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53 [Jazz Jacky Terrasson]


53

53

  • アーティスト: Terrasson, Jacky
  • 出版社/メーカー: Decca
  • 発売日: 2019/09/27
  • メディア: CD



自らが53歳になったということでついたタイトルらしい。

1. The Call
ベースのうねるようなダ~タタ~タッタというリズムの上をゆったりとしたメロディが流れる。
途中の、空間を意識したリラックスしたアドリブ部分が心地よい。

2. ALMA
こちらもタラララ~ラ~という上昇していく心地よいベースの上を、穏やかでリラックスしたメロディが流れる。途中からベースがハーモニーを奏でるところが結構格好良い。リラックス感にあふれた曲。

3. Mirror
乾いた激しいドラムで始まり、ピアノがドラマティックに入ってきて激しいメロディをスピード感を持って奏でる。

4. JUMP!
ラテン味あふれる楽しい曲。間奏部分のドラムソロも格好良い。

5. Kiss Jannett For Me
穏やかで美しいメロディの曲。ベースのソロで入って柔らかいピアノの音色がメロディを奏でる。7分を超える大作だが、リラックスして優しい曲なのでゆったりとした気持ちで聴ける。

6. Palindrome
ミドルテンポの明るい曲。中間部のアドリブ部分はピアノが結構激しく暴れまわる。

7. La Part Des Anges
ゆるく、少し哀愁漂うメロディの静かな曲。

8. Babyplum
2枚目の「Reach」にも収録されているナンバー。結構いろんなところでやっているので、Jackyお気に入りの曲なのであろう。
跳ねた感じの楽しい曲。メロディが体に染み込んでいるので、かなり楽しく聴ける。

9. What Happens AU6
この曲も跳ねた感じのベースソロで始まる。ピアノが激しく叩きつけるようなメロディを奏でる。ベースとピアノがバトルしているかのよう。

10. My Lys
楽しく陽気に始まる。ミドルテンポの優しいメロディがピアノによって奏でられる。最後は哀愁たっぷりの優しいメロディが奏でられ終わる。

11. Lacrimosa
モーツァルトのレクイエムからメロディを取った曲。
静かなピアノソロ曲。

12. Nausica
かなりゆっくりとした間の多い曲。消え入りそうな雰囲気の静かな曲。

13. This is Mine
若い頃のJackyを彷彿とさせる、リズミカルで開放感に満ちた始まり。中の解説を読むと、恐らく子供たちへの愛情の叫びを曲にしたものっぽい。そのへんが若々しさを感じさせるのかもしれない。かなり楽しく心弾む曲。メロディも綺麗。アドリブ部分のベースソロもかなり格好良く、ピアノ・ベース・ドラムがバトルっぽくなる部分は素晴らしい。

14. La Part Des Anges - Reprise
ベースの伴奏に乗って、語りで始まる。ピアノも静かに入ってくる。フランスっぽい。

15. Blues en Femmes Majeures
ピアノもベースもゴツゴツした感じ。ドラムはかなり乾いた音を奏でる。混沌とした感じの曲。

16. Resilience
家族に捧げられた曲らしい。哀愁漂う静かな曲。

かなりリラックスしたベースが活躍するアルバム。

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Stefano Di Battista [Jazz Jacky Terrasson]


Stefano Di Battista

Stefano Di Battista

  • アーティスト: Di Battista, Stefano
  • 出版社/メーカー: Blue Note Records
  • 発売日: 2001/04/24
  • メディア: CD



Jacky Terrasonが伴奏を務めた、サックス奏者ステファノ・ディ・バティスタのアルバム。

1曲目 Elvin's Song
初めから、サックスの音が鳴りまくる。決めのところの「タララララララ~」のところが何とも言えない泣きのメロディで聴くたびに泣きそうになる。一通りサックスがプレイしたあと、お待ちかねのピアノ・ソロになるのだが、Jackyは裏方にまわるとあまり派手なプレーをしないのだが、この曲はかなりガンガンに弾いており、サックスに負けないスピード感のある、激しいソロを聴かせてくれている。

2曲目 Johnny's Time
映画において、barで恋人同士が語り合う場面で使われそうな感じの、雰囲気のあるゆったりとした曲。サックスの音色も色っぽく艶っぽい。サックスに続けて演奏されるJackyのソロもロマンチックさに溢れており非常に美しい。ピアノ・ソロが終わると、サックスが感情の高まりを見せる。

3曲目 Nico's Dream
バースの派手な動きが印象的な、スピード感のある曲。Jazzっぽいのだが、あまりメロディが魅力的ではなく私は苦手な類の曲かも。ピアノも結構派手に弾いてはいるがやはりサックスの裏に隠れている感じ。

4曲目 Your Romance
ゆったりとした深みのあるサックスの音で始まる。ピアノのオクターブを分散させながら奏でる伴奏も素敵。この曲はゲスト・トランペッターもいるようで、二人のやり取りが非常に格好良い。

5曲目 Little Red Ribbon
お待ちかねのJackyのオリジナル曲。非常に美しいメロディを持つ、スピード感のあるバラード曲。こういう曲のJackyのタッチの柔らかさと美しさは最高だ。サックスの音もなめらかでとても綺麗。曲の雰囲気にとても合っている。

6曲目 Adderley
劇的なサックスのソロと激しいドラムが絡み合う出だし。結構長めのドラム・ソロのあと、スピード感のある滑らかなメロディが奏でられる。この曲もゲスト・トランペッターが参加しており、ふたりがユニゾンだったり、ハモったりしながらメロディを奏でる。控えめなJackyの伴奏も良い味を出している。

7曲目 Hall
不安定な和音のちょっと不気味な感じのメロディ。若干退屈な曲。

8曲目 Song for Flavia
このアルバムに参加している、ベースのロザリオ・ボナコルソが作曲した曲。ゆったりとした独特のリズミに乗って曲は進む。まさにJazzyなメロディを持った、面白い雰囲気の曲。

9曲目 Time for a Solo
混沌とした感じの曲。あまり心に残る曲ではないか。

10曲目 Anastasia
ロシア系の女性の名前の曲。古い感じのピアノの柔らかい音色をJackyが奏でて始まる。ほかの曲と同じピアノを使用しているのか?と疑問に思うほど音色が違う。同じメロディをサックスが奏でるのだがこちらも美しい。とってもロマンティックな曲。

11曲目 Chicago1987
こちらもJackyの曲。何となくつかみどころのない感じの曲。各々が独自の世界観を作り上げ一曲にまとめている感じ。何となくちぐはぐな感じがある。

12曲目 Like a Turner
ドラムのソロから始まる。情熱的なメロディをサックスが奏でる。結構派手な感じで終始ドラムが馬鹿でかい音を出している。

13曲目 Solo
アルバムラストを飾る曲。本当にサックスのソロ曲。深みと温かみのある音色が心をほっこりさせてくれる哀愁漂う美しい曲。

全体的にまとまった感じで、Jackyもバックにまわっているにしては独自性を出しており悪くないアルバム。
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MOTHER [Jazz Jacky Terrasson]


MOTHER

MOTHER

  • アーティスト: TERRASSON, JACKY & S
  • 出版社/メーカー: IMPUL
  • 発売日: 2016/09/02
  • メディア: CD



久しぶりにJacky Terrassonのアルバムを紹介したい。このCDを買ったのはもう5年前。発売されてすぐに購入した。それなりに聴いてはいたのだが、アルバム全体のレビューを書くのが面倒で紹介していなかった。

1. First Song
Charlie Haden作曲の曲。とてもゆったりとした曲で、出だしのStephane Belmondoのフリューゲルホルンの音が寂れた優しい音でとても懐かしい気持ちになる。途中、スピードがあがり、Jackyのソロになるのだが、そこが軽快でメロディアスでとても良い。その雰囲気のまま、Belmondoが入ってきて始めの主題が回帰され終わる。

2. Hand in Hand
Jacky作曲の曲。「手をとりあって」という意味か? Jackyの左手が面白いリズムを奏で、それに右手がこれまた捉えどころのないメロディを奏でる。それに応えるようにBelmondoがトランペットのこれまた乾いた音で答える。混沌とした感じの曲。雑然とした芸術家の仕事部屋で、芸術家どうしがお互い会話をしてはいるのだが、イマイチ噛み合っていず、しかもそれをお互い気がつかないでそれぞれの仕事に没頭している感じか。

3. Lover Man
Jackyのデビューアルバムのタイトルナンバー。ゆったりとしたリラックス感満載の曲。ピアノが美しいメロディを奏でたあと、フリューゲルホルンがそれに答えてメロディを奏でる。その後二人のユニゾンになるのだが、ここのJackyの超高音がキンキンならず、非常に優しい美しい音色なのが素晴らしい。ピアノが音数を増やし、ドラマティックに盛り上げていく。

4. La Chanson D'Helene
フランス語タイトルでわからないが、Jackyの昔のアルバムで聞き覚えのあるメロディをBelmondoが奏でるのだが、どのアルバムのどの曲かはわからなかった。映画の主題歌らしくとにかくメロディが美しい。

5. In Your Own Sweet Way
ゆっくりとしたタイトル通りあま~い曲。トランペットが素晴らしく哀愁漂うメロディを美しく奏でる。非常に多くの間が取られた曲。

6. PIC SAINT-LOUP
JackyとBelmondoの共作曲。心臓の鼓動のような低音と雑音のような高音がなる。短い不思議な曲。

7. MOTHER
タイトルにもなっているJackyのオリジナル曲。はじめからBelmondoがトランペットでメロディを奏でる。どこか懐かしいゆったりとした趣のあるメロディ。優しくて暖かかったお母さんを回顧している曲か。ピアノの力強いが優しい和音を中心とした伴奏もいい味を出している。解説によると、自分の母親ではなく、世界中のall the great Mothersのための作品らしい。

8. Fun Keys
Jackyお得意のリズムで始まる。このリズムを聴くとワクワクしてしまう。Belmondoのトランペットもはねた感じでノリノリだ。畳み掛けるようなピアノ伴奏が素晴らしい。こういう音楽大好きだ。

9. Les Valseuses
ステファン・グラッペリの曲。すごく懐かしさを感じさせる。アメリカの南部の雰囲気。砂埃が舞う中、強いアルコールを飲みながら男たちが楽しく会話しているような音楽。

10. Souvenirs
Belmondoのオリジナル。Belomondoがソロでメロディを奏で、あとからJackyが伴奏で入ってくる。インテンポになったあとのJackyのリズミカルな伴奏が心を跳ねさせる。

11. You don't know what love is
Belmondoの不安な感じのソロのしたを、Jackyがこれまた緊張感を煽る凄まじい美音の伴奏をつける。これほどまでに音かずが少ないのに盛り上がり迫ってくる感じを出せるJackyおそるべし。Jackyのメロディを奏でる部分は短いのだが、とても美しい。再び緊張感のある独特のリズムを持った伴奏が戻ってくる。

12. Pompignan
二人の共作。こちらも短く混沌とした感じ。宇宙を描いたかのような作品。

13. You are the sunshine of my life
言わずと知れたStevie Wonderの名作。Stevieの曲をJackyは何度かほかのアルバムでも取り上げている。彼の心を刺激するアーティストなのであろう。あまり原曲のメロディはわからない。そして相変わらず、Jackyがメロディを奏でる場面になると彼の美音が耳を引く。間を多くとった美しい演奏になっている。

14. Que Reste-t-ol De Nos Amours
フランス語?全く意味のわからないタイトル。解説を読むと「I wish you love」という意味らしい。
美しいメロディを二人が奏でる。ゆったりとしたこのアルバムのエンディングにふさわしい曲となっている。

とにかく、たったふたりでここまで広がりのある音楽を作り上げているというのが素晴らしい。トランペットやフリューゲルホルンの音色のせいもあるのだと思うが、全体的に温かい雰囲気のアルバムで、夜、ゆっくりしっとりお酒を飲みたい時にぴったりのアルバムとなっている。
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Close To You [Jazz Jacky Terrasson]


Close to You

Close to You

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Act Music + Vision
  • 発売日: 2005/02/01
  • メディア: CD



私はJacky Terrassonの大ファンである。ファンになり始めた当時や、いろいろなCDが発売される度に、Jackyの情報を得ようとインターネットで検索したが、ほとんどヒットしなかった。ほかのアーティストは全CDがDiscographyとして紹介されていることがあったが、Jackyの全CDが紹介されているページはなかった。そこで、自分でJackyのCDを紹介するページが作れたらと思い、このブログで一枚一枚紹介していった。彼のオリジナル・アルバムはほぼ全部紹介できたと思う(少なくとも私が保有しているCDは)。

そこでこれからは彼がサイド・マンとして関わった作品も紹介していきたいと思う。前回のTwo Bass Hitsもサイド・マンとしての作品であるが・・・。

今回はスウェーデン人(多分)の女性ボーカリストRigmor GustafssonのアルバムにJackyが参加したアルバムだ。
ディオンヌ・ワーウィックに捧げたアルバムらしく、バート・バカラックの曲が多く収録されている。

1曲目 Close to you
カーペンターズでも有名な曲。Vocalから入る曲。さすがはVocalアルバムといった感じ。歌が終わり、楽器の間奏が始まるのだが、Bassソロから始まるあたりがお洒落。JackyもVocalの空間を埋める感じでとても控えめな演奏になっている。
2曲目 Walk On By
アップ・テンポの曲。Jackyの跳ねるようなピアノが心地よい。
3曲目 Move Me No Mountain
JakcyがFender Rhodesを弾いている。楽器のSoloはトロンボーンか。すごくゆったりとした柔らかい音世界を作り上げている。
4曲目 So Amazing
ルーサー・ヴァンドロスの曲らしい。ゆったりとした曲で、Rigmorと男性陣のChorusの掛け合いがとても格好いい。最後30秒ほど、Jackyのスピード感のあるPianoソロも聴ける。お得感のある曲。
5曲目 I'll never fall in love again
原曲も大好きな曲。耳馴染みの良い曲。
6曲目 Much Too Much
スピード感のある曲。トロンボーン(?)とベースの掛け合いから始まる。Fender Rhodesもノペ~っとした感じではなく、かなりはねた感じの演奏になっている。
7曲目 Odds And Ends
口笛から始まる。平和感の漂う曲。
8曲目 Alfie
原曲も大好きな曲。イントロのピアノが美しすぎる。この曲Vocalなくても良いよ、と言いたくなってしまうほど素晴らしい。Vocalが始まってからも音数を最小限にした演奏。
9曲目 What the world needs now
ピアノの派手な演奏で始まるが、Vocalが入ると結構静かに曲は進む。サビに入ると再びピアノが音数を増やした演奏となる。
10曲目 Widows of the world
静かなゆったりとした曲。夜のJazz Barで流れているような曲。Pianoソロも少ない音数で雰囲気を壊さないようにしている。メロディも非常に美しくうっとりするような曲だ。
11曲目 Always something there to remind me
なんということはない曲。前後の曲が名曲だけに若干印象の薄くなってしまう曲か。
12曲目 Raindrops keep falling on my head
原曲も多くの人に知られている名曲。原曲の跳ねるような雰囲気を生かしたアレンジになっている。もう少しベースが活躍しても面白かった気もする。この曲では結構Jackyも暴れまわっている。
13曲目 I jsut don't know what to do with myself
静かな曲。こちらもあまり印象に残らない。
14曲目 World of my dreams
Fender Rhodesを使用した終曲。最後はやはりPianoで終わって欲しかったかも。

全体的にJackyは音数をかなり少なくしている。きっとVocalが一番生きるようなアレンジを考えてのことだと思う。こうしたアレンジができるからこそ多くのVocalistから伴奏を頼まれるのだろう。
しか~し、やはりJackyファンとしてはいくら、バックとはいえ、もっとガンガン弾くことを望んでしまう。

とはいえ、BGMとしては最高のアルバムなのではないだろうか。

Heaven [Jazz Jacky Terrasson]


Heaven

Heaven

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
  • 発売日: 2000/03/15
  • メディア: CD



今日は、若干心と時間に余裕があるので、Jacky TerrassonのCDを紹介したいと思う。
JackyがJimmy Scottという伝説(らしい)のJazz Vocalistのアルバムにpianist,arrangerとして参加したものだ。このJimmy Scottというひと、非常に声が高く、彼の声が聞こえたときは女性かと思ってしまった。
タイトル通り、Heavenをテーマにしたアルバム。その名のとおり非常にpeacefulで静かなアルバムなので、Jackyの超絶技巧を堪能するアルバムではない。

1曲目 Heaven
アルバム・タイトル曲。ピアノと歌だけで綴られる非常に詩的な曲。静かな、音数の少ないJackyのソロ・ピアノから始まる。そのピアノに女性的なかすれたようなJimmyのVocalが乗ってくる。ピアノ・ソロもメロディーを生かした短く、美しいものになっている。
2曲目 All My Tears
けだるいピアノのイントロのあと、若干高揚した感じのJimmyの声が入ってくる。一貫してピアノのけだるい感じとボーカルのやや高揚した感じで曲は進んでいく。
3曲目 Wayfarin' Stranger
高音の美しいトリルで始まる。空間が非常に多い。たまに聞こえるシンバルの音、ピアノの高音のトリルが曲の神秘的な感じを引き立てている。途中、数度盛り上がりを見せる、が最後は静かに終わる。
4曲目 People Get Ready
Curtis Mayfieldの名曲。あのRod Stewartもカバーしている。Jimmyも若干気合が入った歌を披露している。やはりこの曲はJimmyやRodのようなハスキーボイスの持ち主が歌うとよく映える。このアルバムでは珍しく若干スピード感がある曲なので、結構楽しめる。
5曲目 He Looked Beyond My Fault
盛り上がった全曲のあとなので若干退屈する曲。演奏時間も長め・・・。
6曲目 When He Returns
Bob Dylanの曲。これはDylanがキリスト教に心頭していた時代に書かれた曲(だったと思う)なので、HeはJesus Christを指しているはず。だからこそこのアルバムにも収録されているのだろうし。和音を中心にバッキングに徹している。JimmyとJackyの掛け合いが面白い。
7曲目 What Are They Doing In Heaven Today
若干タテノリの曲。このアルバムでは珍しくドラムも活躍している。ガチャガチャした感じが夜のJazz Clubみたいで面白い。スキャットっぽい部分も出てきて、Jimmyも楽しんでいる感じだ。
8曲目 Just As I am
水が天国から流れてくるかのような、天使が降りてくるかのようなピアノに乗って、男っぽい声をJimmyが聴かせる。最後は若干不協和音が混じる感じで終わる。
9曲目 There's No Disappointment In Heaven
ラストにふさわしい、清々しく、平和的で、天国へ連れて行かれそうな曲。「フランダースの犬」のエンディングに使っても良いほど美しい。

テーマがHeavenということもあり、ほとんど盛り上がりを見せないアルバムなので、じっくり音楽を楽しむという感じではないが、今日のような雨の日曜日にはぴったりのアルバムだ。紅茶を飲みながら本でも読みながら静かに聴きたいアルバムだ。

Kindred [Jazz Jacky Terrasson]


Kindred

Kindred

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー:
  • メディア: CD



Stefon Harrisというマリンバ奏者とJacky Terrassonが2001年に出したアルバム。何故このCDを知ったのかすらもう覚えていないが、購入する前に、マリンバの音とピアノの音はマッチするのだろうか、と疑問に思ったことだけは覚えている。そして実際聞いたところ、やはりあまりマッチしていなかった。
CD内情報によると、1999年の11月にVillage Vanguardで共演したことがきっかけでこのアルバム制作に至ったらしい。
このStefon Harris、Jackyが一緒にアルバムを制作するくらいなので素晴らしいプレイヤーなんだろうけれど、マリンバについてあまりわからないので、なんとも演奏を評価できない。
とはいえ、Jackyは彼との演奏をとても楽しんでいるのがよく伝わってくるアルバムでとにかく弾きまくり&叫びまくりだ。印象的なフレーズやリズムはあまり出てこないが、Jackyの超絶プレーはそれなりに楽しめるアルバムだとは思う。

1曲目:My Foolish Heart
いきなり始まり、とくに目立ったこともなく終わってしまう。
2曲目:Tank's Tune
StefonもJakcyもとにかく弾きまくり。スピード感にあふれた曲。ドラムとピアノの微妙にリズムがずれる最後の部分などは最高だ。
3曲目:Summertime
フェンダーローズのような優しい音色で始まる。この音色はおそらくStefonのVibesの音なんだと思う。この辺の優しい音作りはJackyの優しい音とつながる部分がある気はする。原曲が有名なだけに、結構楽しめる。
4曲目:Deja
StefonもJackyも非常に優しい音を出している。しかし、しかし、やはり二人の音が噛み合っていない・・・(と思うのは私だけだろうか)。最高に美しい曲なので残念な感じ。Jackyが主導権を握り、Stefonがバックで静かにStringsのように微妙に音が流れている瞬間の美しさは素晴らしい。残念だ。
5曲目:What Is This Thing Called Love
マリンバとピアノがずれた感じで始まる楽しげな曲。こういう遊び感覚の曲はそれなりに良い。音楽室で生徒たちが適当に音を出し合っている感じだが、お互い微妙に絡み合っている。
6曲目:Titi Boom
ベースのソロから始まる。このアルバムは全体的に音が生々しくて作りこんだ感じがしていなくて良い。BassとDrumsが生々しくLive感があって非常に楽しい。Bassが終始、楽しげな雰囲気を作り出している。
7曲目:John’s Abbey
StefonとJackyのユニゾンにより曲が始まる。とはいえなんということはない曲。つまらない。
8曲目:Never Let Me Go
BassとPianoは非常にけだるい雰囲気を作り出しているのだが、マリンバのポコポコした音がそれを台無しにしてしまっている・・・(と私は思う)。これも4曲目に続き、残念な曲。Jackyだけで作ったら最高の曲になったはず。
9曲目:Rat Entrance
Jackyのオリジナル。ネズミたちのちょこまかした雰囲気がStefonとJackyによってうまく表現されている。5曲目と同じように、こうした遊び感覚の曲では最高の二人だ。
10曲目:Rat Race
こちらもJackyのオリジナル。9曲目の雰囲気そのままにスピード感を上げて演奏される。アルバムReachでも取り上げられていた曲だと思うが、まあ正直Piano, Bass, Drumのトリオで良い曲だ。Drumが格好いい。
11曲目:Shane
Stefonのオリジナルだと思う。ちょっとFusionっぽい雰囲気。Chick Coreaを彷彿とさせる曲。Stefonの音色は3曲目と同じようにフェンダーローズを彷彿とさせる。流石にオリジナルだけって音が曲想とマッチしている。
12曲目:Little Niles
なんということは無い曲。
13曲目:Body&Soul
後に傑作Pushで再登場する曲。これもトリオの方が素晴らしい雰囲気を作り出せると思う。

とにかく全体を通してあまり楽しめない。何度も聴けば好きになるかと思い、何度も聴いているが、やはり心に染み渡らないアルバムだ。う~ん残念!

夢のあとに [Jazz Jacky Terrasson]


夢のあとに

夢のあとに

  • アーティスト: パユ(エマニュエル),モーツァルト,シューマン,パガニーニ,リムスキー=コルサコフ,ボラン,サン=サーンス,ラヴェル,ジャッキー・テラソン,ジャッキー・テラソン,アリ・ジャクソン,シーン・スミス
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/05/09
  • メディア: CD



私は一度だけJacky Terrassonに会ったことがある。もう、10年以上前、フルーティストのエマニュエル・パユと自分のバンドと共に、日本で公演を行った時のサイン会でだ。すみだトリフォニーホールだった。サイン会には会場でCDを買った人しか参加できず、何を買おうか非常に迷ってしまった。JackyのCDは全部持っているし、別にパユに興味はないし。迷いに迷った挙句、輸入盤で持っていた「A Paris・・・」の日本版しかもコピーコントロールCDを、解説だけ&サインをもらうためだけに買った。未だにそのCDはプレーヤーに乗せていない。サイン会に並んだ人のほとんどはパユが目当てだったらしく、Jackyのサインをもらっていない人がたくさんいた。なんてもったいないんだろうと思ってしまった。

Jackyがサイドマンになるときはいつもそうだが、この時の演奏会も非常に抑制された演奏をしていた。楽器はピアノとフェンダーローズが用意されており、結構フェンダーも使っていた。あまり印象的なステージではなかったが、Jackyを生で見られる喜びでいっぱいだった。

その演奏会の前に発表されたアルバムがこのアルバムだ。

1曲目:大きな鳥籠
サン・サーンスの「動物の謝肉祭」からの一曲。Jackyの静かなピアノから始まる。もっとクラシックよりの作品なのかと思っていたが、しょっぱなからJazz色全開だった。1分強の非常に短い曲でアルバムのIntroみたいな作品。可愛らしい仕上がりになっている。
2曲目:パヴァーヌ
ラヴェルの作品。かなり原曲の雰囲気を残したアレンジとなっている。
3曲目:ボレロ
このアルバムの白眉。Jackyお得意の「ずっちゃずちゃずっちゃつずっちゃー」というリズムにこれも聞き覚えのあるメロディを右手が奏で、それに絡むような形でパユが自由自在にさまざまなのメロディを奏でる。途中、フェンダー・ローズも使用し、テンポを落とし、最後に出だしの形に戻り、盛り上がって終わる。コンサートでも演奏されて、大喝采を浴びていた曲だ。
4曲目:夢のあとに
フォーレの作品。タイトルにもなっている作品だ。怪しげな雰囲気をピアノ、フルート、ドラムが醸し出す。原曲とはかなり違う印象になっている。そんなに心に残る作品ではない。
5~8曲目:四季
ヴィヴァルディの四季をかなり短くして演奏している。春はパユがメロディを素直に引き、淡々と伴奏している。
夏はかなりファンキーなアレンジ。思わず踊りだしたくなるような曲に仕上がっている。4人で出しているとは思えないような圧倒的な音圧。ジャッキーも豪快に弾きまくっている。
秋は秋の物悲しさをうまく表現している。パユも枯れた音を出している。この人本当に上手だなあとこの曲を聴くと感心してしまう。若干明るい太陽が指している様子も垣間見られる。
冬はベースがメロディを受け持っている。雪の中を少年少女が楽しげに歩いている感じだ。ベースに絡むフルートが楽しげな様子をうまく演出している。
9曲目:ジャンボの子守唄
ドビュッシーの作品。ドビュッシー作品だけにつかみどころがない。
10曲目:トルコ行進曲
モーツァルトの名曲。符点を多用したリズム。原曲のメロディをかなり生かした演奏となっている。パユとジャッキーが交互にメロディを担当している。最後にメロディをお互い発展させ、静かに終わる。
11曲目:見知らぬ国から
シューマンの作品。ボサノバっぽいアレンジ。
12曲目:無窮動
パガニーニの作品。凄まじいスピードでジャッキーとパユがユニゾンでバトルを繰り広げる。ドラムがもう少しバトルに加わっても良いのではと思ってしまう。が遠慮しているのだろうか。
13曲目:くまんばちの飛行
今度はフルートとベースのバトルのような感じ。ピアノとドラムがうまく両者を支えている。
14曲目:ヴェローチェ
この曲はクラシックのアレンジではないらしい。テラソン・トリオが本領を発揮している。4者が対等に渡り合っている。この曲の中でもっともJazzらしい作品に仕上がっている。

しょっちゅう聴くCDではないが、今回久しぶりに聴いていみて非常に面白い作品だなあと思った。特に後半の盛り上がりは素晴らしい。

Two Bass Hits [Jazz Jacky Terrasson]


New Two Bass Hits

New Two Bass Hits

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Capri Records
  • 発売日: 1994/06/30
  • メディア: CD



Ray Brownというベーシストの1992年のアルバム。別にRay BrownというArtistがことさら好きなわけではない。
このアルバムはタイトル通り、二人のベーシストが中心となって音楽を形作っている。構成はBassx2、Pianoというとてもシンプルなものだ。
BassとPianoだけ、と聞いただけでつまらなそうなイメージを持ってしまう。
しかし、これに参加しているピアニストがJacky Terrassonなのだ。
前にも書いたが、Jackyがサイドマンとして、つまり裏方に回って参加したアルバムは、私にとっては「素晴らしい」とまで言える作品は少ないのだが、この作品は「素晴らしい」と言える。
ベーシストが作った作品なのでもちろんBassがメインとなって活躍してはいるのだが、ギターや管楽器、ボーカルなどと違いやはり音が地味だ。その分JackyのPianoが前面に出ており、十分に楽しめる。
しかも、1992年ということで、Jackyの弾くPianoも若々しさに満ちており、音が溌剌としている。アルバム、Lover Man, Jacky Terrassonを彷彿とさせる素晴らしい音を聞かせてくれる。まあ、時期的にもその頃だから当たり前か。

1曲目 How High The Moon
いきなりJackyのピアノの強打から始まる。Lover Manの1曲目Donna Leeの出だしを彷彿とさせるが、あそこまで激しくはなく、緊張感もない。しかし、聞き手を音楽に一気に引き込む出だしとなっている。このあとベースが淡々とメロディを奏でる。ピアノを和音を中心に音を支える。落ち着いた感じの非常にリラックスした演奏を展開している。Jackyも本当に楽しんでピアノを弾いている様子が伝わってくる。
2曲目 America The Beautiful
この曲もJackyのピアノで始まる。和音の連続で始まる。ここではテーマをJackyが弾いており、ずっとJackyが主体となって音楽を作っている。全曲に続き非常にリラックスした感じで、思いのままに楽しく演奏をしている。超絶プレイのようなものは出ないが、ベースとの絡みもとてもいい感じだ。
3曲目 Something For The Bass Boss
タイトル通り、今度はBassが主役。だが、Jackyはここでも個性を発揮している。Bassが主体なので音空間がスカスカになりがちなところを、低い音から高い音まで駆使してうまく空間を埋めている。

ここまでは、Jazz Barで、酒と会話を進ませるための演奏のような感じだ。

4曲目 Ellington Medley
このMedreyがこのアルバムのハイライトと言える。
Things ain't what they used to be
ミディアム・テンポの若干重い感じでMedleyはスタート
Take the "A" train
 かの有名な「A列車で行こう」。Richard TeeとSteve Gaddが繰り返し演奏していた名曲だ。彼らの凄まじいまでのスピード、緊張感を持った演奏とは売って変わり、ゆったりとした演奏となっている。
 Jackyのアルペジオの上にBassがゆったりとしたメロディを乗っけていく。おそらく弓を使って弾いていると思われる。Tee&Gaddの演奏とは違った平和な感じのこの曲の演奏が楽しめる。
Mood Indigo
Bassが高音でメロディを奏でる。
Rain Check
前の曲との切れ目がよくわからないが、おそらくJackyが活躍するあたりからこの曲なのだろう。Jackyの演奏が素晴らしい。中音域でスピード感のある、緊張感に富んだ演奏を聴かせてくれている。このアルバムの中の白眉だ。drumっぽい音はどうだしているのだろうか。Bassを叩いているのか?

5曲目 Trictatism
意味不明のタイトル。タイトル通りメロディも掴みづらい。しかし、ここでもJackyの演奏が楽しげで良い。
6曲目 Bags Groove
Bassのソロで始まる。Jackyも裏方に回って和音を中心とした演奏を展開している。
7曲目 Bossa Nova Medley
再びMedley。Jackyの非常に美しいピアノで幕を開ける。すばらしい。本当に美しい。優しい音色でうっとりしてしまう。曲をあまり知らないのでメドレーの曲をそれぞれは解説しないが、とにかく美しいメドレーとなっている。
8曲目 Bye Bye Blackbird
Jacky Terrassonでも取り上げられていた曲。このVersionはこのVersionでまた良い。ベースとピアノがお互いの音を尊重し合いながら曲を作り上げている感じだ。
9曲目 The Masquerade Is Over
このアルバムは仮面舞踏会だったのか?誰かのカウントで始まる。アルバムの最後を締めくくるにふさわしい楽しげな曲だ。

このアルバム。とにかく演奏者たちが本当に楽しんで演奏しているのかよい。50年代の匂いがプンプンとして楽しくなってしまう。そしてやはりアコースティック楽器だけで演奏しているJackyを聴くのは最高だ。派手な演奏ではなく、盛り上がる部分もあまりないが、夕飯を食べながら、会話を楽しみながら、楽しく聴けるアルバムとなっている。
BassとPianoだけで作ったアルバムとは思えないほど広がりのある音世界を作り上げている面白いアルバムとなっている。

Take This [Jazz Jacky Terrasson]


Take This

Take This

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Blue Note Records
  • 発売日: 2015/02/24
  • メディア: CD



Jacky Terrassonのアルバムを発売当日に買ったのはこのCDがもしかしたら始めたかもしれない。カサンドラ・ウイルソンとの共演盤をもしかしたら発売日近くに買ったかもしれないが、なんにしろ久しぶりである。とはいえ、海外からの輸入盤なので、発売日(2月24日だったか)より3日ほど遅れてうちには届いた。それからI-podに入れ聴き込むつもりだったのだが、何故か9曲目以降うまく入らず、あまり聴き込むことができないままここまで来てしまった。
あとでこまかく曲解説はするが、家に到着後始めて聴いたときは、これがJackyのCDなのか、と思うほど、今までのものとは雰囲気が違っていて、違和感があったのだが、聴きこむうちにかなりこころに響くようになってきた。CD内の解説にもあったのだが、Jacky自身常に新しいものを求めて挑戦していくアーティストらしく、それが顕著に出たアルバムなのではと思う(特にはじめの4曲)。ボーカルが入っているとは言え、基本的には去年日本に来た時と同じメンバー(だと思う)。このボーカルとパーカッションがかなりいい味を出している。ReachやPushとは違った佳作だと思う。

1. Kiff
いきなりボーカルのスキャット(というのか?専門的な言葉はよくわからない)とシンセの音から始まる。この出だしに先ほど書いた違和感がかなりあったのだが、このボーカリストこのアルバムでかなり重要な役割を演じており、彼がいることでアルバムの出来がかなりあがっている。ボーカルが抜けた、ピアノソロはゆったりとしていて広がりがり、奥行も感じさせる素晴らしいものだ。乾いた感じのドラムと情感たっぷりのピアノの対比が非常に美しい。そして再びボーカルが入ってきてはじめのメロディを奏で終わる。

2. Un Poco Loco
1曲目とはうって変わり、スピード感のある激しい曲。Jackyがピアノを弾きまくっており、パーカッションが素晴らしい反応を見せている。1分目くらいから始まるFender Rhodesの早弾きが凄まじい。去年ライブで観たとき程のスピードはない(目の前でみたらすごいのかもしれない)が、それでも凄まじいプレイが楽しめる。時々現れるパーカションソロも素晴らしい。

3. Take Five(Take1)
おそらくボーカルの人が声でリズムを取りながらドラムっぽい音を出しているのだと思う(Human Beatbox)のだが、これが本当に素晴らしい。単調なリズムをひたすら声で出し続けているのだがこれは実はかなり高度なテクニックがいるのではないのだろうか。このHuman Beatboxを引き立たせる素晴らしいバッキングをJackyは見せている。Jackyは誰かのバックに回ると、その人を立てる演奏をするので、私は彼のプレイが楽しめなくなってしまうのだが、ここではSly(Human Beatboxをしている人)を立てながら彼も素晴らしく独創的なおもしろい演奏を繰り広げている。最後は音が絞られていって終わる。

4. Come Together
このアルバムの白眉だろう。ピアノとボーカルだけでここまで広がりのある世界を作れるのかと思うほど素晴らしく厚みのあるサウンド。Beatlesの曲のカバーで、私はBeatlesのこの曲が対して好きではないのだが、このバージョンは素晴らしい。Slyは歌詞がある部分以外では、声でBass音を奏でているのだが、これが跳ねるような感じでピアノと非常にマッチしている。この二人だけでアルバム一枚作ったらもしかしたら素晴らしい傑作アルバムが出来るのでは、と思わせるほど素晴らしい。街角でこの二人が演奏したらさぞかし多くの人が足をとめて聴き入ってしまうだろう。原曲の雰囲気を最大限に生かしつつ二人の世界観をしっかり提示している。

5. Dance
ラテンの雰囲気が感じられる曲。出だしはピアノとパーカッションだけなのだが、ここでも音の広がりはすごい。途中から美しいメロディが入ってきて、SlyのHuman Beatboxとパーカッションが良い感じで絡んできて、すんなりと終わる。

6. Blue in Green
この曲はPiano, Bass, Drums, Percussionのカルテットで演奏している。非常にゆったりとしたJazz Barで流れているような曲。ベースとピアノの絡みが非常に美しい。ピアノの音も非常に潤った感じで、高音を1分45秒前後のところで連打するのだが、これが水が滴るような感じの音になっている。ワイングラスをピラミッド状に重ね、上から落とすとしたまで落ちていく感じか。短いが素晴らしく美しい曲。

7. November
私が求める(今まで求めていた)Jackyの音(メロディ、リズム、音色)が楽しめる。快活で美しいメロディ。彼が得意とするリズム(これが私には染み付いており、このリズムを聴くと体が自然に反応してしまう)、そして優しいながらもキレのある柔らかい音色。3分30秒くらいからのベースとの掛け合いも楽しげだ。美しいメロディに戻って終わる。

8. Take Five(Take2)
3曲目と同じ曲の違うバージョン。Fender Rhodesのゆったり、ねっとりとした音。暑苦しく寝苦しい夜を連想させる。ちょっと苦手。Fender RhodesからPianoに変わると若干爽やかな感じにはなるが、基本暑苦しい。

9. Maladie D'Amour
Cumba's Danceを彷彿とさせる感動的な曲。3分強の曲なのだが、いつまで聴いていたい曲だ。とにかく左手で複雑なリズムを弾きながら、よくここまでメロディアスに優しい音を右手が奏でられるな、と感心してしまう。メロディ、リズム、音色、ベースとパーカッションとのバランス、すべてが最高の曲だ。

10. Somebody That I used to know
「きらきら星」のようなメロディから入る。何とも言えない不思議な雰囲気。クレジットによるとすべてをJacky一人でやっているっぽい。かなり実験的な感じの曲だ。

11. Letting go
Jackyのオリジナル。ゆっくりとした、けだるい感じの曲。最後は優しく美しいピアノの音色で締めくくる。

VocalとPercussionがJackyの良い面を引き出している素晴らしい作品だ。若干ジャケットが残念な感じだが、Jackyの色々な面(新しい面も含めて)が楽しめる。ぜひ多くの人に聴いてもらいたい作品だ。

Gouache [Jazz Jacky Terrasson]


Gouache

Gouache

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal UK
  • 発売日: 2012/09/04
  • メディア: CD



Jackyの最新アルバム。とはいえ、もう半年以上前に出されたアルバムだが・・・。いまの時点では最新だ。
Jackyのアルバムとしては久しぶりに日本版も出ているらしい。タイトルは「ガッシュ」?。私は「ガッチャ」か「ゴウシュ」とでも読むのかと思っていたので日本版が出たことは、この読み方がわかったことだけでも意義があるかも。
私は輸入盤を早々に買っていたので日本版は買っていない。でも日本版が出たということは、Jackyが再び日本でも注目されるようになったということなのだろうか。だとしたら少し嬉しい気もするが・・・。
ちなみに私のかった輸入盤は、家にある古いCDプレーヤーでは認識してくれない。
家には3台CDプレーヤーがある。
①Victor XL-F3 15年以上前のもの
②Bose Acoustic Wave 大きい方 5年ほど前に購入
③Victor 安いポータブルCD/MDプレーヤー 3年ほど前に購入
②、③では問題なく認識されるのだが、①では認識してくれない。古いオーディオを持っている友人に試してもらったところ、その人の家では問題なく認識された。①が一番ゆったり音楽が聴ける場所に置いてあるので少し残念。

で曲紹介。
①Try to Catch Me
Jackyのオリジナル。キューバ音楽っぽい。仕事が終わり、みんなで楽しく飲んでいるようすを描いているかのような作品。女の子がほろ酔い気分の男をからかいながら逃げている様子を表しているのかななどと想像してしまう。
②Baby
クレジットを見るとJustin Bieberとある。名前だけしか聞いたことがないがPops系のだったように思う。とてもPopでスピード感があり楽しい。高音でコロコロ走るJackyの美しい音色が存分に楽しめる曲だ。転調後にゆったりとなり、Fender Roseの音が入るあたりも面白い。珍しくFender Roseが使われていても良い曲だなあと思える曲。
③Je Te Veux
かの有名なフランスのクラシック作曲家Satieの曲。日本語では「あなたがほしい」などど訳されることもある曲だと思う。もともとはPiano曲だが、ここではゲストボーカルを迎えて演奏している。対してうまいとは思わないがずっと聴いているとなんとなく心に染み入ってくる曲。ボーカルが入っているということもあるが原曲のメロディをほとんど崩していない。サティの原曲が非常に美しいこともあり、この演奏も非常に美しいものとなっている。
④Rehab
Amy Winehouseの曲らしい。非常に有名な曲だが、原曲をとどめている部分が少ない気がする。Amy Winehouseの緊張感、切迫感があるバージョンが大好きなだけあり、若干残念な演奏。もう少しスピードを上げて演奏しても良かったのではないかと思ってしまう。ちょっとレイドバックしすぎな感がある。
⑤Gouache
Jackyのオリジナル。アルバムタイトルにしていることもあり、本人も結構満足している演奏なのではないだろうか。Jackyのお得意のリズムに乗せて、ブラスが大活躍する。演奏者が一体となって素晴らしい音楽を作り上げている。
⑥Oh My Love
John Lennonの曲。原曲は聴いたことがない、、、気がする。ゆっくりとした曲で、同じ歌詞を繰り返される。
この曲も始めは好きではなかったが、ずっと聴いてくると心に効いてくる。このVocalがそういうタイプなのか。
⑦Mother
美しいバラード。Jackyの母に対する愛情(?多分)が伝わってくる。かつての楽しかった思い出を回想しているかの曲。映画の回想場面などでつかってもぴったりきそうな感じだ。
⑧Happiness
前曲に続きゆっくりとした感じで始まる。いつも書くが、こうした曲でのJackyのタッチは素晴らしい。優しい音をしっかりと出すのは実は難しい。本当に暖かく優しく美しい音が出せるArtistだ。そのへんRichard Teeと似たものを感じる。途中盛り上がりを見せ圧倒的なフィナーレを迎えて終わる。この曲は傑作だ。
⑨Valse Hot
アンコールの1曲目という感じ。演奏を楽しんでいる様子が見て取れる。
⑩C'est si bon
アンコールの2曲目、最終的なフィナーレ。お別れの曲といった楽しげな曲。

このアルバムは前作と違い楽器もいろいろなものを使っているし、Jackyのオリジナルも半分位。前作の緊張感に満ちた感じはないが、ストーリー性があり、面白いアルバムと言える。

Push [Jazz Jacky Terrasson]


Push

Push

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Concord Records
  • 発売日: 2010/04/27
  • メディア: CD



Jacky TerrassonのConcord移籍後の初めてのアルバム。前にも書いたが、このアルバムの前までのJackyは悪くはないが“素晴らしい”と言えるアルバムを出さなくなっていたので、発売されてもすぐに買うということはしないことが多くなっていた。このアルバムも発売されてから一年以上買わずにいた。おそらくこのアルバムを買わなかったら彼のアルバムを買うことは今後一切なかったかもしれないアルバムだ。
Amazonで、このアルバムの紹介している文を見て、買ってみようと思ったのだ。そのアルバム・レビューに「久しぶりに演りたいことを遠慮なく弾ききっている感じが伝わってくる。ここ最近のブルーノート作品には魅力のかけらもなくなっていたので、移籍は大成功だったのではないか。」と書かれていたのを見て、自分の感じていたことと近いものがあったので、このアルバムは良いのでは、と考え買うに至った。

聴き始めたときは、まあ確かに少しは良いが、傑作というほどでもないか、と考えていたのだが、i-podに入れ、通勤中に聴き込んでいたところ、はまってしまった。初期"Jacky Terrason""Reach"に匹敵する大傑作だと思う。特に一曲目は彼の全作品の中で最も好きな曲の中の一曲になった。

1曲目:Gaux Girl
どう読むのか、どういう意味なのかはわからない。出だしは2~3作前の作品に近いおしゃれな感じ。日曜の朝、昼過ぎにかかると気分がすっきりするような感じだ。ということでこのアルバムもこの流れなのかと思うと一気に雰囲気が変わってくる。3分過ぎからだんだんストリングスがかぶさってきて、3分20秒あたりから50秒あたりまでの曲の雰囲気は最高だ。彼が生み出した音楽の中でベストな作りなのではないだろうか。私は生楽器以外の音が鳴るJackyの曲はあまり好きではないのだが、この曲のこの部分に関しては許せてしまう。というか、ストリングスが入ることでこの曲を大傑作に変えているのだ。そして出だしのメロディに戻り静かに曲は終わる。
2曲目:Beat It / Body and Soul
マイケル・ジャクソンの曲とほかの作品を合体させた曲。例のようにどこがBeat Itなのかイマイチわからないが、出だしのガラスのカチャカチャしたような音が緊張感を醸し出し、ピアノが強いタッチで印象的なメロディを奏でる。ドラムの乾いた音が、ピアノの硬い音と実にマッチしている。この曲を通して高い緊張感を維持した状態で演奏が続けられる。こちらも傑作だ。
3曲目:Ruby My Dear
ハーモニカが参加した、ゆっくりとした曲。前曲のあとだけに非常に印象的な作品。Jackyのピアノのタッチも優しく深い。夜のバーで流れていそうな曲だ。本当にこういう曲でのかれのタッチは素晴らしい。
4曲目:Beat Bop
速い曲。この曲でもドラムとピアノの息がぴったりだ。Jackyの声がかすかに聞こえる。初めと最後がCumba's Danceに非常に似た雰囲気の曲。こうしたリズム感がJackyは染み付いているのだろう。非常に上手い。
5曲目:Round Midnight
3曲目同様セロニアス・モンクのスローな曲。Beat Bopをスローなこの2曲で挟むことにより、4曲目を際立った名曲にさせていると言えるだろう。
6曲目:Morning
Jackyのオリジナル作品。Saxがゲスト参加している。何拍子の曲なのかイマイチわからない。とってもJazzyな雰囲気を持った曲。
7曲目:My Church
こちらもJackyのオリジナル。ゆったりとした作品だ。タイトルに込めた意味はわからないが、Churchということなので「私の安らぎの場所」というような意味合いの作品なのだろうか。本当に心安らぐ天国的な作品だ。彼の作曲した名バラードの一つ。
8曲目:Say Yeah
みんなで楽しげに歌っている曲。Jackyの新境地と言える作品。本当に楽しんで音楽を作り上げている様子が伝わってくる。
9曲目:Youd be so nice to come home to
ベース・ソロから始まる曲。まあこの曲は可もなく不可もなくといった感じか。
10曲目:Carry Me Away
Jackyのオリジナル。アルバムのラストを飾るしっとりとした名バラード。本当に美しい。7曲目同様名バラードの一つ。
11曲目:O Cafe, O Soleil
私は勝手にアンコールだと思っている。Say Yeahと同じように彼らの楽しんでいる様子がひしひしと伝わってくる。

このアルバムの成功のポイントはBassとDrumが素晴らしいことだと思う。苗字が二人ともWilliamということなのでこのふたりは兄弟なのだろうか。とにかく3人の息がぴったり。固定メンバーでアルバム一枚を作るとコンセプトもまとまり、良いものになるのだろうか。
本当に久しぶりの大傑作アルバムだ。

Mirror [Jazz Jacky Terrasson]


Mirror

Mirror

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMI
  • 発売日: 2007/08/28
  • メディア: CD



Jacky TerrassonのPiano Solo Album 「Mirror」だ。
Smileまでのアルバムがもう一歩だったのでもう新しいアルバムが出ても買わなくても良いかなと考えていたのだが、ピアノ・ソロアルバムということで、どんな感じなのかと思い、買ってみた。当然日本版は売り出されていない。もう、彼は日本版は売り出されないのだろうか。
全体的におとなしい感じの曲が多い。ピアノソロなのだから当然かもしれない。高級レストランでピアニストがBGMとして弾いている感じだ。

1曲目:Caravan
激しいピアノの音でスタートする。アルバムのオープニング曲のオープニングとしてはふさわしい。
あとは普通に音楽が流れていく。
2曲目:Juvenile
ゆったりとした美しい曲。子供時代を懐かしんだ曲なのか?
3曲目:Just a Gigolo
おもしろいリズムのちょっとファンキーな感じの曲。
4曲目:You've Got a Frien
言わずと知れた、Carole Kingの名曲。彼にしては珍しく、原曲のメロディーをかなり生かしたアレンジをしている。すごくゆっくりとしたテンポで進んでいく。非常に良いのではないだろうか。
5曲目:Little Red Ribbon
Jackyお気に入りなのか、色々なアルバムで目にする曲。ミドルテンポの曲。1分30秒あたりからスピードが上がってくる。このあたりからメロディーも美しくなっていき、盛り上がりを見せてくる。ピアノソロとは思えない音圧がある。
6曲目:Tragic Mulatto Blues
題名通りBlues。ミドルなBlueをJackyは得意としているのか、結構良い。
7曲目:America the beautiful
若干退屈な曲。高音は美しいが・・・。
8曲目:Bluesette
あまり面白くない
9曲目:Cherokee
かなり低音で左手も右手も動き回る。これだけ低い音で音が濁らないのも素晴らしい。ペダルの使い方、指を離すタイミングなどが抜群なのであろう。うますぎる。
10曲目:Everything Happens to Me
ゆっくりとした美しい曲。やはりこういうたぐいの曲を弾かせたら非常に上手い。
11曲目:Mirror
タイトル曲。非常にテクニカルな曲。
12曲目:Go Round
ゆったりとした曲。高音はやはり美しい。

まあ、このアルバムも悪くはないが。特筆すべきほどでもない。もうダメかとは思っていたが、次作で起死回生のアルバムを届けてくれた。それはまた次回。

Smile [Jazz Jacky Terrasson]


Smile

Smile

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMI Europe Generic
  • 発売日: 2002/12/31
  • メディア: CD



Jacky Terrassonの「Smile」である。Jackyはこのアルバムで、本来のPiano Trioの形に戻っている。悪くはないが・・・。

1曲目 Parisian Throughfare
Bud Powellの曲らしい。まあ、特徴のこれといってない曲だが、オシャレ感と超絶技巧感をうまくMixさせた曲に仕上がっている。途中、Cumba's Danceで聴かれたリズムが登場する。ほかのアルバムでもちょくちょく出てくるリズムで、Jackyはこのリズムが体に染み付いているんだと思う。このリズムの時、彼のピアノは実に生き生きとしている。
2曲目 Mo Better Blues
短いが、非常に美しい曲。
3曲目 Smile
言わずと知れた、チャップリンの「モダン・タイムズ」で使用された名曲である。Jackyにしては珍しくかなり原曲のメロディーを生かした演奏になっている。ピアノの音色がこれ以上ないというくらい優しく美しい。ドラムとベースの控えめな演奏も素晴らしい。
4曲目 Sous Le Ciel De Paris
シャンソンの定番曲らしい。くら~い感じの曲だが、こうしたゆったりとした曲を美しい音で弾かせたら彼の右に出るものはいない(とまでは言えないだろうが)。趣のある曲。
5曲目 Isn't she lovely?
Stevie Wonderの曲。はじめは無機質な感じでメロディーを奏で、段々と熱を帯びてくる。ドラムのカチカチした音も上手い。段々と人間味を帯びてくる感じがすごく良い。
6曲目 The Dolphin
ミドル・テンポの曲。無難に仕上げた感じだ。ベースがいい味を出している。
7曲目 Nardis
Miles Davisの曲。前曲と似たようなアプローチ。
8曲目 Autumn Leaves
以前、カサンドラ・ウイルソンとの共演アルバムでもこの曲を取り上げていたが、やはりつまらない。
9曲目 My Funny Valentine
Blue NoteからのFirst Albumでも取り上げていた曲。Firstの触れたら壊れそうな緊張感を持ったアプローチの方が個人的は好きだ。8曲目同様、若干つまらない。
10曲目 59
ここまできて、初めてJackyのオリジナル。こういう、ゆっくりとした曲。タッチが柔らかく、美しい。
11曲目、12曲目
フランスの曲。省略。若干つまらない。
13曲目 L'air De Rien
Jackyのオリジナル。ゆ~~~~~くりとした曲。お休み~~~。

A Paris... [Jazz Jacky Terrasson]


Paris

Paris

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Blue Note Records
  • 発売日: 2001/02/09
  • メディア: CD



Jacky Terrassonの「A Paris...」というアルバム。
今までのアルバムと違い、フレンチ・ポップスをJazz風にアレンジしたアルバム。
彼の音楽は一曲一曲にドラマ(物語)があるので、聴いていて飽きない。とてもおしゃれなアルバム。
日曜に朝、昼下がりに紅茶を飲みながら聴きたいアルバム。

1曲目 Plaisir D'Amour
「愛の喜び」というタイトル通り、明るい感じの曲。愛の喜びが伝わってくる。
2曲目 Les Chemins De L'Amour
「愛の小道」という愛をテーマにした曲が2曲続いているが、こちらは若干陰りがある感じ。色々な理由で普段会えない恋人がようやく会え、別れの時間が近づき、別れ難い二人が小道で別れを惜しんでいる感じか。
3曲目 Jeux Interdits
「禁じられた遊び」原曲は全くわからないが、しょっぱなからJackyは弾きまくり。カッコよすぎる。
4曲目 A Paris
ゆったりとした曲。こうした曲を弾かせると本当に彼はうまい。哀愁漂う優しい音。ギターの音も雰囲気に合っている。
5曲目 I Love Paris in the springtime
First Albumの1曲目の違うバージョン。Firstよりは重く、ブルージーな演奏となっている。やはりFirstの方が断然良いが、UgonnaとLeonがバックで演奏してくれているので良しとしたい。
6曲目 Que Reste-T'il De Nos Amourts?
フェンダーローズで全編演奏されており、電気音がうるさい。ちょっと残念な曲か。
7曲目 Ne Me Quitte Pas
高音から始まる非常に美しい曲。「行かないで」という邦題、だが、残された恋人の想いがよく表現されている。
8曲目 La Vie En Rose
「バラ色の人生」という邦題。馴染みのある曲。すごく楽しげでかる~い感じの曲。こういう曲を弾かせてもJackyはとってもうまい。
9曲目 Nantes
Jackyのソロによる美しい曲。
10曲目 La Marseillaise
フランス国歌。Jackyのフランスへの愛情がヒシヒシと伝わってくる。
11曲目 Rue Des Lombards
楽しげな曲。リズムも面白い。
12曲目 L'aigle Noir
不思議な雰囲気の曲だが、聴いていて飽きない。名曲とは言えないが、楽しい。
13曲目 I Love you More
ゆったりとしたバラード。美しい。本当にJackyのタッチは柔らかく、優しい。
14曲目 Metro
ドラムが活躍する楽しげなラストナンバー。やはりLeonは最高のドラマーだ。Jacky Terrasson Trio復活して欲しい。

Jackyが新境地を開いたアルバム。いつでも楽しく聴くことができる素敵なアルバムだ。

What It Is [Jazz Jacky Terrasson]


ホワット・イット・イズ

ホワット・イット・イズ

  • アーティスト: ジャッキー・テラソン,アダム・ロジャース,リチャード・ボナ,ジェイ・コリンズ,リック・センタロンザ,マイケル・ブレッカー,ジャズ・ソウヤー,ミノ・シネル
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1999/06/09
  • メディア: CD



カサンドラ・ウィルソンとの共演アルバムに失望したこともあり、発売後もしばらく買わず、何かの折にふと手にしたアルバム。
プロデューサーはカサンドラとの共演アルバムと同じMino Cinelu。
最強のトリオJacky Terrasson Trioを解散し、様々なプレイヤーをバックに録音したアルバム。
圧倒的に御洒落に、間を埋めてしまい、以前のダイナミックさ、繊細さがなくなってしまった。正直買って聞いたときは残念な感じであった。しかし聴きこむうちにこれもありかな、とは考え始めたが、しかしやはりReachまでの緊張感は感じられない。CreamやDerek&Dominosまでのクラプトンとソロになってからのクラプトンの違いといえば分かりやすいだろうか。まあ、どちらも良いのだが、感動を味わえるという意味では前者でなければならない。

1曲目:Sam's Song
いきなりエレキ・ベースとフルートが使われる。現代Jazzという感じ。悪くはないが。
2曲目:What's Wrong With You!
スピード感溢れる曲。Saxがかの有名なMichael Breaker。さすがに格好いい。Jackyのプレーも悪くない。しかし、DrumとPercussionの音数か多すぎる。Leon Parkerであればもっと味のあるドラムで空間を満たしてくれたはず。以前までのトリオで演奏していたら間違いなく大傑作になっていたであろう曲だ。
3曲目:Little Red Ribbon
非常に美しい曲。優しい緊張感のあるピアノの音色を楽しめる。こうした雰囲気の曲を弾かせたらJackyの右に出るものはいない(と私は思う)。あえて言うならユンディ・リくらいか。ベースもUgonna Okegwo。決して主張しない優しいベースだ。
4曲目:Better World
Vocalの入った曲。フェンダー・ローズがしょっぱなから使われており、興味が削がれる。残念。やっぱりPercussionがうるさい。Mino Cineluはろくな仕事をしない。
5曲目:toot-toot's tune
かなり低い音域を使ったピアノから入る。ブルースっぽい感じが良い。が、やはりフルートとハーモニカの音が音楽を軽いものにしてしまっている。そして・・・、やはりDrum,Percussionがうるさい。
6曲目:Money
ピンク・フロイドの曲のカバー、だと思う。ちょっと選曲にびっくり。曲の雰囲気、Jackyのピアノのプレーは悪くない。しかし、申し訳ないが、Sound Effects(Mino Cinelu)がいらない。バーで演奏している雰囲気を作り出したかったんだろうが、そうした雰囲気は無駄なEffectsを使わなくてもJackyなら出せる。本当にMinoはろくな仕事をしない。
7曲目:Le roi Basil
Guitarが入っためづらい曲。メロディーはFusionぽくて悪くない。ポップな感じでとてもよい。とはいえ、Jackyにこうした音は求めていない。
8曲目:Baby Plum
アルバム「Reach」にも入っていた曲。Saxが入っている分オシャレ度はましている。しかし、あの独特のけだるい感じが失われてしまっている。こちらのバージョンも悪くはないが、あえてやるまでもなかったのではないか。
9曲目:Bolero
言わずと知れたラヴェルの名曲ボレロだ。
是非、かつてのTrioでの演奏を聴きたかった。
いろいろな楽器の音が耳障り。

まあ、いろいろ書いたが、悪くはない。しかし、プロデューサーが悪すぎだ。
これ以降Jackyは、オシャレ路線に向かっていく。それはそれで悪くはない。
その分岐点となる作品だ。

Alive [Jazz Jacky Terrasson]


ライヴ!

ライヴ!

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1998/06/24
  • メディア: CD



Jacky, Ugonna, Leonによるアコースティック楽器だけのスタジオ・アルバムは「reach」をもって聴けなくなってしまったが、その後で、この3人によるライブ・アルバムを出している。スタジオであれだけ素晴らしい演奏なんだから、ライブだとかなり熱いプレーを聴かせてくれるのかと期待していたが、そこまで素晴らしいわけではない。が、黄金トリオによるライブなだけあり、それなりに楽しめる演奏とはなっている。

1曲目 Things ain't what they used to be
Jackyのピアノから入る。ミドルテンポの曲。かなり間を生かした、演奏となっている。1曲目としては若干肩すかしにあった感じだ。
2曲目 Cumba's Dance
以前紹介したBlue NoteからのFirst Albumに収録されていた、Jacky作曲の超名曲。スタジオ・バージョンは2分に満たないが、このライブ・バージョンは4分以上ある。始めはかなりゆっくり、お洒落な感じで入ってくる。ドラムもかなり抑え目だ。だんだんとスピードが上がってきて、ドラムもリズムを細かく刻み始める。どこまで速くなるんだという感じ。たまにJackyもスピードについていけていないんじゃないか、という箇所も・・・。いや素晴らしい。とにかく素晴らしい。しかし客の拍手がまばらだ。会場がこうした派手な曲を好む会場ではなかったのだろうか。
3曲目 Sister Sheryl
かなりゆったりと、静かにはじまり、段々と盛り上がる。後半はかなりベースが活躍する。誰だかはわからないが、意味のわからない声を発している。
4曲目 Simple Things
落ち着いた、本当にJazz Barにぴったりの曲。こういう曲を弾く時のJackyの音は本当に美しい。ゆっくりとした曲でメロディーをしっかりならしながら優しい、綺麗な音を出すのは実は難しい。この人の音は本当に優しく美しい。相当練習しているんだろうなあ。拍手も2曲目より多い気がする。やはりそういう雰囲気の会場なのだろう。
5曲目 Nature Boy
こちらも同じメロディを繰り返すベースとその上でメロディーを奏でるピアノの絡みが面白い曲。やはりJackyはこういうミドルテンポの曲で力を発揮する。拍手多。
6曲目 Love For Sale
ドラムとベースが面白いリズムを奏でながら進む曲。これも間を十分に生かした素晴らしい演奏だ。ピアノはおまけのような感じがしてしまう。お客さん大絶賛。
7曲目 For taking over noe valley
全曲を引き継いだような曲だが、どこが一拍目なんだかよくわからない始まり。同じリズムをひたすら繰り返しながら進んでいく。これもドラムが主役のような曲だ。最後が格好いい。
8曲目 The Theme
マイルスの曲。久しぶりにJackyが主役に戻ったかのようだ。声もいろいろなところから聞こえてくる。
9曲目 There's no disappointment in Heaven
この曲はJimmy ScottというVocalistの「Heaven」というアルバムの最後に収められていた作品。このアルバムでJackyは前編でピアノ演奏、アレンジを手がけている。
本当に天国を感じさせる美しい曲だ。

晴れた日曜の昼下がり、ゆったりとした気持ちで聴きたいアルバムだ。

Rendezvous [Jazz Jacky Terrasson]


テネシー・ワルツ / Rendezvous

テネシー・ワルツ / Rendezvous

  • アーティスト: ジャッキー・テラソン,ジャッキー・テラソン,ロニー・プラキシコ,ケニー・デイビス,ロニー・ブラキシコ,ケニー・デイヴィス,ミノ・シネル
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1997/08/20
  • メディア: CD



Jacky TerrassonのBlue Note3枚目、Cassandra Wilson(Vo)との共演盤である。
JackyのFanになって初めて発売と同時に手に入れたCD。
前2作(Lover Manを入れれば3作)があまりにも素晴らしかったので、Voとの共演であればさぞかし楽しめるアルバムであろうと、かなり期待して買った一枚だった。

Reach [Jazz Jacky Terrasson]


Reach

Reach

  • アーティスト: ジャッキー・テラソン,ブゴンナ・オケクバ,レオン・パーカー
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1996/01/17
  • メディア: CD



Jacky Terrassonの3枚目、Blue Noteでの2枚目「Reach」だ。
これはJackyの最高傑作であり、最近のJackyのアルバムの出来を考えると、彼の生涯の最高傑作であろう。
このアルバム以降、彼はピアノ・トリオだけ(ピアノ、ベース、ドラム)の演奏スタイルでアルバムを出すことはなくなり、完全にアコースティックな音で録るのもこれ以降なくなってしまう。
私はやはり生のピアノの音、生のベースの音が好きだ。私の好きなジャズ・ピアニスト(Jacky Terrasson, Richard Tee)は二人共、フェンダーローズを多用する。しかしあまり、フェンダーローズの音は好きではない。ぼやっとしているというか、もやっとしているというか、あの音の柔らかさが売りなのだろうが、せっかくの音楽をダメにしてしまっている気がするのだ。何故、皆フェンダーローズを使いたがるのだろうか。
まあ、それは置いておいても、このアルバムまでのメンバーも素晴らしいのだ。前にも書いたと思うが、ベースのUgonnaOkegwo、DrumのLeon Parker、この3人の息がピッタリなのだ。無駄な音は一切出さない。緊張感にあふれた演奏。もう一度Jackyにはこのメンバーのみでアコースティックで1枚アルバムを作って欲しい。

1曲目 I should care
Jackyのピアノから入る。Jazz Barで流れているようなおしゃれな感じの曲調。だんだんと熱を帯びてくる。
2曲目 The Rat Race
本当にねずみの追いかけっこのようなスピード感ある曲。3人の息もぴったりだ。
3曲目 Baby Plum
前回のアルバムに多かったミドルテンポの曲。間の取り方、リズムの崩し方などが素晴らしい。若干後ろのほうで声も聞こえる。
4曲目 For Sentimental Reasons
本当に美しい、夢見るような曲。リラックスした感じを出しながらも、すごく繊細な音を聴かせてくれる。
5曲目 Reach / Smoke gets in your eyes / Reach
タイトル曲で有名なスタンダード「煙が目にしみる」をはさんだ超名曲。左手で繰り返されるリフに右手が様々なメロディを乗せていく。だんだん熱を帯びてきたと思ったら、「煙が目にしみる」が入ってくる。この緊張感、美しさ、素晴らしい。
6曲目 Happy Man
美しいメロディを持ったゆったりとした曲。ワインでも飲みながら聴きたい曲。本当にHappyさが伝わってくる。この頃のJackyの音質は素晴らしく美しい。
7曲目 First Affair
これも美しいゆったりとした曲。初体験の曲らしい。初々しさが伝わってくる。
8曲目 Just one of those things
リズムをずらした広がりのある曲。こういった感じの曲をまたやってほしい。
9曲目 all my life
ドラムから始まる曲。ベースがあとに続き、ピアノが入ってくる。
遊び感覚にあふれたこの曲でアルバムは幕を閉じる。

本当に傑作だ。ジャケットも格好良すぎでしょ。

Jacky Terrasson [Jazz Jacky Terrasson]


アイ・ラヴ・パリ

アイ・ラヴ・パリ

  • アーティスト: ジャッキー・テラソン,ウゴンナ・オケーゴ,レオン・パーカー
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1995/01/18
  • メディア: CD



昨日に引き続き、Jacky TerrassonのCDを紹介したい。
今回は私が初めて買ったJackyのCDで、JackyのBlue Noteデビュー盤、その名も「Jacky Terrasson」。
私がJackyを知ったのは、あるJazzに関する本でJackyのこのCDが紹介されていたからだ。
どんな内容だったかは全く覚えていないが、ジャケットに一目惚れしてしまった。夕焼け(だと思う)がさす街中でジャッキーが一人でピアノを弾いているのだ。ジャケットを見た瞬間これは買うしかない!と思った。いわゆるジャケ買いというやつである。そしてそれが大当たり。

Jackyは1993年第7回セロニアス・モンク・コンペティションで優勝し、Blue Noteと契約しこのCDを出した。
これは完全にアコースティックなトリオによる演奏だ。
Piano:Jacky Terrasson
Bass :Ugonna Okegwo
Drums:Leon Parker
だ。前回のLover Manのこのトリオによる演奏。ジャケットを開くとこの3人の演奏姿が映った写真が一枚ずつ並んでおり、それがまた格好いい。Jackyはこの後、いろいろなメンバーと共演するが、このトリオが一番良いと思う。息がぴったりであり、音も生々しく、ライブ感に溢れた演奏なのだ。

1曲目:I Love Paris
前作に引き続きドラムソロから入る、今回は15秒ほどあり、これからどんな演奏が始まるのだろうとワクワクさせる素晴らしい出だしだ。曲自体はミディアムテンポの曲。
2曲目:Just A Blues
Jackyの美しい音色によるブルース。スローなテンポ。2曲続けてゆったりめの曲だが飽きることはない。
3曲目:My Funny Valentine
standardナンバーだが、完全にJackyのオリジナルと化している。とにかく出だしの部分を聴いて欲しい。この部分だけでもこのCDを買う価値はある。音色がこれ以上ないくらい美しい。優しくなでるような音だ。ペダルの使い方も非常にうまい。まったく音が濁らないのだ。前作にはない優しい音色だ。コンペで優勝したことで表現力がかなり増したのではないだろうか。
4曲目:Hommage A Lili Boulanger
Jackyのオリジナル。超名演My Funny Valentineの直後だけに、若干退屈な感じがしなくはない。しかしHommageなだけあり、静かに祈りにも似た作品。
5曲目:Bye Bye Blackbird
Jackyのピアノソロからドラム、ベースが絡んでくる。リズム感がありながらも、ミドルテンポの曲。速い曲も魅力だが、このくらいのテンポで曲を盛り上げ、飽きずに聴かせる演奏をするこのトリオ。素晴らしい。
6曲目:He Gpes On A Trip
Jackyのオリジナル。こちらもピアノソロから入る。前編わたってゆったりとした曲調。
7曲目:I Fall in Love Too Easily
こちらもゆったりした曲。あまり意識はしていなかったが、このアルバムかなり遅いテンポの曲が多いことに気がついた。
8曲~10曲目:省略
11曲目:Cumba's Dance
世紀の名曲。たったの1分30秒強の曲。My Funny~のときも書いたが、この曲のためだけにこのCDを買っても損はしない。遠くからやってきたような感じで曲に入っていく。基本的には同じリズム同じメロディーを引いているだけなのだがどんどん盛り上がっていき、最後は圧倒的なパワーが炸裂して終わる。ラヴェルの「ボレロ」のような感じだが、何分でもやっていて欲しいと思わせる本当に本当に素晴らしい。Jackyの最高傑作ではないだろうか。耳コピで自分でも弾いてみたのだがかなり速い+左手のリズムが非常に難しい。その上にあの右手のメロディーを乗せるのは至難の業だ。Jackyおそるべし。
12曲目:Sophisticated Lady
全曲で熱くなった心と体をクールダウンしてこのアルバムは終わる。

途中でも書いたが、かなりミドル~スローな曲が多いアルバム。しかし、11曲目にCumba's Danceを置いていることで、そんな印象を吹き飛ばす。
是非、是非、Jackyのパワーと繊細さ、メロディーの歌わせ方の上手さ、トリオの素晴らしさを堪能できるこのアルバムを多くの人に聴いてもらいたいと思う。

Lover Man [Jazz Jacky Terrasson]


ラバー・マン

ラバー・マン

  • アーティスト: ジャッキー・テラソン・ジャズ・トリオ
  • 出版社/メーカー: ヴィーナス・レコード
  • 発売日: 2008/10/15
  • メディア: CD



今日は私の大好きなジャズ・ピアニスト、Jacky Terrassonについて紹介したい。
彼のCDを初めて聞いたのは浪人時代、Blue Noteから出したデビュー・アルバムを買って聞いたのだが、その演奏があまりにも素晴らしく他に出しているCDはないのかと探し回ってついに見つけたCDがこの「LOVER MAN」である。
Blue Noteと契約する前に彼は数枚CDを出しており、彼自身がリーダーになった初めてのアルバムである(と思う)。
とにかく、人気が出る前なので、若々しさ、瑞々しさ、パワフルさに溢れており、やりたいことをひたすらやっています、という感じがとてもいい。
1曲目 Donna Lee
 ピアニストのアルバムなのに、いきなり、ドラムの「どどどどど」という音から始まる。
 このドラムがまた格好いい。たった1~2秒なのだがこのドラムソロがこのアルバムの全てを物語っていると言っていい。このあとJackyの力強いピアノが入ってくる。リズムとメロディーがうまくマッチした素晴らしい曲である。
2曲目 Nardis
 こちらも1曲目の流れを汲む感じだが、3人が一体になっている感じが素晴らしい。そして引くところは引くという、メリハリのついた曲だ。
3曲目 First Child
 Jackyのオリジナル作品。ゆったりとした、とてもメロディアスな曲。メロディーにしっかりとはまるコードを使っており、聴いていて本当に心地よい。後のCDに見られるようになる、ピアノ(静かな音)のこれ以上ないというほどの繊細さと美しさはまだない。が、これはこれでパワーにあふれた若者が自分の甘い感情を出すと、こういう演奏になります、というものを見せてくれている。
4曲目 In Your Own Sweet Way
 こちらは10分近い大作。始めは静かな感じで曲が始まる。1分30秒すぎからリズム感が出てきて、曲調が一転する。この静かな部分と、リズム感のある部分が、交差し合い発展していきながら曲が進んでいく。最後は3人一体となり盛り上がって終わる。
5曲目 Wail
 非常にテンポの速い曲。ドラムとベースが息の合った演奏を聴かせる。こんなに速く、メロディアスに弾けるんだ、と我々に見せつけているような2分間のショーだ。
6曲目 Lost
 こちらもJackyのオリジナル。ベースのソロから始まる。非常に面白いメロディー、そこにピアノ、ドラムが絡んでいく。迷路に迷い込んだ人間が出口を探していろいろ考え、どんどん出口に近づいている時にBGMとして使われそうな音楽である。
7曲目 Broadway
 まさに、50年代のJazzという感じの曲。お酒を飲みながらガヤガヤとしたパブで聞いているような錯覚にとらわれる。
8曲目 Lover Man
 タイトル曲。不協和音が鳴り響きながらも、所々で美しいメロディーが交じる。ゆったりとした曲。
9曲目 Close Enough For Love
 こちらも3曲目に続き、ゆったりとした美しい曲。若干影のある曲。夜中ワイン片手に聴きたくなる曲。
10曲目 Love For Sale
 同じリズムで様々なアレンジを加えながら盛り上げていく曲。最終曲としては物足りないか・・・。

とにかく最初から最後まで、激しい曲も静かな曲もメロディアス。
メロディー重視の私はすぐに大ファンになってしまった。
Jazzというととかく退屈で長ったらしいそろをひたすら弾いているイメージがあったのだが(実際私の聴いた多くのJazzCDはそうだった)、彼はそんなことはまったくなかった。そのワクワクする跳ねるようなリズムと相まって、楽しく聴き通すことができるのだ。

今回書いて見て、Jackyのオリジナル曲が2曲しかないことに初めて気が付いた。
まだ曲を書き溜めていなかったのだろうか。

私の持っているCDは24kGoldという究極の音質らしいのだが、その素晴らしさがうちのステレオではわからない。
3600円とある。当時金のなかった浪人生がよくこんな高価なものを買ったなあ。

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