カルミデス [哲学 プラトン]
ソクラテスが戦争から帰ってきて、そのことについて人々に話しているところから始まる。しかもソクラテスの一人称がたりで結構珍しい形態。そこへ美少年のカルミデスが現れ、彼と「克己節制」とは何かという議論をする。
そして
p.76
「それなら、克己節制(健全な思慮)の人だけが自己自身を知っていることになり、自分はまさしく何を知り何を知らないかをしらべあげることができることにもなる。さらに、かれだけが、ほかの人々についても同じようにして考察できることになる~」
という一定の結論に達する。
これは一見すると良いように思えるが、克己節制の人は様々なことが「良いのか悪いのを見極める知」しかないので、それぞれの知識を持った人にはかなわないので、結局は必要とされないのではないのか、という『テアゲス』でもなされた議論と同じような議論になる。
そのままあまり明確な結論もないまま終わる。
初めのうちはそれなりに楽しめたが、後半だれてきた。この作品も70ページ程度の小品で議論の展開も何となくいい加減な感じ。偽作か?
2024-03-25 10:06
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