SSブログ

Tea Party [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

Complete Works: Three : The Homecoming, Tea Party, the Basement, Landscape, Silence, Revue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



Tea Partyを読み終わった。今作も登場人物の人間関係は非常にわかりやすい。

Dission: 会社経営者?
Diana: Dissionの妻
Willy: Dianaの兄弟
Wendy: Dissionの秘書

他にも登場人物がいるのだが、主要なのはこの4人。はじめの場面で、WendyがDissionの秘書になりたいということで面接を受けている。Wendyは前の会社を辞めた理由として、セクハラに何度も会っていたことを伝える。結局WendyはDissionの秘書として雇われる。
その次の日、DissionとDianaの結婚式が行われるのだが、そこで行われたDianaの兄Willyのスピーチがあまりにも素晴らしかったので、DissionはWillyを自分の会社に来ないかと誘い、Willyもそれを受け入れる。
Willyは自分の秘書としてDianaを使いたいと申し出て、Dissionもそれを受け入れる。
場面は、家と仕事場を行ったり来たりするのだが、簡単な会話が交わされるだけで大きな盛り上がりはない。
そのうちに、突然Dissionの目が見えなくなるという事態が頻発するようになる。Dissionは友人で目医者のDisleyのところに行くが、目にはなんの異常もないといつも診断されてしまう。
そんな中Dissionを囲んだTea Patyが行われ、ここでも何気ない会話が交わされるのだが、最後にDissionが倒れてしまい、妻Dianaが心配そうにDissionに呼びかけるところで幕となる。

Wendyは前の会社でセクハラを受けていたようだが、DissionもWendyに対してセクハラまがいのことをしている描写が見える。さらに、兄弟姉妹であるWillyとDianaにも性的関係があるのでは、と思わせるような雰囲気が漂っている。
一度だけ、DianaとWendyがセクハラに関して言葉を交わす場面があるのだが、ここは非常に緊張感があって素晴らしい場面だ。

Diana: I understand your last employer touched your body... rather too much.
Wendy: It wasn't a question of too much, Mrs Dission. One touch was enough for me.
Diana: Oh, you left after the first touch?
Wendy: Well, not quite the first, no.
Pause
Diana: Have you ever asked yourself why men will persist in touching women?
Wendy: No, I've never asked myself that, Mrs Dission.
Diana: Few women do ask themselves that question.
Wendy: Don't they? I don't know. I've never spoken to any other women on the subject.
Diana: You're speaking to me.
Wendy: Yes. Well, have you ever asked yourself that question, Mrs. Dission?
Diana: Never. No.

セクハラは数の問題ではなく一回やればセクハラなんだとWendyは言っている。確かに。しかしだとしたらDissionがWendyにしているセクハラまがいの行為はセクハラではないということなのか?
それとも暗に妻であるDianaに「あなたの旦那も同罪ですよ」ということを言っているのか。答えは読者、観客に委ねられている。
そして、Dianaが「なんで男は女性の体に触ることに執着するのか考えたことある」と聞く。
男である私はたまにこのことを考えるが、やはり答えは出ない。このふたりの会話を聞くと女性はあまりこのことについて考えないようだが、どうなのだろうか。
「好きな人の体を触りたい」という感覚と「異性の体を触りたい」という感覚はおそらく違うものなのだろう。
おそらく多くの女性には後者の感覚はあまりなく、多くの男性にはあるのであろう。
そこが考えるか、考えないかの違いが生まれてくのであろう。

とにかく、この時期のPinterは、かなり、性的な問題を色々考えていたのではないだろうか。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0