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阪急電車 [文学 日本 有川浩]

数年前、修学旅行でカナダに行く行きだか帰りだかの飛行機で「阪急電車」という映画を観た。私はめったに日本映画を見ない。というかあまり映画を見ない。しかし、飛行機の中は本を読むのも結構疲れるし、だからといって何もやらないのも退屈だし、ということで、結構映画を観る。くだらないハリウッド映画は見たくないし、となると日本の映画を観ることが多くなる。飛行機で観る映画というのがまた何となくいい感じのものが多く、結構心に残っている作品がある。この「阪急電車」もそうだし、一青窈の曲を元に作られた「ハナミズキ」もそうだし、深津絵里が出ていた「阿修羅のごとく」もそうだ。

そして、うちにある読まずに積まれていた文庫本がだいだい読み終わり、あと読んでいない本はおも~い本と、洋書ばかりになったので、図書館でずっと読みたかった現代日本文学を今年の夏は読んでみようと思った。その第一弾がこの阪急電車。ちなみに本当につい最近まで、作者の有川浩さんのことを、「ひろし」と読んでおり、男性だと思っていた。国語科の先生との会話の中で、女性だということを初めて知った。電車の中で読みたかったので、文庫本を借りた。


阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2010/08/05
  • メディア: 文庫



やはり、面白かった。今津線という片道15分の電車のなかで起こる、人間ドラマをひと駅ごとに描いており、話が重層的に重なっている、というのも素晴らしいと思った。そしてそこで描いたことを描きっぱなしで終わるのではなく、半年後ということで、復路15分が後半についているのもとても良い。ちなみに往路は連載、復路は書き下ろしらしい。

一人ひとりの中にあるドラマをとても繊細に優しく描いており、電車の中での男女の出会いから恋愛に発展する部分も細やかに描かれていて、しかも女性が肉体関係を望む心情もいやらしくなく書かれていてとても良かった。

ちなみに、「あとがき」に、編集者の大島加奈子さんのことが言及されており、元ネタは単行本の方にあるということを知り、その「あとがき」読みたさに、単行本も借りてしまった。

映画で内容を知っていたとは言え、やはりとても面白く、また映画が見たくなった。
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