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ムーミン谷の十一月 [文学 その他 ムーミン]


新装版 ムーミン谷の十一月 (講談社文庫)

新装版 ムーミン谷の十一月 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/09/15
  • メディア: 文庫



ムーミン・シリーズの最終巻。最終巻にもかかわらず、ムーミン一家は全く出てこない。
灯台のある島を目指してムーミン谷を後にしたムーミンの家を訪れた様々な人々が、そこで色々な葛藤を繰り広げながら共同生活をし、お互い様々なことを受け入れ、自分の葛藤を乗り越えそれぞれ旅立っていく物語。

人間がもつ心の葛藤に焦点を合わせた作品で、とても深い作品なのだろうが、相変わらずわかりづらく、ムーミン一家も出てこず、正直あまり面白くない。

初期はとても緊張感もあり、それなりに面白かったのだが、後半はあまり面白くないものが多かった気がする。

そんなに、子供に薦めたいシリーズではないかもしれない。何故こんなに世界中で人気なのだろうか?
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ムーミンパパ海へいく [文学 その他 ムーミン]


新装版 ムーミンパパ海へいく (講談社文庫)

新装版 ムーミンパパ海へいく (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/08/12
  • メディア: 文庫



題名は『ムーミンパパ海へいく』となんとなくパパが海へバカンスへ行ったお気楽な感じのストーリーを思わせるが、実際は、家族全員が住み慣れたムーミン谷を出て、パパの夢である灯台守の仕事が出来る灯台のある島を目指し、海を渡り、荒れ果てた島で生活をする話である。

安定vs冒険、こどもの自立・思春期の悩み、などをテーマにした作品なのだろうが、それをムーミンという妖精を通して描くことであまり直接的ではない形にしている。そのため非常にわかりづらく、読みづらい。正直あまり面白いものではなかった。

安定した生活から引きずりだされる形になり自分の殻に閉じこもりがちになってしまったムーミンママに対してだけ、ある程度共感できたが、あとは何だかな~という感じだった。

一応心に残った数節を紹介したい。

p.43
「ママ、あいつはどうしてあんないじわるになったの」
と、ムーミントロールがききました。
「だれのこと」
「モランさ。だれかがなにかしたために、それであんなにわるくなったのかしら」
「そんなことがわかるものですか」
と、ムーミンママはいいながら、しっぽを水から引き上げました。
「むしろ、だれもなにもしなかったからでしょうね。だれもあの人のことは気にかけないという意味よ。」

いじめの中でも一番陰湿なのは「しかと・無視」だ。自分が存在しないかのように周りに振る舞われることほど自分の気持ちが傷つけられることはない。モランがどこかに座ると、その座った場所は氷のように冷たくなってしまい生き物がすめなくなってしまう。しかし、ムーミントロールが、モランに対して暖かい気持ちを持って接したことで、モランが座った場所も冷たくなくなる。人はだれかに温かい気持ちを向けられるだけで、変われるものなのだ、ということを伝えたかったのであろう。

p.49
「あの男はすこしへんだな。そうじゃないか」
と、ムーミンパパは自信なさそうにいいました。
「とてもへんよ、そういわれれば。くるくるぱあよ」
と、ちびのミイがいいました。
ムーミンママはため息をついて、足をのばしながらいいました。
「だけど、わたしたちの知っている人たちって、たいていあんなものよ。多かれ少なかれ」

みんなどこかでへんなのだ。標準的という観点を持って人間を眺めること自体が傲慢なのだろう。

p.253
「しかし、おまえ、わしたちをこんなにまでおどろかすのは、よくないね。わしたちが夕がた家に帰ってくると、おまえはいつもここにいるーこういうきまりになっているんだ。それをよくおぼえていなさい」
こう、パパはいいました。ムーミンママはため息をつきました。
「それがたまらないのよ。たまには変化も必要ですわ。わたしたちは、おたがいに、あまりにも、あたりまえのことをあたりまえとおもいすぎるのじゃない?そうでしょ、あなた」

これは、くだらない伝統にこだわる頭の固い連中へのメッセージであるとともに、当時の状況を考えると、ウーマンリブの先駆けともいえるセリフなのではないだろうか。

と、ところどころ印象的な言葉はあったが、全体としてストーリーは面白くなかった。
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ムーミン谷の仲間たち [文学 その他 ムーミン]


新装版 ムーミン谷の仲間たち (講談社文庫)

新装版 ムーミン谷の仲間たち (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/07/15
  • メディア: 文庫



この作品は、ムーミン一家以外の登場人物に焦点を当てた短編集。
話がある程度まとまっており、かえって読みやすかった。
1.なまえのない「はい虫」が憧れのスナフキンに名前を付けてもらう話
2.うそをつくことの恐ろしさに気が付く、ホムサのこどもの話
3.ものをもたないことのすがすがしさに、大自然の猛威によって気づくことが出来たフィリフヨンカの話
4.ムーミントロールが竜を見つけて飼おうとするが最後は自然に戻っていく話
5.しずかなことが好きなへムレンさんの話
6.皮肉を言われ続け、自信をなくし見えなくなってしまったニンニが、ムーミンママのおかげで姿を取り戻す話
7.ニョロニョロの話
8.ものを持たないことの重要性に気が付いたスニフの話
9.ヘムルのせいで、クリスマスの日に冬眠から起こされてしまったムーミン一家がクリスマスを初体験する話

どれも、大自然に逆らわずそれを受け入れ共存することの大切さ、ものを持たないこと、心を大切にすることの重要さを訴えた美しい小品集になっている。とはいえものすごい面白いわけではない。

p.89
「まあ、なんてなんて、ふしぎなんでしょう!大自然の大きな力にたいしては、かわいそうに、小さいフィリフヨンカに、いったいなにができるでしょう。まだ、なにかつくろったり修理したりするものが、あるかしら。なんにもありません。みんな、きれいさっぱりと、あらいながされてしまったのだわ!」
竜巻によって家の中のものすべてを奪われてしまったフィリフヨンカがかえってすっきりして、あらたな人生を歩みだす場面の言葉。この本を象徴している一文と言えるだろう。

p.181
「それがあんたのわるいところ。たたかうってことをおぼえないうちは、あんたには自分の顔はもてません。」
姿を失ってしまったニンニにちびのミイが放ったことば。陰で悪口を言ったり、ネット上で人を中傷したり、酒場で上司の悪口などを言って何も行動できないすべての日本に住む人々に送りたい言葉だ。
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ムーミン谷の冬 [文学 その他 ムーミン]


ムーミン全集[新版]5 ムーミン谷の冬

ムーミン全集[新版]5 ムーミン谷の冬

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/02/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



『ムーミン谷の冬』を読み終わった。通勤電車の中で読んだせいもあり、いままでのどのムーミンシリーズよりも速く読み終わった。

いつもは冬に冬眠するムーミン族だが、ふとしたことで真冬に冬眠から覚めてしまったムーミントロール。そんな孤独な状態、はじめて体験する雪、はじめて会う他の生物たち、夏とは違う家の状況、などはじめてづくしの体験をするムーミントロールの精神的成長を描いた作品と言える。他の作品同様ものすごい楽しい作品ではないが、それなりに楽しめた。印象深いセリフもいくつかあったので紹介したい。

ムーミンが出会った「おしゃまさん」が彼に出会って会話をしているときに言った言葉。
p.31
「ものごとってものは、みんな、とてもあいまいなものよ。まさにそのことが、わたしを安心させるんだけれどもね」

曖昧さが安心させるというこの逆説に満ちた言葉。しかしこれはまさに物事の本質をついていると思う。すべてが白黒つかないからこそ、人は努力を重ねるのだし、前向きに生きていけるのだ。とても良い言葉だと思う。

その「おしゃまさん」が冬を乗り越えたムーミントロールに言った言葉。
p.186
「どんなことでも、自分でみつけださなきゃいけないものよ。そうして、自分ひとりで、それをのりこえるんだわ。」

ムーミントロールが、冬眠から覚めてクロッカスの目を見つけそれを守ってあげようとしたときに言った言葉。
p.213
「いや、そんなことだめさ。自分の力で、のびさせてやるのかがいいんよ。だこの芽も、すこしはくるしいことにあうほうが、しっかりすると、ぼくは思うな。」

全ておぜん立てをされたものを行う方が楽だし、すべてが準備が終わってから何かに参加する方が楽だ。しかし、一からその過程を経験してはじめてわかることがたくさんある。教育とはその過程を見せてやることが大事なのであって、その結果がどうかは本来問題ではないのではないだろうか。
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ムーミン谷の夏まつり [文学 その他 ムーミン]


新装版 ムーミン谷の夏まつり (講談社文庫)

新装版 ムーミン谷の夏まつり (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/05/13
  • メディア: 文庫



『ムーミン谷の夏まつり』を読み終わった。
講談社青い鳥文庫にも入っているし、子供も読める本ということでスラスラ読めると思われるのだが、中々読み進めない。今までムーミン・シリーズは
①『小さなトロールと大きな洪水』
②『ムーミン谷の彗星』
③『たのしいムーミン一家』
④『ムーミンパパの思い出』
⑤『ムーミン谷の夏まつり』
と読んできたが、一度に一章を読みきることすら難しい。なぜなのかはわからない。訳の問題なのか、そもそも原文も読みづらいのか・・・。物語の舞台が人間が住んでいる世界のさらに小さな世界で繰り広げられているので、情景を想像しづらいというのもあるのかも知らないが、とにかくキツイ。
①②は、洪水・彗星の接近が発端となり、ムーミン一家やそれを取り巻く人々が旅に出ざるを得ない状況になる話。この⑤もそれに近く、またまた洪水によって家を水浸しにされ、家財道具や食物も使えない状況になった彼らが、水に浮かんでいるある家のような物を見つけそこに住み始める。それはなんと劇場(というか舞台)であった。そしてそこで舞台芸術を学び、彼らが演劇を演じることになる。最終的には劇なのか事実なのかがわからなくなり大団円を迎える。

筆者トーベ・ヤンソンの芸術観がよく出ている作品だと思う。ただ、ムーミン・パパやママは演劇という存在すら知らなかったはずなのに(確か・・・)いつの間にか、知っている前提で話が展開されるのも不可思議ではある。演劇・戯曲好きの私としてはそれなりに楽しめたが、やはりそこまで物語世界に入っていける作品ではない。ムーミン作品が好きだという子供や女性たちは本当にこのシリーズをちゃんと読んでいるのであろうか・・・。
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ムーミンパパの思い出 [文学 その他 ムーミン]


新装版 ムーミンパパの思い出 (講談社文庫)

新装版 ムーミンパパの思い出 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/03/15
  • メディア: Kindle版



ひさしぶりに本を読み終わった。
このコロナ騒動で、自宅勤務の時間が増えた。一般的には自由になる時間が増えると思われるが、全く逆である。

1.こどもの世話&教育
2.ひたすら入ってくる電話とメール
3.話をすればすむことを、ひたすらパソコンに向かって文章化

とにかく、2と3が鬱陶しいすぎる。家庭内で仕事をしているので、仕事とプライベートの境目がなくなり、常に緊張状態にある。当然ゆっくり本を読む時間もなければ、音楽を聴く時間もない。ピアノをゆっくり練習する時間もない。本当に早くこの状態が終わって欲しい。

といいつつ、少しずつ読み進めこの本を読みおわった。
ムーミン・シリーズは一般的に「子どものための本」と思われているが、この本を子供たちはどれほど楽しめるのであろうか。子供向けの本は、結構あっという間に読み終わってしまうのだが、この本は中々読み進められない。展開がゆっくりしているのと、そこで起こっていることを頭の中でイメージしづらいからなのかもしれない。

この本は、ムーミンパパがママと結婚するまでの冒険譚。
ムーミンパパが孤児だったのも驚きだが、ムーミンの友人、スニフやスナフキンのお父さんと若い頃知り合い、一緒に旅をしていたというのも驚きだ。
そして、この巻には、のちのちレギュラー化してくる、ミムラ一家も登場する。

友人たちとの冒険譚なので、かなりワクワクドキドキの連続なのか、と普通なら思うのであろうが、私は全くワクワク感がなく、ひたすら文字を追っている感じであった。

若干、国王陛下を登場させ、そこに吸い寄せられる登場人物たちを通して、権威主義的思考・権力におもねる人々、などに対する批判が入っているのかな、と思われる箇所はあるが、あとはそこまで面白くはなかった。

少し残念な巻であった。
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たのしいムーミン一家 [文学 その他 ムーミン]


新装版 たのしいムーミン一家 (講談社文庫)

新装版 たのしいムーミン一家 (講談社文庫)

  • 作者: トーベ・ヤンソン
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/04/15
  • メディア: 文庫



ムーミンシリーズ第三巻(第二巻?)を読み終わった。洪水により、ムーミン谷へ引き寄せられ、彗星の危機から救われたムーミン一家は、ついにある程度落ち着いた生活が送れるようになる。

冬眠を終え、春のうららかな天気のなか、ムーミンたちが見つけた、飛行オニのシルクハットが彼らに大変な騒ぎを引き起こす。

細かい移動を繰り返し、様々な出会いを繰り返しながら最後は大団円という感じで終わる。正直、ページをめくる手が止まらなくなる、といった類の本ではない。なんでだかわからないが(恐らく一つ一つの挿話が途切れとぎれなせいか)あんまり長く読んでいたいというような感じの作品ではない。

まあ、もう少し読みすすめてみたい。

以下印象的なフレーズを何点か。

p.123
「これじゃあ、あんまりだ。どうして家もないまずしい植物学者が、しずかに平和な一生を送ることができないんだろ。」
こういって、ヘムレンさんはなげきました。
「生きるってことは、平和なものじゃないんですよ」
と、スナフキンは、満足そうに言いました。

私も静かに平和な一生を送りたいが、なかなかそうは、いかない。確かに生きるというのは苦難の連続だ。

p.166
「待っているうちが、いちばんたのしいんですよ。どの針に、なにが食いつくか、わからないんだものね」
魚釣りをしていた時にムーミンが言ったことば。
何でもそうだが、夢中になって何かを達成しようとしている時が一番楽しいものだ。

p.176
「ふしぎな冒険や、雨にぬれたことや、みんなですきかってにくらすことや、それから、こんな魚つりも、みんな悪くないけれど、長い目で見れば、あんまりゆかいなものじゃないさ」

お祭り騒ぎを好きな人達がいるが、結局お祭り騒ぎはお祭り騒ぎであり、本当に素晴らしいことは日々の平和な暮らしにある。先にもあったが、その暮らしをしていくのがこんなんであるからこそ、素晴らしいのだ。日本人はもっと日々の穏やかな生活の尊さに気づくべきなのではないだろうか。
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ムーミン谷の彗星 [文学 その他 ムーミン]


新装版 ムーミン谷の彗星 (講談社文庫)

新装版 ムーミン谷の彗星 (講談社文庫)

  • 作者: トーベ・ヤンソン
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/04/15
  • メディア: 文庫



俗に一巻と呼ばれる『ムーミン谷の彗星』を読み終わった。

ムーミン谷で定住することになった、ムーミン一家とスニフ。引っ越したばかりで周りの環境がまだよくわからないので、ムーミンとスニフはあちこち探索する。その過程で、洞穴と子猫を発見する。
そんなある日、大雨となり、ずぶぬれになった「じゃこうねずみ」がムーミンの家にやってくる。まもなく恐ろしいことがやってくると予言する。そこで、ムーミンとスニフは天文台に行って何が起こるのかを調べに行くことになる。

その旅の過程で、かの有名なスナフキンに会い、恋人スノークのおじょうさんに会い、他にも様々な出会いをする。結局恐ろしいこととは、彗星が地球に迫ってきていることであり、最終的には彗星は地球からそれ、無事に話は終わる。

大雨が降ったり、水が枯れてしまったり、あたり一面真っ黒になってしまったり、まさに今の地球環境を予言しているような描写が多くなされる。我々は科学技術の力によって自然を支配しているように見えるが、大きな宇宙、大自然の猛威には、洞穴に隠れ、ひっそりしているしかない。しかし直に、食べ物もなくなり死んでいくしかない。

自然との共生を訴えたこの暗い雰囲気の第2作目も、読みやすい作品とは言えないがなかなかの秀作だといえる。

以下、印象的な言葉を挙げておきたい。

p.48
「真珠か。あんなものは、ただの白い石じゃないか。これは、ほんものなんだぞ。地球がいつこわれてしまうか、わからないときだぞ。」
我々は死・破滅を前にしたら、人間が価値づけたものなど何の価値もなくなってしまう。本当に価値あるものは地球であり、自然であり、命なのだ。

p.60
「なんでも自分のものにして、もってかえろうとすると、むずかしいものなんだよ。ぼくは、見るだけにしているんだ。そして、立ち去るときには、それを頭の中へしまっておくのさ。ぼくはそれで、かばんをもち歩くよりも、ずっとたのしいね。」
哲学者スナフキンの言葉だ。消費・所有・製造が大量に行われている現代。本当に大切なのは心なのだ。インスタなどで様々な場所の写真を撮ったり、食べるものを写真に撮ったりしているが、その行為によってその場所と向き合う、その食べ物と向き合う、本当の機会を本当の経験を失っていないのだろうか。頭の中、心の中にしまったものこそが本当に価値あるものなのではないだろうか。

p.p.112~113
「ぼくたちは、本能にしたがって歩くのがいいんだ。ぼくは、磁石なんか信用したことがないね。磁石は、方角にたいする人間の自然な感覚を、くるわせるだけさ。」
これもスナフキンの言葉。現代技術によって我々は頭と体を使わなくなった。コンピューター、AIがすべてを考え、提示し、導いてくれる。しかし、それによって失われてしまう自然な感覚があるのではないだろうか。

p.p.140~141
「持ち物をふやすというのは、ほんとにおそろしいことですね。」
これもある店で、新しい帽子を薦められたスナフキンが言った言葉。我々は大量の広告によって常に刺激をもとめ、新しいものを求めひたすら何かを購入し続ける。しかし、本当にそんなにたくさんのものが必要なのだろうか。一つ一つのものを愛着を持って大事にすべきなのではないだろうか。

本当にスナフキンは現代の大量消費社会、インターネット社会に生きる我々に様々な警告を送ってくれる。この本を読んで、多くの人、企業は、人間の生き方、あり方を考えるべきなのではないだろうか。
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小さなトロールと大きな洪水 [文学 その他 ムーミン]


小さなトロールと大きな洪水 (講談社文庫)

小さなトロールと大きな洪水 (講談社文庫)

  • 作者: トーベ・ヤンソン
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/09/15
  • メディア: 文庫



夏頃、妻が新しく埼玉にできたMOOMINVALLEY PARKに冬休みにでも行きたいと言い出したので、それなら原作を読んでおいたほうが良いと思い、9月の半ばの彼女の誕生日にこの講談社文庫のシリーズをプレゼントした。

そして1月2日に実際行ってみよう、ということになったので、自分も少しは知っておいた方が良いだろうと思い、実質的な第一巻のこの『小さなトロールと大きな洪水』を昨日読んだ。

ムーミン一家が、どのようにして彼らの家をムーミン谷に建てることになったのかを伝える本になっている。ムーミン一家は、ある人の暖炉で幸せに暮らしていたが、ムーミンパパが、ニョロニョロにだまされて放浪の旅に出てしまう。そのパパを探しにママとムーミンが旅をし、そこでの友人たちとの出会いと困難が様々な様子で描かれている。

偽物の太陽を作り、お菓子の国を作り上げている老人に、ずっとここに住んでも良い、と言われて、ムーミンと、旅の途中で仲間になったスニフは大喜び。しかしママは断る。その言葉がとても良い。

p.35
「ご親切ありがとうございます。でも、わるく思わないでくださいね。わたしたちは旅をつづけなければなりません。ほんもののお日さまの光のもとで。自分たちで家をたてようと思っているのです。」

この発言に対し、子どもたちは文句を言う。が、

p.36
「あなたたちにも、そのうちわかりますよ」

私たちは、科学技術の進歩によって、様々なものを手に入れてきた。便利な生活、快適な生活を送れるようになってきた。しかし、やはり、自然を超えるものを作ることはできない。遺伝子組み換え食品など様々なものが大量に作られようとしている。しかし一歩止まって考えてみる必要があるのではないだろうか。実際、ムーミンとスニフは次の日猛烈に体調を崩す。しかし、「ちゃんとした、あたたかいたべもの」「おひさま」「きれいな空気」によって元気を取り戻す。

この本を読んで、あらためて現代の便利な生活を見直してみようと思えた。

短いが、様々な要素がつまった面白い本だった。
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