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A Kind of Alaska [文学 イギリス Harold Pinter]





A Kind of Alaskaを読み終わった。

この作品は、Harold Pinter作品としては珍しく、劇に入る前に、解説が付されている。
1973年に出されたOliver Sacks作Awakeningsという作品にインスパイアされて作ったものらしい。
1916年から1917年に、謎の病気がヨーロッパ中に蔓延したらしい。それがSleeping Sickness。眠り病?この作品を読むと、何故だか分からないが、さめることのない眠りに入ってしまう病気らしい。しかし死んでいるわけではないらしいので、『眠れる森の美女』状態ということか。
その後10年で500万人近くの人がこの病気にかかり、そのうちの3分の1がなくなったらしい。50年後、L-DOPAという薬が開発され直るようになったらしく、この作品は、このL-DOPAを撃たれて目を覚ました女性の物語だ。

Deborah:40代半ば 
Hornby :60代前半
Pauline :40代前半、もしくは30代後半(おそらく)

眠り病にかかっていたDeborahは医者Hornbyの治療によって、数十年ぶりに目を覚ます。病院で目を覚ましたその場面から物語りは始まる。

全く状況がつかめず、自分をまだ10代だと思っているDeborahにゆっくりとやさしく、状況を説明しようとするHornby。途中から妹のPaulineも病室に入ってきて、家族の現状をDeborahに説明する。様々な葛藤があった後、Deborahは自分の現在の状況を受け入れて終わる。

なんか、『レナードの朝』を思い出してしまった。
この作品もものすごい面白いわけではないのだが、何故だか先が気になってしまう。Henry Jamesの小説に近いものを感じる。
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