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説きふせられて [映画 ジェイン・オースティン]





ジェイン・オースティン最後の作品。
十数年前、初めて読んだときは、ほとんどわからなかった。数年後もう一度読んだがそれでもあまりわからなかった。
その後このBBCによるドラマを観て、非常に感動した覚えがある。

『分別と多感』の姉、エリノア同様、自分の想いを理性的に押し殺し、静かに穏やかに生活しながらも心の奥に激しい恋心を持った主人公アンの姿が素晴らしすぎる。そしてジェイン・オースティンの素晴らしいところは、そういった心が美しい女性が最後に最高のそして最愛の相手と結ばれるところだ。

もう一度、persuasionを原作でじっくり読みたいと思う。
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真田三代 上 [文学 日本 Modern]


真田三代 上 (文春文庫)

真田三代 上 (文春文庫)

  • 作者: 火坂 雅志
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/11/07
  • メディア: 文庫



今年の夏、コンサートを観に、上田へ行くことになっている。
せっかく遠くまで行くのだから上田観光をしようと思い、それなら上田を知らなければと思い、それなら真田家を知らなければと思い、夏までの時間を計算して、この『真田三代』を読むことにした。

真田幸隆という人に始まり、真田昌幸が活躍し上田に城を築こうとする場面で終わる。

初めは人間の心情がそれなりに描かれ結構面白かったが、段々と、ただ歴史を述べているだけという感じになり、最後の方は結構流し読み。

やはりあまり日本史というものに興味がないのだなあ、と改めて思った。
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藤白くんのヘビーな恋④ こまったきみのことが好き [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


藤白くんのヘビーな恋 こまったキミのことが好き (講談社青い鳥文庫)

藤白くんのヘビーな恋 こまったキミのことが好き (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2023/03/08
  • メディア: 新書



『藤白くんのヘビーな恋』シリーズ最終巻。
超有名な政治家のお父さんを持つ藤白くん。お父さんの強権により、無理矢理引越しをさせられ、全寮制の学校に突然いかされることになってしまった藤白くん。

今までは藤白くんの猛烈アプローチに困っていた琴子だが、段々と自分も彼のことが好きなんだと気づくようになる。

そして数時間かけて、友人たちと藤白くんに会いにいく琴子。

そしてふたりで家出・・・。

自分の気持ちを常に抑えて生きてきた琴子が感情を表に出すこの最終巻。とにかく全てが爽やかでとても良い。

素晴らしい作品だったと思う。
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たんぽぽ色のリボン [文学 日本 安房直子]


たんぽぽ色のリボン (絵童話・しぜんのいのち)

たんぽぽ色のリボン (絵童話・しぜんのいのち)

  • 出版社/メーカー: 小峰書店
  • 発売日: 1994/01/01
  • メディア: 単行本



安房直子作品をあいうえお順に読んでおり、次男と再読。

「たんぽぽ堂」という文房具屋を営むおじいさんのお話。

町の小さな文房具屋を営んでいたおじいさん。はじめは店の周りにはあたり一面のたんぽぽ畑だったのが、段々と家が立ち、大きな文房具屋が近くに出来、店は売れなくなっていく。
そんなある日、黄色い服に身を包んだ女のコがやってくる。店の商品に黄色いリボンをつけて売ろうという彼女の提案により、店は再び盛り返す。
しばらくして、その女の子がやってきて、リボンを縄跳びにつけて飛び始める。おじいさんも一緒にとんでいたところ、男の子がやってきて黄色いクレヨンを買って、たんぽぽの花をスケッチブックにいっぱい書く。その後おじいさんと女の子と男の子で幸せな時を持つ。

たんぽぽ堂は、なんとか店を続けていたものの、おじいさんも段々と年をとりもう店をとじようかと思っていたとき。

あの女の子とそっくりの女の子たちが大勢でやってきて、縄跳びに誘う。飛んでいるうちに体が軽くなったおじいさんは・・・。

自然の大切さをそっと教えてくれる心暖まる作品。
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誰も知らない時間 [文学 日本 安房直子 た行]


風と木の歌―童話集 (偕成社文庫)

風と木の歌―童話集 (偕成社文庫)

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2006/07/01
  • メディア: 単行本



きつねの窓 (ポプラポケット文庫 51-1)

きつねの窓 (ポプラポケット文庫 51-1)

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2015/01/02
  • メディア: 単行本



200年も生きるカメ、自分のありあまる時間に飽き飽きし「まったく、やりきれないよ」と嘆いている。そこに「まったく、やりきれないよ」という人間が通る。漁師の良太というものだった。彼は貧乏すぎて時間が足りないという。そこでカメは自分の時間を分けてあげることにする。夜中の12時のあとの1時間、お酒いっぱいと引き換えに、良太は1時間もらう。

はじめの一日は、網の修繕を行い、次の日から夏祭りに向けて太鼓の練習をする。この1時間はどんなに大きな音を出しても周りの人間の時が止まっているので問題ない。こうして毎日太鼓の練習をし、どんどん腕を上げていく。

お祭りの一週間前、周りの時は止まっているはずなのに、一人の少女がたずねてくる。彼女もカメからもらった時間で、病気の母親がいる島の病院まで海を超えて行っていたのだが、約束の時間に戻ってこられず海へと沈んでしまい、カメの夢の中に閉じ込めらてしまう。

良太は、自分が海の底へ沈んで、カメの夢の中に入ってもいいから少女を助けて欲しいとカメに頼む。カメは何とかするといって夏祭りまで待つよう伝える。

いつもの12時がやってきて良太が太鼓を叩き始めると、村中のみんながやってくる。カメが自分の時間をみんなに与えたことがわかる。そして、カメの夢のなかん閉じ込められていたさちこという少女も姿を現す。

カメの元へ行ってみると、カメは死んでいた。

自己犠牲を描いた幻想的な美しい作品。
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