作り直し屋 [文学 日本 児童書]
廣島玲子という人の作品が小学生のあいだで流行っているらしい。『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』というシリーズと『十年屋』というシリーズだ。どちらも図書館では予約がいっぱいでなかなか回ってきそうもないので、『十年屋』のスピンオフの本、この『作り直し屋』をまず読んだ。
人びとのいらなくなったものを魔法で使えるものにするという魔女の話。一つ一つが短いエピソードとなっており、確かに子供には読みやすそうだ。パターンも基本的には一緒。強い思いを込めてそのものを大事にしていたが使えなくなってしまったものを持ってきた人、自分の欲望の強さからそのものを持ってきたもの、の二者に分かれる。前者の場合は、基本的に良いものに変わり、ほっこり暖かい感じで終わるが、後者の場合は、結構ひどい感じで終わる。善悪がはっきりしており、道徳的にも良く出来た本であるとは思う。
最後の方で、主人公の魔女が、なぜこのような商売を始めたのかが明かされる章は結構読んでいて面白くはあった。
しかし、わたしにはもう一歩何かが足りない気がした。緊張感というか、ヒリヒリした感じがないのが残念だった。とりあえず、『十年屋』も図書館から届いたら読んでみようとは思うが、恐らく一巻を読めば良いだろうと思う。
2021-05-10 04:49
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