ソピステス [哲学 プラトン]
副題は「〈あるもの〉(有)について」となっているが、基本的には、当時「知」を教えて金をもらっていたソフィスト達に対する批判の書。
この作品は、ソクラテスが初めに登場はするのだが、本格的な対話には参加せず、『テアイテトス』のソクラテスの対話相手だったテアイテトスと、エレアからの客人との二人の対話で議論は進む。当時恐らく、ソフィストは相当幅を利かせており、ソクラテスが対話を主導するかたちでソフィスト批判をするのは少し憚られたのかもしれない。
本来は
1.『ソピステス』 ソフィストについて
2.『ポリティコス』政治家 について
3.『ピロソポス』 哲学者 について
という三部作にする予定だったらしいが、最後の『ピロソポス』は書かれなかったらしい。しかしこれは『国家』の後半がまさに哲学者について語ったものな気がするので、『国家』をもってプラトンの計画は達成されたきがする。
初めに、ソフィストの定義づけをしようというところから議論は始まる。ソフィストの様々な側面が細かく定義づけられていく。その後、「有る」「ない」「同じ」「異なる」などの定義づけなどがされ、最終的にソフィストを「知者を物真似る者」と定義する。
かなり緻密な議論がなされており、結構論理を追っていくのがしんどいが面白かった。
p.54
「思うに、ソフィストたちは、彼らが反論して渡り合うその当の事柄にかけては、自分でもちゃんと知識を持っているというふうに思われているからなのだ。
~中略~
してみると彼らは、あらゆる事柄について知者であるように、弟子たちには見えるわけなのだ」
p.58
「ソフィストとは実物を真似てその似姿を作るところの、一種のいかさま師であるということは、もはや明らかだろうか?
~中略~
ソフィストとは、(遊びごと)にたずさわっている者たちのひとりであることは、もはや明らかだと言ってよいでしょう」
イデア論なども出てきてそれなりに興味深い本だった。
レベッカ [映画]
ミュージカル『ジェイン・エア』を観て、かつて観たミュージカル『レベッカ』が結構面白く、音楽も良かったのを思いだし、1940年に制作されたローレンス・オリヴィエ主演、ヒッチコック監督の映画『レベッカ』をもう一度観てみたいと思い、観てみた。
古い映画で白黒で画質もかなり悪いが、見始めるとほとんど気にならないくらいとにかく面白い。
原作は、ダフニ・デュ・モーリエの日本語版で上下2冊本とかなり長い作品で、深みがありかなり読み応えがある。まあそのエッセンスを抽出しただけの作品であるのには違いないのであるが、これはこれで良いと思う。
ヒロイン役のジョーン・フォンテインがとにかく綺麗で愛らしい。調べると、彼女は数年後、『ジェイン・エア』の映画版にも出演しているらしい。イギリス人両親の下に生まれ、日本で育ったらしい。
綺麗な画像になって売り出して欲しい作品。
Ballad of little Musgrave and Lady Barnard 1943 [ブリテン 合唱曲]
評価
★★★★☆☆☆☆☆☆
男性合唱曲。
静かな淡々としたピアノ伴奏に乗って、語りのような少し暗めの合唱によって物語が歌われる。
少しはねた感じの元気な雰囲気となる。
途中かなり盛り上がるが、最後は静かに消え入るように終わる。
★★★★☆☆☆☆☆☆
男性合唱曲。
静かな淡々としたピアノ伴奏に乗って、語りのような少し暗めの合唱によって物語が歌われる。
少しはねた感じの元気な雰囲気となる。
途中かなり盛り上がるが、最後は静かに消え入るように終わる。