ラ・ラ・ランド [ミュージカル ドヌーヴ&ルグラン]
Story: ★★★★★★★☆☆☆
Music:★★★★★★★☆☆☆
映画公開当時、非常に話題になり近所のおじさんが絶賛していたので、DVDを購入して当時観たのだが、エンディングがあまりにも自分の思い描いていたエンディングと違っていたためか、残念な気持ちが強く「駄作!」と当時は思った。
しかし、「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」を観て明らかにこの二つに影響されているこの映画をもう一度見直してみようと考え、もう一度観てみた。ちなみに、このカテゴリーに入れているのもそのせいである。
「シェルブールの雨傘」を観て感動したあとだから思うのかもしれないが、このエンディングもありなのでは?と思うようになった。こんなに評価の変わった映画も初めてかもしれないというくらい良い映画だと思えるようになった。
音楽は素晴らしく、主役のエマ・ストーン、ライアン・ゴズリングの演技も素晴らしかった。
モン・パリ [ミュージカル ドヌーヴ&ルグラン]
Story: ★★★★★★☆☆☆☆
Music:★★★★★☆☆☆☆☆
全く、ミュージカルでもなんでもないが、ボックスセットに入っていたので、観た。
ストーリーは突然男性が妊娠してしまうという話。
あらすじだけ観るとつまらなそうだが、いろいろなテーマが盛り込まれており、見始めると結構面白い。
結婚していない共働きカップルの話。もうすでに子供は一人おり、家政婦さんを雇っており毎日のようにロースト・チキンを作っておいてくれる。
毎日それを食べているあいだに、なんと男性の方が妊娠してしまう。人工化学調味料を多く摂取していると、ホルモンバランスが崩れ男性が妊娠してしまうようになると医者に説明される。
この事例は学会で発表され一躍世界的に有名になり、夫は広告などにも起用され時の人に。
しかし結局・・・。
人口調味料の問題、ジェンダー、セックスの問題、タバコの問題などなど、現代的な考えるべき問題がいっぱい詰め込まれたコメディ。
期待していなかっただけに、結構面白かった。
ロバと王女 [ミュージカル ドヌーヴ&ルグラン]
Story: ★★★★★☆☆☆☆☆
Music:★★★★★★★☆☆☆
ペローの童話『ロバの皮』を原作にするミュージカル作品で、ドゥミ監督の最も有名な作品らしく、子どもにも大人にも愛されているらしいが、正直私はもう一歩だった。
特典映像で、監督が「女の子は将来お父さんと結婚する」というものだ、という言葉があり、ああ、そういう意図だったのか、とわかったが、正直初めて観ているときは、「父が娘に結婚を申し込む」という設定が違和感以外なにものもなかったため、物語に入り込めなかったのも一員だろう。
音楽は初めは結構幻想的な感じでふわふわした雰囲気だが、後半になるつれ高貴な感じになり、最後は壮麗に終わる。
「父が娘に結婚を申し込む」という設定に違和感を感じなければ、それなりに楽しめる物語なのかもしれない。
ロシュフォールの恋人たち [ミュージカル ドヌーヴ&ルグラン]
Story: ★★★★★☆☆☆☆☆
Music:★★★★★★★★☆☆
「シェルブールの雨傘」と同じ主役、監督、作曲家の作品。
ロシュフォールのお祭りの日に向け、双子の姉妹、音楽家、美術家、ダンサーなどが理想の相手を探して行きつ戻りつする話。ニアミスが多く、ハラハラドキドキするが、基本は恋人を探して騒いでいるだけなので、物語としての深みはない。安っぽいハリウッド発ミュージカルに近い雰囲気ではあるが、フランス語であるせいか、音楽が常に楽しげであるためか、そこまでバカっぽさはない。
最後はハッピーエンド、もしくはハッピーエンドを示唆して終わる。
シェイクスピア作品でもそうなのだが、やはり私は喜劇作品より、悲劇作品の方が深みがあって好きだ。
音楽はとにかく明るく楽しい。「シェルブールの雨傘」ほどではないが、やはり良い曲だと思う。
踊りの演出や音楽など、「ラ・ラ・ランド」はこの作品の影響も相当受けていると思われる。
楽しい作品ではある。
シェルブールの雨傘 [ミュージカル ドヌーヴ&ルグラン]
シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: DVD
Story: ★★★★★★★★☆☆
Music:★★★★★★★★☆☆
私は芸術鑑賞に関わる仕事をしている。オペラ、バレエ、演劇、ミュージカル、歌舞伎、落語等、様々な学年が観る演目を毎年決めていかなければならない。長年この仕事をしていて、この「シェルブールの雨傘」が何度か紹介され、その度毎に一度ちゃんと観ておかなくてはと思っていたのだが、何となくフランスものを敬遠していたこともあり、向き合わずにいた作品。
アマゾンで何かを購入したのをきっかけについでに「ドヌーヴxドゥミxルグラン」のボックスセットを購入。
早速観てみた。
いきなり、テレビ・ドラマ「スクール☆ウォーズ」で聴いたことのある曲が流れてくる。
これはこの曲の主題歌的な「I will wait for you」を除いては、目立って素晴らしい曲はないが、フランスオペラと同様、前編を美しい雰囲気の音楽が彩っておりとにかく素晴らしい。
登場人物も皆人間的にいい人ばかりで、いい人ゆえの心の葛藤みたいなものがあり、その葛藤の末選んだ結果もそれぞれが納得できるもので、とにかく素晴らしい。エンディングも若干悲しげなものではあるが、美しい余韻があり素晴らしい。
確かに多くの人が名作とすすめる理由がわかった。
ミュージカル映画の傑作と巷では言われる「ラ・ラ・ランド」は、この作品を下地に作られたのではないかと思ってしまった。