交響曲第5番 嬰ハ短調 [マーラー 交響曲]
第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
悲劇的な派手なファンファーレの後、悲しみに満ちた息の長い美しいテーマが奏される。このファンファーレと美しい主題が形を様々に変え時に交じり合いながら第一楽章を形成していく。ドラマティックさと美しさに満ちた楽章。
第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
やはりドラマティックさに満ちた嵐を感じさせる雰囲気で始まる。管楽器の短い間奏部に続いて、「ンタタタタ~」という独特のリズムの悲劇的な伴奏の上を、哀愁漂うメロディをチェロとクラリネットが奏でる。その後悠々としたどこか暗さを帯びた展開部となる。後半に向かって盛り上がって行き、勝利感に満ちた堂々たる音楽となるが、最後は再び悲劇性を帯び、ひっそりと終わる。
第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
ホルンの勇壮な感じながらどこか鄙びたファンファーレで音楽は幕を開ける。少し混沌とした感じの第一主題が奏でられた後、再び管楽器によるファンファーレがなり、若干優美な第二主題となる。その後再びファンファーに導かれ穏やかな楽想となる。その後若干不気味なムチの音を模したような音もなる悪魔たちのお祭りのような雰囲気となり、最後は華やかに終わる。
第四楽章
★★★★★★★★★☆
映画『ヴェニスに死す』で使用され有名になったらしい。とにかくゆったりとしたメロディで天国へ誘われるかのような非常に美しい音楽。
第五楽章
★★★★★★★☆☆☆
再びのどかな感じのファンファーレが結構長い時間奏された後、伸びやかな美しく楽しい第一主題が流れる。その後スピード感のある第二主題が弦により奏される。この後、対位法を用いた重層的な音楽が展開されていく。緊張感がありながらもどこかゆったりとした面白い雰囲気が続く。「ディン・ドン」という鐘を模したような音型が所々登場しながら、最後は勇壮な雰囲気になり、壮大で華やかなフィナーレとなる。
とても充実した聴いたあと満足感に浸れる曲である。
2021-11-25 03:19
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