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Un ballo in maschera (仮面舞踏会) [オペラ イタリア ヴェルディ]


Un Ballo in Maschera [Blu-ray]

Un Ballo in Maschera [Blu-ray]

  • アーティスト: Francesco Meli
  • 出版社/メーカー: C Major
  • 発売日: 2013/05/28
  • メディア: Blu-ray




ストーリー:★★★★★★★☆☆☆
アリア  :★★★★★★★☆☆☆
音楽全体 :★★★★★★★★☆☆

ヴェルディの21作目。「運命の力」「ドン・カルロ」と並んで中期三大傑作と呼ばれているらしい。10数年前にDVDで観たが、その時も素晴らしいと思い、もう一度観たいと思っていたがやはり素晴らしい。

ヴェルディ:歌劇《仮面舞踏会》 (初回限定盤) [DVD]

ヴェルディ:歌劇《仮面舞踏会》 (初回限定盤) [DVD]

  • 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
  • 発売日: 2023/08/09
  • メディア: DVD





前奏曲は静かに始まるが、段々と不穏な空気を持ち始め悲劇的になっていく。

第一幕
第一場
ボストン総督リッカルドを賞賛する人々とそれにまぎれた反逆者たちの陰謀の合唱で幕が上がる。明るく美しいメロディと暗いが綺麗なメロディの絡み合いがとても美しい。
その後、リッカルドが現われ、密かに思いを寄せるアメリアに称える歌を歌うのだがこれが甘く叙情的でとても美しい。その後アメリアの夫で忠臣のレナートが入ってきてリッカルドに反乱のおそれがあることを示唆するがリッカルドは聞き入れない。この暗い場面でもメロディはとても綺麗。
そこへ判事がやってきて、人心を惑わせる占い師ウルリカの追放を求めるが、リッカルドとその忠臣オスカルは聞き入れず、その占い師のところへ行くことに。最後の合唱がとても格好よい。
叙情的かつ、美しいメロディ満載でとても素晴らしい始まり。

第二場
怪しげな女性の占い師の場面。忠実な兵士がまずは占ってもらい、次にヒロインアメリアが占ってもらう。彼女は精神を純化させるためには、遠く危険な場所にある薬草を手に入れなければならないと言われる。リッカルドも占ってもらい、友人によって殺されるであろうと言われる。
ヴェルディのこういう場面にしては、エキゾチック感がなく、「イル・トロヴァトーレ」のような激しく心沸き立たせるようなメロディではないが、伸びやかな美しい旋律が揃っている。


第二幕
アメーリアが薬草を探しに人気のないところへやってきて懺悔の歌を歌う。そこへリッカルド登場。二人で叶わぬ愛の歌を歌う。そこへリッカルド殺害計画があることを知らせに、アメーリアの夫でありリッカルドの忠臣である、レナートがやってくる。レナートはリッカルドを逃がしたところで、殺害者たちがやってくる。ここでリッカルドが逢引していたのは自分の妻アメーリアだったと知り茫然自失となるレナート。
非常に叙情的な歌が多く、緊張感がある場面でも息の長いなめらかな旋律が目立つ。最後の「悲劇が喜劇に変わった」と皆で歌う合唱部分もとても綺麗なメロディ。

第三幕
レナートの家での、レナートとアメーリアの対話から始まる。レナートのかなり激しい音楽は今までの幕とは違って迫力がある。そのあとのアメーリアのアリア、レナートのアリアはこのオペラの白眉。このあと暗殺者たちがやってきてレナートと暗殺計画を立てる。その後リッカルドの遣いで仮面舞踏会の招待状を持ってきたものと、レナート、アメーリアの三重唱になるのだが、明るいメロディ、不安げなメロディ、怒りのメロディが組み合わさって非常に緊迫感のある場面となっている。
いよいよ舞踏会の場面。リッカルドの元に見知らぬ女性からの、暗殺計画があるから逃げてください、という手紙が届く。しかしリッカルドはそのまま仮面舞踏会へ。アメーリアを見つけ愛の二重唱。そこへレナートが登場し殺害。リッカルドはレナートを許すことを告げ、二人のあいだには肉体関係はなかったことを告げ息絶える。皆はリッカルドを称える。緊迫した場面なのだが、音楽は非常に叙情的で美しい。

モーツァルトの『皇帝ティートの慈悲』に物語的にも音楽的にも似ており、緊迫した物語なのに音楽は叙情的で全体を通して美しい。

しかしリッカルドを皆はたたえるが、彼の行為は誤解を招いても当然だしやっぱり最低の行為だと思う。
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