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歌劇「フェニモアとゲルダ」間奏曲 [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

評価
★★★★★★☆☆☆☆
東洋風の少しエキゾチックな息の長い旋律を、包み込むようなオケの伴奏の中、フルートが奏でて始まる。その後もオケとフルートが対話的にメロディを奏でて終わる。
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2つの小品 [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

1. 春初めてのかっこうを聞いて
★★★★★★☆☆☆☆
やわらかで暖かい雰囲気で始まる。ディーリアスにしては珍しい息の長い滑らかな旋律の中を、時々カッコウの鳴き声が聞こえる。最後は静かに終わる。

2. 河の上の夏の夜
★★★★★☆☆☆☆☆
「ミ~レ、ミ~レ、シ~ラ、シ~ラ」という単純な動機の繰り返しで始まる。
短い動機を積み重ねる独特の手法が初めは繰り返されるが、途中からもやっとしたオケの伴奏のなか、チェロ?が息の長い旋律を奏でる。その後再び短い動機が各楽器によって積み重ねられていく。
最後はもやっと終わる。
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夏の庭園で [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

★★★★★☆☆☆☆☆
鳥たちが優しく囀り合うかのような、短い動機が成り合う、やわらかな雰囲気で始まる。
段々と盛り上がり、大地で花々が咲き誇り、緑が広がりを見せるようすを表しているかのような少し広がりのある雰囲気となる。
少し東洋風なエキゾチックな雰囲気となる。
混沌とし、最後は静かに終わる。

普通。
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パリ・夜想曲(大都会の歌) [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

★★★★★★☆☆☆☆
低く呻くような朝焼けのまだ、街が眠っているような、眠りからまさに覚めようとするかのような、もやっとした雰囲気が5分近く続く。
だんだん盛り上がるが、再び静まる。
だんだんと明るさを帯び、街全体が少しずつ眠りから覚め、活気を帯びてくる。
朝の新鮮な空気に包まれ、眠たげに、しかし心晴れやかにお互い挨拶を交わすかのような美しい音楽となる。
完全に街は目を覚まし、市場のガチャガチャした感じ、恋人たちが優しく朝の挨拶を交わし合う感じ、など様々なメロディが次から次へと繰り出される。
一度静まりを見せた後、ふたたび盛り上がり、最後は皆家路につくかのように、静かになって終わる。

ディーリアスって、不穏げに暗く始まり、混沌とした盛り上がりを見せ、静かに優しく終わる、というパターンが多い気がする。


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鹿鳴館 [文学 日本 Classic]


鹿鳴館 (新潮文庫)

鹿鳴館 (新潮文庫)

  • 作者: 由紀夫, 三島
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1984/12/24
  • メディア: 文庫



辻村深月の作品『ツナグ』にも登場するし、三島の様々な戯曲を読み、彼の戯曲の傑作として知られる「鹿鳴館」も読んでみたくなり、購入し早速読んでみた。

岩波文庫『若人よ甦れ・黒蜥蜴』、河出文庫『オリジナル版 英霊の聲』があまりにも素晴らしいので、傑作と言われる「鹿鳴館」はさぞかし素晴らしい作品なのだろうと期待値が相当高い状態で読んだ。

・・・・・・。
明治時代の欧化政策をめぐる、賛成派と反対派の政治的対立、そのあいだに挟まれた恋愛模様を描いた作品で、よく舞台かもされているようだし、映画化、ドラマ化もされている作品らしいが、確かにぐいぐい引き込まれなくはないのだが、三島由紀夫独特の、精神の純粋さというか、美しさのようなものがあまり感じられず、人間のズルさというのか、政治的な側面があまりにも強調されており、わたし的にはもう一歩。

ほかに収録されている
「只ほど高いものはない」は、昔の夫の不倫相手が生活に困り、お手伝いさんとして家にやってきて、それを妻がいびるのだが、最終的にはそのお手伝いさんがいなくては家族全員の生活が成り立たなくなってしまうほど、彼女に依存する生活になってしまい、最終的には家を、夫を乗っ取られるような形になってしまうというもの。こちらも人間の醜い側面が、「これでもかっ」とばかりに描かれていて、読んでいてあまり気持ちの良いものではない。

「夜の向日葵」も、天然で人を疑うことを知らない未亡人を中心に、人々の醜い面がどんどんと溢れだされていく作品。最後はこの未亡人も自らの欲望に逆らえない感じの結末になっており、これまた読後感はすこぶる悪い。

最後に収録されている「朝の躑躅」も最悪の作品。ある子爵の館で夜通しパーティーをする子爵や男爵の面々。そんな中、彼らの多くがお金を預けているある銀行が潰れる。それを聞いて、自分たちの裕福な暮らしがなくなるのではとうろたえる面々。特にパーティーを主催している子爵の妻はあたふた。パーティーに参加していた成り上がりものの男はこの子爵の妻を、前から狙っていた。お金と引き換えに体を要求。妻はそれを受け入れる。しかし・・・。
人間の醜い面をこれでもかと描いた、本当に最低の作品。読後感は悪いなんてものではない。

正直、どの戯曲ももう一歩。もう一度読みたいという類の作品ではない。
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アパラチア 古い黒人奴隷の歌による変奏曲 [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲
ビーチャムという人が編曲しているものらしい。

1. 序奏
★★★★★★☆☆☆☆
朝焼けの中、船が出港していくかのような、眠たげだけど。どこか明るく前向きな前奏ではじまる。
ハープの音も入ってきて、段々と盛り上がり、チェロ(コントラバス?)の低い唸るような音と管楽器のやり取りが続き、ハープが眠りから完全に起こすような、魔法のような旋律を奏でた後、音楽が動き出す。
鳥たちの楽しげな会話を模したような明るく開放感のある音楽となり、華やかに力強くなっていくが、最後はハープの音と共に静かに終わる。

2. 主題
★★★★★☆☆☆☆☆
懐かしい感じの、鄙びたメロディを管楽器(オーボエ?)が静かに奏でる。

3. 第一変奏
★★★★★★☆☆☆☆
主題が若干短調気味に奏でられる。

4. 第二変奏
★★★★★★☆☆☆☆
若干明るく高音で奏でられる。

5. 第三変奏
★★★★★★☆☆☆☆
少し力強くドラマティックに賑やかな雰囲気で始まり、主題が優しく奏でられ、静かに眠るように終わる。

6. 第四変奏
★★★★★★☆☆☆☆
力強く、悲しげな旋律となる。日々の苦しい労働を何とか楽しく乗り切ろうという感じの雰囲気で始まる。混沌とした音楽となった後、主題が少しゆったりと奏でられていく。
静かな悲しげな雰囲気となった後、はじめの力強く悲しげな旋律が若干優美に回想される。
5分ちかくある、かなり長い変奏。

7. 第五変奏
★★★★★★☆☆☆☆
悲劇的なドラマティックな雰囲気始まり、その中をのどかな主題が人を慰めるかのように入ってくる。

8. 第六変奏
★★★★★★☆☆☆☆
主題が楽しげに少しおどけた感じで奏でられる。段々とスピードを上げていき、最後は「あ~あ~」というコーラスも入り堂々とした雰囲気で終わる。

9. 第七変奏
★★★★★☆☆☆☆☆
間奏曲風の、若干Jazzっぽい雰囲気もある穏やかながらも不安感のある曲。

10. 第八変奏
★★★★★★☆☆☆☆
ハープの音と弦楽器の高音が幻想的な雰囲気を作り出す曲。もはや主題はあまり感じられない。これも最後にコーラスが遠くの方から聞こえてくる。

11. 第九変奏
★★★★★★☆☆☆☆
非常に悲しげな雰囲気で始まり、ヴァイオリン・ソロが哀愁漂う旋律を奏でる。段々と明るさが混じってくる。こちらも最後元気なコーラスは入ってくる。

12. 第十変奏
★★★★★★☆☆☆☆
ミステリアスな雰囲気で始まる。もやっとした感じが続く。久しぶりにゆったりとした主題が大地の底から出てきたかのように重々しく奏でられる。最後は女性コーラスが優しく入る。

13. 第十一変奏
★★★★★★★☆☆☆
華やかに楽しげな雰囲気で始まる。市場の雰囲気がある。最後は静かに終わる。

14. 第十二変奏
★★★★★☆☆☆☆☆
重く苦しげな感じで始まるが、ティンパニーの音に導かれるように、段々と精神が高められていき明るく清廉な雰囲気となっていく。

15. 第十三変奏
★★★★★★★☆☆☆
優しく、合唱が主題を歌詞入りで歌う。

16. 第十四変奏
★★★★★☆☆☆☆☆
最後は不安げな変奏。どこか懐かしさもある。

17. フィナーレ
★★★★★★★☆☆☆
ゆったりと趣深く、主題が奏でられる。バリトンが力強く歌を歌い、合唱がそれに呼応するかのように力強く歌う。ハープも混じり、感動的な雰囲気となり、最後は静かにそっと終わる。

主題が短くわかりやすいのでそれなりに楽しく聴ける。

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さりゆくつばめ [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

弦楽四重奏曲の緩徐楽章(第三楽章)を、フェンビーと言う人が管弦楽用に編曲したものらしい。

評価
★★★★★★☆☆☆☆
やさしく若干不安げな雰囲気で始まる。短く平易な旋律が重層的に奏でられていく。
中間部は若干息の長い、安らぎのある雰囲気となる。
最後はふたたび短い旋律が不安げに繰り返されそっと終わる。
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歌劇「イルメリン」前奏曲 [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

評価
★★★★★★★★☆☆
もやっとした弦楽器の伴奏に乗って、管楽器が静かに物悲しい対話をして始まる。その対話にヴァイオリンの美しい調べが乗り、ハープも入ってくる。段々と明るさをおび始める。

ひたすら短い動機を各楽器が対話的に繰り返しながら穏やかに曲は進んでいく。

しずかな心落ち着く曲。隠れた名曲。
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夏の歌 [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

当時失明していたディーリアスが友人に口述筆記してもらった曲らしい。

評価
★★★★★★☆☆☆☆
幻想的な雰囲気で始まる。高音のフルートの音が鳴り響くが、この音は滑空するカモメらしい。
ハープの水の泡の音を模したような和音の連続の後、美しいヴァイオリンが鳴り響く。こちらは波の静かなうねりを表しているらしい。
中盤再びハープが水の泡の音を模し、少し盛り上がる。
最後は静かに幻想的に終わる。

静かな曲。
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歌劇『村のロメオとジュリエット』より 楽園への道 [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲
親たちの土地をめぐる訴訟争いで、引き裂かれた男女が、船を漕ぎ出して楽園(天国)へと向かう前(最中?)に演奏される曲らしい。そういえばそんな話だった。

評価
★★★★★★☆☆☆☆
非常に牧歌的なモヤっとした雰囲気で始まる。管楽器の音がのどかさを演出している。
段々と不穏な空気が流れ出す。段々と心が浄化されていくかのような美しい雰囲気となっていく。
最後はハープも鳴り出し、静かに天に召されていくかのように静かに終わる。

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山上にて [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

評価
★★★★★★☆☆☆☆
物語の始まりを告げるかのような、激しい嵐が吹き荒れるような雰囲気で始まる。
一旦嵐はおさまり壮大な雰囲気になり、その後ドラムもなり暴れる英雄的な感じとなる。
中盤からは、雄大な美しいメロディが流れ、静かな大自然を模したような音楽となる。
後半穏やかな雰囲気から段々と盛り上がって行き、最後は雄大に終わる。

悪くはない曲。
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ダンス・ラプソディ No.1 [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

1. Lento
★★★★★★☆☆☆☆
異国情緒たっぷりの、ゆったりとした幻想的な序曲。1分半程度の短い曲。

2. Comodo
★★★★★☆☆☆☆☆
茶目っ気たっぷりのスケルツォ的な楽しい雰囲気。2分弱の短い曲。

3. Vivo
★★★★★☆☆☆☆☆
おどろおどろしく激しい始まり。この曲もエキゾチックなメロディ。2分強の曲。

4. Piu Lento Tranquillo
★★★★★☆☆☆☆☆
祭りの後のような、けだるい雰囲気で始まるが、すぐに明るく楽しげになる。後半は幻想的。4分近く、この曲集の中では長い曲。

5. Molto Adagio
★★★★★★☆☆☆☆
ヴァイオリンが高音で静かで穏やかな旋律を奏でる。森の動物たちが眠りにつくかのような感じ。そのまま終わると思いきや、最後いきなり盛り上がって終わる。

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ダンス・ラプソディ No.2 [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

評価
★★★★★☆☆☆☆☆
穏やかな平和的な感じで始まる。少しエキゾチックな雰囲気となる。
幻想的な舞曲となる。
エキゾチックなゆったりとした感じになり、最後は明るく堂々と終わる。

普通。
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丘を超えて遥かに [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

評価
★★★★★★☆☆☆☆
幻想的な雪の舞い散る雰囲気で始まる。
吹雪が突然吹き荒れたような激しくおどろおどろしい雰囲気なる。
中間部、再び幻想的な雰囲気となり、静かになり、のどかで平和な眠りについたかのよう世界が広がる。
眠りから覚めると(夢の中で?)荘厳な城が登場したかのような堂々とした音楽となり、中に入ると美しい世界が広がっている、と言った感じが?
静かな雰囲気がしばらく続き、最後は再び激しくおどろおどろしい感じとなり、堂々と明るく終わる。

物語性に富んだ曲。結構長い。
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奇想行進曲 [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

評価
★★★★★★☆☆☆☆
淡々とした行進曲で始まる。ロシア風になったり、アラビア風になったり、中国風になったり、様々な雰囲気が楽しめる。若干「くるみ割り人形」の第二幕に似た雰囲気を感じる。
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3つの小さな音詩 そり乗り(冬の夜) [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

評価
★★★★★★★☆☆☆
愛らしい鈴の音で始まる。子どもたちが雪の中を楽しげに外に飛び出してきたかのような、ミドル・テンポの跳ねた感じの可愛らしい雰囲気で始まる。少し経つと力強くなり、自然を描写したような雰囲気となる。
少し冷たい風が吹いてきて若干不穏な空気となる。
広がりのある壮大な雰囲気の中間部。少し幻想的でもある。
雪の妖精たちの国に迷い込んだ感じになる。
後半ははじめの鐘のなる楽しげな雰囲気に戻る。
最後は遊び疲れた子どもたちが静かに眠りについて終わる。
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5つのバガテル Op.23a [フィンジ その他]


ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: CD



クラリネットとピアノのための曲。このCDでは弦楽の伴奏になっている。

No. 1 前奏曲
★★★★★★★★☆☆
ドレミファソ~ラシ~ド~ソ~という単純なメロディながらとても心に残る美しい旋律で元気も良い。
三部形式で中間部は穏やかな美しく高貴な雰囲気。

No. 2 ロマンス
★★★★★★★☆☆☆
優しく柔らかなメロディと雰囲気の曲。

No. 3 キャロル
★★★★★★★★★☆
まさしく、クリスマス・キャロルのような愛らしく美しい旋律。すべてが完璧と言われるほど素晴らしい。最後には「ディン・ドン」という鐘の音も聞こえる。

No. 4 フォルラーナ(イタリア起源の舞曲)
★★★★★★★☆☆☆
秋を感じさせる少し哀愁漂うメロディで始まる。
後半は少し優雅で高貴な雰囲気になる。

No. 5 フゲッタ
★★★★★★★☆☆☆
元気で軽やかに始まる。あまりフゲッタ感はない。最後は軽やかにそっと終わる。

全体的にクリスマスの雰囲気が感じられる佳曲。
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クラリネット協奏曲 ハ短調 Op. [フィンジ その他]


ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
悲劇的な前奏で始まる。
クラリネットを呼び寄せるかのようなオケの演奏の後、悲しげなメロディをクラリネットが高音で主題を奏する。少し優しげな夢の中の世界のような雰囲気となり、再び悲しげなメロディが回帰される。
最後は短いユーモラスなカデンツァが登場し、突然終わる。

第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
魔法の世界に迷い込んだかのような幻想的な雰囲気で始まる。
クラリネットがこれまた幻想的なメロディを静かに奏でる。
もやっとした空気が静かに流れる。
その後、甘い香りの漂う部屋に入り、そこにいた美しい女性と静かに踊りを楽しむかのような雰囲気となる。
踊りが終わると、女性の悲しくつらい状況を打ち明けられるかのような静かで悲しげな雰囲気となる。
二人の感情が高まり、女性の状況を打破すべく決意を固めた主人公が、一人静かに考えをまとめているかのような雰囲気となり、そのまま静かに終わる。
物語性に富んだ美しい楽章。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
決然とした少し悲劇的な感じで始まるが、弦楽器のピッチカートの速い伴奏と共に、段々と明るさを帯びてくる。悲しげな旋律で優しげで明るい旋律が交互に登場し、最後は優美で息の長い旋律をクラリネットが奏し、前向きで明るい雰囲気となり劇的に終わる。

チェロ協奏曲ほどではないが、美しいメロディの流れる佳曲。
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チェロ協奏曲 イ短調 Op.40 [フィンジ その他]


ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
大河ドラマのような壮大で悲劇的な前奏で始まる。
前奏で用いられた悲劇的な主題をチェロのソロが奏でる。
第二主題は少し哀愁漂う優しくゆったりとした雰囲気。
展開部も少し悲しげだが広がりのある雰囲気。
静かで息の長い旋律が繰り広げられる、長いカデンツァのあと、ティンパニーが一発激しく鳴り唐突に終わる。

第二楽章
★★★★★★★★☆☆
優美で優雅なフィンジらしい、イギリスの田園風景を目に浮かび上がらせる美しい旋律が、管弦楽だけでまず奏される。
その後、暖かい音色でチェロが前奏と同じメロディを奏でる。
中間部はむせび泣く様な旋律で始まり、短いやさしい主題が色々と形を変えて登場し、盛り上がって行きクライマックスを迎えた後、静かな雰囲気に戻り、チェロがはじめの美しい旋律を優しく奏で終わる。

第三楽章
★★★★★★★★☆☆
チェロのユーモラスなピッチカートの連続で始まる。管楽器がのどかにそれに呼応する。
のどかで心震える前向きで美しい旋律をチェロが奏でると、管弦楽が同じメロディで答える。
その後もチェロと管弦楽が、色々な自然の音を模倣しながら、曲は進む。
前向きで勇壮な主題を間間に挟みながら、チェロが時には楽しげに、時には悲しげに様々な旋律を奏でる。
最後は、激しいカデンツァを経て、突然終わる。

美しいメロディに彩られた名曲。バルビローリの委嘱を受けた作品らしい。
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エクローグ Op.10 [フィンジ その他]


ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: CD



ピアノと管弦楽のための作品

評価
★★★★★★★★★☆
ピアノ・ソロによる右手と左手の優しい対話的な前奏の後、優しく穏やかな美しい旋律をオケが奏でる。その後ピアノとオケが対話を始め、段々と絡み合い盛り上がっていく。ロマンティックに盛り上がった後、再び静かに自然の中に入っていくような雰囲気になる。
その後内省的な美しいメロディとなる。
最後は優しいはじめのメロディが回帰され静かに終わる。

「きら★クラ」というふかわりょうと遠藤真里さんがパーソナリティをつとめるNHK FMの番組で知った曲で、私がフィンジを知るきっかけになった曲。心落ち着く美しい傑作。
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大幻想曲とトッカータ Op.38 [フィンジ その他]


ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: CD



ピアノと管弦楽のための作品

評価
★★★★★★★☆☆☆
力強いピアノ・ソロで始まる。バッハを感じさせる対位法を活かした壮大な幻想曲。少しJazzっぽい雰囲気もある。
後半ドラマティックに盛り上がった後、オケが入ってくる。ピアノが抜け、オケだけで少し悲しげな美しい旋律を奏でる。ピアノが凄まじいトッカータ(速いパッセージの即興的な演奏)を繰り広げる。オケとピアノがどんどん絡み合っていき悲しくも美しい世界を作り上げる。
後半、少し明るくなり、オケとピアノが楽しげなやりとりを繰り広げる。
最後は悲劇的な雰囲気が戻り堂々と終わる。
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ディエス・ナタリス Op.8 [フィンジ その他]


ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: CD



「生誕の日」「クリスマスの日」という意味らしい。

No. 1 イントゥラーダ
★★★★★★★☆☆☆
弦楽合奏による美しく広がりのある前奏曲。とても綺麗で穏やかな曲。

No. 2 ラプソディ
★★★★★★☆☆☆☆
前奏曲の雰囲気を引き継いだ静かなメロディの曲。中盤の天界を表したかのような清麗な雰囲気も綺麗。

No. 3 歓喜
★★★★★★★☆☆☆
スケルツォ楽章的。緊迫感のある伸びやかで美しい伴奏のなか、喜びのメロディが歌われる。スピード感のあるパート、ミドルテンポのパートが順々に来る。

No. 4 驚嘆
★★★★★★☆☆☆☆
緩徐楽章的。ゆったりとしたくつろいだ雰囲気で曲は進む。

No. 5 挨拶
★★★★★★★☆☆☆
伸びやかで優美なメロディの前奏で始まる。歌も綺麗で心落ち着くメロディ。弦楽器と歌の絡みが美しい。高貴な雰囲気。
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To a poet Op.13a [フィンジ 歌曲集]


ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: CD



No. 1 a thousand years hence フレッカー詩
★★★★★★☆☆☆☆
「1千年の後に」
神秘的で少し不安げなピアノ伴奏で始まる。混沌とした感じの歌が流れるが、後半ちょっとJazzっぽくしっとりとした感じになる。珍しい展開の曲。

No. 2 On parent knees ジョーンズ詩
★★★★★★★☆☆☆
「親の膝の上」
伸びやかで静かな郷愁を誘う美しいメロディの曲。

No. 3 Intrada トラハーン詩
★★★★★★☆☆☆☆
「イントラーダ」
静かで伸びやかな曲。

No. 4 The birthnight デ・ラ・メア詩
★★★★★★★☆☆☆
「明るい夜」
こちらもJazzっぽい雰囲気の、バーで流れていそうな雰囲気の曲。

No. 5 June on Castle Hill ルーカス詩
★★★★★★☆☆☆
「キャッスルヒルの六月」
こちらもしっとりとした夜を感じさせる曲。途中少し劇的になる部分が綺麗。

No. 6 Ode on the rejection of St. Cecilia バーカー詩
★★★★☆☆☆☆☆☆
「聖セシリアの拒絶に寄せるオード」
力強く始まるが、段々と重々しくゆったりとしていく。最後はドラマティックに荘厳に終わる。

Jazzっぽい雰囲気を持った面白い曲集。
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By Footpath and Stile Op.2 [フィンジ 歌曲集]


ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: CD



トマス・ハーディー詩

弦楽四重奏の伴奏による歌曲集

No. 1 Paying Calls
★★★★★★★☆☆☆
「訪ね歩き」
しっとりとした少し悲しげで哀愁漂う非常に美しい前奏で始まる。歌もしんみりとしていて綺麗・

No. 2 Where the picnic was
★★★★★★★☆☆☆
「ピクニックのあった場所で」
チェロの伸びやかな単音で始まる。その後ほかの弦楽器も加わり、静かに歌がメロディを歌い始める。間奏部でもチェロが息の長い悲しげな旋律を弾く。楽しかった過去を、そして辛い現在を語る。

No. 3 The Oxen
★★★★★★★☆☆☆
「牡牛たち」
「クリスマス・イブ」という詩で始まる。敬虔な雰囲気に満たされた美しく可憐な作品。

No. 4 The master and the leaves
★★★★★★☆☆☆☆
「ご主人さまと木の葉たち」
元気にスケルツォ楽章的に始まる。途中ゆったりとなる部分がある。弦楽器と歌が非常にうまく絡み合った曲。後半劇的な雰囲気となり、最後は静かにしっとりと終わる。雰囲気がコロコロ変わる曲。

No. 5 Voices from things growing in a churchyard
★★★★★★☆☆☆☆
「教会墓地に育つ者たちの声」
鳥たちのさえずりを模したような愛らしい前奏で始まる。
過去に死んだ人たちが順々に語っていく、という体裁を取った詩。
①小さな女の子。愛らしいゆったりとしたメロディ。
②独身の男の人。少し力強い。
③木苺?    壮大な感じ。ピッチカートで跳ねるような感じを醸し出している。
④月桂樹?   伸びやかで美しい。
⑤蔓草     伸びやかで静かな感じ。
⑥年老いた地主。力強く少し跳ねた感じ。
⑦最後は締めの言葉
        穏やかな感じ。静かに終わる。

No. 6 Exeunt omnes
★★★★★★☆☆☆☆
「一同退場」
ファンファーレのような音のあと、皆が行ってしまったことを告げる語り口調の歌が始まる。
静かにゆったりと曲は進み、最後はしっとりと終わる。

弦楽四重奏とテノールという珍しい組み合わせだが、非常に雰囲気が美しく穏やかな気持ちで聴ける。
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Earth and Air and Rain Op.15 [フィンジ 歌曲集]


ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: CD



トマス・ハーディー詩

No. 1 Summer schemes
★★★★★★★☆☆☆
「夏の計画」
流れるような美しいピアノ伴奏に乗って、伸びやかな美しい旋律が歌われる。若々しく幸福感あふれる曲。

No. 2 When I set out for Lyonnesse
★★★★★★☆☆☆☆
「ぼくが出かけた時に ライオネスに」
おどろおどろしく始まる。少し行進曲風でもある。勇壮な感じの歌。間奏のピアノのメロディが格好良い。

No. 3 Waiting Both
★★★★★★☆☆☆☆
「待っている、共に」
暗く重い曲。鎮魂歌のような感じで、途中鐘の音も聞こえる。

No. 4 The Phantom
★★★★★★☆☆☆☆
「亡霊」
題名とは違い、明るくどこか懐かしい曲。途中メロディが平坦な感じになり、最後は語り口調になり終わる。

No. 5 So I have fared
★★★★★★★☆☆☆
「こうして私はやり過ごしてきた」
郷愁を感じさせるゆったりとした曲。尖っていた若い頃を思う曲?なめらかで美しいメロディ。

No. 6 Rollicum-Rorum
★★★★★★★★☆☆
「ロリカム・ローラム」
明るく楽しげな曲。子どもの遊び歌のような感じで聴いていて心躍る。

No. 7 To Lizbie Browne
★★★★★★★★☆☆
「リズビー・ブラウンに」
節の初めに必ず、~ Lizbie Browneと歌われる。優しく甘酸っぱい曲。しっとりとして美しい曲。

No. 8 The clock of the years
★★★★★☆☆☆☆☆
「歳月の時計」
語りで始まる。その後おどろおどろしい短い伴奏が入り、語りの歌が始まる。幻想的な歌詞で死者が蘇る話?

No. 9 In a churchyard
★★★★★★☆☆☆☆
「教会の墓地に」
こちらも暗く重い曲。語り口調で曲は進むが、途中、突然ピアノも歌も流れるような美しい雰囲気に変わる。最後は再び重さが戻り、静かに消え入るように終わる。

No. 10 Proud songsters
★★★★★★☆☆☆☆
「誇り高い歌い手たち」
緊張感に富んだ結構長い、うつくしい伴奏で始まる。歌は短くが若干暗いが美しい旋律。
曲の最後に、この曲集のタイトルとなった歌詞が出てくる。

懐かしい気持ちにさせてくれる、優しく美しい曲集。
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ツナグ 想い人の心得 [文学 日本 辻村深月]


ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

  • 作者: 辻村深月
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2022/06/27
  • メディア: Kindle版



前作『ツナグ』から7年ぶりに書かれたものらしい。
現世に生きる人と、死んでしまった人を会わせる「使者(ツナグ)」の物語。
前作は現世に生きる人に焦点が当てられており、残されたものの苦悩のようなものを描いていた作品であったが、今回はスポットがどちらかというと、「使者」である渋谷歩美(男性)にあたっている気がする。前作では半人間のような、どちらかというと天の使い的なあまり人間味のない感じがあったが、今回は、人間渋谷歩美が前面に出ており、現世での仕事と、「使者」の仕事を通して、また仕事を通して出会った(現世、使者どちらにおいても)人々を通して彼が人間的に成長していく模様を描いている。

恋愛模様も有り、前回とは違ったテイストで楽しめた。展開的に次作も出版されそうなので楽しみに待ちたい。
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I Said to love Op.19b [フィンジ 歌曲集]


ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: CD



トマス・ハーディー詩

No. 1 I need not to go
★★★★★★★☆☆☆
「私は行く必要がない」
語り口調なのだが、とても綺麗なメロディで伸びやかで若々しい美しい曲。

No. 2 At Middle-Field Gate in February
★★★★★★☆☆☆☆
「ミドルフィールドの門で 二月に」
荒涼とした感じの、老いを感じさせる曲。淡々としてくらいがメロディは綺麗。

No. 3 Two lips
★★★★★★☆☆☆☆
「ふたつの唇」
どこか暗さがあるが、跳ねた感じで若々しい曲。亡くなってしまった恋人の写真にキスをする歌?

No. 4 In five-score summers
★★★★★★☆☆☆☆
「五度の二十年分の季節のうちに 」
すこし悲しげで哀愁漂う前奏で始まり、歌も暗く重々しく入ってくるが、嘆き悲しむかのように少しスピード感ある感じになる。終始くらいがテンポがコロコロ変わるので楽しい。

No. 5 For Life I had never cared greatly
★★★★★★★☆☆☆
「人生のことなど 私は決して大したことと思ったことはなかった」
暗さはあるが、どこか前向きな曲。美しく広がりのあるメロディが心惹かれる。

No. 6 I said to love
★★★★★★☆☆☆☆
「私は愛に言った」
劇的で激しい伴奏で始まる。歌も激しく歌い始める。ドラマティックで力強い展開。間奏のピアノも激しい。終始力強い曲。

全体的にくらいがヴァライエティに富んだ美しい曲集
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不惑のフェミニズム [学術書]


不惑のフェミニズム (岩波現代文庫)

不惑のフェミニズム (岩波現代文庫)

  • 作者: 上野 千鶴子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2011/05/18
  • メディア: 文庫



1980年代から2000年代までの30年間に亘る、上野千鶴子が各所で発言してきた発言を一冊にまとめたもの。新聞や雑誌等に掲載されたものが多く、一つ一つが短いので非常に読みやすい。しかもある程度大まかな年代順に並んでいるので、フェミニズムが社会でどのように受け入れられどのように批判され弾圧されてきたかがわかってかなり興味深かった。

私は1978年生まれで、この本に掲載されている一番早いものが1983年ということで自分の成長とともに、フェミニズムを振り返るような感覚で非常に楽しめた。

特に安倍が政権をとって超保守主義、超国家主義のまるで戦前・戦中のような様相を呈するようになる2000年代の発言を集めた、「3 バックラッシュに抗して 2000年代」が非常に読み応えがあり、2022年の現在もこの流れは続いていることを再認識させられた。

p.9
「わたしは啓蒙がキライだ。他人から啓蒙されるほどアホではないし、他人さまを啓蒙するほど傲慢でもない。フェミニズムの運動は、自己解放から出発したはずなのに、いつのまにか「すすんだワタシ」が「おくれたアナタ」を啓蒙するという抑圧に転化してしまった。」

前半は私も同じ気持ちだ。教師という仕事をしていてもこれは思う。後半も、よくある現象だ。キリスト教しかり、マルクス主義しかり、「~教」や「~イズム」と名前がつき、組織が確立されればされるほど、組織は硬直化し、抑圧的になる。


p.17~18
ここで、おんなの運動が実績を作り上げて要因をいくつか、上野千鶴子は挙げている。
①ピラミッド型からローリング・ストーン型へ
②直接・参加民主主義
③スモール・イズ・ビューティフル
④「いま・ここ」での解放
⑤同質性より異質性
⑥自発性と創意工夫
⑦情報の集中を避ける
⑧役割分担の流動化
⑨ハレの場をつくる
⑩仲よしクラブより苦楽を共にした仲間
これは全て素晴らしく、組織の硬直化を防ぎ、つねに組織を行動に駆り立て、前へ進ませるものだ。わたしも自分が属する組織ではなるべく上記のことを心がけているつもりだ。


pp. 46~47
「妙なもので、上司と部下、教師と生徒の間では、いつでも下位に置かれた方が上位にいる人間の状況や欠陥をよく見抜く。上に立ったとたん、まるで逆光で世の中を見るみたいに、周囲も自分のこともよく見えなくなるものらしい。いつも底辺にいる女は、スポットライトを浴びた権力者たちのみっともなさやこっけいさをよく知っているから、自分が同じ立場に立つかもしれないことに敏感だ。しかしこれは、よほど注意深くしていないと持続できる態度ではない。男たちの価値観は、まるで重力のようにそこら中に充満しているから、ちょっと気をゆるめるとすぐに巻きこまれてしまう。」

自分もこれから先、常にこのことは気をつけて生きていきたいと思う。


pp.128~129
「フェミニズムは、社会的弱者の運動である。女にとっくに「実力」があるなら、こんな運動をするまでもない。わたしは客観的にはエリート女だが(なにしろ大学助教授だからね)、自分が恵まれた特権的少数者の中にいることぐらい自覚している。自分がやれたから、あんたにもやれるはずだと言うのを、ほかならぬスーパーウーマン・シンドロームと言うのだ。エリート女とエリート主義者とはちがう。自分の立場とは違う人々に想像力を欠いた時にだけ、エリート女はエリート主義者になる。」

私の周りにいるエリート主義者も同じ考えを持ち、人の心を平気で踏みにじる。そして踏みにじったことに気がつかず、強者の論理をふりかざす。


pp.167~168
「女性に対する暴力と環境に対する暴力とはふかくつながっている、という事実であった。戦争と強姦という肉体に対する直接的な暴力、自然破壊という「体外環境」「体内環境」双方の汚染をつうじての生命への暴力、そして女性の「生存経済」からのひきはなしと労働市場からの排除という構造的な暴力・・・・・・。
 それらは「進歩と開発」の名において現在も進行中である。シンポジウムの最後に、「持続可能な発展」と「持続可能な社会」とのちがいについて、緊迫した議論のやりとりがあった。社会の「持続可能性」と「発展」とはあいいれない、「持続可能な発展」とは論理矛盾にほかならない、という指摘に、誰もが直面している問題の大きさに目のくらむ思いをした。」

あまり意識してこなかったがこれは非常にするどい指摘だと思う。日本が環境に意識した社会にならない理由は、日本のマッチョイズム、家父長制的体制のせいなのだと気づかされた。


p.205
「セクハラの定義の被害者基準(ある行為がセクハラであるかどうかは、被害当事者が判断するという基準)から言えば、加害と被害の深刻に置けるこのジェンダーギャップこそ、解き明かされなければならない問題といえよう。」

p.212
「ちなみに東京大学のある部局では、総長からの要請を受けてさっそく苦情相談窓口を設置したが、それは各研究室の長がそのまま相談窓口の担当者になる、というものであった。対応がおざなりだと言うだけでなく、これほどセクハラについての認識不足をあらわしているものもない。かれら組織の長こそがもっともセクハラ加害者になる蓋然性が高い人々であるというだけでなく、直接の利害関係のある上司に、セクハラ被害者が相談を持ち込むとはほぼ考えられないからである。」

p.215
「調査委員会は双方の当事者からの事情聴取にもとづいて、加害者・被害者双方の言い分のうち、一致したものだけを事実と認定するというおどろくべき報告をおこなった。したがって被害者が申告するような事実はない、としたうえで加害者と木される教官には処分なし、さらに教授会を会議という非公式の場に変えたうえで当該の教官に始末書を書かせるという「穏便な」処置をとった。

p.216
「第三は、調査結果の事実認定の問題である。加害・被害両当事者の言い分のうち、両者の一致した部分だけを事実と認定するという態度は、一見中立的に見えてそうではない。セクハラのような権力関係を背景にした被害については、「中立的」であることはただちに「強者の立場に立つ」ことを意味する。」

わたしの属する組織がまさに上記のようなパワハラ対策を行っている。私は何度も上記のようなことを提案しているのだが、全く聞く耳を持たない。何が問題かを理解できないのであろう。


p.337
「闘って獲得したものではなく、与えられた権利はたやすく奪われる。闘って獲得した権利ですら、闘って守りつづけなければ、足元を掘り起こされる。」

これも今の組織にいて、日本という社会にいて日々感じることだ。


p.411
「フェミニズムは論争をおそれない思想だった。それだけ多様で多彩だったからだと思う。フェミニズムが多様な解釈を許容し、一枚岩でなかったことは、フェミニズムの思想としての活力と成長の条件だった。だからこそフェミニズムには今日に至るまで、固定的な教理もなければ、正統・異端もなければ、除名も排除もない。」

これも素晴らしいと思う。

p.380
「女のひとは(女に限らず日本にひとは)早々と、安直にラクになりすぎるような気がする。身の丈の幸せと、お手軽に和解しすぎるような気がする。安直に手に入れたものは、それだけのものでしかないことに、あとになってわたしたちは気がつくだろう。」

これも良い言葉であり、多くの人に読んでもらいたい言葉だ。

とても読みやすく、今の自分を省みるのに良い本だった。
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Let us garlands bring Op.18 [フィンジ 歌曲集]


ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: CD



シェイクスピア詩

No. 1 Come away,come away,death
★★★★★★★★★☆
「来たれ、死よ」
『十二夜』より
名曲。静かな重い伴奏に、美しいメロディが静かに歌われる。

No. 2 Who is Silvia?
★★★★★★★☆☆☆
「シルヴィアは誰?」
『ヴェローナの二紳士』より
春を感じさせる躍動感のある曲、中間部、若干憂いを帯びるが、最後は明るく終わる。

No. 3 Fear no more the heat o' the sun
★★★★★★★★☆☆
「太陽の熱を、もう恐るな」
『シンベリン』
暗く重く始まる。ヒロインが死んだ、と思われ、それを悼んで歌われる曲だけに荘厳な曲だが、メロディは非常に美しく心に響く。

No. 4 O mistress mine
★★★★★★★★☆☆
「おお、わたしの恋人よ」
『十二夜』
明るく跳ねるような曲。春を感じさせる楽しく美しい曲。

No. 5 It was a lover and his lass
★★★★★★★☆☆☆
「恋する若者と恋人がいた」
『お気に召すまま』
こちらも軽快で軽妙な曲。

さすが世界の文豪の詩につけた曲集だけあり、レベルの高い曲が並ぶ。
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Before & After Summer Op.16 [フィンジ 歌曲集]


ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

ジェラルド・フィンジ:アンソロジー[Box set, 8枚組]

  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: CD



トマス・ハーディー詩

No. 1 Childhood among the ferns
★★★★★☆☆☆☆☆
「シダの間の子供時代」
ドラマティックに始まるが、歌が始まるとポコポコという若干リズミカルな伴奏に変わり、過去を回想するかのような語り的な歌が始まる。中間部、流れるような伴奏に変わり、歌もメロディアスに歌い始める。最後は静かな語りに戻り終わる。

No. 2 Before & After Summer
★★★★★☆☆☆☆☆
「夏の前と終わりに」
元気に始まる。こちらもポコポコした伴奏だが、子供が遊び回るような感じで鍵盤上を動き回る。後半は暗く重くなり終わる。、

No. 3 The Self-unseeing
★★★★☆☆☆☆☆☆
「自分を見ない人」
暗く重く始まる。ゆったりとした足取りで歌も低音を歌う。中間部から少し開けた感じになり、高音で明るくメロディを歌う。最後はボツボツとしたピアノ伴奏で終わる。

No. 4 Overlooking the River
★★★★★★☆☆☆☆
「川の見晴らし」
なだらかな、流麗な伴奏で始まり、歌も伸びやかな明るい旋律を歌う。中間部より少しためらいがちな若干哀愁漂うメロディとなる。

No. 5 Channel firing
★★★★☆☆☆☆☆☆
「海峡砲撃」
重々しくドラマティックな伴奏で始まる。歌も重く暗い。途中から動きを見せ元気な感じになる。オペラの一人語りのような激しく感情をぶつけるような感じ。6分を超える長い曲。

No. 6 In the mind's eye
★★★★★☆☆☆☆☆
「心の目の中に」
おどろおどろしい、不気味な伴奏で始まる。歌も不安げ。

No. 7 The too short time
★★★★★★☆☆☆☆
「あまりに短時間に」
ドビュッシーをおもわせる、神秘的な水がポツリポツリと滴り落ちるような伴奏で始まる。ゆったりとしたメロディ。半音を活かした曲。途中から少し明るくなる。

No. 8 Epeisodia
★★★★★☆☆☆☆☆
「エペイソディア」
滑らかな流れるような曲。

No. 9 Amabel
★★★★★★☆☆☆☆
「アマベル」
優しく語りかけるような曲。ラブソング?

No. 10 He abjures love
★★★★☆☆☆☆☆☆
「彼は愛を捨てる」
劇的に始まり、途中感情が爆発するが、最後は静かに重々しく終わる。
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