SSブログ

Two Bass Hits [Jazz Jacky Terrasson]


New Two Bass Hits

New Two Bass Hits

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Capri Records
  • 発売日: 1994/06/30
  • メディア: CD



Ray Brownというベーシストの1992年のアルバム。別にRay BrownというArtistがことさら好きなわけではない。
このアルバムはタイトル通り、二人のベーシストが中心となって音楽を形作っている。構成はBassx2、Pianoというとてもシンプルなものだ。
BassとPianoだけ、と聞いただけでつまらなそうなイメージを持ってしまう。
しかし、これに参加しているピアニストがJacky Terrassonなのだ。
前にも書いたが、Jackyがサイドマンとして、つまり裏方に回って参加したアルバムは、私にとっては「素晴らしい」とまで言える作品は少ないのだが、この作品は「素晴らしい」と言える。
ベーシストが作った作品なのでもちろんBassがメインとなって活躍してはいるのだが、ギターや管楽器、ボーカルなどと違いやはり音が地味だ。その分JackyのPianoが前面に出ており、十分に楽しめる。
しかも、1992年ということで、Jackyの弾くPianoも若々しさに満ちており、音が溌剌としている。アルバム、Lover Man, Jacky Terrassonを彷彿とさせる素晴らしい音を聞かせてくれる。まあ、時期的にもその頃だから当たり前か。

1曲目 How High The Moon
いきなりJackyのピアノの強打から始まる。Lover Manの1曲目Donna Leeの出だしを彷彿とさせるが、あそこまで激しくはなく、緊張感もない。しかし、聞き手を音楽に一気に引き込む出だしとなっている。このあとベースが淡々とメロディを奏でる。ピアノを和音を中心に音を支える。落ち着いた感じの非常にリラックスした演奏を展開している。Jackyも本当に楽しんでピアノを弾いている様子が伝わってくる。
2曲目 America The Beautiful
この曲もJackyのピアノで始まる。和音の連続で始まる。ここではテーマをJackyが弾いており、ずっとJackyが主体となって音楽を作っている。全曲に続き非常にリラックスした感じで、思いのままに楽しく演奏をしている。超絶プレイのようなものは出ないが、ベースとの絡みもとてもいい感じだ。
3曲目 Something For The Bass Boss
タイトル通り、今度はBassが主役。だが、Jackyはここでも個性を発揮している。Bassが主体なので音空間がスカスカになりがちなところを、低い音から高い音まで駆使してうまく空間を埋めている。

ここまでは、Jazz Barで、酒と会話を進ませるための演奏のような感じだ。

4曲目 Ellington Medley
このMedreyがこのアルバムのハイライトと言える。
Things ain't what they used to be
ミディアム・テンポの若干重い感じでMedleyはスタート
Take the "A" train
 かの有名な「A列車で行こう」。Richard TeeとSteve Gaddが繰り返し演奏していた名曲だ。彼らの凄まじいまでのスピード、緊張感を持った演奏とは売って変わり、ゆったりとした演奏となっている。
 Jackyのアルペジオの上にBassがゆったりとしたメロディを乗っけていく。おそらく弓を使って弾いていると思われる。Tee&Gaddの演奏とは違った平和な感じのこの曲の演奏が楽しめる。
Mood Indigo
Bassが高音でメロディを奏でる。
Rain Check
前の曲との切れ目がよくわからないが、おそらくJackyが活躍するあたりからこの曲なのだろう。Jackyの演奏が素晴らしい。中音域でスピード感のある、緊張感に富んだ演奏を聴かせてくれている。このアルバムの中の白眉だ。drumっぽい音はどうだしているのだろうか。Bassを叩いているのか?

5曲目 Trictatism
意味不明のタイトル。タイトル通りメロディも掴みづらい。しかし、ここでもJackyの演奏が楽しげで良い。
6曲目 Bags Groove
Bassのソロで始まる。Jackyも裏方に回って和音を中心とした演奏を展開している。
7曲目 Bossa Nova Medley
再びMedley。Jackyの非常に美しいピアノで幕を開ける。すばらしい。本当に美しい。優しい音色でうっとりしてしまう。曲をあまり知らないのでメドレーの曲をそれぞれは解説しないが、とにかく美しいメドレーとなっている。
8曲目 Bye Bye Blackbird
Jacky Terrassonでも取り上げられていた曲。このVersionはこのVersionでまた良い。ベースとピアノがお互いの音を尊重し合いながら曲を作り上げている感じだ。
9曲目 The Masquerade Is Over
このアルバムは仮面舞踏会だったのか?誰かのカウントで始まる。アルバムの最後を締めくくるにふさわしい楽しげな曲だ。

このアルバム。とにかく演奏者たちが本当に楽しんで演奏しているのかよい。50年代の匂いがプンプンとして楽しくなってしまう。そしてやはりアコースティック楽器だけで演奏しているJackyを聴くのは最高だ。派手な演奏ではなく、盛り上がる部分もあまりないが、夕飯を食べながら、会話を楽しみながら、楽しく聴けるアルバムとなっている。
BassとPianoだけで作ったアルバムとは思えないほど広がりのある音世界を作り上げている面白いアルバムとなっている。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0