SSブログ

ノルマ [オペラ イタリア ベッリーニ]


ベッリーニ:歌劇《ノルマ》パルマ王立劇場2001年 [DVD]

ベッリーニ:歌劇《ノルマ》パルマ王立劇場2001年 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 日本コロムビア
  • 発売日: 2011/01/19
  • メディア: DVD




ストーリー:★★★★★★★☆☆☆
アリア  :★★★★★★★★☆☆
音楽全体 :★★★★★★★★☆☆

学校の同僚の先生から、リスト編曲「ノルマの回想」という曲があることを教えてもらい、ずっともう一度観たいと思っていたこのベッリーニ作曲『ノルマ』のDVDを見直してみた。

正直、ベッリーニという作曲家は世間が称えているほど私は良いと思っておらず、この「ノルマ」もイマイチ良さがよくわかっていなかった。しかし、リストの「ノルマの回想」を何度も聴くうちに、なんとなくメロディが体の中に染み込んでいき、このDVDを観たときもその美しいメロディに心惹かれてしまった。

第一幕はじめの、ドルイド人たちの合唱が、リストの編曲に主題として用いられているのだが、この心を沸き立たせるメロディがとにかく素晴らしい。その後も、アダルジーザという結果的に心ならずも先輩であるノルマと三角関係になってしまうメゾ・ソプラノのアリアも美しいし、三角関係を作ってしまったどうしようもないローマ総督ポリオーネとの二重唱も美しい。

ただ、有名な、主役ノルマが歌う「清き女神よ」だけは何度聞いてもその良さが全くわからないつまらない曲。

第二幕、ノルマが、離れてしまったポリオーネの心を嘆き、彼とのあいだに生まれた子供達と一緒に死のうとするができない。そこにアダルジーザが現れ叙情的な二人の掛け合いとなる。非常に美しいメロディ。
その後、ドルイド人の合唱等を挟み、ノルマが再び登場。ポリオーネが再び彼女を裏切ったことを知ると、ドルイド人たちにローマ人を攻撃させることを決める。

ノルマはドルイド人たちの神官であり、ローマ軍を壊滅させるべきかどうかの神の言葉を伝える役割のはずなのだが、結局ローマ軍への攻撃は彼女の私怨で決まってしまっているあたりどうなんだろうと思ってしまう。

それはともかく、この幕で歌われる、ノルマがポリオーネが自分のもとへ再び来ることを望んで歌う「あの人が帰ってくる」というアリアが、有名な「清き女神よ」よりもよっぽど良い気がするのだが・・・。

最終場面、ノルマが自分の罪を告白し、ポリオーネとの熱い二重唱を奏でる「この心をあなたは裏切った」がかなり美しいメロディ。そして最後の「ああ!犠牲にならぬよう」はリストの「ノルマの回想」にもそのメロディが使われているドラマティックかつロマンティックな名曲。

後半美メロの嵐で素晴らしかった。
nice!(0)  コメント(0) 

囚われの女王 Op.48 [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



1. 混声合唱
★★★★★★☆☆☆☆
緊張感のある前奏で始まる。男性合唱が城に女王が囚われ一人歌っているという伝説を歌う。
間奏にヴァイオリンが静かなメロディを奏でると、美しい女声合唱が伸びやかに女王の伝説を語る。
混声合唱で緊張感のある歌を歌った後、楽器と女声合唱の美しい掛け合いとなる。段々と男声合唱も入ってくる。幻想的で非常に美しい場面。
牧歌的な広がりのある音楽となり、女声合唱が開放感に満ちた歌を歌い男声合唱が呼応する。
最後は一人の若者が女王を救い出し晴れやかに終わる。
気恥ずかしくなるくらい感動的な感じ。

2. 男声合唱
★★★★★☆☆☆☆☆
女声合唱版より若々しさ、青春を感じさせる。
nice!(0)  コメント(0) 

お前に勇気があるか Op.31-2 [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



初版
★★★★★★☆☆☆☆
勇ましいマーチ風の始まり。力強い男声合唱が様々なものに立ち向かう勇気があるかを尋ねる。
これから盛り上がる、というところで終わってしまう。

第二版
★★★★★★☆☆☆☆
かなり戦闘的な感じが強い曲で、太鼓の音が結構印象的。後半は悲壮感が若干漂い始め、感動的な雰囲気となっていく。

第三版
★★★★★☆☆☆☆☆
同じ曲とは思えないほど、牧歌的な平和な前奏で始まる。優しく語りかけるように歌われる。管楽器の音が平和感を醸し出している。

第四版
★★★★☆☆☆☆☆☆
こちらも少し牧歌的でゆったりとした感じで始まる。歌が始まると少し緊張感が出る。

この4曲を使ってひとつ映画が作れるのではと思う。
nice!(0)  コメント(0) 

op.38 [シベリウス 声楽曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



Op.38-1 秋の夕べ
★★★★★★☆☆☆☆
ソプラノ独唱
途中、若干プッチーニの『トゥーランドット』をおもわせるメロディが登場する。穏やかな曲。

Op.38-2 海辺のバルコニーにて
★★★☆☆☆☆☆☆☆
バリトン独唱
不穏な雰囲気の管楽器の伴奏で始まる。ひたすら暗い曲。

Op38-3 夜に
★★★★☆☆☆☆☆☆
まさに「夜」といった暗い感じで始まる。囁くような感じの歌い方。
途中星が出てくる場面では少し明るくなるが、またピッチカートに導かれ暗くなる。そのまま暗く終わる。
nice!(0)  コメント(0) 

秋の夕べ op.38-1 [シベリウス 声楽曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



1. ソプラノとオーケストラ
★★★★★☆☆☆☆☆
ゆったりとした曲。途中盛り上がりを見せる。

2. ソプラノと弦楽合奏
★★★★★★☆☆☆☆
弦楽合奏版の方がシンプルでメロディの美しさがたっている気がする。若干プッチーニの『トゥーランドット』をおもわせるメロディが登場する。
nice!(0)  コメント(0) 

もはや私は問わなかった Op.17-1 [シベリウス 声楽曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



評価
★★★★★★★★☆☆
ソプラノ独唱
恋人に裏切られた女性の気持ちを一人称的に歌った曲。物悲しくも美しいメロディが心に響く。かなりの名曲。
nice!(0)  コメント(0) 

火の起源 Op.32 [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



1.原典版
★★★★★☆☆☆☆☆
管楽器が奏でる悲しげなメロディで始まる。バリトンが似たメロディを悲しげに歌う。
段々と重く苦しげになっていく。
突然盛り上がり合唱となる。再び荘厳となり、最後は堂々と終わる。

普通。

2.最終版
★★★★★☆☆☆☆☆
管楽器が奏でる悲しげなメロディで始まる。バリトンが似たメロディを悲しげに歌う。
最後の盛り上がりがすこし良かったり、少し凝縮されたりしているらしいがやっぱり普通。
nice!(0)  コメント(0) 

即興曲 Op.19 [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



1.原典版
★★★★★★☆☆☆☆
妖精たちが草原で歌い踊るような美しい女声合唱のワルツで始まる。
静かな語りかけるような幻想的な雰囲気となる。そのまま静かに終わる。

2.最終版
★★★★★★☆☆☆☆
力強い幻想的なはじめの部分がある。
その後、妖精たちが草原で歌い踊るような美しい女声合唱のワルツで始まる。ハープの音が効果的。
静かな語りかけるような幻想的な雰囲気となる。そのまま静かに終わる。
nice!(0)  コメント(0) 

スネフリード Op.29 [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



評価
★★★★★★☆☆☆☆
ミステリアスな女声スネフリードと若い男の出会いを描いた作品らしい。
悲劇的な長めの前奏の後、厳かに合唱が始まり、再び段々と悲劇性を帯びてくる。嵐が吹き荒れるような間奏を経て、再び悲劇的に。
穏やかで牧歌的な静かな歌が入る。
朗読が厳かな伴奏の上で行われる。スネフリードが語っている設定?
優しく壮大な合唱となり厳かに終わる。
nice!(0)  コメント(0) 

アテネ人の歌 Op.31-3 最終版 [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



評価
★★★★★★☆☆☆☆
児童合唱曲
堂々としたファンファーレで始まる。少し哀愁漂うメロディが堂々と歌われる。
やっぱり心が高揚する良い曲。。調が違うくらいで原典版との違いがあまりよくわからない。
nice!(0)  コメント(0) 

ウレオ河の氷の破砕 Op.30 [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



評価
★★★★★☆☆☆☆☆
語りと、合唱とオケという珍しい形態。
ロシア皇帝を讃える歌詞らしいが、裏の意味はフィンランドの独立を願うものらしい。

静かな語りとオケのやり取りがしばらく続いた後、合唱が入り盛り上がる。静かな歌になった後、語りが再び入ってきてオケとのやり取りのあと、オケが盛り上がって終わる。

普通。
nice!(0)  コメント(0) 

アテネ人の歌 Op.31-3 [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



評価
★★★★★★☆☆☆☆
児童合唱曲
堂々としたファンファーレで始まる。少し哀愁漂うメロディが堂々と歌われる。
ミュージカルの最後にみんなで歌うような感じの曲。
nice!(0)  コメント(0) 

サンデルス Op.28 [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



1.原典版
★★★★★☆☆☆☆☆
男性合唱曲。ロシア軍を破った英雄を歌ったものらしい。
非常に牧歌的に優しい雰囲気で始まる。少し緊張感が高まってくるが再び穏やかになる。
中盤から戦闘的な感じになり、一気に盛り上がる。
最後は堂々と終わる。

普通。

2.最終版
★★★★★☆☆☆☆☆
あまり違いがわからない。

普通。
nice!(0)  コメント(0) 

ジョロウグモの歌 Op.27-4 [シベリウス 声楽曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



評価
★★★★★★☆☆☆☆
バリトンとオケのための曲。ハープの幻想的な音で始まる。優しくかたりかけるような始まり。だんだんと悲劇的に力強くなっていく。ロシアとフィンランドの政治的緊張感が裏に描かれているらしい。
ジョロウグモが恐ろしい目つきで色々な小さきものを見張っているが、ひとつの魂だけは掴まえられないという歌詞らしい。
nice!(0)  コメント(0) 

急坂下りの花嫁 Op.33 [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



バリトン独唱バージョン
★★★★★★★☆☆☆
ところどころ、フィンランディアっぽいメロディが流れ、とてもドラマティックでまるで独奏付き交響詩を聞いているよう。

男声合唱独唱バージョン
★★★★★★★☆☆☆
おどろおどろしく劇的に始まる。少し落ち着いて牧歌的になる。
やっぱり歌詞付きフィンランディアのような曲。

悪くない曲。
nice!(0)  コメント(0) 

真田三代 下 [文学 日本 Modern]


真田三代 下

真田三代 下

  • 作者: 火坂 雅志
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2012/10/18
  • メディア: Kindle版



上田城が築かれた後、豊臣・徳川の勢力争いのど真ん中に入ってしまい、その時々の状況を見ながら様々な主君に仕え、なんとか真田家を生き延びて行かせようとする第二代昌幸。息子たちと協力し、徳川家康を2度までも撃退する場面は読んでいて痛快。

関ヶ原、大阪夏の陣では、豊臣側と徳川側に、父:昌幸・次男:幸村、長男:信之が分かれて戦うことになってしまう。さらに最後は父昌幸も死に、幸村ひとりで家康のところへ突っ込んでいく場面は感動的ですらある。

上杉家へ人質にやられた時に知った「義」の心を最後まで貫く幸村の姿が、多くの日本人に共感されるのもわかる気がした。

p.100
「天下を取るだけが道ではない。大きな力を手に入れたとき、人は弱き者、小さき者の痛みを忘れ、手に入れたものを保つことのみに汲々とするようになる。自分はそうはなりたくない。人が人として本来あるべき美しき姿を追いもとめ、背筋をのばして天に恥じぬ生き方をつらぬきたいものだ」
上杉謙信が語ったとされる言葉だ。


nice!(0)  コメント(0) 

だんまりうさぎ シリーズ [文学 日本 安房直子 た行]


だんまりうさぎとおしゃべりうさぎ (安房直子名作絵童話)

だんまりうさぎとおしゃべりうさぎ (安房直子名作絵童話)

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2015/12/01
  • メディア: 単行本



「だんまりうさぎ と おしゃべりうさぎ」
大自然の中で一生懸命働くだんまりうさぎ。彼はしゃべったり歌ったりせず、友達もいない。自分の畑で取れた美味しい野菜を誰かに分けてあげたいと思うが、あげる友達がいないのだ。悶々としていると、スカートをはいたうさぎがやってくる。おもちと何かを交換して欲しいと言われるが、だんまりうさぎはうまく話せない。しかし、そのスカートをはいたおしゃべりうさぎの色々と話をしてくれるおかげで、どんどん仲良くなって、一緒にご飯を食べる。そして二人は仲良くなる。

「だんまりうさぎ と 大きなかぼちゃ」
だんまりうさぎは、自分の誕生日に大きなかぼちゃケーキをつくる。あまりにも大きいので招待状を8枚作るが、招待できる人は、おしゃべりうさぎしかいない。そこでおしゃべりうさぎに、全部の招待状を渡し、誰かを招待してくれるよう頼む。おしゃべりうさぎは、色々な動物を招待してくれてみんなでおいしいケーキを食べるが、最後までだんまりうさぎは今日が自分の誕生日だということは言わない。

何度読んでも良い本だと思う。我々の持つ様々な先入観などを覆してくれる心温まる話。



だんまりうさぎときいろいかさ (安房直子名作童話)

だんまりうさぎときいろいかさ (安房直子名作童話)

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2017/05/24
  • メディア: 単行本



「だんまりうさぎ と きいろいかさ」
雨ばかりの毎日で退屈していただんまりうさぎは、おしゃべりうさぎに会いに行きたくなる。しかしかさがボロボロ。そこで、黄色いレインコートを分解し黄色い傘を手作りし、おしゃべりうさぎに会いに行くことに。最後は[ハート][雨][ハート]傘でだんまりうさぎの家まで戻り、ふたりで大きなホットケーキを作ってふたりで食べて幸せを感じる。

「だいこんばたけ の だんまりうさぎ」
おしゃべりうさぎがだんまりうさぎをピクニックに誘い、次の日にすべての用意を整えおしゃべりうさぎは、だんまりうさぎの家にやってくる。しかし庭仕事をしたいだんまりうさぎは断る。そこでおしゃべりうさぎはだんまりうさぎの庭仕事を手伝うことに。ふたりでたくさんの大根を引っこ抜き、最後はおしゃべりうさぎがピクニックのために作ってきたお弁当をふたりで美味しくいただくことに。


だんまりうさぎとおほしさま (だんまりうさぎとおしゃべりうさぎ)

だんまりうさぎとおほしさま (だんまりうさぎとおしゃべりうさぎ)

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2018/05/23
  • メディア: 単行本



「だんまりうさぎ と おほしさま」
夜、星を見上げながら、あるものを育てるだんまりうさぎ。その様子を見ていたおしゃべりうさぎは、何が出来るか興味津々。しばらくして、小豆(あずき)を育てていると知ったおしゃべりうさぎは、それを使ってスイーツをたくさん作ることを提案する。
でも、おしゃべりうさぎが小豆を育てていた目的は・・・。相変わらず心暖まるお話。しかも、やはり普通は食いしん坊=男、地道にコツコツ=女、といったジェンダー・バイアスを壊しているあたりが本当に素晴らしい。もぐらが登場するこの話が次男は気に入ったらしい。

「山の向こうのうさぎの町」
おしゃべりうさぎが、向こうの山で行われるお祭りにだんまりうさぎを誘う。だんまりうさぎもすぐに快諾。離れ離れになるといけないので、手をつないでお祭りに向かう。お祭りにはさまざまなものがあるが、ふたりでわたあめを買う。家に帰って、家族と分け合いたいおしゃべりうさぎは、わたあめを家に持って帰ることに。だんまりうさぎも家で食べることにする。
しかし途中であまりにもわたあめが魅力的すぎて二人共食べてしまう。このまま帰ってしまうのはもったいない、と祭りにもどり、次の日の朝までひたすら踊る。

ふたりの心的・物理的距離がかなり縮まった作品。


ゆきのひのだんまりうさぎ (だんまりうさぎとおしゃべりうさぎ)

ゆきのひのだんまりうさぎ (だんまりうさぎとおしゃべりうさぎ)

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2019/01/17
  • メディア: 単行本



「ゆきのひのだんまりうさぎ」
雪が降って、おしゃべりうさぎと会えないだんまりうさぎ。
「ゆきがふったねえ」とただ一言伝えるために電話をしたいのだが、なかなかその電話もできず、いろいろウダウダ考えている様子も、とても共感できた。
そこへ、おしゃべりうさぎがやってくる。「わたし、おもいきり、口ぶえ、ふいたの、きこえた?」
という問いかけに対する、だんまりうさぎの心情の描写がとても素敵だ。

p.26
「だんまりうさぎは、ううんと、くびをふって、じぶんは、そのころ、でんわのことばかり、かんがえていたんだなと、すこし、はずかしくなりました。」

このあと、だんまりうさぎが作ったおいしいシチューをふたりで食べる描写もとても暖かい。

「だんまりうさぎはおおいそがし」
年末に風邪をひいてしまって、お正月の準備が出来ていないまま大晦日を迎えてしまっただんまりうさぎ。掃除に夢中で昼を食べることも忘れており、お昼ご飯とおやつが一緒になってしまった。チャーハンとポテトチップスを用意し食べているとおしゃべりうさぎがやってくる。その後二人で掃除をし、窓ふきをするととっても素敵なことが起こる。

「だんまりうさぎはさびしくて」
最後の話は、だんまりうさぎが、おしゃべりうさぎにプロポーズする話。
おしゃべりうさぎのために、ステキな椅子を作り、電話ではなく、手紙で想いを伝えるあたりが、本当に素晴らしい。

二人の結婚式の様子が描かれている裏表紙がとっても愛らしい。

とっても素敵なシリーズだ。
nice!(0)  コメント(0) 

歌劇「塔の乙女」 [シベリウス 劇音楽]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



01. 序曲
★★★★★★☆☆☆☆
かなり牧歌的で平和な序曲。段々とスピードが上がっていくが、のどかな感じは変わらない。

02. 第一場 代官:美しい乙女よ
★★★★★★☆☆☆☆
序曲の流れで平和に始まる。いやらしい代官が、岸辺で花をつむ乙女を口説き始め、乙女はひたすら拒む。段々と緊張感が増して行き激しい音楽となっていく。最終的には、力づくで乙女を城の中へ連れ込む。乙女の悲しみを表すかのように悲しげな音楽となり静かに終わる。

03. 第二場 乙女:聖なるマリア様
★★★★★★★☆☆☆
城に連れ込まれた乙女はマリア様に祈りを捧げる。
悲しげで敬虔なメロディを持った美しい歌。段々と感情が高ぶっていき、劇的に盛り上がる。

04. 第三場 乙女:ああ、聞き間違いかしら
★★★★★★☆☆☆☆
弦のトレモロが流れ、乙女が「聞き覚えのある声だわ」とふと我に返る。合唱が、森の囁きを歌う。
乙女が「ああ、お父様、私を見捨てないで」と森に助けを求め、森もそれに力強く応える。

05. 間奏曲
★★★★☆☆☆☆☆☆
1分程度の短い曲。

06. 第四場 恋人:ああ、彼女の顔を見ると
★★★★★★☆☆☆☆
やさしい牧歌的なメロディがフルートによって穏やかに奏されて始まる。乙女の恋人が現れ、乙女への想いを優しく歌う。後半悲しげなメロディとなって内向的な雰囲気となる。

07. 第五場 乙女:燃えるような責め苦が
★★★★★★★☆☆☆
城から乙女の嘆きが聞こえてきて、恋人が助けに入ってくる。
悲しげでなめらかな乙女のメロディと、切迫した英雄的な恋人の歌うメロディの対比が面白い。
情熱的な二重唱となった後、静かな二重唱となり、二人の愛を確かめ合う。

08. 第六場 代官:誰だ、お前は
★★★★☆☆☆☆☆☆
代官がそれを見つけ、恋人との口論が始まる。
激しい前奏の後、乙女の「はっ」という声が聞こえ、代官と恋人が激しくやりあう。

09. 第七場 奥方:いったい、何事です
★★★★★☆☆☆☆☆
そこへ代官の奥方が入ってきて乙女を自由にし、大合唱となる。
ドラマティックなメロディが流れ、激しく奥方が歌い、勝利感に満ちた音楽となる。最後は自由になった乙女を喜ぶ合唱となる。

10. 第八場 乙女:もうわたしは自由だわ
★★★★★★★☆☆☆
喜び溢れる乙女と恋人の二重唱。最後は壮大で勝利感に満ちた美しい合唱を伴った大団円を迎える。

悪くない30分強のオペラ。
nice!(0)  コメント(0) 

レンミンカイネンの歌 Op.31-1 [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



評価
★★★★★☆☆☆☆☆
堂々としたファンファーレの後、一旦静かになり、美しい男声合唱が流れる。
一時牧歌的な雰囲気になるが、再び堂々と力強さを取り戻し、堂々と終わる。

普通。
nice!(0)  コメント(0) 

ニコライ二世の戴冠式のためのカンタータ [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



1. 万歳、若き皇太子殿下
★★★★★☆☆☆☆☆
華やかで美しく開放感に満ちた合唱曲。勝利感に満ちた雰囲気で終わる。

2. 正義にしっかり守られてこそ
★★★★★☆☆☆☆☆
堂々としたファンファーレで始まり、雄大なテーマが奏される。その後フーガ的に合唱が流れる。
壮大な曲。

悪くはないのだが、何度も聴きたい曲ではない。
nice!(0)  コメント(0) 

セレナード JS.168 [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



評価
★★★★☆☆☆☆☆☆
弦による幻想的な伴奏の上を、半音階を多用したメロディが歌われる。最後は盛り上がったりするが、普通。
nice!(0)  コメント(0) 

森の精 Op.15(Melodrama) [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



評価
★★★★★★★☆☆☆
弦の刻んだスタッカート気味のこ気味良い期待感に満ちた序奏で始まる。
ファンファーレ的なものが何度かなった後、語りが入り、ピアノの音色と共に、段々と霧が立ち込めてきて不穏な雰囲気になる。
ピアノが、「タッタータータタッタ」という主要動機をひたすら繰り返す中、語りが囁くように物語を語る。
その後、穏やかな安らぎに満ちた雰囲気となり、語りが優しく語りかける。途中ピッチカートによる伴奏が入る部分は幻想的であり非常に美しい。
最後は静かに悲劇的に終わる。

語りとピアノの入った、メロドラマバージョンもとても良い。
nice!(0)  コメント(0) 

1894年卒業式典のためのカンタータ [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



1. 惑星が生まれたとき・・・
★★★★★★☆☆☆☆
感動的で壮麗な合唱曲。メロディも綺麗。

2. 我々は森を破壊し、燃やした・・・
★★★★★★★★☆☆
壮大な交響詩的な感じで、シベリウスらしさの出た雰囲気で始まる。壮大な合唱の後、緊張感のあるソプラノのソロとなる。合唱、若々しいバリトン・ソロ、牧歌的な感想の後、再びソプラノのなめらかなソロとなる。悲劇的な雰囲気となり、ソプラノとバリトンの掛け合いとなる。後半勝利感に満ちた行進曲となり、感動的に終わる。散漫な感じではあるが、美しい合唱曲。

3. アンダンティーノ
★★★★★★★☆☆☆
歌詞が消失してしまい、伴奏のみ。
宮廷的な高貴な響きで始まる。その後大自然を模したかのような牧歌的な美しい旋律が流れる。
チェロのピッチカートによる伴奏に乗って、天上の音楽のような美しいメロディが奏でられる。
牧歌的な雰囲気に戻り、穏やかに終わる。

全体的に壮大で良い曲。
nice!(0)  コメント(0) 

恋する者 JS. 160b [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



評価
★★★★★☆☆☆☆☆
暗く重く始まる。はじめの部分は結構アカペラに近い合唱。段々と透明度を増して行き、伸びやかで天国的な雰囲気になっていく。若干悲しげな合唱になった後、テノールソロが入る。そのまま悲しげに終わる。
nice!(0)  コメント(0) 

2つのコラール [シベリウス 合唱曲]


The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

The Sibelius Edition, Vol. 3: Voice & Orchestra

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2007/12/31
  • メディア: CD



1. 主よ、あなたは岩のように
★★★★★☆☆☆☆☆
女声合唱で始まり、男声合唱も入ってきて、カノン風に美しく音楽が展開されていく。非常に清廉な感じ。アーメンで終わる。

2. 主よ、慈悲をお示しください
★★★★★☆☆☆☆☆
悲しげに始まり、段々と壮大になっていく。アーメンで終わる。

nice!(0)  コメント(0) 

Piano 室内楽 小品 [シベリウス 室内楽曲]


The Sibelius Edition: Chamber Music, Vol. 2

The Sibelius Edition: Chamber Music, Vol. 2

  • 出版社/メーカー: Bis
  • 発売日: 2007/08/27
  • メディア: CD



1. Scherzo in E minor JS. 165
★★★★★★★☆☆☆
ヴァイオリン・チェロ、ピアノ4手のための曲
元気に情熱的に始まる。
中間部は、チェロのピッチカートの伴奏に乗って、のどかな旋律がピアノによって奏でられる。
ヴァイオリンが若干悲しげな旋律を奏でる。民謡風のメロディがしばらく静かに奏された後、はじめの激しく情熱的な雰囲気が回帰され、最後は静かにそっと終わる。

2. Andante Cnatabile in E flat major JS.30b
★★★★★★☆☆☆☆
ピアノとハーモニウムのための曲
ピアノが問いかけるように、メロディを静かに奏でる。穏やかで夢見るような旋律がピアノによって静かに奏でられる。ハーモニウムが静かに伴奏をつける。暗く情念的な雰囲気の後、再び夢見るようなメロディが回帰される。

3. Quartet in G minor JS.158
★★★★★★★★☆☆
ヴァイオリン・チェロ・ピアノ・ハーモニウムのための曲。
ピアノの静かなアルペジオ伴奏の上で、悲しげで内省的なメロディがヴァイオリンによって奏でられる。同じメロディをチェロがゆったりと奏でる。かなり音を抑えた静かな場面。
ピッチカートの音を合図に、少し前向きな感じになる。
その後かなり重々しい美しいメロディをチェロが奏でる。
ささやきあうような静かな場面を経て、再び重く悲しげな雰囲気が漂ってくる。
最後は主題が静かに回帰され終わる。
かなりの名曲。

4. Quartet in C minor JS. 16
★★★★★★☆☆☆☆
2台のピアノと、ヴァイオリン・チェロのための曲
重々しいピアノの音で始まる。だんだんと盛り上がるが、突然静かになり、淡々とした知的な感じのメロディをピアノが奏でる。だんだんとスピードが上がって行き盛り上がっていく。変奏曲風?
段々と英雄的になっていくが、最後は静かに終わる。
nice!(0)  コメント(0) 

光の乙女 [シベリウス 室内楽曲]


The Sibelius Edition: Chamber Music, Vol. 2

The Sibelius Edition: Chamber Music, Vol. 2

  • 出版社/メーカー: Bis
  • 発売日: 2007/08/27
  • メディア: CD



ピアノ4手と、ヴァイオリン・チェロのための曲

1. Moderato Quasi Andantino, Cnatabile, Recitativo
★★★★★★★☆☆☆
激しく情念的なピアノで始まり、ヴァイオリンがその後情熱的に入ってくる。
恋する人の気持ちを歌ったような、優しく繊細な旋律がピアノによって奏でられ、ヴァイオリンがそれに続く。情念的なピアノが回帰される。
展開部は、英雄的な行進曲風の音楽となる。最後は決然と終わる。

2. Prestissimo
★★★★★★★☆☆☆
情念的なピアノで始まる。その後英雄的な行進曲風の音楽となり決然とした感じで一度終わる。
最後に、少し穏やかな次の楽章へのブリッジ的な部分が入り、そのままアタッカで次の楽章へ。

3. Largo
★★★★★★★☆☆☆
やさしく夢見るような旋律をピアノとヴァイオリンがユニゾンで奏でる。中間部、少し情熱的な雰囲気となるが、基本穏やか。2分弱の短い曲。

4. Andantino
★★★★★★☆☆☆☆
少しゆったりと若干不安げな感じで始まる。スピードが上がり、前向きな感じになるが不安感は残っている。

5. Allegretto
★★★★★★☆☆☆☆
諧謔的な30秒足らずの曲。

6. Allegro-Piu vivo quasi Presto
★★★★★★☆☆☆☆
悲劇的に激しく始まる。その後開放感に満ちたフィナーレにふさわしい曲調となっていく。中盤は東欧風の舞曲となる。最後は激しく終わる。

シベリウス自身、オペラといっていただけあり、物語性のある結構良い曲。
nice!(0)  コメント(0) 

説きふせられて [映画 ジェイン・オースティン]





ジェイン・オースティン最後の作品。
十数年前、初めて読んだときは、ほとんどわからなかった。数年後もう一度読んだがそれでもあまりわからなかった。
その後このBBCによるドラマを観て、非常に感動した覚えがある。

『分別と多感』の姉、エリノア同様、自分の想いを理性的に押し殺し、静かに穏やかに生活しながらも心の奥に激しい恋心を持った主人公アンの姿が素晴らしすぎる。そしてジェイン・オースティンの素晴らしいところは、そういった心が美しい女性が最後に最高のそして最愛の相手と結ばれるところだ。

もう一度、persuasionを原作でじっくり読みたいと思う。
nice!(0)  コメント(0) 

真田三代 上 [文学 日本 Modern]


真田三代 上 (文春文庫)

真田三代 上 (文春文庫)

  • 作者: 火坂 雅志
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/11/07
  • メディア: 文庫



今年の夏、コンサートを観に、上田へ行くことになっている。
せっかく遠くまで行くのだから上田観光をしようと思い、それなら上田を知らなければと思い、それなら真田家を知らなければと思い、夏までの時間を計算して、この『真田三代』を読むことにした。

真田幸隆という人に始まり、真田昌幸が活躍し上田に城を築こうとする場面で終わる。

初めは人間の心情がそれなりに描かれ結構面白かったが、段々と、ただ歴史を述べているだけという感じになり、最後の方は結構流し読み。

やはりあまり日本史というものに興味がないのだなあ、と改めて思った。
nice!(0)  コメント(0) 

藤白くんのヘビーな恋④ こまったきみのことが好き [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


藤白くんのヘビーな恋 こまったキミのことが好き (講談社青い鳥文庫)

藤白くんのヘビーな恋 こまったキミのことが好き (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2023/03/08
  • メディア: 新書



『藤白くんのヘビーな恋』シリーズ最終巻。
超有名な政治家のお父さんを持つ藤白くん。お父さんの強権により、無理矢理引越しをさせられ、全寮制の学校に突然いかされることになってしまった藤白くん。

今までは藤白くんの猛烈アプローチに困っていた琴子だが、段々と自分も彼のことが好きなんだと気づくようになる。

そして数時間かけて、友人たちと藤白くんに会いにいく琴子。

そしてふたりで家出・・・。

自分の気持ちを常に抑えて生きてきた琴子が感情を表に出すこの最終巻。とにかく全てが爽やかでとても良い。

素晴らしい作品だったと思う。
nice!(0)  コメント(0)