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Betrayal [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works : Four : Old Times, No Man's Land, Betrayal, Monologue, Family Voices (Complete Works)

Complete Works : Four : Old Times, No Man's Land, Betrayal, Monologue, Family Voices (Complete Works)

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11/01
  • メディア: ペーパーバック



Pinterの最高傑作に挙げる人も多いというBetrayalを読み終わった。
確かにいままで読んだ作品の中では一番わかりやすく、The Basementのような計算された展開もあり、ページをめくる手が止まらなかった。

主な登場人物は3人。
Emma:Robertの妻、Jerryの不倫相手
Jerry:Robertの親友、Emmaの不倫相手
Robert:Emmaの夫、Jerryの親友。

この物語は結末を先に見せ、段々と時代を遡っていくことで結末に至った過程を見せていくというもの。
JerryとRobertはCambridgeとOxfordを出身の親友。しょっちゅう会い、本の話をしているらしい。二人共出版関係の仕事らしいこともなんとなくわかる。
EmmaとRobertには娘が一人、JerryのもJudithというちゃんとした妻がいて、子供も二人いることがわかる。
お互いちゃんとした家族があるにも関わらず、しかもJerryとRobertは親友にも関わらず二人が不倫していたことがわかる。しかし若干そのふたりの関係も破綻しつつある(破綻した?)のではと最初の場面で思わせる。
そしてちょっとずつ時間を遡り、Robertがふたりの関係に気づいた瞬間、Emmaに子供ができた瞬間、EmmaとJerryがふたりで会うための部屋を借りた瞬間などが描かれ、最後は二人がどのようにして不倫関係になったのかが描かれる。

観客の観るポイントとしては、Robertが本当はどの時点でどれくらいふたりの関係を知っていたか、ということなのだろう。演出によってかなり見方の違った面白い芝居になるのではないだろうか。
本当に面白い作品だった。
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