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ヒッパルコス [哲学 プラトン]


プラトン全集〈6〉 アルキビアデスI アルキビアデスII ヒッパルコス 恋がたき

プラトン全集〈6〉 アルキビアデスI アルキビアデスII ヒッパルコス 恋がたき

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/06/24
  • メディア: 大型本



この作品も、偽作の疑いがある作品らしい。
しかし、これも20ページ程度という短い作品でもあり、プラトンぽさのない内容で確かに偽作っぽいと思ってしまう。

登場人物はソクラテスと友人だけ。しかもその友人も名前がつけられていない。
でだしも唐突な感じ。話題は、「利得の愛求」「利得愛求者」について。
友人は、「利得愛求者」を「無価値なものごとから利得を得ることを期待する人々」「よこしまな、利得に目がくらみやすい人々」と定義し、マイナスの評価をする。しかしソクラテスは、「利得」とは「損失」の反対であり、「損失」は「悪」であり、「利得」は「善」であり、善なるものを求める人は良い人のはずだ、と主張する。

この議論の間に、友人がソクラテスの議論によってなんだかだまされているかのような気分になり次のように言う。

p.162
「反対にあなたがわたしをあざむいて、わたしにはどちらともわからぬままに、議論の中で上を下へとひっくり返しているのです。」
ここからソクラテスが、題名になっている「ヒッパルコス」という僭主ペイシストラトスの話を突然持ち出す。

ソクラテスの言葉遣いや議論の進め方も乱暴な感じで、あまりプラトンの作品っぽくない。読まなくても良い作品。
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