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 [文学 ドイツ]


城 (新潮文庫)

城 (新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1971/05/04
  • メディア: 文庫



新聞で何らかの形で紹介されていて興味を抱き、購入した本。

測量士Kが、ある村に新たに雇われることとなり、遠路からやってくる。しかし、村にやってくると、測量士など雇ったことがないという冷たい対応。その村を運営する城、そこで働く官僚、そうした官僚たちとどちらが立場が上なのかはわからない村長、村人たち、ほとんどすべての人から冷たい対応を受け、結局最後まで、自分を雇ったとされる官僚クラムとは会えずに終わるK。

一つ一つの会話が長く、段落分けも少なく、会話もつながりがあまりないものが多いので、非常に読みづらい本。

形式張って硬直した官僚組織、誰もが常に責任転嫁する構造、代替可能な個人、偉い人による横暴、村特有の村八分、差別など様々な要素を盛り込んだ作品で、興味深くはあるが、物語を楽しんで読み進めるといった類の本ではない。
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