クラリネット・ソナタ 変ホ長調 Op.167 [サン=サーンス 室内楽曲]
ウラディーミル&ディミトリ・アシュケナージ ~父と息子(Clarinet and Piano Recital: Ashkenazy, Dimitri / Ashkenazy, Vladimir)
- 出版社/メーカー: paladino
- 発売日: 2014/03/26
- メディア: CD
第一楽章
★★★★★★★★☆☆
素朴で優しい第一主題。少し物悲しげな第二主題。どちらも優しいクラリネットの音が心に響く。
第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
軽快で優しいスケルツォ的な楽章。
第三楽章
★★★★★★★☆☆☆
一転暗く悲劇的な重々しい楽章。
第四楽章
★★★★★★★☆☆☆
明るく元気にスピード感を持って始まる。途中シリアスな感じの古典的な雰囲気になる。最後は第一楽章の優しい主題が回帰され優しく終わる。
各楽章の特徴が際立っていてとても面白く聴きやすい名曲。
ヴァイオリン・ソナタ 第二番 変ホ長調 Op.102 [サン=サーンス 室内楽曲]
第一楽章
★★★★★★☆☆☆☆
明朗快活な第一主題、若干諧謔的な第二主題、と結構端正に曲は進んでいく。最後は雄大に終わる。
第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
結構スピード感のあるスケルツォ的なメロディ、中間部は伸びやかな美しいカノン。最後は初めに終わって豪快に終わる。
第三楽章
★★★★★★★☆☆☆
幻想的な始まり。ピアノが上昇していく音階をひたすら奏でる。滑稽な感じの中間部を挟み、最後は幻想的に戻って終わる。
第四楽章
★★★★★★★☆☆☆
牧歌的なピアノで始まり、少しスピードが上がるが、基本的には平和なヴァイオリンとピアノの対話で曲は進む。優しく明るい楽章で聴きやすい。
明るく明媚な佳曲。
ヴァイオリン・ソナタ 第一番 ニ短調 Op.75 [サン=サーンス 室内楽曲]
第一楽章
第一部:アレグロ・アジタート
★★★★★★★☆☆☆
少し厳しいつまづきそうなリズムの第一主題は非常に格好良い。その後なめらかでコラール風の旋律を持った第二主題が登場する。各主題が2度繰り返される。
第一楽章
第二部:アダージョ
★★★★★★★☆☆☆
ヴァイオリンとピアノの静かな対話で始まる。ゆったりとしたリラックスした雰囲気。
少し明るくリズミカルになった後、再び内省的な静かな雰囲気となる。最後は高貴に終わる。
第二楽章
第一部:アレグレット・モデラート
★★★★★★★☆☆☆
少しエキゾチックな軽やかな始まり。ヴァイオリンとピアノが順番にメロディを担当する。
主題のメロディを残しながらなめらかで美しいメロディが流れる。
最後ははじめの主題が回帰され対話的に終わる。
第二楽章
第二部:アレグロ・モルト
★★★★★★★☆☆☆
凄まじい勢いでヴァイオリンが飛び出す。ピアノも軽やかについていく。
ピアノとヴァイオリンが役割を交換し、ピアノは激しく勢いよく、ヴァイオリンは優雅に伸びやかに旋律を奏でる。
その後両者とも滑らかにメロディを奏でた後、ピアノがスピードを上げ、ヴァイオリンもスピードが上がっていく。
激しさと優美さが交差する楽しい楽章。
メロディも終始わかりやすく聴きやすい傑作。
動物の謝肉祭 [サン=サーンス 室内楽曲]
サン=サーンス:交響曲 第3番《オルガン》、組曲《動物の謝肉祭》(SHM-CD)
- アーティスト: シャルル・デュトワ
- 出版社/メーカー: Universal Music
- 発売日: 2017/04/26
- メディア: CD
第1曲「序奏と獅子王の行進曲」
★★★★★★★☆☆☆
キラキラとしたピアノのトレモロで始まる。弦楽器が低音でゆったりとした歩を奏でる。だんだんと近づいてきてファンファーレが鳴り響きその後獅子王の更新となる。かなり格好よいメロディ。弦とピアノのやりとりが面白い。
第2曲「雌鶏と雄鶏」
★★★★★☆☆☆☆☆
ピアノと弦楽器が鶏の鳴き声を模倣しあう面白いやりとりの曲。1分弱の曲。あまり印象に残らない。
第3曲「騾馬」
★★★★☆☆☆☆☆☆
ピアノの上り下りする強奏の音階。これもあまり印象に残らない。
第4曲「亀」
★★★★★★☆☆☆☆
オッフェンバックの『天国と地獄』の旋律をわざとゆっくり奏する。結構幻想的で美しい曲。
第5曲「象」
★★★★★☆☆☆☆☆
ゆったりとした穏やかな曲。あまり印象に残らない。
第6曲「カンガルー」
★★★★★☆☆☆☆☆
ショパンの練習曲風の始まり。ピアノが軽やかに弾く。
第7曲「水族館」
★★★★★★★☆☆☆
幻想的で浮遊感のある美しいメロディ。ピアノのハープを模したような高音のキラキラした音が綺麗。
第8曲「耳の長い登場人物」
★★★★★☆☆☆☆☆
キンキンとした不快な音をヴァイオリンが奏でる。サン=サーンスの音楽に嫌味な評価を下していた音楽評論家への皮肉と言われている。
第9曲「森の奥のカッコウ」
★★★★★★☆☆☆☆
ピアノの深刻なメロディの中、時折クラリネットがカッコウの鳴き声を模倣する。
第10曲「大きな鳥籠」
★★★★★★★☆☆☆
弦楽器のトレモロによる伴奏の上を、フルートが軽やかに飛び回る。
第11曲「ピアニスト」
★★★★★☆☆☆☆☆
わざとへたくそに、ピアノの練習曲(それも音階を単純に繰り返すだけの指使い訓練に近いもの)を弾く。終りごろ近くから弦も加わる。最後は明確な区切りもなく、そのまま次の曲へ入る。
第12曲「化石」
★★★★★★★☆☆☆
自作『死の舞踏』の「骸骨の踊り」の旋律、ロッシーニの『セビリアの理髪師』から「ロジーナのアリア」、その他「大事なタバコ」、「きらきら星」、「月の光に」、「シリアへ旅立ちながら」などのフランス民謡が組み合わされる。
第13曲「白鳥」
★★★★★★★★★☆
美しい旋律の白鳥が水上を優雅に泳ぐ様子が非常に美しく描かれている。
第14曲「終曲」
★★★★★★★★★☆
カーテンコール。元気で派手で爽快感のある曲。
やっぱり名曲だと思う。