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MOTHER [Jazz Jacky Terrasson]


MOTHER

MOTHER

  • アーティスト: TERRASSON, JACKY & S
  • 出版社/メーカー: IMPUL
  • 発売日: 2016/09/02
  • メディア: CD



久しぶりにJacky Terrassonのアルバムを紹介したい。このCDを買ったのはもう5年前。発売されてすぐに購入した。それなりに聴いてはいたのだが、アルバム全体のレビューを書くのが面倒で紹介していなかった。

1. First Song
Charlie Haden作曲の曲。とてもゆったりとした曲で、出だしのStephane Belmondoのフリューゲルホルンの音が寂れた優しい音でとても懐かしい気持ちになる。途中、スピードがあがり、Jackyのソロになるのだが、そこが軽快でメロディアスでとても良い。その雰囲気のまま、Belmondoが入ってきて始めの主題が回帰され終わる。

2. Hand in Hand
Jacky作曲の曲。「手をとりあって」という意味か? Jackyの左手が面白いリズムを奏で、それに右手がこれまた捉えどころのないメロディを奏でる。それに応えるようにBelmondoがトランペットのこれまた乾いた音で答える。混沌とした感じの曲。雑然とした芸術家の仕事部屋で、芸術家どうしがお互い会話をしてはいるのだが、イマイチ噛み合っていず、しかもそれをお互い気がつかないでそれぞれの仕事に没頭している感じか。

3. Lover Man
Jackyのデビューアルバムのタイトルナンバー。ゆったりとしたリラックス感満載の曲。ピアノが美しいメロディを奏でたあと、フリューゲルホルンがそれに答えてメロディを奏でる。その後二人のユニゾンになるのだが、ここのJackyの超高音がキンキンならず、非常に優しい美しい音色なのが素晴らしい。ピアノが音数を増やし、ドラマティックに盛り上げていく。

4. La Chanson D'Helene
フランス語タイトルでわからないが、Jackyの昔のアルバムで聞き覚えのあるメロディをBelmondoが奏でるのだが、どのアルバムのどの曲かはわからなかった。映画の主題歌らしくとにかくメロディが美しい。

5. In Your Own Sweet Way
ゆっくりとしたタイトル通りあま~い曲。トランペットが素晴らしく哀愁漂うメロディを美しく奏でる。非常に多くの間が取られた曲。

6. PIC SAINT-LOUP
JackyとBelmondoの共作曲。心臓の鼓動のような低音と雑音のような高音がなる。短い不思議な曲。

7. MOTHER
タイトルにもなっているJackyのオリジナル曲。はじめからBelmondoがトランペットでメロディを奏でる。どこか懐かしいゆったりとした趣のあるメロディ。優しくて暖かかったお母さんを回顧している曲か。ピアノの力強いが優しい和音を中心とした伴奏もいい味を出している。解説によると、自分の母親ではなく、世界中のall the great Mothersのための作品らしい。

8. Fun Keys
Jackyお得意のリズムで始まる。このリズムを聴くとワクワクしてしまう。Belmondoのトランペットもはねた感じでノリノリだ。畳み掛けるようなピアノ伴奏が素晴らしい。こういう音楽大好きだ。

9. Les Valseuses
ステファン・グラッペリの曲。すごく懐かしさを感じさせる。アメリカの南部の雰囲気。砂埃が舞う中、強いアルコールを飲みながら男たちが楽しく会話しているような音楽。

10. Souvenirs
Belmondoのオリジナル。Belomondoがソロでメロディを奏で、あとからJackyが伴奏で入ってくる。インテンポになったあとのJackyのリズミカルな伴奏が心を跳ねさせる。

11. You don't know what love is
Belmondoの不安な感じのソロのしたを、Jackyがこれまた緊張感を煽る凄まじい美音の伴奏をつける。これほどまでに音かずが少ないのに盛り上がり迫ってくる感じを出せるJackyおそるべし。Jackyのメロディを奏でる部分は短いのだが、とても美しい。再び緊張感のある独特のリズムを持った伴奏が戻ってくる。

12. Pompignan
二人の共作。こちらも短く混沌とした感じ。宇宙を描いたかのような作品。

13. You are the sunshine of my life
言わずと知れたStevie Wonderの名作。Stevieの曲をJackyは何度かほかのアルバムでも取り上げている。彼の心を刺激するアーティストなのであろう。あまり原曲のメロディはわからない。そして相変わらず、Jackyがメロディを奏でる場面になると彼の美音が耳を引く。間を多くとった美しい演奏になっている。

14. Que Reste-t-ol De Nos Amours
フランス語?全く意味のわからないタイトル。解説を読むと「I wish you love」という意味らしい。
美しいメロディを二人が奏でる。ゆったりとしたこのアルバムのエンディングにふさわしい曲となっている。

とにかく、たったふたりでここまで広がりのある音楽を作り上げているというのが素晴らしい。トランペットやフリューゲルホルンの音色のせいもあるのだと思うが、全体的に温かい雰囲気のアルバムで、夜、ゆっくりしっとりお酒を飲みたい時にぴったりのアルバムとなっている。
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