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皇帝ティートの慈悲 [オペラ ドイツ モーツァルト]


ストーリー:★★★★★★★☆☆☆
アリア  :★★★★★★☆☆☆☆
音楽全体 :★★★★★★★★★☆

慈悲深い皇帝ティート、皇帝の信任厚い部下であり友人であるセスト、基本的にこの二人の主人公を中心に物語は進む。ティートのかつての恋人であり、セストが想いを寄せるヴィッテリアが、皇帝に恨みを抱き、彼を殺すことをセストに頼んだことによって物語は複雑なものになる。

セスト⇒ヴィッテリア⇒ティートという関係に、セストの妹セルヴィリア、その恋人アンニオとティートという関係も混じり合い、複雑な三角関係が展開される。

10数年前に観たときも思ったのだが、そこまで心に残るアリアはないのだが、とにかく音楽全体が澄んでいて清廉で、結構血なまぐさい内容なのにとても綺麗なのが印象的なオペラ。レチタティーヴォもかなり多いが、チェンバロの伴奏に乗って結構綺麗な感じ。前奏曲もそれなりに格好良い。ズボン役含め4人の女性がメインとなって話をすすめるオペラも珍しい。特に第一幕が綺麗。

このDVDでは、メゾ・ソプラノのズボン役でガランチャ、その恋人役でバーバラ・ボニーという二人の美女が出演しており、とてもよかった。
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傲慢と善良 [文学 日本 辻村深月]


傲慢と善良 (朝日文庫)

傲慢と善良 (朝日文庫)

  • 作者: 辻村 深月
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2022/09/07
  • メディア: Kindle版



ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』から題名をとっているのだろうなあというのがすぐわかる題名で、実際物語の中にこの作品が登場する。

婚活小説で、婚活アプリで知り合ったふたりが結婚することになるのだが、突然女性が姿を消してしまい、男性がそれを探すことによって、彼女の過去がわかってくるというもの。

前半は男性視点、後半は女性視点、と視点を変えるのは、『朝が来る』などでもおなじみに手法であるし、焦点を合わせる人物を変えることで、同じ物語でも違った視点で語ることで出来事が重層的に見えてくるというのも『スロウハイツの神様』などでもお馴染み。『島はぼくらと』『青空と逃げる』にも登場した人物たちが出てきたり、地方の活性化なども結構テーマとしてあり、かなり今までの辻村作品の集大成的な感じ。

主人公真美はとっても私は共感できた。彼女ははじめは善良そうに見えるが、段々と傲慢さが見えてくるという書評もあったりするのだが、私はそうは思わず、基本善良なのだろうと思った。

そしてキラキラして、平気で嘘をつく人たちに対する苦手意識などもとても共感できた。

確かに面白い作品であった。

ちなみに、本編とは全く関係がないのだが、文庫版は朝井リョウが解説を書いている。この朝井リョウという作家はかなり人気が高いらしく、あまり批判めいたものを目にしないのだが、私は大嫌いな作家だ。明らかに自分が勝ち組でありそれを誇らしく思っているのだが、そのことをなるべく見せないようにしているのだが、文章の端々からそれがにじみ出ている。弱者に対して寄り添うという感じがこの人には全くなく、まさに「傲慢」そのものというのが彼の書く文章からにじみ出ている。これは村上春樹にも言える。このふたりが人気作家であることがわたしにはよくわからない。
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Op.115 ロシアとキルギスの民謡による序曲 [ショスタコーヴィチ 交響詩]

★★★★★★☆☆☆☆
雄大なロシアの大地を感じさせる序奏で始まる。
少し元気な第一主題。悪魔のダンスをイメージさせる野性的な第二主題。
牧歌的な部分を経て最後はきらびやかに終わる。

悪くはない。
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