Black Ships Before Troy [文学 イギリス]
Black Ships Before Troy: The Story of The Iliad
- 作者: Sutcliff, Rosemary
- 出版社/メーカー: Laurel Leaf
- 発売日: 2005/12/13
- メディア: マスマーケット
西洋の古典を読んでいると、『イリアス』『オデュッセイア』に言及されているものが多く、昔岩波文庫で読んだこの2作もイマイチ分かりづらかったので、英語の勉強にもなると思い、このRosemary Sutcliff作の、『イリアス』のRetold版を購入し読んでみた。
かつて『イリアス』を読んだとき、戦争がせっかく終わりそうなところで、神様が煙を出して戦争が終わらないようにしてしまったり、神様の力で死にそうな人が助けられてしまったりという箇所があまりにも多く、辟易してしまった覚えがあるが、この作品は極力そういった描写が抑えられており、ある程度純粋にギリシャvsトロイを楽しめた。
昔からそうなのだが、やはり戦闘シーンを読むのは得意ではない。映像がイメージしづらいし、あまりイメージしたいものでもない。これは日本語で読もうが英語で読もうが同じであった。
そして今回、かなりコンパクトにまとめられたこのトロイア戦争を読むと、ギリシア側はかなり汚いやり方をしていたんだなと思った。特にトロイの木馬は卑怯以外の何物でもないと思った。
さらに、私の中でかなり評価の高かったトロイア側のヘクターは、アキレスとの最後の戦いで逃げまどっていたということを読み、かなり残念な気持ちになった。
『イリアス』の内容をざっと知りたい人にはお勧めの作品だ。
2021-07-13 07:04
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