ドイツ・レクイエム [ブラームス 管弦楽曲]
1.悩みを抱く者たちは幸せである
★★★★★★★☆☆☆
チャップリンの「スマイル」に似たメロディを持つ、(年代的に関係性は逆なのだろうが)、穏やかで美しく敬虔な雰囲気に満ちた曲。終始静かに音楽は流れる。
2.なぜなら、すべての肉体は草のようなものであり
★★★★★★★☆☆☆
一転して、悲劇的なメロディを持った、ティンパニーも結構活躍する、激しく重々しくドラマティックな音楽で始まる。第二主題的に対位法を活かした広がりのあるメロディになる。この二つの主題が形を変えながら繰り返される。最後は華やかに神をたたえるかのような壮麗な雰囲気になり壮大なフーガを形成する。
3.主よ、私に教えてください
★★★★★★★☆☆☆
暗く重々しい雰囲気で始まる。切々と何かを訴え祈る人々の様子が思い浮かぶ。途中から若干光がさしたような明るい雰囲気になる。一度壮麗な雰囲気になり、最後は天に引き上げられれていくような美しい雰囲気で終わる。結構ソロも多い楽章。
4.あなたの住まいはなんと気持ちのいいところでしょう
★★★★★★☆☆☆☆
ほかの楽章に比べ、短めの間奏曲的な楽章。ミドルテンポで穏やかな雰囲気で、結構淡々と進む。
5.あなた方は、いま悲しみを抱いている
★★★★★★☆☆☆☆
悲しみを湛えた、ソプラノのソロ楽章。
6.なぜなら、私たちはこの地上には永遠の都を持たず
★★★★★★★☆☆☆
暗く重々しい雰囲気で始まるが、段々と盛り上がりを見せ、最後は壮大なフーガを形成し、華々しく終わる。
7.幸せである
★★★★★★★☆☆☆
天国の中に入ったような、敬虔で美しい雰囲気で始まる。続いて民衆たちの地上での嘆きのような重々しい合唱が始まるが、女性陣による天使の合唱のようなメロディに吸収されていく。最後はハープも登場し、まさに天上の音楽となり穏やかに敬虔に終わる。
全体的にメロディも綺麗で感動的な曲。
セレナード 第二番 [ブラームス 管弦楽曲]
第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
優しい穏やかなメロディで始まる。若干の揺れが基本はこの穏やかな雰囲気が続くので、BGMとしては良いのかもしれないが今一歩。
第二楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
高貴さあふれるスケルツォ楽章。これもBGMとしては良いが、ブラームスの個性は感じられない。
第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
こちらもバロック的な香りのするアダージョ楽章。悪くはないが普通か。
第四楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
メヌエット楽章。かなりのどかなゆったりとした舞曲。普通。
第五楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
最後は華やかな雰囲気の、フィナーレにふさわしい楽章ではある。とはいえ普通。
第一番が良いだけに、残念な感じのする曲。すべてが普通。
セレナード 第一番 [ブラームス 管弦楽曲]
第一楽章
★★★★★★★★☆☆
牧歌的な優しいメロディで始まる。その後雄大な美しい雰囲気となる。大草原を感じさせる素晴らしい曲。
第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
少し憂いのあるメロディが静かに流れる楽章。中間部は宮廷音楽的な壮麗な感じ。最後は憂いのある最初のメロディが回帰され終わる。
第三楽章
★★★★★★★☆☆☆
長大なアダージョ楽章。各楽器の優しく甘い側面を活かした非常に美しい天国を描いたかのような楽章。ベートーヴェンの交響曲第九番の三楽章を彷彿とさせる。
第四楽章
★★★★★★★☆☆☆
のどかな雰囲気のメヌエット楽章。中間部の少し悲し気なメロディも魅力的。牧歌的でありながらどこか高貴な雰囲気も併せ持つ美しい曲。
第五楽章
★★★★★★★☆☆☆
「これから舞踏会が始まるよ~」ということを告げるかのような壮麗で解放感に満ちた楽章。
第六楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
第五楽章がかなり期待を高める雰囲気出ったので、かなり激しく華々しく終わるのかと思いきや、最後は少し失速気味。第五楽章と第六楽章がひっくり返っていればかなり締まった曲になったのではないかと思われる。
最後の楽章がかなり残念な感じではあるが、五楽章まではメロディも雰囲気も素晴らしい曲。