ファスト教養 [その他 本]
最近コンビニの雑誌コーナーで、よく「読むべき教養書」などのテーマを見かけていたのだが、中を見るとほとんどがビジネス書。かなり違和感があったのだが、この本を読んでかなり納得。
学び続けなくては、お金儲けに直結する安直で楽で時間のかからない方法はないか、などという人々の浅い考えが、本当は深いものであるはずの「教養」という言葉と結びつき現在の状況があることがこの本を読んでわかった。
p48
「小泉信三の話が序章で紹介されている。「すぐ役に立つ」ことへの警鐘を鳴らした上で、「だから本当の教養というのは、すぐには役に立たないかもしれないけれど、長い人生を生きていく上で、自分を支える基盤になるものです。その基盤がしっかりしていれば、世の中の動きが速くてもブレることなく、自分の頭で物事を深く考えることができるようになるわけです。」~中略~
一方で、「教養はすぐに役に立つものではないが大事」と伝えたいはずなのに結果的には「教養は役に立つツール」というメッセージが伝わってしまう・・・。
これは池上彰のことを言っている部分だ。本来的に時間をかけてじっくり学ぶべき教養が、簡単な解説によって安易なものになってしまう。なんという皮肉だろうか。
p.94
「「拝金主義」の悪評の裏に「若い世代で新しい社会を作っていきたい」という自身のビジョンを持っていたのだが当時の堀江だった。こう言うと「堀江都ライブドアを美化しすぎている」と思われるかもしれないが、何か新しいことが始まりそうな予感は確実にあった。」
そう、私にもあった。しかし、この本にもあるように、ホリエモンも所詮、安直な方面に流れてしまった気がする。
最終的な結論は、もう一歩だったが、いろいろスッキリ落ちる本だった。
ファスト教養が描き出す「すべてはお金とコスパ」「失敗しても自己責任」という社会を認めるのではなく、社会全体としてお金だけが人生の価値観ではなく、全てはつながっているのだ、という考えを広め、仕事は仕事、プライベートはプライベートというライフワークバランスを皆が考えられる社会にしていく必要があるのではないだろうか。
リグ・ヴェーダの合唱讃歌 第二群 [ホルスト]
The Collector's Edition: Gustav Holst
- アーティスト: Holst, G.
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2012/06/04
- メディア: CD
セント・ポール女学校に勤めていたホルストが、防音装置のある特別な部屋を与えられたことに感謝して作った、弦楽合奏のために作った曲らしい。
第一 ヴァルナへ
★★★★☆☆☆☆☆☆
静かに不気味な雰囲気で始まる。アカペラによる女声合唱が浮遊感のあるメロディを歌う。ずっともやっとしていてもう一歩。
第二 アグニへ
★★★★★☆☆☆☆☆
少し軽快なリズムで始まる。元気でガチャガチャした感じの曲。
第三 葬儀の歌
★★★★☆☆☆☆☆☆
陰鬱な感じで始まる。少し綺麗な雰囲気になり幻想的に終わる。
もう一歩な曲。