グリーンスリーヴズによる幻想曲 [ヴォーン・ウィリアムズ]
死への讃歌 [ホルスト]
The Collector's Edition: Gustav Holst
- アーティスト: Holst, G.
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2012/06/04
- メディア: CD
評価
★★★★★★★☆☆☆
合唱曲。非常に幻想的な雰囲気で始まる。ハープの音が幻想的な雰囲気を高める。たたみかけるように短いメロディが繰り返される。
突然盛り上がり、短いメロディが元気に対位法的に繰り返される。
太鼓の音を合図に勇壮な雰囲気となる。
再び幻想的な雰囲気になり、段々ともりあg
セントポール組曲 [ホルスト]
The Collector's Edition: Gustav Holst
- アーティスト: Holst, G.
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2012/06/04
- メディア: CD
セント・ポール女学校に勤めていたホルストが、防音装置のある特別な部屋を与えられたことに感謝して作った、弦楽合奏のために作った曲らしい。
第一 ジッグ
★★★★★★☆☆☆☆
力強く始まる。リズミカルに元気に曲は進む。最後はスピードも上がって終わる。
第二 オスティナート
★★★★★★☆☆☆☆
波が揺れるような弦の音に絡むように、ピッチカートがところどころでなる。その後少し性急なメロディが聞こえてくる。優美なメロディが段々と現れ、最後は優美に終わる。
第三 間奏曲
★★★★★★☆☆☆☆
チェロ?の低音が鳴り響き音楽が始まる。その後ピッチカート奏法による伴奏に乗って、東洋風の静かなメロディが奏でられる。何度か盛り上がりを見せるが、最後は東洋風メロディで静かに終わる。
第四 終曲
★★★★★★☆☆☆☆
元気に明るく曲は始まる。リズミカルで心浮き立つ曲。
全体的に優美で楽しい曲。
ベニ・モラ(東洋風)組曲 [ホルスト]
The Collector's Edition: Gustav Holst
- アーティスト: Holst, G.
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2012/06/04
- メディア: CD
第一の踊り
★★★★★★★☆☆☆
初めにオーケストラで、続いて管楽器が印象的なメロディを単音で奏でる。その後東洋風のメロディと西洋風の滑らかなメロディが交互に流れる。
第二の踊り
★★★★★★☆☆☆☆
後打ちのような太鼓の静かな音に乗って、浮遊感のある東洋風のメロディが奏でられる。霧が晴れていくように段々と明るくなっていって終わる。
終曲
★★★★★★★☆☆☆
陰鬱な雰囲気で静かに始まる。弦が幽玄な世界を作っている。管楽器がところどころ不気味に顔を出す。ムチのような打楽器の音が鳴り響き盛り上がっていく。執拗に同じメロディ、リズムが繰り返され、最後は消え入るように終わる。
一曲一曲も短く、メロディもわかりやすいので聴きやすい曲。
フーガ風協奏曲 [ホルスト]
The Collector's Edition: Gustav Holst
- アーティスト: Holst, G.
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2012/06/04
- メディア: CD
フルートとオーボエと弦楽合奏のための曲。
第一楽章 モデラート
★★★★★★☆☆☆☆
力強く始まる。オーボエとフルートの音がどこか牧歌的で、力強さと田園風の優しさを併せ持った曲。
第二楽章 アダージョ
★★★★★★★☆☆☆
バッハをイメージさせる高貴で優しいメロディがオーボエとフルートによるフーガで奏でられる。とても綺麗な楽章。
第三楽章 アレグロ
★★★★★★☆☆☆☆
力強い始まり。途中幻想的な部分、田園的な部分を挟み、最後は力強く終わる。面白いリズムの曲。
全体的に田園風で楽しい。
ブルックグリーン組曲 [ホルスト]
The Collector's Edition: Gustav Holst
- アーティスト: Holst, G.
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2012/06/04
- メディア: CD
ホルストが教職を務めていたセントポール女学校の弦楽合奏団のために書かれた曲。
第一楽章 プレリュード
★★★★★★☆☆☆☆
物語の始まりを告げるかのような、優しいながらも高揚感を与える曲。最後のおまけのようなピッチカートも面白い。
第二楽章 エア
★★★★★★☆☆☆☆
静かな哀愁漂うメロディ。クリスマスソングのような綺麗な雰囲気。
第三楽章 ダンス
★★★★★★☆☆☆☆
楽しいお祭りの踊りのような曲。同じメロディ・リズムが繰り返される。
派手ではないが、美しく楽しい組曲。
サマーセット狂詩曲 [ホルスト]
The Collector's Edition: Gustav Holst
- アーティスト: Holst, G.
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2012/06/04
- メディア: CD
評価
★★★★★★★☆☆☆
物悲しいがどこか懐かしい優しい主題が穏やかに何度も繰り返されながら始まる。
雰囲気が一転、広がりのある元気なメロディが流れる。打楽器も活躍し、お祭りのような雰囲気になる。
ホルンの音が鳴り響き、静かに帰り道につくかのようにゆったりとした足取りになっていく。
はじめのメロディが回帰され終わる。
日本の民謡とイギリスの民謡はどことなく通じるところがある気がする。とても懐かしく穏やかな気持ちになれる曲。
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.61 [ウォルトン]
エルガー/ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲(ハイフェッツ)(1941, 1949)
- 出版社/メーカー: Naxos Historical
- 発売日: 2001/03/01
- メディア: CD
第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
もこもことした音から始まり、若干不協和音気味のヴァイオリン・ソロが流れる。
映画の戦闘場面を描いたような激しい中間部の後、すこしロマンティックな穏やかな感じになり、静かに終わる。
第二楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
激しい音楽で始まり、ソロのピッチカートが暴れあわる。その後少し英雄的なメロディが、ガチャガチャした伴奏の元、奏でられる。最後はスピード感を持って終わる。
第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
乾いた感じで始まる。攻撃的な部分を経て、ロマンティックなメロディとなる。
その後、英雄的に堂々とした雰囲気となり、乾いた感じが戻ってくる。
第一楽章の主題が戻ってきて潤んだ感じとなり、最後は盛り上がって終わる。
今まで何度聞いても意味が分からず敬遠してきた曲だが、じっくり聴くと素敵なメロディもある曲。
ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 Op.82 [エルガー]
第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
かなり激情的に、怒りをこめたかのようなヴァイオリンで始まる。その後その怒りを抑え冷静になり思い悩む様子が描かれ、さらに思いが逡巡しているかのような静かな自己対話的な雰囲気となる。この一連の流れがもう一度繰り返され、最後ははじめの主題がドラマティックに奏され終わる。
第二楽章
★★★★★★☆☆☆
少しエキゾチックな雰囲気で始まる。たまに入るギターをかき鳴らすかのようなピッチカートも効果的。自己発話的な短いパッセージの繰り返しの後、ロマンティックな胸をかきむしられるような息の長い旋律となる。最後ははじめの自己対話的な部分が回帰され静かに終わる。
第三楽章
★★★★★★★☆☆
何かを悟ったかのような穏やかな雰囲気で始まるが、段々と熱を帯びていく。途中流れるようなピアノのアルペジオに乗って、高貴で優美なメロディが奏でられる。美しくロマンティックなメロディがドラマティックに奏でられる。
第三楽章がとても美しい名曲。
「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント [ヴォーン・ウィリアムズ]
舞い上がるひばり(ヴァイオリンとオーケストラのためのロマンス) [ヴォーン・ウィリアムズ]
トーマス・タリスの主題による幻想曲 [ヴォーン・ウィリアムズ]
評価
★★★★★★☆☆☆☆
朝の霧の中を進んでいくかのようなもやっとした弦のトレモロの中から、ゆったりとした伸びやかで幻想的なメロディが、チェロのピッチカートに支えられ奏でられる。
中間部も、幻想的ながら少し高貴な雰囲気が漂う。
途中ヴィオラ・ソロにより、美しい旋律が優しく奏でられる。
後半段々と熱を帯びていく。
最後はソロ・ヴァイオリンの美しい音色によって主題が奏でられ幻想的な雰囲気を取り戻し静かに終わる。
つかみどころのない曲ではあるが、雰囲気は何となく綺麗な曲。
チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85 [エルガー]
第一楽章
★★★★★★★★☆☆
悲劇的なメロディをソロが奏でて始まる。その後も哀愁漂うねっとりとした美しいメロディをチェロが奏で、オーケストラが熱く支える。
その後オーケストラが重厚に第一主題?を奏で、それをソロが繰り返す。
次に、若干明るめで美しい第二主題がオケとソロが絡み合いながら奏でられる。
幻想的な雰囲気となり、最後は第一主題が堂々と回帰され、そのままアタッカで第二楽章に突入する。
第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
ソロのピチカートで始まり、ギターの音色のような感じで、若干地中海の雰囲気となる。
その後伸びやかな田園風の雰囲気となる。
最後は、蝶々が飛び回るような元気なメロディと、ねっとりとした第一楽章の主題が絡みあい終わる。
第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
安らぎの音楽。子守歌のような優しい前奏で始まり、息の長い美しいメロディがゆったりと奏でられる。
第四楽章
★★★★★★★☆☆☆
すすり泣くようなメロディをソロが奏でて始まる。モヤっとしたオケの伴奏の後、情熱的なカデンツァとなる。その後悲劇的で堂々とした雰囲気となり、ソロとオケが対話をしながら進む。
その後もエキゾチックなメロディのやり取りが続く。
天上の音楽のような美しいメロディが奏でられた後、悲劇的なメロディが回帰され堂々と終わる。
美しいメロディに彩られたチェロ協奏曲の名曲。
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.61 [エルガー]
エルガー/ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲(ハイフェッツ)(1941, 1949)
- 出版社/メーカー: Naxos Historical
- 発売日: 2001/03/01
- メディア: CD
第一楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
悲劇的な静かなオケだけの結構長い序奏で始まる。
ゆったりとした粘着感のある旋律(第一主題?)をソロ・ヴァイオリンが奏でる。
縦横無尽に静かにソロが暴れまわった後、静かな牧歌的な雰囲気がやってくる(第二主題?)。
再び盛り上がった(第一主題)後、静かな雰囲気が戻る。
最後は、カデンツァのような部分を挟み盛り上がって終わる。
全体的に幻想的ではあるが、メロディがつかみづらく長く若干退屈。
第二楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
優美なメロディで、壮大などこまでも広がっていく感じなのだが、どこかつかみどころがなく退屈。
第三楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
元気でエキゾチックなヴァイオリンのソロで始まる。どこまでも飛翔していくかのような、スタッカート気味のソロとオケがバトルを繰り広げる。その後も幻想的に曲は展開される。最後は静かなカデンツァ的な部分を挟み、最後は段々と盛り上がり終わる。
やはり退屈。
何度か(も)聴いているとは思うのだが、全く心に残らない曲。
行進曲 [エルガー]
Elgar: Orchestral Works, Cello Concerto, Sea Pictures, Dream of Gerontius (7CD: New Budget Box)
- アーティスト: John Barbirolli
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2022/03/25
- メディア: CD
第1曲
★★★★★★★★★☆
「威風堂々」として有名な、イギリスの第二の国家とも呼ばれる名曲。「愛の挨拶」と並ぶ、エルガーの代名詞的な作品。堂々とした行進曲のあと流れる高貴で美しいメロディは本当に素晴らしい。
第2曲
★★★★★★★☆☆☆
悲劇的な序奏で始まり、少し悲壮感のある勇ましい行進曲が始まる。ファンファーレ的な管楽器の音がなり英雄的な感じになっていく。途中少し優美なところもある。最後は勇ましく終わる。
第3曲
★★★★★★☆☆☆☆
不安げな感じで始まる。少し劇的になった後、鄙びた美しいメロディとなる。再び劇的になり派手に終わる。
第4曲
★★★★★★★☆☆☆
結構優美に始まる。舞踏会の音楽のような高貴な感じ。中間部の伸びやかな部分もとても綺麗。常に高貴で美しい音楽。
第5曲
★★★★★★☆☆☆☆
元気に楽しく始まる。中間部の滑らかな優美な部分も綺麗。
有名な第一曲以外もそれなりに楽しめるエルガーの中ではメロディが美しい作品集。
小箱 長編⑲ [文学 日本 小川洋子 長編]
久しぶりの長編作品。
最近出版された短編集はもう一歩だなあ、と思うものが多かったが、やはり長編は面白い。
主人公は、何故だか使われなくなった幼稚園を、そのままの形で残して住んでいる、ピアノを弾く女性。彼女は、ここに住みながら、どんどん持ち込まれる死んだ子供の遺品を講堂へ収納しそれを管理している。
人々は死んでしまった子供の髪の毛を弦に用いて、竪琴を作っている。この竪琴はじめ、様々な小さな楽器を耳に当て、「一人一人の音楽会」という丘の広場で催される音楽界に参加する。音楽会とは言え一人ひとりが耳に当てられた楽器が風の音でなるのを静かに聴く音楽会であり観客には音は全く聞こえない。
子供の遺品を見たり、そこに何かを加えたりするために人々はよく訪れるのだが、人々は示し合わせたように、幼稚園で誰かと出くわすことはない。
そんな遺品を管理し、遺品を預けている人々に訪れられる元幼稚園だが、遺品のためではなくここを訪れる人がいる。
バリトンさんと呼ばれる、話し言葉がすべて歌になってしまう男性と、クリーニング屋の女性だ。
バリトンさんは恋人からくる、小さい文字で書かれた暗号のような手紙を解読してもらうために主人公のもとを訪れる。恐らく主人公はこのバリトンさんに恋をしている。
クリーニング屋さんはかつての自分の子どもを懐かしむように、幼稚園の遊具で一通り遊び帰っていく。
もうひとり、主人公の従兄弟で子どもをなくしてしまい、その子供がかつて歩いたところ以外は歩けなくなってしまった、美味しい移動式お弁当屋を自転車を使って営む女性が出てくる。主人公は彼女のために図書館から本を毎週借り出してあげている。
とにかく少ない登場人物で、特に目立った出来事は起こらないし、はっきりと子どもたちがいなくなってしまった理由なども語られず、淡々と進んでいく物語。バリトンさんの恋人がなくなってしまう部分も全く劇的ではなくとにかく静か。
静かな静かな物語だが、何となく胸をざわつかされる物語だ。
印象に残っている言葉たち。
p117
「結局は、どれを選んだっていいのよ。人間より長生きしているというだけで、大事な本だと証明されているのと同じだから。」
「今、自分が読んでいるのと同じページを、今はここにいない誰かも読んだ、と思うだけで安堵できない?」
p128
「繰り返し見ているうちに、実はほんの少しずつ、どこかが変わっているのかもしれない」
「いや、あまりにもわずかずつ、沈黙のうちに現れる変化だから、気づかないのよ」
「ええ、何度も何度も何度も何度も時間を巻き戻しているうちに、過去と自分の我慢比べになって、とうとう過去の方が先に力尽きるの」
記憶の大切さと儚さを表す言葉たちのように思える。
ファルスタッフ Op.68 [エルガー]
Elgar: Orchestral Works, Cello Concerto, Sea Pictures, Dream of Gerontius (7CD: New Budget Box)
- アーティスト: John Barbirolli
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2022/03/25
- メディア: CD
シェイクスピアの『ヘンリ4世』を音楽化したもの
第1曲 ファルスタッフとハル王子
★★★★★★☆☆☆☆
元気で前向きな音楽。
第2曲 ファルスタッフの悪戯の回想
★★★★★★☆☆☆☆
少し滑稽な雰囲気で始まる。その後少し英雄的になったり、幻想的になったり、混沌としてきたりと、確かにファルスタッフの様々な経験が目に浮かんでくる。最後は眠りにつくかのように、ゆったりと重々しくあくびのような感じの音を弦が出しながら終わる。
第3曲 夢(間奏曲)
★★★★★★☆☆☆☆
弦の音が優美でありながらどこか不安げ。ハープの音と絡み合い幻想的な雰囲気を作っている。結構綺麗な楽章。
第4曲 ファルスタッフの行進
★★★★★★☆☆☆☆
行進曲でありながら、どこかユーモラスな感じがファルスタッフらしい。中間部は、悲劇的な感じで盛り上がっていく。
第5曲 浅瀬の果樹園(間奏曲)
★★★★★★☆☆☆☆
若干牧歌的な音楽。管楽器の乾いた音が綺麗。後半盛り上がりそのままフィナーレへとなだれ込む。
第6曲 フィナーレ
★★★★★★☆☆☆☆
力強い戦いの音楽で始まる。最後ハープの音と共に音楽は静かになっていき、眠りにつくかのように静かに終わる。
リヒャルト・シュトラウスの『ドン・キホーテ』をおもわせる面白い音楽ではある。
チャールダッシュの女王 [オペレッタ]
Emmerich Kalman: Die Csardasfurstin [DVD] [Import]
- 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
- 発売日: 2006/10/09
- メディア: DVD
ストーリー:★★★★★★☆☆☆☆
アリア :★★★★★★☆☆☆☆
音楽全体 :★★★★★★★☆☆☆
作曲:カールマン
数年前、ウィーン・フォルクスオーパーの来日公演でこの演目を観た。非常に素晴らしかったので、家でももう一度観たいと思いこのDVDを買った。
少しずつは観ていたもののじっくり観る機会がなく、今まで全幕を観ていなかったが、本日全幕観た。
覚えていた以上にセリフ部分が多く、やはり「オペラ」ではなく「オペレッタ」という感じだが、音楽は全体として明るく楽しく、ストーリーは結構しょうもないかんじでありながらも、それなりに楽しめた。
海の絵 Op.37 [エルガー]
Elgar: Orchestral Works, Cello Concerto, Sea Pictures, Dream of Gerontius (7CD: New Budget Box)
- アーティスト: John Barbirolli
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2022/03/25
- メディア: CD
メゾ・ソプラノと管弦楽のための曲。
第1曲 海の眠りの歌 Sea Slumber Song
★★★★★★☆☆☆☆
子守歌のような穏やかで静かで心落ち着く曲。最後good nightが連呼される。
第2曲 港にて(カプリ) In Haven (Capri)
★★★★★★☆☆☆☆
前曲に続いて穏やかで眠りに誘うかのような曲。
第3曲 海上での安息日の朝 Sabbath Morning at Sea
★★★★★☆☆☆☆☆
穏やかではあるが、半音階が混じり、若干不安げであったり、盛り上がる部分もある曲。最後は感動的に終わる。
第4曲 珊瑚礁のあるところ Where Corals Lie
★★★★★★☆☆☆☆
少し東洋風のミドルテンポの曲。ズッチャズッチャというリズムが面白い。
第5曲 泳ぐ人 The Swimmer
★★★★★☆☆☆☆☆
オペラ的なドラマティックな始まり。かなり激しく語るような雰囲気で歌われる。
エニグマ変奏曲 [エルガー]
Elgar: Orchestral Works, Cello Concerto, Sea Pictures, Dream of Gerontius (7CD: New Budget Box)
- アーティスト: John Barbirolli
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2022/03/25
- メディア: CD
主題
★★★★☆☆☆☆☆☆
どこからが始まりでどこが終わりかイマイチわからないもやっとした主題。
第一変奏
★★★★★☆☆☆☆☆
妻に捧げられた?
少し哀愁漂う感じの変奏。最後は優美。
第二変奏
★★★★☆☆☆☆☆☆
友人のピアニストに捧げられた?
少し力強くスケルツォ楽章的な変奏。こ気味良いフレーズが積み重ねられる。
第三変奏
★★★★☆☆☆☆☆☆
アマチュア・パントマイマーに捧げられた?
ユーモラスで軽い感じの変奏。
第四変奏
★★★★☆☆☆☆☆☆
地主に捧げられた?
豪快で力強く短い変奏。
第五変奏
★★★★☆☆☆☆☆☆
マシュー・アーノルドの息子であるピアニストに捧げられた曲?
重厚感がある始まり。途中明るく軽い雰囲気と重々しい雰囲気が入り混じる。
第六変奏
★★★★★☆☆☆☆☆
弟子に捧げた曲?
独奏ヴィオラの音色が綺麗。少し優美。
第七変奏
★★★★☆☆☆☆☆☆
建築家に捧げられた曲?
ティンパニーの激しい連打で始まる。嵐のような感じ。
第八変奏
★★★★★☆☆☆☆☆
ゆうじんののんびりした人に捧げられた曲?
優しく伸びやかでゆったりとした曲。
第九変奏
★★★★★★★☆☆☆
俗に「ニムロッド」と呼ばれる、友人に捧げた曲?
壮大な心落ち着く美しい旋律を持った曲。3分半くらいの短い曲だが、ドラマが詰まっている。
第十変奏
★★★★☆☆☆☆☆☆
間奏曲
ウィットに富んだ変奏。
第十一変奏
★★★★☆☆☆☆☆☆
友人の犬を描いた曲?
激しく始まる。トライアングルの音も聞こえる。
第十二変奏
★★★★★☆☆☆☆☆
チェリストに捧げられた曲?
チェロのゆったりとした優美な旋律が綺麗。
第十三変奏
★★★★★☆☆☆☆☆
ロマンツァ
優しく伸びやかな曲。
第十四変奏
★★★★★☆☆☆☆☆
終曲
最後にふさわしく華やかで堂々とした曲。
主題が魅力的ではないので、全体的に普通。
フロワサール Op.19 [エルガー]
Elgar: Orchestral Works, Cello Concerto, Sea Pictures, Dream of Gerontius (7CD: New Budget Box)
- アーティスト: John Barbirolli
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2022/03/25
- メディア: CD
評価
★★★★★☆☆☆☆☆
フロワサールとは中世の騎士らしい。
華やかな勇ましい雰囲気で始まり、すぐに牧歌的な感じになる。
勇ましい感じが戻ってきた後、伸びやかな雰囲気となる。
後半ドラマティックな雰囲気となり、いっとき静かになった後、壮大に盛り上がり終わる。
やはり雰囲気はコロコロ変わり楽しくはあるが、そこまで魅力的な作品ではない。
コケイン(首都ロンドンにて) Op.40 [エルガー]
Elgar: Orchestral Works, Cello Concerto, Sea Pictures, Dream of Gerontius (7CD: New Budget Box)
- アーティスト: John Barbirolli
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2022/03/25
- メディア: CD
評価
★★★★★☆☆☆☆☆
交響曲の中間楽章のような、少し唐突な感じで始まる。ざわざわとした町の様子を表しているかのような感じ。
その後曲はなめらかになっていき、緑の多い公園、自然を表しているかのような雰囲気になる。
段々と威勢が良くなっていき元気なかんじなるが、再び静かな瞑想的な雰囲気となる。
再び威勢が良くなり、管楽器も鳴り響き少し軍隊的な雰囲気となる。
ファンファーレが鳴り響き、若干不穏な雰囲気となる。
なめらかに優美に曲は進んでいき、段々と盛り上がっていく。
一旦静かに瞑想するかのようになり、最後は壮大に盛り上がって終わる。
雰囲気がコロコロと変わり、楽しくはあるのだが、リヒャルト・シュトラウスの交響詩同様、そんなに魅力的な感じではない。
ため息 Op.70 [エルガー]
Elgar: Orchestral Works, Cello Concerto, Sea Pictures, Dream of Gerontius (7CD: New Budget Box)
- アーティスト: John Barbirolli
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2022/03/25
- メディア: CD
評価
★★★★★★★☆☆☆
弦楽合奏とハープのための曲。
ハープの静かな前奏の後、美しく静かなメロディが弦楽によって奏でられる。深く瞑想的な作品。アンコールなどで奏でられたらとても綺麗で感動的な感じ。
発情装置 [学術書]
「性的に興奮する」という状態はどうやったら起こるのか、この世にアダルト作品のようなものが存在しなかったら、友人に色々と話を聞くことがなかったら、相手と肉体関係を持ちたいというような気持ちは生まれてくるのか、高校生だか大学生くらいからずっと考えてきた。
ただ、アダルト作品のようなものがなかった時代から人間は性行為を行ってきたし、本能的なものなのだからある程度は、自然と沸き起こってきて、自然と完結するものなのだろうと、何となく思ってきた。
しかしこうした私の疑問を、この本は解決してくれた。
あらすじにあるように、
「ヒトはなぜ欲情するのか? 本能や自然ではなく、そうさせる「文化装置」ゆえ」
私のうっすら感じた通りのことが、かなりわかりやすく・丁寧に説明されていた。
そして援助交際や売春なども、自分が感じてきた何となくある違和感を結構すっきり解決してくれた。大学生時代にこの本を読んでいたら、大学生時代に、もう少し人生変わっていたかもと思う本だった。
p.85
「この世の中は男の性欲にはおそろしく寛大で、男の性欲に寛大な女が受け入れられるのだ。」
かつて普通に見られた電車の中の、週刊誌のつり革広告や様々な性的事件に対する判決、政治家や有名人の女性蔑視的な発言に対する言動を見ていると本当にそうだなあ、と思う。
pp. 166~167
「しかし、いつまでもこのふしぜんあ「禁止」がつづくわけはないだろう。ふつうの少年と少女が、ふつうにセックスをする時代がすぐそこまできているのだ。彼らを「身体の成熟と心の発達のアンバランス」の状態においておくことで大人の被害者にするよりも、現実を認めて、彼らにまともなセックスや避妊の知識を教えてやること、そして、シングル・マザーに対する社会的差別をなくすこと、セックスをふくめた子どもの人権を認めること、などが求められているのである。」
至極真っ当で、私が日頃モヤっと思っていることをはっきりとこどばにしてもらった感じがする。
p.173
「恋愛病は近代人の病だ。娘も妻も「恋愛したい」と渇くように思い始めた時、彼らはやっと「個人」になったのだ。男も「愛されたい」とグラグラした思いを持ち始めた時、やっと男という役割を脱ぎ捨ててタダの「個人」になったのだ。ここから「愛されても、愛されなくても、私は私」への距離は、どのくらい遠いだろうか。そして自立した「個人」を求めたフェミニズムは、女を「恋愛」の方へ解き放つのだろうか。それとも「恋愛」から解き放つのだろうか?」
完全に、「恋愛」の方へ解き放ち、日本の「家父長制」に取り込まれてしまっている感がある・・・。
「愛されても、愛されなくても、私は私」というところへ行くのは、雑誌や様々なメディアを概観する限り、限りなく先の話のような気がする。
p.195
「これは、ルネ・ジラールの言う「欲望の三角系」に似ている。市民社会では「第三者の欲望」が対象のねうちを認めてくれるのでなければ、対象に価値が発生しないのだ。「どこがいいの?」「みんながいいと言うから」とおいうメカニズムである。こうして、美貌の価値は、ますます一般性の高いものーつまり集団が一致して認めるものになる。だから、定義上、美には個性なんて存在しないのである。」
「いいね」「インスタ映え」などSNS時代となりますますこの傾向は進んでいる気がする。
長年違和感があったものを、かなりスッキリ整理してくれる本であった。
弦楽のためのエレジー Op.58 [エルガー]
Elgar: Orchestral Works, Cello Concerto, Sea Pictures, Dream of Gerontius (7CD: New Budget Box)
- アーティスト: John Barbirolli
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2022/03/25
- メディア: CD
評価
★★★★★☆☆☆☆☆
静かな、鎮魂歌のような曲。
序奏とアレグロ [エルガー]
Elgar: Orchestral Works, Cello Concerto, Sea Pictures, Dream of Gerontius (7CD: New Budget Box)
- アーティスト: John Barbirolli
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2022/03/25
- メディア: CD
評価
★★★★★★☆☆☆☆
チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」に似た悲劇的な始まり。その後悲劇性は残しながらも優しく高貴な雰囲気となり、しっとりと曲は進む。
恐らくアレグロ部なのだと思うのだが、突然勇ましいメロディが流れ、対位法的に弦が対話をしながら曲が進む。
最後へ向かってどんどん音も高まり、気分も高まり、壮大なフィナーレを迎える。
弦楽セレナード ホ短調 op.20 [エルガー]
Elgar: Orchestral Works, Cello Concerto, Sea Pictures, Dream of Gerontius (7CD: New Budget Box)
- アーティスト: John Barbirolli
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2022/03/25
- メディア: CD
第一楽章
★★★★★★☆☆☆☆
静かに囁きかけるように始まる。少し不安げ。途中のソロヴァイオリンとほかの弦楽器とのやり取りが綺麗。
第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
ゆったりとした心落ち着く美しいメロディの楽章。夢の中へ誘うかのような綺麗な音楽。
第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
少し前向きな優美で美しい宮廷音楽のような曲。
静かで美しい曲。派手さはないが、良い。妻へ、3回目の結婚記念日に贈られた曲らしい。
交響曲第二番 変ホ長調 [エルガー]
Elgar: Orchestral Works, Cello Concerto, Sea Pictures, Dream of Gerontius (7CD: New Budget Box)
- アーティスト: John Barbirolli
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2022/03/25
- メディア: CD
第一楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
短い導入の後、力強い第一主題、優美で高貴な第二主題が続く。その後幻想的な展開部となる。
全体的につかみどころがなくもう一歩。
第二楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
悲劇的な感じで始まる。ハープの音が幻想的な感じも出している。暗く重厚な主題がゆっくりと奏でられる。その後宇宙的な壮大な音楽となる。最後はハープの音で幻想的に終わる。
第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
力強くうねるような楽章。普通。
第四楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
伸びやかな大自然をおもわせる始まり。
優美で高貴な雰囲気となる。
展開部的な部分は威勢良く元気な感じ。
その後しばらく悲しげで憂鬱な雰囲気が続く。
大自然的な部分、優美で高貴な部分が回帰され、最後は静かに終わる。
悪くはないが全体的に混沌として散漫な印象の曲。
交響曲第一番 変イ長調 [エルガー]
Elgar: Orchestral Works, Cello Concerto, Sea Pictures, Dream of Gerontius (7CD: New Budget Box)
- アーティスト: John Barbirolli
- 出版社/メーカー: Warner Classics
- 発売日: 2022/03/25
- メディア: CD
第一楽章
★★★★★★☆☆☆☆
歩くようなゆったりとした弦の伴奏に乗って、優美で壮大な雰囲気のメロディが奏でられる美しい序奏。
その後こちらも雄大な息の長い第一主題が奏でられる。序奏の美しいメロディが最後に回帰される。
第二主題は、少し悲しげな幻想的な雰囲気になる。混沌とした展開部、主題が戻ってきた後、最後は序奏部が静かに回帰され終わる。
第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
攻撃的な雰囲気の楽章。最後はそっと終わる。
第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
静かな高貴な雰囲気。終始平和な感じ。
第四楽章
★★★★★★☆☆☆☆
幻想的で不穏な雰囲気で始まる。ところどころ光がさしそうな感じの明るい部分はあるが、なんとか暗くもやっとした感じが続く。
ハープの音が聞こえ、少しゆったりとした草原をイメージさせる広大な雰囲気となる。
最後は、第一楽章冒頭の第一主題が回帰され力強く壮大に終わる。
全体的に綺麗な雰囲気ではあるのだが、若干冗長で、何度も聴きたいという類の曲ではない。