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Lover Man [Jazz Jacky Terrasson]


ラバー・マン

ラバー・マン

  • アーティスト: ジャッキー・テラソン・ジャズ・トリオ
  • 出版社/メーカー: ヴィーナス・レコード
  • 発売日: 2008/10/15
  • メディア: CD



今日は私の大好きなジャズ・ピアニスト、Jacky Terrassonについて紹介したい。
彼のCDを初めて聞いたのは浪人時代、Blue Noteから出したデビュー・アルバムを買って聞いたのだが、その演奏があまりにも素晴らしく他に出しているCDはないのかと探し回ってついに見つけたCDがこの「LOVER MAN」である。
Blue Noteと契約する前に彼は数枚CDを出しており、彼自身がリーダーになった初めてのアルバムである(と思う)。
とにかく、人気が出る前なので、若々しさ、瑞々しさ、パワフルさに溢れており、やりたいことをひたすらやっています、という感じがとてもいい。
1曲目 Donna Lee
 ピアニストのアルバムなのに、いきなり、ドラムの「どどどどど」という音から始まる。
 このドラムがまた格好いい。たった1~2秒なのだがこのドラムソロがこのアルバムの全てを物語っていると言っていい。このあとJackyの力強いピアノが入ってくる。リズムとメロディーがうまくマッチした素晴らしい曲である。
2曲目 Nardis
 こちらも1曲目の流れを汲む感じだが、3人が一体になっている感じが素晴らしい。そして引くところは引くという、メリハリのついた曲だ。
3曲目 First Child
 Jackyのオリジナル作品。ゆったりとした、とてもメロディアスな曲。メロディーにしっかりとはまるコードを使っており、聴いていて本当に心地よい。後のCDに見られるようになる、ピアノ(静かな音)のこれ以上ないというほどの繊細さと美しさはまだない。が、これはこれでパワーにあふれた若者が自分の甘い感情を出すと、こういう演奏になります、というものを見せてくれている。
4曲目 In Your Own Sweet Way
 こちらは10分近い大作。始めは静かな感じで曲が始まる。1分30秒すぎからリズム感が出てきて、曲調が一転する。この静かな部分と、リズム感のある部分が、交差し合い発展していきながら曲が進んでいく。最後は3人一体となり盛り上がって終わる。
5曲目 Wail
 非常にテンポの速い曲。ドラムとベースが息の合った演奏を聴かせる。こんなに速く、メロディアスに弾けるんだ、と我々に見せつけているような2分間のショーだ。
6曲目 Lost
 こちらもJackyのオリジナル。ベースのソロから始まる。非常に面白いメロディー、そこにピアノ、ドラムが絡んでいく。迷路に迷い込んだ人間が出口を探していろいろ考え、どんどん出口に近づいている時にBGMとして使われそうな音楽である。
7曲目 Broadway
 まさに、50年代のJazzという感じの曲。お酒を飲みながらガヤガヤとしたパブで聞いているような錯覚にとらわれる。
8曲目 Lover Man
 タイトル曲。不協和音が鳴り響きながらも、所々で美しいメロディーが交じる。ゆったりとした曲。
9曲目 Close Enough For Love
 こちらも3曲目に続き、ゆったりとした美しい曲。若干影のある曲。夜中ワイン片手に聴きたくなる曲。
10曲目 Love For Sale
 同じリズムで様々なアレンジを加えながら盛り上げていく曲。最終曲としては物足りないか・・・。

とにかく最初から最後まで、激しい曲も静かな曲もメロディアス。
メロディー重視の私はすぐに大ファンになってしまった。
Jazzというととかく退屈で長ったらしいそろをひたすら弾いているイメージがあったのだが(実際私の聴いた多くのJazzCDはそうだった)、彼はそんなことはまったくなかった。そのワクワクする跳ねるようなリズムと相まって、楽しく聴き通すことができるのだ。

今回書いて見て、Jackyのオリジナル曲が2曲しかないことに初めて気が付いた。
まだ曲を書き溜めていなかったのだろうか。

私の持っているCDは24kGoldという究極の音質らしいのだが、その素晴らしさがうちのステレオではわからない。
3600円とある。当時金のなかった浪人生がよくこんな高価なものを買ったなあ。

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