回転木馬

回転木馬 (製作50周年記念版) [DVD]

• 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
• 発売日: 2008/04/18
• メディア: DVD

Story: ★★★★☆☆☆☆☆☆
Music:★★★★★★★☆☆☆

ロジャース＆ハマースタイン２世の主要作品を、この「回転木馬」を観たことで一通り見終わった。
彼らの作品は、結構庶民の生活を描いており、「ステート・フェア」「オクラホマ！」そしてこの「回転木馬」などあまり派手さがない。

この「回転木馬」は音楽が非常に美しく、最後に歌われる「人生一人ではない」はとても美しく歌詞も感動的だ。
とはいえ、とにかく主人公のビリーがどうしようもなさすぎて、物語の世界に入っていけない。そんなビリーをひたすら愛し、献身的につくす妻のジュリーがあまりにも美しく、逆にかわいそうになってくる。彼らの娘、ルイーズが出てくるダンス場面があまりに長く退屈。

音楽は悪くないが、ストーリーがあまりにも面白くないので少し残念な作品である。何度も観たい作品では決してない。

南太平洋

南太平洋 [DVD]

• 出版社/メーカー: 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント
• 発売日: 2005/02/04
• メディア: DVD

Story: ★★★★★★★☆☆☆
Music:★★★★★★☆☆☆☆


ロジャース＆ハマースタイン２世作品「南太平洋」を観た。

結構長い作品だった。
舞台は、第二次世界大戦(アメリカvs日本)中の南太平洋の島。
故国フランスで人を殺し、南太平洋の島に逃げてきたフランス人農園主と、アメリカ軍看護師の恋愛話。そこに、アメリカ人士官と、現地の娘の恋の話も絡む。

初めは、差別意識、オリエンタリズム丸出しの、「ミス・サイゴン」的な話なのかと思いきや、最後は差別を超えた人間愛的なものが結論になっており、観たあとの後味は悪くはない。ただ、よく指摘されているように、何故か歌うシーンで無駄にカラー処理をしてしまい、せっかくの美しい映像を台無しにしている。

「バリハイ」始め、使用されている曲も悪くはないが、やはり「サウンド・オブ・ミュージック」にはかなわない。
「オクラホマ」よりは幾分マシではあったが、とても面白いという類の作品でもない。

オクラホマ

オクラホマ!(製作50周年記念版) [DVD]

• 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
• 発売日: 2009/09/04
• メディア: DVD

Story: ★★★☆☆☆☆☆☆☆
Music:★★★★☆☆☆☆☆☆


開拓時代のオクラホマを舞台にした恋愛ミュージカル。

羊飼いカーリーと、農場の娘ローリー、ローリーの召使でローリーに恋心を寄せるジャッドの三角関係を中心に話が展開される。

歌は確かに綺麗で楽しいものが多い。
が、この時代のアメリカ・ミュージカル映画に多いのだが、歌と踊りがとにかく長い。最後に、カーリーとローリーの結婚に嫉妬したジャッドが、干し草に火をつけ、ふたりを襲う。それを止めようとしたカーリーがジャッドを刺殺してしまう。

これに対して、自首し、裁判を受けることを勧めるお偉いさんに対し、街の人たちが「この場で裁判をしてしまおう」と騒ぎ、勝手に裁判を行い、勝手に正当防衛とし、二人はハネムーンに出かけて終わる。

正直、何かスッキリとしない作品だ。
そもそも、ジャッドがふたりを襲ったのも、パーティーにちゃんと誘ってくれないカーリーを嫉妬させようと、ジャッドの誘いにローリーが乗ったにもかかわらず、パーティーに向かう途中抱きつかれそうになるのを阻止するために、馬を暴走させ、挙げ句の果てにその場にジャッドを置き去りにしたローリーは明らかに道徳的におかしい。

とにかく、主人公二人＝善、ジャッド＝悪という対立構造をつくり、善が幸せになるために悪を滅ぼそう、そのためにはどんな手段を使っても構わない的なところがある。

音楽は美しいのだが、物語として非常にモヤモヤする作品だった。

ステート・フェア

ステート・フェア (製作60周年記念版) [DVD]

• 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
• 発売日: 2008/04/18
• メディア: DVD

Story: ★★★★★★☆☆☆☆
Music:★★★★☆☆☆☆☆☆


リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世のコンビによる映画のDVDボックスを手に入れた。

一番有名ではないこの『ステート・フェア』から見始めた。
この作品、特典映像によると、原作は小説らしい。アメリカでは一年に一回行われる、品評会と言われるステート・フェアが各州で大々的に開かれていたらしい。家畜や農産品の展示会や、各種コンテストなども行われていたらしく、仮設遊園地などもあり、結構多くの人がこの催しが行われる期間を楽しみにしていたらしい。

そんな背景知識も全く知らず見始めたので初めは全く意味が分からなかった。物語はこのステート・フェアに向かう父・母・兄・妹の4人家族を追った物語となっており、兄妹がこの催しで偶然出会った相手と恋に落ちるというありふれた物語。正直、ストーリーに何の深みもないし、非常にありきたりなのだが、それなりに楽しめた。期待していた音楽はそこまでではなかったが、まあ悪くはなかった。

恐らく主役であろう、妹マージ―を演じる、ジーン・クレインが非常に美しかった。

王様と私

王様と私(2枚組) [DVD]

• 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
• メディア: DVD

Story: ★★★★★★★★☆☆
Music:★★★★★☆☆☆☆☆


ミュージカル映画『王様と私』を観た。
正直、あまり興味があるものではなかったのだが、ロジャース＆ハマースタイン作の名作ということで観てみた。あまり期待していなかったのだがとても素晴らしかった。

根本的なストーリーは有名作『サウンド・オブ・ミュージック』と同じ。英国人女性アンナがタイの国王の子供たちの家庭教師となり、権威主義的な組織を民主主義的な組織に変えて行き、その権威の権化ともいうべきものと恋愛関係になる、というもの。
この『王様と私』では、アンナと王様はいい雰囲気にはなるものの、恋愛関係にはならない。これは恐らく、王様が東洋人であるためであろう。もしこれが同じ白人国家であれば、この二人は間違いなく恋人関係になっていたはずである。明らかにオリエンタリズムを感じる。そういった意味で、このラスト以外はありえなかったのであろうと思う。

と、若干批判めいたことを書いたが、内容は素晴らしく、結構良い作品だった。が、劇中歌は思っていたよりかは素晴らしいものではなかった。