SSブログ

The Caretaker [文学 イギリス Harold Pinter]


Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R    Evue Sketches

Complete Works: 2:The Caretaker, the DwarFs, the Collection, the Lover, Night School, R Evue Sketches

  • 作者: Harold Pinter
  • 出版社/メーカー: Grove Pr
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: ペーパーバック



Harold Pinter Complete Worksの2巻を読み始めた。
最初の作品はThe Caretaker。100ページ弱と、彼にしては結構長めの作品となっている。
登場人部は相変わらず少なく3人。
MickとAstonという兄弟とDaviesという老人。
兄弟二人が住む家(部屋?)に、AstonがDaviesという得体の知れない老人を連れてきて、そのまま住まわせる話。これもいまいち状況が把握しづらい。
初めにMickが登場するのだが一言も発することなく外に出ていき、その後AstonとDaviesが家の中に入ってくる。Daviesはそのまま泊めてもらう。
次の朝AstonはDaviesを家に残し出て行ってしまう。そこにMickが帰ってきて、一悶着あるのだが、とりあえず収まる。この時点で登場人物がみな声を発することになり、それなりの人物像が観客にも分かるようになる。
私はこの時点で、MickはDaviesに同じことを何度も繰り返す聞くし、意味不明な言葉も発するし、暴力的だし、と少しおかしい人なのかと思っていた。一方、Astonは慈善的で、善人で騙されやすい人間なのかと思っていたが、読み進めるうちに、おかしいのはAstonの方なのではないかと思い始める。
そして、やはり彼は精神病院(?)に無理やり連れて行かれた経験があるらしいことが分かる。
Daviesが寝ている最中に、「大きな音を立ててうるさい!」と真夜中に叩きおこし説教する。Daviesはこれに耐え切れなくなってくる。
だんだんと、MickとDaviesが距離を縮め始める。MickはDaviesに「よく眠れるかい」と聞くのだが、Astonの仕打ちによりよく眠れないことを告白する。
昼夜が逆転してしまう人も多い、現代社会。こうした現代社会の状況に対する批判なのだろうか?
まあ、なんにせよMickはDaviesをこの家の管理人として雇うことをDaviesに約束する。
そしてAstonもDaviesを同じようにこの家の管理人として雇うことを彼に約束する。
しかし、3人が同時に顔を合わせることがなく、話がうまくまとまらない。そして最終的にはDaviesはおそらくこの家を追い出されることになる(のだろう)という感じで幕が降りる。
誰が最終的に責任を取るのか、直接的なコミュニケーションを取ることの大切さ、普通とは何か、など様々なことをおそらく読者(観客)に投げかけているのであろう。読みやすいが難解な作品だ。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0