. At the railway station,Upway
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
間が多い不思議な雰囲気の前奏の後、半音階的な不安定な歌が流れる。途中激しくなるが最後は静かに終わる。

8. Before life and after
★★★☆☆☆☆☆☆☆
静かな悲しげな旋律の曲。意識が生まれたことにより、人生に苦しむことになってしまったことを嘆く歌。

私の好きなThomas Hardyの詩に曲をつけたものらしいが基本つまらない。
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A Charm of Lullabies Op.41 [ブリテン 声楽曲]

1. A cradle song
★★★★☆☆☆☆☆☆
ブレイクの詩。
穏やかな曲調ではあるが、少し不気味なメロディ。

2. The Highland Balou
★★★★★☆☆☆☆☆
バーンズの詩。
子守歌らしい美しくたゆたうような曲調。

3. Sephestia's Lullaby
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ロバート・グリーンの詩。知らない人。
幻想的で魔女的な雰囲気。

4. A charm
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ランドルフの詩。知らない人。
おどろおどろしい曲。寝ないと連れて行かれちゃうよ、系の詩らしい。

5. The Nurse's Song
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ジョン・フィリップの詩。知らない人。
アカペラで始まる。おどろおどろしい幻想的な曲。長い。

全体的につまらない。
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小鳥とばら [文学 日本 安房直子 か行]


夢の果て: 安房直子十七の物語

夢の果て: 安房直子十七の物語

  • 出版社/メーカー: 瑞雲舎
  • 発売日: 2005/12/10
  • メディア: 単行本



花のにおう町 (安房直子セレクション3)

花のにおう町 (安房直子セレクション3)

  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 1983/08/15
  • メディア: 単行本



ある春のまひる、同い年の二人の女の子がバトミントンをしていた。ひとりは背の高い大柄な子。もうひとりはやせた小さな子。大きな子が打つと、力強く跳ね返るが、小さな子が打つと、ふわりと花びらのように飛んでいく。大きな子は小さな子がしっかり打ち返さないことに対し起こりどなっていた。そのうちにバトミントンの羽が生垣の中に飛び込んでしまう。大きな子に文句を言われ、小さな子は生垣の中へ取りに行くことに。

中へ入っても簡単に羽は見つからずどんどん奥へ入っていく。ようやく見つけた羽は、なぜか一羽の小鳥となってさらに奥へと飛んでいく。小鳥を追ってどんどん中へ入っていくと、銃声がなり小鳥は撃ち落とされてしまう。そこへ少年が銃をもって現れる。彼は撃ち落とした鳥をもって、「いっしょね食べるかい?」と彼女を誘う。ばらの花びらと小鳥をパイにして一緒に焼くというのだ。彼の家まで歩いていく間、二人は話をする。その中で彼女は彼に次のようなことを言う。

「あたしねえ」
「体が小さくて、運動がへたで、気が弱くて、ほんとに、どうしようもない女の子なのよ」

これに対して少年は答える。

「いいさ、いいさ、そんな事。パイを食べれば、けろりとなおるさ」

この言葉に彼女は次のように思う。

”ああ、そうかもしれないと、少女は思います。ほんとに、そうかもしれない。ふしぎなパイを食べたら、あたし、きっとすてきな女の子になれるわ”

そして彼の家で小鳥とばらのパイをご馳走になる。食べ終わると眠くなってそのまま眠りそうになる。が、それを少年が起こす。

「眠っちゃいけない!」
「これは、母さんの魔法だよ。小鳥とばらのパイを食べて、そのまま眠ってしまった女の子は、ばらの花になってしまうんだ」

少女は急いで逃げ、生垣の外へ出る。そこで大きな女の子が待っていて羽はあったか聞くが彼女は次のように答える。

「あったわ。でも、私が食べてしまったわ」

その後彼女は友達をおいて走りさる。

最後の一文が美しすぎる。

”走りながら、小さい少女は、自分が、バラの花のようにきれいになって、小鳥のようにかるくなった事を、はっきりと感じていました。”

劣等感を持った子が、ある言葉がけ、なんてことはないあることをきっかけに劣等感を乗り越えられることを教えてくれる作品。安房直子さんも運動が苦手だったらしいが、そんな彼女のいろいろな体験からこの暖かい話は生まれているのではないだろうか。
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The Holy Sonnets of John Donne Op.35 [ブリテン 声楽曲]

1. Oh my blacke Soule
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ピアノの、鐘の音を模したような激しい和音の連続で始まる。歌も激しい語りのような感じ。

2. Batter my heart
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
激しく叩きつけられるピアノの音ともに、激しい歌が歌われる短い曲。

3. Oh might those sighes and teares return againe
★★★☆☆☆☆☆☆☆
時計の音のような高音がなり、幻想的な歌が始まる。途中から激しくなる。最後は静かに幻想的に戻り終わる。

4. Oh,to vex me
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
諧謔的な感じで、ピアノも動き回る曲。

5. What if this present
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
全曲に引き続き諧謔的、ピアノも暴れまわるが、少し暗い。

6. Since she whom I lov'd
★★★★☆☆☆☆☆☆
この曲集の詩を書いたジョン・ダンが亡くなった妻を思って書いた詩らしい。
さすがにブリテンも穏やかで美しいメロディをつけている。段々と感情が高まっていく感じをピアノの伴奏も盛り上げており美しい。とはいえ普通。

7. At the round earth's imagin'd corners
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
キラキラした前奏に引き続き激しい歌が入ってくる。メロディは平坦でつまらない。

8. Thou hast made me
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ピアノも歌も激しいがとにかくつまらない。

9. Death be not proud
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ゆったりと歩くようなピアノ伴奏の上を暗く重いメロディが歌われる。暗くつまらない。

とにかくつまらない曲集。
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Seven Sonnets of Michelangelo Op.22 [ブリテン 声楽曲]

1. ソネット16番
★★★★★☆☆☆☆☆
リストっぽい激しく美しい短いピアノ伴奏の後、劇的な歌がテノールによって歌われる。

2. ソネット31番
★★★★☆☆☆☆☆☆
軽快なピアノ伴奏に乗って、苦しい内面が語られる。

3. ソネット30番
★★★★★☆☆☆☆☆
静かな淡々としたピアノ前奏の後、息の長いやや平坦なメロディが歌われる。ピアノもしっとりした感じで悪くない。段々と熱くなって行くが、最後は穏やかに戻り静かに終わる。熱烈なラブソング。

4. ソネット55番
★★★★★☆☆☆☆☆
軽快でやや諧謔的な感じの曲。ズッチャーチャという同じリズムで伴奏がなされる。

5. ソネット第38番
★★★★☆☆☆☆☆☆
少し緊張感のあるピアノ伴奏の上を、深刻そうな歌が流れる。

6. ソネット第32番
★★★★☆☆☆☆☆☆
キラキラした美しいピアノ前走の後、激しい歌となる。ピアノ伴奏は格好良いのに、歌のメロディがイマイチ。

7. ソネット第24番
★★★★★☆☆☆☆☆
重々しく劇的なピアノの前奏で始まる。その後息の長いドラマティックな歌が始まる。アカペラでしばらく歌った後、重いピアノ間奏が入る。感情が徐々に高まっていくが、最後は静かに消え入るように終わる。

現代的ではあるが、ポップスにも通じる歌の感じが面白くはある。

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Four Cabaret Songs [ブリテン 声楽曲]

1. Calypso
★★★★★☆☆☆☆☆
軽快なJazzっぽいピアノ伴奏の後、こちらも軽快な歌が流れる。

2. Tell Me The Truth about Love
★★★★★☆☆☆☆☆
静かな伴奏で始まり、ズーズチャッチャという軽快なリズムのピアノ伴奏の上を伸びやかな歌が流れる。段々と感情が高まっていくが、最後は静かに終わる。

3. Johnny
★★★★★☆☆☆☆☆
メロディアスな語りかけるような、若干民謡風のメロディのゆったりとした始まり。途中から少し激しくスピードも上がる。後半は思いがけない美しいメロディが流れ、最後は暗く重くなっていき静かに終わる。

4. Funeral Blues
★★★★★☆☆☆☆☆
暗く重い始まりだが、ピアノ伴奏は結構高い音を出している。題名通りひたすら暗い曲。

結構面白い、映画なんかで使われたら良い味出しそうな曲集。
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On This Island Op.11 [ブリテン 声楽曲]

1. Let the florid music praise!
★★★★★★☆☆☆☆
華やかな短い前奏の後、ソプラノが華やかで息の長い美しい旋律を歌う。ピアノ伴奏も綺麗。
後半は悲しげな雰囲気になって終わる。

2. Now the leaves are falling fast
★★★★☆☆☆☆☆☆
静かなピアノの前奏で始まる。歌が始まると行進曲風の伴奏になり、やや平坦なメロディをソプラノが歌う。後半は暗くなる。

3. Seascape
★★★★★☆☆☆☆☆
浮遊感のある不思議な雰囲気。ピアノが華やかに盛り上げる。最後は明るく終わる。

4. Nocturne
★★★★★★☆☆☆☆
暗く重い始まり。メロディは綺麗。しっとりとした美しい曲。

5. As it is,plenty
★★★★★☆☆☆☆☆
少し諧謔的な楽しいはねた感じの曲。

全体的Varietyに富んだ楽しく美しい曲集。
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Tit For Tat [ブリテン 声楽曲]

1. A song of enchantment
★★★★★☆☆☆☆☆
ピアノ伴奏による穏やかな歌で始まる。民謡風の優しいメロディがとても美しい。

2. Autumn
★★★★★☆☆☆☆☆
流れるような美しいピアノ伴奏に乗って、伸びやかな歌が歌われる。

3. Silver
★★★★★☆☆☆☆☆
ゆったりとした歌。穏やかで美しい。

4. Vigil
★★★★★☆☆☆☆☆
「寝ずの番」の意味。少し哀愁漂うピアノ伴奏に乗って、悲しげなメロディが歌われる。

5. Tit For Tat
★★★★★☆☆☆☆☆
少し跳ねた感じの諧謔的な雰囲気。若干悲しげな雰囲気もある。

ブリテンにしては、結構聴きやすい綺麗なメロディを持った曲集。
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The Heart of the Matter [ブリテン 声楽曲]

1. Prologue: Where are the seeds of the Universal Fire
★★★★☆☆☆☆☆☆
平和な感じの管楽器によるファンファーレで始まり、ピアノの音がなったあと、少し平坦な語りのようなテノールの歌が始まる。

2. Reading: The earth of my heart was broken and gaped low - Fanfare
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
普通の語りがあり、間にファンファーレが入る。

3. Song: We are the Darkness in the Heart of the Day
★★★★★☆☆☆☆☆
ピアノ伴奏による美しいメロディの穏やかな曲。

4. Reading: In such a heat of the earth
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ただの語り。

5. Canticle III, "Still Falls the Rain - the Raids, 1940, Night and Dawn"
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ピアノとオケによる暗く重い前奏で始まる。
悲しげなメロディをアカペラでテノールが歌い、たまにピアノが合いの手をいれる。
途中から少し跳ねた感じの諧謔的な雰囲気となる。
10分を超える長い曲で、基本単調なのでかなり飽きる。

6. Reading: I see Christ's wounds weep in the Rose on the wall
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ただの語り。

7. Epilogue: So, out of the dark
★★★★☆☆☆☆☆☆
はじめの平和なファンファーレが鳴り響く。ピアノ伴奏でテノールが悲しげな歌を歌う。
段々と静かになっていき、最後は消え入るようになっていき、遠くでファンファーレが鳴り終わる。
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屋根の上のバイオリン弾き [ミュージカル]


屋根の上のバイオリン弾き [DVD]

屋根の上のバイオリン弾き [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
  • 発売日: 2005/02/04
  • メディア: DVD



Story: ★★★★★★★★★☆
Music:★★★★★★★☆☆☆

かなり前に一度見て、そこまで面白くないなあ、と思いながらも名作と言われ何度も再演されている作品だけにもう一度じっくり見ようとずっと考えていた作品。

ハリウッド発ということもあり、無駄に長い踊り場面がやはり少し飽きるが、物語は素晴らしい。
5人の娘を持つ、ユダヤの伝統の中に生きる牛乳屋テヴィエが、娘達が次々に恋愛結婚をしていく中で、新しい考え方を徐々に受け入れていく、という物語になっている。

貧富の差、主義の差、宗教の差、民族差別、新旧の壁、様々な重いテーマが織り込まれているが、主人公の明るく前向きな性格がそれを、深刻なものにさせていない。明るいながらも少し憂いを帯びた音楽は、初めはつまらないと思うが、聴いているうちに段々と心に染み渡っていく。

無駄に長いダンス場面を少しずつ短くし、2時間強のミュージカルにしたらもう少し観やすくなるのになあ、と思った。

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A Birthday, Hansel Op.92 [ブリテン 声楽曲]

テノールとハープのための曲

A Birthday Hansel.

1. "Birthday Song"
★★★★☆☆☆☆☆☆
シェイクスピア時代をイメージさせるような曲調で、メロディはかなり平坦。

2. "My Early Walk"
★★★★☆☆☆☆☆☆
幻想的で浮遊感のあるメロディ。少し悩んでいるような感じがある。

3. "Wee Willie Gray"
★★★★☆☆☆☆☆☆
暗く重い感じで始まる。歌は少し跳ねた感じ。ハープが高音で妖精が踊っているような感じを出す。

4. "My Hoggie"
★★★★☆☆☆☆☆☆
こちらも暗く重く始まる。歌も重く悲しげ。

5. "Afton Water"
★★★★★☆☆☆☆☆
流麗な前奏で始まり、流麗なメロディが流れる。水が流れるのをイメージしているのか?

6. "The Winter"
★★★★★☆☆☆☆☆
美しく伸びやかなメロディ。若干物悲しさが交じる。

7. "Leezie Lindsay"
★★★★☆☆☆☆☆☆
暗く始まり、段々と語りのようになっていく。最後は幻想的に終わる。

全体的に悪くはない。


Purcell Sweeter Than Roses
★★★★☆☆☆☆☆☆
パーセルの曲の編曲? バッハ以前の作曲家だけあり、中世感満載のメロディと雰囲気。後半少し明るく元気になる。
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声の森 [文学 日本 安房直子 か行]


夢の果て: 安房直子十七の物語

夢の果て: 安房直子十七の物語

  • 出版社/メーカー: 瑞雲舎
  • 発売日: 2005/12/10
  • メディア: 単行本



日暮れの海の物語

日暮れの海の物語

  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2023/04/28
  • メディア: 単行本



声の森という、不思議な森があった。生き物は何一つなく、古いかしわの木々がうっそうと生い茂っている。この森に迷い込んだ動物が、声をあげると、森たちがその声真似をしてひたすら歌い続けるので、恐怖に陥ってしまった動物は力尽きて倒れてしまう。人間にも迷い込んでしまう人がおり、森の養分になってしまうものもいた。

みんなからつぼみちゃんと呼ばれている女の子がおり、にわとりの番をしていると、にわとりが空は飛び、声の森に入り込んでしまう。森の中へ入り、にわとりが倒れているのをようやく見つける。にわとりに静かに子守歌を歌ってあげていると森たちもその声を聞きつけて歌いだす。しかし普通と違いすばらしい歌だったので、綺麗なすばらしい輪唱となる。かしわの木々は自分たちの声を聴いてすっかりいい気分になり、眠ってしまう。

結局つぼみちゃんとにわとりは森を出られる。

少し怖いが美しくあたたかい話。
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精霊の守り人 [文学 日本 Modern]


精霊の守り人 (新潮文庫)

精霊の守り人 (新潮文庫)

  • 作者: 菜穂子, 上橋
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/03/28
  • メディア: 文庫



今年の夏、日生劇場で音楽劇化されるらしい。昨年の日生劇場に行った時このことを知り、ずっと気になっていた『精霊の守り人』シリーズを、2023年の7月までには読まなきゃなあ、と思っていた。先週図書館にいったところ、ずっと借りられて置かれていなかった『精霊の守り人』シリーズ第一巻『精霊の守り人』の新潮文庫版で令和四年に刷られた新しいものが置いてあったので、いいタイミングだと思い借りてみた。

トールキン の『指輪物語』
ル=グウィンの『ゲド戦記』
エンデ   の『はてしない物語』
といったファンタジーの名作と呼ばれている、冒険ものというのか、異世界で何かを求めて旅に出るけいの作品が私は苦手だ。どうしても物語の世界に入り込めない。めったに、本を読むのを途中でやめてしまうということが私はないのだが、エンデの『はてしない物語』に関しては途中でやめてしまった。映像化されたテレビドラマシリーズですら最後まで見ることができなかった。トールキンの『指輪物語』に関しても、本は原書でなんとか読みきったし、映画三部作もなんとか観たが、やはりあまり面白いとは感じなかった。『ゲド戦記』も4冊入った洋書を購入し読んだのだが、こうした本を買うと基本全作品読むのだが、三巻でやめてしまった。

今回『精霊の守り人』を読んで思ったのだが、やはりこの手のファンタジーは苦手だ。民間信仰、この世と別の世界を行き来できる人がいること、他にも様々な要素が入っており、心に響く部分もなくはないが、やはり戦い場面などは面白いと思えないし、なんとなく入り込めない感じだった。

続きの作品を読もうか迷い中・・・。
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カンティクル [ブリテン 声楽曲]

ピアノ&管弦楽伴奏による、声楽曲。「カンティクル」とは神を讃える曲のことらしい。

1. My Beloved is Mine Op.40
★★★★★☆☆☆☆☆
幻想的で優しいピアノ伴奏に乗って、たゆたうような優しい旋律が歌われる。
中盤部は激しくなる。少し感情が高ぶり、怒りの感情が見える。その後少し跳ねた感じのおどけた雰囲気となる。
後半、再び優しい雰囲気となり、最後は少し悲しげで物憂げな感じになり、静かに終わる。

2. Abraham and Isaac, Op.51
★★★★☆☆☆☆☆☆
アブラハムとサラの間には、長いあいだ子どもができなかったが、神のおかけで子どもが出来、その子をイサクと名付ける。しかし神にその子イサクを生贄として捧げるよう命じられ・・・、という聖書の逸話を語っているのか?

男性と女性の2重唱?。静かで優しい、間の多いゆったりとした出だし。
段々と悲劇的な雰囲気となっていき、男性と女性が悲しげに語り合うような感じになる。
男性=アブラハム、女性=サラなのか?
緊張感に富んだ、速い感じになる。ここで、「My father」という単語もなんとなく聞こえるから、
男性=アブラハム、女性=イサクなのか?
中盤ゆっくりとした牧歌的な感じになる。
その後、女性が主にメロディを歌うようになる。かなりゆったりとした穏やかな安らぎに満ちたメロディが流れる。
再び激しくなり、男性と女性が激しい対話を繰り返す。まさに生贄にしようとしてる場面か?
静かになり、天から何かが降ってきたかのような敬虔な雰囲気となる。
後半、少し激しく鳴り、男性が激しく語る。助けられたことを神に激しく感謝しているのか?
最後は、男性と女性が穏やかで伸びやかなやりとりをして平和に終わる。

15分を超える曲で、まさに「バラード」といった感じの、劇的な曲。

3. Still falls the rain Op.55
★★★★☆☆☆☆☆☆
重々しい前奏の後、荒涼感のある静かな歌がアカペラでテノールにより歌われ、ピアノが静かな伴奏を追うようにつける。
中盤から徐々に熱をおび始めるが、そのまま静かになり、終わる。

4. Journey of the Magi Op.86
★★★★☆☆☆☆☆☆
T.S.エリオットの詩らしい。
暗く重い始まり。ピアノと歌が荒涼とした雰囲気で演奏し始める。
少し動きが出始め、三人?の歌手が、追いかけっこ的であったり、重唱的であったりしながら静かに歌う。とにかくメロディは平坦で暗い。

5. The Death of Saint Narcissus Op.89
★★★★☆☆☆☆☆☆
これもエリオットの詩らしい。
ハープ?の幻想的な前奏で始まるが、歌は平坦で暗い。
途中若干コミカルになったり、盛り上がったりするが、基本暗く静かに終わる。

全体的に平坦で暗い曲が多い。

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カンタータ「フェードラ」 Op.93 (91?) [ブリテン 声楽曲]

オーケストラ伴奏によるソプラノ・ソロ曲

1. In May, in brilliant Athens
★★★☆☆☆☆☆☆☆
「素晴らしい天気に包まれたアテネ」ということだが、曲は不吉な感じで、激しいティンパニーの音も何度も響き渡り、恐ろしい雰囲気。

2. Oh Gods of wrath
★★★☆☆☆☆☆☆☆
「おお、怒りの神々よ」という題名だが、初めは、祈るような、語りかけるような曲。ハープシコードの音も鳴り、少し幻想的な感じ。

3. My time's too short, your highness
★★★☆☆☆☆☆☆☆
「私の時間は、あまりにも短いのです、神よ」という題名通り、苦悩に満ちた前奏で始まる。段々と盛り上がる。最後はヴァイオリンが泣き出しそうなソロを奏でた後、オケが若干音を出して静かに終わる。

はっきり言ってつまらない。
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ノクターン Op.60 [ブリテン 声楽曲]

弦楽器が基本、伴奏のソロ歌曲集なのだが、ソロ楽器がそれぞれの曲に加わる。

1. ひとりの詩人の唇の上で私は眠っていた
★★★★★☆☆☆☆☆
最後ファゴットが伴奏に加わる。弦楽器の不協和音の上を、穏やかで美しいメロディが歌われる、不思議な雰囲気の曲。

2. 深き天の雷鳴のもと
★★★★☆☆☆☆☆☆
そのままファゴットがソロで伴奏に加わる。ちょっとおどけた感じの曲。

3. 木の葉の帯を絡ませたもの
★★★★★☆☆☆☆☆
ハープの幻想的な前奏から始まり、穏やかで伸びやかな歌が絡む。

4. 真夜中のベルは鳴る
★★★★☆☆☆☆☆☆
ホルンの牧歌的な音で始まる。語りのような歌がはいる。後半はよくわからない楽器の音が鳴り、動物たちの鳴き声をもした歌が流れる。

5. しかしあの夜には 私はベッドに横たわり
★★★★★☆☆☆☆☆
ティンパニが独奏伴奏楽器として加わる。力強く格好良い曲。

6. 彼女は穏やかな最後の吐息をつき眠る
★★★★★☆☆☆☆☆
イングリッシュ・ホルンが独奏伴奏楽器として加わる。幻想的で美しい曲。

7. 夏の風よりも優しいものは何だろう
★★★★★☆☆☆☆☆
軽やかなフルートの前奏で始まり、歌とクラリネットの掛け合いが入ってくる。再びフルートが入り、歌との掛け合いとなる。クラリネットも加わり混沌としてくる。

8. しっかりと閉じたとき、私の両目は一番良く見える
★★★★★☆☆☆☆☆
シェイクスピアのソネット43番を詩として用いている。
ゆったりとした悲しげな旋律で始まる。結構分厚い感じの弦の伴奏。中盤から力強く壮大になるが、最後は静かに消え入るように終わる。

悪くはない曲集。

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グラタンおばあさんとまほうのアヒル [文学 日本 安房直子 か行]


グラタンおばあさんとまほうのアヒル (どうわのひろばセレクション)

グラタンおばあさんとまほうのアヒル (どうわのひろばセレクション)

  • 出版社/メーカー: 小峰書店
  • 発売日: 2009/03/01
  • メディア: 単行本



前のブログによると、数年前、次男と一緒に読もうとしたが、次男は興味を示さなかったっぽいが、今回はかなり楽しんで読んでおり、アヒルが歌うセリフを覚えて何度も歌っていた。

グラタンが大好きで毎日のようにグラタンを作っているおばあさん。彼女が毎日使うグラタン皿には一羽のアヒルが、描かれていた。ある日おばあさんが病気になり、買い物に行けず食材が買いに行けないおばあさんのために、アヒルはほうれん草を出してあげる。その後も色々な食材を出してあげていたら、それにすっかり慣れてしまったあばあさんは全然自分で買い物に行かなくなる。そのことに頭にきたアヒルは家出をする。

その後、アヒルは、若い奥さんや子供、風船売りのおじさんに出会ったアヒルは、最終的に・・・。

人間誰もが持っている良い面、悪い面、普通に生きる人々の心の中にある密かな悲しみ・苦しみ、こういったものをほんわかとした物語の中に織り込んでいる彼女の作品は素晴らしいと思う。

前回も感じたが、いせひでこさんの絵がとても良かった。
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イリュミナシオン Op.18 [ブリテン 声楽曲]

フランスの詩人ランボーの詩による、弦楽とテノール・ソロによる歌集

1. ファンファーレ
★★★★★★☆☆☆☆
少し不安げな伴奏に乗って、軽快で開放感に満ちたファンファーレが奏でられる。途中から力強いテナーの歌が入ってくる。後半は、ヴァイオリンの美しいソロ。

2. 大都会
★★★★★☆☆☆☆☆
軽快な感じで始まる。リズムもメロディも平坦だが、なんとなくウキウキした感じが出ている。段々と暗く沈んだ感じになっていく。

3a. フレーズ
★★★★★☆☆☆☆☆
ヴァイオリンの高音で始まり、しずかな囁くようなテナーの歌が入ってくる。1分足らずの短い曲。

3b. アンティーク
★★★★★★☆☆☆☆
前曲の雰囲気を引き継ぎながら始まる。歌と伴奏が違うメロディを奏でるのだが、どちらも美しい。最後は二つのメロディが重なり合うような感じになる。

4. 王権
★★★★★☆☆☆☆☆
堂々とした雰囲気で始まる。

5. マリーン
★★★★★☆☆☆☆☆
言葉遊びのような曲。伴奏も面白い。

6. 間奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
メランコリックな美しい前奏で始まる。同じメロディが何度も繰り返されたのち、静かな歌が入ってくる。

7. ビーング・ビューティアス
★★★★★☆☆☆☆☆
静かな子守唄のようなメロディと雰囲気で始まる。段々と不穏な空気が流れ出す。中盤のヴァイオリンとのやりとりは綺麗。

8. パラード
★★★★☆☆☆☆☆☆
ちょっとおどろおどろしく、こわい雰囲気の曲。緊迫感がある。最後は少し明るく終わる。

9. 出発
★★★★★☆☆☆☆☆
チェロのピッチカートで始まり、ゆったりとした穏やかなメロディが歌われる。

ヴァラエティに富んでいて、楽しい曲集ではある。
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テノール・ホルンと弦楽のためのセレナード Op.31 [ブリテン 声楽曲]

1. プロローグ
★★★★★☆☆☆☆☆
ホルンによる牧歌的なゆったりとした前奏曲。

2. 牧歌
★★★★★☆☆☆☆☆
前奏曲のイメージを引き継いだ、ゆったりとした途中少し哀愁漂う感じになる牧歌。途中から、弦がピッチカートで少し跳ねたような感じになるところが愛らしい感じ。

3. 夜想曲
★★★☆☆☆☆☆☆☆
題名からは想像できないような感じの、朝の音楽といった感じの明るい曲調で始まる。その後も天使が降りてきたような幻想的な雰囲気が続く。歌が段々と力強くなっていく。夜明け前といった感じか。

4. エレジー
★★★★☆☆☆☆☆☆
弦のゆったりとした悲しげなメロディで始まる。後半少しおどろおどろしい感じになる。基本暗い感じの曲。

5. 挽歌
★★★☆☆☆☆☆☆☆
半音階を多用した、暗く悲しげで、ドラマティックな音楽。

6. 讃歌
★★★★★☆☆☆☆☆
明るく跳ねた感じの軽快な音楽。

7. ソネット
★★★★★☆☆☆☆☆
静かな美しい夢見るような幻想的な曲。

8. エピローグ
★★★★★☆☆☆☆☆
プロローグと似たような(同じ?)メロディがゆったりと奏でられて終わる。

悪くはない歌曲集。

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ようこそ!たんぽぽ書店へ④ [文学 日本 児童書]


ようこそ!たんぽぽ書店へ(4): 三人の新しいページ (ポプラキミノベル い 02-04)

ようこそ!たんぽぽ書店へ(4): 三人の新しいページ (ポプラキミノベル い 02-04)

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2023/04/05
  • メディア: 新書



最終巻。今回は、泊まり行事あり、文化祭ありと、恋が発展していくしかけがたくさんあった。由樹君と梨久の間に入ってくる、恋のライバル的な女の子も登場するが、そんな女の子ですら、梨久は普通に受け入れてしまう。まだ「恋」とは何か、を自分の中で気付けていない若い子のモヤモヤっとした気持ちがよく描けていると思う。

三角関係を決着をつけることなく、しかし明るい希望をもって終わらせているのもとてもうまいな、と思った。皆が相手の気持ちを考えて行動しており、読んでいてとても清々しい気持ちになれた。
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 [文学 ドイツ]


城 (新潮文庫)

城 (新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1971/05/04
  • メディア: 文庫



新聞で何らかの形で紹介されていて興味を抱き、購入した本。

測量士Kが、ある村に新たに雇われることとなり、遠路からやってくる。しかし、村にやってくると、測量士など雇ったことがないという冷たい対応。その村を運営する城、そこで働く官僚、そうした官僚たちとどちらが立場が上なのかはわからない村長、村人たち、ほとんどすべての人から冷たい対応を受け、結局最後まで、自分を雇ったとされる官僚クラムとは会えずに終わるK。

一つ一つの会話が長く、段落分けも少なく、会話もつながりがあまりないものが多いので、非常に読みづらい本。

形式張って硬直した官僚組織、誰もが常に責任転嫁する構造、代替可能な個人、偉い人による横暴、村特有の村八分、差別など様々な要素を盛り込んだ作品で、興味深くはあるが、物語を楽しんで読み進めるといった類の本ではない。
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Ballad of Heroes Op.14 [ブリテン 合唱曲]

1. Funeral March
★★★★★★☆☆☆☆
華やかなファンファーレ風に始まるが、すぐに悲劇性を帯び始め、段々と葬送行進曲になっていく。悲しげな旋律を合唱が歌う。段々と激しくなっていく。

2. Scherzo
★★★★★☆☆☆☆☆
戦に向かうかのような、戦闘的な激しい曲。

3. Recitative and Choral
★★★★★☆☆☆☆☆
テノールの力強い語りで始まる。悲劇的な伴奏も続く。途中段々と明るさを帯びる部分もあるが、基本暗く悲しげ。

作品番号が若いせいもあるのか、メロディもわかりやすく聴きやすい。

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Our Hunting Fathers Op.8 [ブリテン 声楽曲]

ソプラノと管弦楽のための曲

1. Prologue
★★★☆☆☆☆☆☆☆
緊張感のある始まり。

2. Rats Away!
★★★☆☆☆☆☆☆☆
攻撃的な、争いをイメージさせる曲。後半は少し引いた感じで静かになるが、不穏な空気は常に漂っている。最後は少しだけ滑稽な感じで終わる。

3. Messsalina
★★★☆☆☆☆☆☆☆
少し優美な、弦楽器のピッチカートの音で始まるが、歌が始まると不穏で悲しげな空気となる。最後はソプラノが絞り出すような声を出し、その後静かな後奏が不気味に流れ終わる。

4. Dance Of Death
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
アカペラの、早口言葉のような語り口調のメロディで始まり、管弦楽が入ってくる。その後も相変わらず諧謔的な感じで曲は続く。段々と曲調が激しくなっていく。中間部から突然牧歌的な雰囲気となるが、再び悲劇性を増して行き激しく混沌としてくる。最後は静かなアカペラソロとなり、滑稽な感じで終わる。

5. Epilogue & Funeral March
★★★☆☆☆☆☆☆☆
木琴?の音で始まり、不吉な暗い歌が流れる。段々と滑稽な感じになっていき、木琴と歌の掛け合いとなり、木琴の音で終わる。

あまり面白くない曲。
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Orch Colin Matthews : Now Sleeps the Crimson Petal [ブリテン 声楽曲]

テノールと管弦楽のための曲

★★★★★★★☆☆☆
優しい管弦楽の前奏で始まり、やさしく語りかけるような穏やかで美しいメロディをテノールが歌い、同じメロディを管弦楽が追いかける。
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熊の火 [文学 日本 安房直子 か行]


銀のくじゃく (偕成社文庫)

銀のくじゃく (偕成社文庫)

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2017/01/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




恋人たちの冒険 (安房直子コレクション)

恋人たちの冒険 (安房直子コレクション)

  • 作者: 直子, 安房
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2004/03/01
  • メディア: 単行本



山で遭難した男が、熊と結婚し子供までもうけるのだが、ふとしたことで人間の世界に戻ってしまう話。熊として、理想郷のような世界で生きるのか、少し辛いことがあっても人間として生きるのか、読む人にそのようなことを問うている作品とも言える。

昔話「浦島太郎」などでは、理想郷では短い時間でも、現実の世界に戻ると、かなりの時間が経っていたというものはよくあるが(安房直子の「丘の上の小さな家」も似た作品)、長い時間理想郷で過ごしたが、現実に戻るとたいした時間は経っていなかったというのは、少ない気がして、面白かった。
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Quartre Chansons Francaises (4つのフランスのシャンソン) [ブリテン 声楽曲]

ソプラノのソロ曲。

1. Les Nuits De Juin 6月の夜?
★★★★★★☆☆☆☆
フランス印象派をイメージさせる、夜の不気味な森を表したかのような曲。幻想的で悪くない。最後は幻想的に弦とハープで終わる。

2. Segasse 叡智? 
★★★★★★☆☆☆☆
前曲に引き続き幻想的。少し悲しげなメロディで、管楽器の乾いた音が印象的。後半伸びやかで少しドラマティックになる。ちょっとオペラの静かなアリアのような感じ。

3. L'Enfance 少年時代? 
★★★★★★☆☆☆☆
管楽器の明るい前奏で始まるが、弦の伴奏は不安げ。歌も不安げに始まる。中盤静かで穏やかな息の長い旋律となり、後半はオケだけとなり静かに終わる。

4. Chanson D'automne 秋のシャンソン? 
★★★★★★☆☆☆☆
再び夜のイメージの曲。悲しげで暗い雰囲気。後半壮大で伸びやかな感じにある。最後は天に召されていくかのように美しく終わる。

幻想的で美しい作品。
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Sacred & Profane Op.91 [ブリテン 合唱曲]

中世の叙事詩に曲をつけたものらしい。

1. St. Godric's Hymn
★★★★★★☆☆☆☆
男女のアカペラ合唱。美しく華やかなメロディで始まる。後半少し静かに穏やかになる。

2. I Mon Waxe Wod
★★★★★★☆☆☆☆
鳥の鳴き声のようなソプラノの跳ねた歌と合唱。

3. Lenten Is come
★★★★★★☆☆☆☆
美しいフーガ。

4. The Long Night
★★★★★★☆☆☆☆
長い夜を明るく過ごそう、といった感じの明るい曲。前曲と似たメロディの美しいフーガ。

5. Yif Ic Of Luve Can
★★★★✩☆☆☆☆☆
少し暗く陰鬱な感じ。途中からソプラノの高く美しい声が入ってくるが、どこか不安げ。

6. Carol
★★★★★✩☆☆☆☆
少し明るくなる。単調な感じのメロディ。

7. Ye That Passen By
★★★★★✩☆☆☆☆
ゆったりとした伸びやかなメロディだが、どこか不安げ。

8. A Death
★★★★★✩☆☆☆☆
息の長い、恐ろしいメロディが、ソロの歌手たちによって次々に投げかけられる。

前半は良いが、後半少しこわい。
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Welcome Ode Op.95 [ブリテン 合唱曲]

評価
★★★★☆☆☆☆☆☆
オーケストラと合唱が華やかに曲をはじめる。
ヴァイオリンのロマ風のエキゾチックな間奏を挟み、静かな流れるような感じになる。
最後はお祭り騒ぎになって終わる。
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Voices For Today Op.75 [ブリテン 合唱曲]

評価
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
アカペラ曲。語りのような合唱がひたすら10分近く続く。退屈。
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