湖の麗人 [文学 イギリス]
スコットの『湖の麗人』を読み終わった。
そんなに気になっていた作品でもないし、ずっと読みたかった作品でもないのだが、2月に岩波文庫から復刊され、『マンフレッド』など、よくクラシック音楽で使われる文学題材の一つでもあったので、せっかくだからと思い購入しておいて、連休中からぼつぼつ読み始めた。
この作品自体が古い作品であり、元が韻文であり、訳も旧字体ということで非常に読みづらく、最初は読み進めるのにかなりの時間を要したのだが、物語が進むに連れて大分読めるようになっていった。
王様が、田舎娘に恋をし、(王という身分を隠して)求婚するものの、振られる。娘の父親はかつてその王に追放された存在。娘に求婚する、王への反乱軍の若い頭領もこの娘に恋をしている。しかしこの頭領も振られる。結局最後はこの娘が恋をしているもう一人の若い男性と結ばれる。
こう書いているだけでよく分からないのだが結局は四角関係。娘は、権力者におもねることなく、自分の愛を貫き通し、結局王によりそれが認められめでたしめでたしとなる、というお話し。昔の騎士道精神にのっとった話の展開がなされており、一人一人の登場人物がとても気持ちの良い性格。
絶賛するほどの作品ではないが、それなりに面白かった。
ちなみに、シューベルトの有名な「アヴェ・マリア」はこの作品の一場面を描いたものだ。
あの曲調に非常に合っていて、あらためてシューベルトの非凡さを感じさせる。
2019-05-13 07:19
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