ピアノ・ソナタ [ソレール ピアノ曲]
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2009/12/09
- メディア: CD
ソレールという人をあまりよく知らないのだが、1757年にスペインのフィリペ2世が設立したエスコリアル王宮でオルガン奏者だった人らしい。彼は修道士であったらしく、普段の生活はとても質素で、朝から夜までは祈りを捧げ、空いた時間に作曲をするという、日々規則正しい日課を送っていたらしい。
21番 嬰ハ短調
★★★★★☆☆☆☆☆
悲しげな第一主題で始まる。その後若干明るさがさすが厳しい雰囲気の第二主題となる。その後ドラマティックで力強い展開部を経て、最後は主題が回帰され終わる。
24番 ニ短調
★★★★★★☆☆☆☆
バッハに似た少し厳しい雰囲気の対位法的な物悲しいメロディで始まる。第一主題の物悲しさと第二主題の力強さの対比が見事。途中の展開部的な若干ドラマティックな宇宙的な響きになったあと優美な雰囲気になるところも良い。最後は初めの主題が回帰されて終わる。なかなかの力作。
84番 ニ長調
★★★★★☆☆☆☆☆
長調らしい明るい始まり。元気な第一主題、若干引いた感じの憂いを帯びた第二主題。展開部は緊張感のある雰囲気。最後は第一、第二主題が回帰され終わる。左手が結構印象的な雰囲気の曲。
85番 嬰ヘ短調
★★★★★★☆☆☆☆
こちらもバッハ的な対位法を上手く用いた荘厳な雰囲気の第一主題。第二主題は明るく軽やかな長調。
展開部は優しく愛らしい雰囲気。再現部はなく(多分)ドラマティックな悲劇的な雰囲気で終わる。
87番 ト短調
★★★★★☆☆☆☆☆
悲しげな舞踏曲風に始まる。少し引いた感じの平坦な第二主題。ポツポツとした面白い部分を経て、第一、第二主題が繰り返される。第一主題を様々に変奏させたような展開部を経て、主題が回帰され終わる。
88番 変ニ長調
★★★★★☆☆☆☆☆
華やかな祝祭的な雰囲気の曲。雰囲気があまり変わらず普通。
89番 ヘ長調
★★★★☆☆☆☆☆☆
力強く明るい主題。第二主題は第一主題を若干変化させた感じのもの。展開部も同じような雰囲気。
ずっと同じような雰囲気でほかのソナタに比べるとつまらない。
90番 嬰ヘ長調
★★★★★★☆☆☆☆
前曲同様力強い第一主題、舞踏的で対話的な第二主題、その後現れる優美で伸びやかなメロディ、その後草原で遊ぶ子供たちを描いたような雰囲気となる。同じことが繰り返された後、展開部では全く雰囲気を変え、最後は第一主題が回帰され、ドラマティックなコーダを経て、一瞬静かになった後、元気に終わる。雰囲気がコロコロ変わるそれなりに面白い曲。
オルガン奏者らしくベース音が力強く印象的な曲が多い。
