結婚カンタータ BWV202 [バッハ カンタータ]
ある結婚披露宴のために作られた曲らしい。
第一曲 アリア
★★★★★★★★☆☆
ソプラノの結婚式の始まりを告げるかのような、ゆったりとした美しい歌で始まる。ソプラノに絡むオーボエの音が非常に美しい。新郎新婦が登場するかのようなスピード感のある若干明るさを持った中間部もとても綺麗。フーガ的な歌とオーボエの掛け合いが素敵だ。最後は初めのテーマが戻ってしっとりと終わる。
第二曲 レチタティーヴォ
★★★★★☆☆☆☆☆
ソプラノによる語り。それなりに美しい。
第三曲 アリア
★★★★★★☆☆☆☆
通奏低音(チェンバロ?)の軽快な伴奏の後、伸びやかな旋律をソプラノが歌う。
第四曲 レチタティーヴォ
★★★★☆☆☆☆☆☆
ソプラノによる普通の語り。
第五曲 アリア
★★★★★★★☆☆☆
ソロ・ヴァイオリンによる哀愁漂う美しい前奏に続き、ソプラノが息の長い旋律を歌う。ソプラノとヴァイオリンの掛け合いが綺麗。
第六曲 レチタティーヴォ
★★★★★☆☆☆☆☆
ソプラノによる語り。
第七曲 アリア
★★★★★☆☆☆☆☆
軽快な曲だが若干退屈。
第八曲 レチタティーヴォ
★★★★☆☆☆☆☆☆
ソプラノによる普通の語り。
第九曲
★★★★★★☆☆☆☆
華やかな式を閉じるのにふさわしい曲。
全体的に美しく結婚式にふさわしい曲。
コーヒーカンタータ BWV.211 [バッハ カンタータ]
農民カンタータ BWV212 [バッハ カンタータ]
狩りのカンタータ BWV208 [バッハ カンタータ]
評価
★★★★★☆☆☆☆☆
世俗カンタータと呼ばれる、教会礼拝用に作られたわけではないカンタータ。
ある大公の誕生日のために作曲されたらしい。
いきなり「我が楽しみは、元気な狩りだけ」というレチタティーヴォで入る。
その後、独唱あり二重唱あり、レチタティーヴォありと様々な形で曲は進んでいくが、目立った曲はあまりなり。
その中で、ひときわ目立つ曲が数曲ある。
4曲目:アリア
★★★★★★☆☆☆☆
チェロの若干、付点の跳ねるような哀愁漂う伴奏に乗せて、息の長い美しいメロディをテノールが歌う。
9曲目:アリア
★★★★★★★★★☆
信じられないほどの美しい名曲。フルート?の美しい前奏に導かれ優美さと風雅さと長閑さの共存した美しさこの上ない旋律をソプラノが歌う。多くの人が耳にしたことがあるのではないだろうか。
11曲目:合唱
★★★★★★★☆☆☆
まるで、教会音楽のような、荘厳なフーガが形成される美しい合唱曲。
そこまで全体的に名曲と言えるわけではないが、上記三曲は素晴らしい。
カンタータ 第199番 わが心は血の海に漂う [バッハ カンタータ]
ソプラノ・ソロによるカンタータ。
ロマン派の作曲たちによって、オーケストラ付き独奏曲が数多く作曲されるが、その源泉はバッハなのでは?と思わせる作品。
私の持っているCDがバーバラ・ボニーの独唱のせいかもしれないが、非常に叙情的で全体的に美しい。
評価
★★★★★★☆☆☆☆
レチタティーヴォとアリアという順番で4回繰り返される。
第一曲からレチタティーヴォで始まる曲も珍しい。レチタティーヴォとはいえ非常にメロディアスで叙情的。
第二曲はオーボエのこれまた叙情的なイントロで始まる。9分近い大作で、ほとんど雰囲気を変えないが穏やかなのでいつまでも身を浸らせていたくなる。
第三曲は短いレチタティーヴォだが、これもメロディが結構揺れる美しい曲。
第四曲は、弦による高貴な前奏から始まる。
第五曲は、20秒に満たないレチタティーヴォ。
第六曲は、弦楽器のソロから始まる。結構低めの音なので、ヴィオラなのか?その後もこの楽器とソプラノの掛け合いが続く。非常に美しい二重唱。弦による低音の伴奏も良い味を出している。
第七曲も短いレチタティーヴォ。
第八曲は明るい開放感に満ちた美しい曲。いままでどちらかというと内向的な女性の内面を描いているような感じだったが最後はとても華やか。悩みから解放された女性がお花畑を駆け回るイメージ。
カンタータというよりは歌曲集のような美しい曲達だった。
カンタータ 第140番 目覚めよと呼ぶ声あり [バッハ カンタータ]
三位一体節後第27日曜日に奏される曲らしい。
第一曲 合唱
★★★★★★☆☆☆☆
高貴な若干弾むような前奏に引き続き、息の長い穏やかな旋律が歌われる。その裏で縦横無尽に動き回るオケ伴奏も美しい。後半ハレルヤ・コーラスとなる部分がとても綺麗だ。
第二曲 レチタティーヴォ
★★★★★☆☆☆☆☆
悲しげな旋律で語る歌。結構綺麗な曲。
第三曲 ソプラノ&テノール二重唱
★★★★★★★★☆☆
哀愁漂う非常に美しいメロディをソロ・ヴァイオリンが奏で、ソプラノがそれに応え、それを追うようにテノールが歌う。途中洗われるソロ・ヴァイオリンが美しい。終始ヴァイオリンが活躍する三重奏のような曲。
第四曲 テノール独唱
★★★★★★★★★☆
超有名な流れるような後期この上ない美しいメロディを弦が奏でる。このメロディはこの曲を通してずっと流れ続ける。歌っているのはテノールなのだが、正直このメロディが印象的すぎてテノール独唱は単なる伴奏にしか聞こえない。
第五曲 レチタティーヴォ
★★★★☆☆☆☆☆☆
普通のレチタティーヴォ。
第六曲 ソプラノ&バス二重唱
★★★★★★★☆☆☆
今度はオーボエが若干鄙びた感じの美しいメロディを奏でた後、ソプラノとバスが愛の語らいのような二重唱を奏でる。
第七曲 合唱
★★★★★★★☆☆☆
「グロリア」と、神の栄光を讃える素晴らしく感動的な曲で終わる。
声が他の楽器の一部となっており、ベートーヴェンの第9交響曲を先取りしたかのような曲。
カンタータ 第147番 心と口と行いと生活で [バッハ カンタータ]
「主よ人の望みの喜びよ」を含むカンタータ
第一曲 合唱
★★★★★★★☆☆☆
ファンファーレのような華麗な前奏のあと美しいフーガの合唱になる。
第二曲 レチタティーヴォ
★★★★★★★☆☆☆
レチタティーヴォとは思えないほどメロディアスで哀愁漂う美しい曲。
第三曲 アルト独唱
★★★★★★★☆☆☆
哀愁漂うオーボエの美しい前奏に導かれアルトがしっとりと美しいメロディを歌う。オーボエとアルトのハーモニーが非常に綺麗な曲。
第四曲 レチタティーヴォ
★★★★★☆☆☆☆☆
ドラマティックな語りの曲。
第五曲 ソプラノ独唱
★★★★★★★★☆☆
憂いのある美しいメロディをソロ・ヴァイオリンが奏で始まる。三連の独特とリズムが緊迫感を醸し出している。暗さの中に、どこかしら明るさが漂う名曲。
第六曲 合唱
★★★★★★★★★☆
有名な「主よ人の望みの喜びよ」。心安らぐ名曲。ピアノ編曲版の方がシンプルで美しい気がするが、こちらの合唱バージョンも綺麗。というよりこちらが原曲なのだろうが・・・。
第七曲 テノール独唱
★★★★★☆☆☆☆☆
愛らしいオルガン(?)の前奏の後、テノールが穏やかなメロディを歌う。普通の曲。
第八曲 レチタティーヴォ
★★★★★☆☆☆☆☆
非常にメロディアスなレチタティーヴォ。メロディの美しさでは前曲より良いかも。若干モーツァルトのにおいがする曲。
第九曲 バス独唱
★★★★★★★☆☆☆
ファンファーレのような華麗な前奏の後、バスの力強い歌が始まる。終始流れる管楽器の音が華やかさを演出している。
第十曲 合唱
★★★★★★★★★☆
再び「主よ、人の望みの喜びを」が流れ曲はしっとりと終る。
レチタティーヴォも含めひたすら美しいメロディを楽しみ続けられる名曲。
カンタータ 第78番 イエスよ、わが魂を [バッハ カンタータ]
三位一体節後第14日曜日に奏された曲らしい。
第一曲 合唱
★★★★★★☆☆☆☆
劇的な暗い前奏で入る。その後合唱が悲劇的なメロディを奏でる。カノン風の声が重なっていくあたりが美しい。
第二曲 ソプラノ&アルト二重唱
★★★★★★★☆☆☆
可愛らしい少し跳ねた感じのオルガン演奏に誘われ、ソプラノとアルトがまるで羊飼いたちの愛の語らいのような「アアアア~」という母音を多用した美しい二重唱を展開する。非常に牧歌的な愛らしい曲。
第三曲 レチタティーヴォ
★★★★☆☆☆☆☆☆
「ああわれは罪の子、われは迷いぬ」と歌っているらしい。暗い感じの曲。
第四曲 テノール・ソロ
★★★★★★☆☆☆☆
フルートのソロに引き続きテノールが歌いだす。その後もフルートとテノールの二重唱のような美しい演奏が繰り広げられる。
第五曲 レチタティーヴォ
★★★★★☆☆☆☆☆
レチタティーヴォにしては綺麗なメロディがついており、心安らぐ一曲となっている。十字架のイエスを思い、そんなイエスにすべてを委ねる心を歌った曲らしい。
第六曲 バス・ソロ
★★★★☆☆☆☆☆☆
今度はオーボエとバスの二重唱。相変わらず母音を多用した歌唱となっている。アリアなのに、前のレチタティーヴォよりもメロディが美しくなく若干残念な感じ。
第七曲 合唱
★★★★★☆☆☆☆☆
最後はしっとりと、しかしどこか希望を持った感じの合唱で終わる。
前半はドラマティックかつ美しいのだが、後半が少し残念な感じ。
カンタータ 第80番 われらが髪は堅き砦 [バッハ カンタータ]
第80番は宗教改革記念日(10/31)のための曲。
第一曲 合唱
★★★★★★★★☆☆
「タッタッ~タ、タッタララ~」という印象的なリズムが流れ、その上を流麗なメロディが各声部対位法的に重なり合いながら感動的に歌われる。
第二曲 ソプラノ&バス二重唱
★★★★★★★☆☆☆
若干性急な感じの前奏のあと、ソプラノとバスの前曲のメロディに似た旋律が歌われる。細かい音で結構激しく歌う曲で、ソロ歌手は結構疲れそうな曲だ。弦がひたすら「タタタタタタ」とスタッカート気味の速いパッセージを引き続けるのが印象的。
第三曲 レチタティーヴォ
★★★★☆☆☆☆☆☆
「キリストの心、汝とかたく結ばれんことを」と歌っているらしい。
第四曲 ソプラノ・ソロ
★★★★★★★☆☆☆
天使のささやきのような、静かな叙情的な歌。伴奏も穏やかで聴いていて心落ち着く曲。
第五曲 合唱
★★★★★★★☆☆☆
激しい劇的な前奏の後、「たとえ世がすべて悪魔に満ち、われらを呑まんとも、われら恐れじ」という内容を力強く皆で歌う。伴奏から合唱まで全てが力強く感動的な曲。
第六曲 レチタティーヴォ
★★★★☆☆☆☆☆☆
「汝が救世主は、今も汝がよりどころなり」と歌っているらしい。
第七曲 アルト&テノール二重唱
★★★★★★☆☆☆☆
オーボエとヴァイオリンの牧歌的な美しい前奏で始まる。アルトとテノールが追いかけっこしながら美しい旋律を歌い上げる。ほっとする曲。
第八曲 合唱
★★★★★★★☆☆☆
短いながらも感動的な合唱曲。開放感に満ちている。
伴奏から合唱、ソロまで全てが美しさに満ち満ちた傑作。
カンタータ 第4番 キリストは死の縄目につながれたり [バッハ カンタータ]
バッハのカンタータ名曲集。
第4番はイースターのための曲。
第一曲 シンフォニア
★★★★★★★☆☆☆
重々しい悲劇的なメロディが絞り出されるかのように流れる。短い曲。
第二曲 合唱
★★★★★★★☆☆☆
非常に美しいキリストの受難を歌った歌。最後はハレルヤ合唱となる。
第三曲 ソプラノ&アルト二重唱
★★★★★★☆☆☆☆
オルガンと低い弦の伴奏が悲劇性を高めている。
第四曲 テノール・ソロ
★★★★★☆☆☆☆☆
ヴァイオリンとのやり取りが非常に印象的な曲。そんなにメロディアスな感じではなく、物語を語っている感じ。
第五曲 合唱
★★★★★★☆☆☆☆
対位法を効果的に用いた非常に美しい合唱。やはり音が重なると非常に綺麗に聞こえる。最後はハレルヤコーラス。
第六曲 バス・ソロ
★★★★★☆☆☆☆☆
ソロはことごとく語りのような感じ。バックで流れる伴奏はとてもきれい。
第七曲 ソプラノ&テノール二重唱
★★★★★★☆☆☆☆
非常に劇的な二重唱。最後のハレルヤを歌うところは感動的。
第八曲 合唱
★★★★★★☆☆☆☆
短いながらも感動的な合唱曲。最後まで悲劇的な雰囲気があるがやはり声が重なると感動度が増す。最後は静かにハレルヤを歌い長調っぽく終わる。